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部活や生活の様子は指定校推薦で見られるか—調査書の「特別活動の記録」と「指導上参考となる諸事項」|武蔵野個別指導塾

部活動は調査書の特別活動の記録の3行に入らず、指導上参考となる諸事項に要点だけが載ります。引退した高3の7月から、担任へ渡す3列の活動メモを