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指定校推薦の面接で聞かれること—志望理由の次に来る「高校で何を学んだか」|武蔵野個別指導塾

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志望理由を言い終えた直後に授業の話を返されても止まらないために、結論・事実・気づき・大学で確かめたいことの順で答えを組み、最近読んだ本と欠席の理由の答え方まで前日の鏡の前で試せる形に並べています。

指定校推薦は、大学が推薦を受け付ける高校を選んで枠を知らせ、その高校の校長から送り出された生徒が出願する入試で、学校推薦型選抜の一つです。文部科学省の実施要項はこの呼び名を使わず、面接の決まりの中で公募をしない型の学校推薦型選抜に触れています。面接で何を聞くかは大学が決めますが、令和9年度の要項が学校推薦型選抜の面接に求めているのは、志望する学問分野への意欲と適性を見ることです。そこから逆算すると、準備しておく問いは、志望理由・高校での学び・出願の書類に書かれたこと・入学後に学びたいこと、そして欠席が判定に響くときのその理由、の5つの束にまとめられます。手が回っていないことがあるのは、何度も書き直してきた志望理由ではなく、その直後に来る「高校で何を学んだか」のほうです。

決まっていること 中身 文書(令和9年度)
面接で見るもの 志望する学問分野への意欲や適性 大学入学者選抜実施要項 第3の1(3)①
指定校推薦に面接があるか 公募をせず、合格したら入学すると確約して受ける型は、面接を置くかどうかを大学が判断できる 同 第3の1(3)①のただし書き
面接の形 必須とされた面接は、評価者がじかに評価し、受験者がその場で答える形。AI面接や紙の質問票では代えられない 実施要項等に関するQ&A(令和8年9月2日更新)Q3-6
欠席の理由 欠席日数が判定に響くときは、必要に応じて面接などで本人に理由を確かめる 同 Q&A Q13-2-2
推薦書 学習歴や活動歴をふまえた学力の三要素の評価と、その後の指導で配慮を要する点を書く 実施要項 第3の1(3)③

よくあるのは、面接の前の日の夜、洗面所の鏡の前でネクタイの結び目を直しながら、志望理由の文を口の中で繰り返している、という場面です。「私が貴学を志望する理由は」から始まる文は、もう一度もつかえずに言えます。ところが鏡の中の自分に「では、高校の授業でいちばん考えたことは何ですか」と聞いてみると、口が止まります。覚えた文の続きに、その答えは書いていないからです。前日の夜にやるべきことは、新しい文をもう一本覚えることではありません。

要項が面接に置いた役目—令和9年度の決まりから問いを読む

令和9年度の大学入学者選抜実施要項は、学校推薦型選抜について、受験者の力を多面的に評価するという趣旨から、志望する学問分野への意欲や適性を面接で評価するよう求めています。ここでいう面接には、討論やプレゼンテーション、口頭試問、オンラインでの実施も含まれます。ただし、高校との連携で丁寧に組み合わせが図られた非公募の型で、合格したら入学すると確約して受けるものは、面接を置くかどうかを大学が実情に応じて判断できます。指定校推薦で面接があるかどうかは、高校に届いた大学の書類の「選考方法」の欄を見ればわかる、ということです(面接の有無の決まりそのものは、この特集の試験内容の回で扱っています)。

面接が置かれているなら、その場で見られるのは何か。要項の第6の3は、小論文や面接などを使う狙いとして、自分の考えを論理的に組み立てる力と、考えた過程や結果を相手に的確に伝える力を挙げています。つまり面接官が知りたいのは、用意してきた結論そのものより、その結論にたどり着くまでの道筋です。志望理由を言い終えた後に「高校で何を学んだか」が続くのは、志望の言葉の裏に、本当に考えた経験があるかを確かめたいからだと読めます。

令和8年9月2日に更新された要項のQ&A(Q3-6)は、面接が必須とされた選抜について、評価者がじかに評価すること、充実した質問に受験者が即時にやりとりで答えること、複数の評価者で評価する体制を整えることを挙げ、AI面接や紙の質問票では代えられないとしています。これは必須とされた面接について書かれたもので、面接を置くかどうかを大学が決められる指定校推薦にそのまま当てはまるとは限りません。それでも、大学の面接が何のための場なのかを示す説明として、準備の向きを決める材料になります。次の問いは、こちらの答えを聞いてから作られる、という前提で備えるのが筋です。

聞かれる中身の手がかりは、大学の手元に届く書類にもあります。推薦書には、大学・学部のアドミッション・ポリシーに照らして、本人の学習歴や活動歴をふまえた学力の三要素の評価を書くよう要項は求めており、努力を要する点など、その後の指導で配慮を要することがあればそれも書かれます。調査書の「指導上参考となる諸事項」には、各教科の学習の所見や部活動、ボランティア、表彰などの要点が箇条書きで入ります。面接で書類の一行を指して「ここをもう少し聞かせてください」と言われても、驚くことではありません。

欠席についても決まりがあります。Q&AのQ13-2-2は、大学が出欠の状況を推薦の要件や判定の材料に使う場合で、欠席日数が判定に影響するときは、必要に応じて面接などで本人に欠席の理由を確かめるという対応を例に挙げています。一方で要項の第13の3(5)は、本人の確認や連絡に要るものを除き、評価や判定に使わない情報を志願者に求めないよう大学に求めています。面接の問いは、学ぶ力と意欲を見るために組まれている、ということです。家の事情など答えにくいことを聞かれて戸惑ったら、面接の後で高校の先生に伝えてください。図1のように、5つの束はどれも「志望する学問への意欲と適性」という中心につながっています。

図1 面接で聞かれる5つの束と、中心にある意欲と適性

面接の形も練習の場も、大学と高校でここまで違う

ここから先は、大学と高校によって中身が変わる部分です。数字や形を決めつけず、自分の場合を書類と面談で確かめていきます。

大学ごとに違うのは、まず面接があるかどうかです。あるとしても、一人ずつの面接か、何人かで話し合う形か、口頭試問やプレゼンテーションを含むか、会場か、オンラインか。時間の長さも、面接官の人数も、志望理由書や活動の報告から何を拾って聞くかも、大学と学部で違います。自分の場合を知るために見るのは、高校に届いた指定校推薦の書類の選考方法の欄と、出願の後に届く受験の案内です。小論文や課題が同じ日にあるなら、その答案や提出物の中身を面接で聞かれる前提で、書いた文章の写しを手元に残しておきます。

面接の日も大学が決めます。外側の枠だけは要項で決まっていて、令和9年度の学校推薦型選抜は、願書の受付が2026年11月1日より前には始まらず、判定の発表は12月1日より前には出ません。Q&AのQ4-2は、エントリーなどの名前を付けていても、選抜としての評価は願書を受け付けた日から後に行うとしています。いまの高3であれば、面接はまさにこの11月から、発表までの間に入ってきます。いまの高2の面接の時期は、令和10年度の要項が公表されてから、試験期日の項で確かめることになります。

高校ごとに違うのは、準備の場のほうです。面接の練習を学校でしてくれるか、誰が面接官の役をしてくれるか、何回できるか。先輩がその大学を受けたときの報告が進路室に残っているか、残っていても生徒が読めるか。推薦書に書かれる中身を本人が知ることができるか。どれも高校によって決まりが違い、公表されていないこともあります。進路の先生との面談で、一つずつ聞いて確かめるしかありません。

面接で配慮が必要な事情がある人もいます。要項は面接を行うにあたって、障害などの特性に配慮するよう大学に求め、配慮の中身を決めるにあたっては、事前に相談できる体制づくりに努め、申請の手続きを明確に示しておくことが望ましいとしています。相談の時期と方法は大学の書類に書かれていることがあるので、その欄を読んだうえで、まず高校の先生に相談してください。

控室での過ごし方にも決まりがかかります。Q&AのQ13-6-1は、面接の待機中に試験室で電子機器を使うことのように要項に例として挙がっていない行為を、大学の判断で不正行為としてよいかという問いに、不正を防ぐ合理的な理由があるものは、受験者に求めることを整理して募集要項などで知らせるよう答えています。最後の見直しをスマートフォンでするつもりなら、まず書類の注意事項を読み、見直し用のメモは紙にしておくのが安全です。

服装と身だしなみ

服装の決まりは、大学の受験の案内に書かれていればそれに従い、書かれていなければ高校の先生の指示を聞いて決めます。制服で行くように言われたら、前日の夜に一度上から下まで着て、ネクタイやリボンの曲がり、襟の汚れ、靴のかかとのすり減り、前髪で目が隠れていないかを、座った姿勢まで鏡で見てください。オンラインの面接なら、画面に映る背景と、家族の声や通知の音が入らない部屋を前日に決めておきます。服装は点を取りにいく場所ではなく、話の中身に面接官の注意を集めるために整えておくものです。

前の日までに作る、答えの骨組み

覚えた文は最初の一往復しかもちません。代わりに用意するのは、どんな角度から聞かれても組み立て直せる骨組みです。順番に進めます。

  1. 自分が出した書類の写しを、机の上に全部並べます。志望理由書、活動の報告、校内選考のときに書いた申込書。面接の答えがこれらの文と食い違わないことが、何より先です。推薦書と調査書を本人が見られるかは高校によるので、見られない場合は、先生に「書類と食い違わないように確かめたい点」を聞いておきます。
  2. 志望する学部のアドミッション・ポリシーと、1年生で受ける授業の名前を、大学の書類やパンフレットから紙に書き出します。要項は、大学が高校で何をどの程度学んできてほしいかをできるだけ具体的に示すよう求めているので、そこに書かれた言葉は面接の問いの元になります。
  3. 5つの束それぞれについて、図2の骨組みで答えを一つずつ作ります。結論を一文、その根拠になる授業や活動の場面、そこで考えが変わった所、大学で確かめたいこと、の4つの箱です。
  4. 骨組みの中の「事実」と「気づき」に向けて、面接官が聞き返しそうな問いを2つずつ考えます。5つの束に2つずつで、口に出して練習する問いは10になります。
  5. 一つの問いにつき、骨組みのメモだけを見て声に出して答え、スマートフォンで録音して聞き返します。覚えた文の言い回しがそのまま出てきたら、メモに戻って言い方を崩します。
  6. 家族か高校の先生に面接官の役を頼みます。聞き手には、答えの中の名詞を一つ拾って「それはどういうことですか」と返してもらいます。三往復目で話が細くならなければ、その骨組みは使えます。
  7. 前日の夜は新しい答えを足しません。骨組みのカードを一度読み返し、服を確かめ、早めに眠ります。

たとえば「高校で何を学んだか」なら、骨組みは次のようになります。結論は「現代文の授業で、反論は相手の主張を正確に言い直すところから始まると知りました」。事実は「評論を読んで、筆者と反対の立場から短くまとめる課題が出たとき、最初の原稿は、筆者が言っていないことに反論していると指摘された」。気づきは「それから、反論を書く前に、相手の主張を一文で言い直せるかを確かめるようになった」。大学で確かめたいことは「法律の文章や判決を読むときにも、同じ読み方が通用するのかを、1年生の演習で試したい」。この形なら、面接官が「どんな評論でしたか」と聞いても「言い直すとき何に困りましたか」と聞いても、箱の一つを開けて話を続けられます。

図2 結論・事実・気づき・大学での学びの順に組む答えの骨組み

図2のように、聞き返しが来やすいのは真ん中の2つの箱です。結論と大学の箱は短くてかまいません。真ん中の箱にだけは、教室の場面を思い出せるだけの具体を残しておいてください。

「最近読んだ本」を聞かれたとき

この問いで見られているのは、本の格ではなく、読んだことで自分の考えがどう動いたかです。選ぶ本は、最後まで読み通したもの、中身を自分の言葉で短く言えるもの、にしぼります。志望する学問に近い本なら話は大学の学びにつながりやすいですが、遠い本でも、読む前と後で考えが変わった本なら十分に答えになります。要約だけ読んだ本や、面接のために題名だけ覚えた本は挙げないでください。「どの場面が印象に残りましたか」の一言で崩れます。

答える順番は、題名と書き手、手に取ったきっかけ、いちばん引っかかった一か所、読む前と後で自分の考えがどう動いたか、の4つです。最後に志望の学問とのつながりを一言添えられればよく、つながりが薄いのに無理に結びつける必要はありません。

点になりにくい答え方

要項が面接に求める中身から逆に見ると、点になりにくい答え方の型が見えてきます。一つ目は、出した書類と食い違う答えです。志望理由書に書いたきっかけと、面接で話すきっかけが違えば、どちらが本当なのかと思われます。二つ目は、暗記した文を再生する答えで、聞き返されたときに同じ文をもう一度言ってしまう形です。三つ目は、学部で学ぶ中身を知らないまま志望を語る答えで、アドミッション・ポリシーや1年生の授業の名前を読んでいれば避けられます。四つ目は「頑張りました」「成長できました」で終わり、場面が一つも出てこない答え。五つ目は、他の大学と比べる言い方や、「高校に枠があったので」という理由の述べ方です。

「面接は形だけ」は本当か—3つの思い込み

一つ目の思い込みは、指定校推薦の面接は顔合わせのようなもので形だけ、というものです。要項は面接を、意欲と適性を見るために置いています。指定校推薦で面接を置くかどうかは大学が判断できますが、置いた以上、その面接は選抜の一部です。校長の推薦を受けた後にも大学の判定が残ることは、この特集の別の回でくわしく扱っています。

二つ目は、回答例を丸暗記しておけば安心、というものです。必須とされた面接についてQ&Aが求めたのは、受験者がその場で即時にやりとりする形でした。次の問いは、こちらが話した中身から作られます。暗記した文は最初の一往復には効いても、二往復目で同じ文を繰り返すと、考えていないことが伝わってしまいます。図2の骨組みを用意するのは、このためです。

三つ目は、わからない問いが来たら、黙るか、知っているふりをするしかない、というものです。要項が面接で見たいとしているのは、考えた過程を伝える力でした。図3のように、問いの意味が取れなければ、どこがわからないかを言って聞き直すほうが、やりとりとして成り立ちます。意味はわかるが答えを知らないなら、知らないと言ったうえで、自分が知っている近い所から考えを話します。知ったかぶりは、次の聞き返しで崩れやすいものです。

図3 詰まったときの分かれ道。聞き直すか、知らないと言って考えるか

欠席や苦手な教科についても同じです。推薦書には努力を要する点が書かれることがあり、欠席が判定に響くときは面接で理由を確かめるとQ&Aにあります。隠すより、事実を短く言い、いまどうしているかを添えるほうが、聞く側には伝わります。

高校の先生に確かめる質問

面接の準備を相談する面談で、上から順に聞いていける問いです。答えを聞いたら、その場でメモに書いておきます。

  1. 「この大学の指定校推薦の書類で、面接は選考方法に入っていますか。個別か集団か、口頭試問やプレゼンテーションを含むかは、書類のどこを見ればわかりますか」
  2. 「先輩がこの大学を受けたときの面接の報告は、進路室に残っていますか。残っていれば、読ませてもらえますか」
  3. 「学校で面接の練習をしてもらえますか。いつまでに、どの先生にお願いすればよいですか」
  4. 「推薦書に書かれる中身を、私が知っておくことはできますか。面接で書類と食い違わないように確かめたい点があります」
  5. 「欠席が多かった学年があります。面接で理由を聞かれたときの話し方と、調査書の備考に何が書かれるかを相談させてください」
  6. 「服装と持ち物について、学校からの指示はありますか。オンラインの面接になったときは、どこで受ければよいですか」
  7. 「控室でスマートフォンを使ってよいかなど、大学の注意事項はどの書類で確かめればよいですか」
  8. 「面接で配慮が必要な事情があります。大学への事前の相談は、いつまでに、どなたを通してすればよいですか」

大学に直接問い合わせたいことが出てきたときも、その前に高校の先生に相談してください。指定校推薦の書類は高校に届いているので、先生がすでに答えを持っていることがあります。

個別指導で確かめること

塾では、出した志望理由書と活動の報告の下書き、評定の表を机に並べ、面接の答えの骨組みが書類と食い違っていないかを一緒に見ます。そのうえで講師が面接官の側に座り、答えの中の言葉を拾って聞き返し、二往復目、三往復目でも話が細くならないかを確かめます。録音を一緒に聞き返し、覚えた文の言い回しが残っている所を見つけて、骨組みのメモに戻します。

まとめ

志望理由の文は、もう十分に言えるはずです。面接の部屋で口が止まるかどうかを分けるのは、その次の「高校で何を学んだか」に、教室の場面で答えられるかどうかでした。前日の鏡に向かって繰り返す言葉を、覚えた文から、あの授業の一場面に替えて眠ってください。

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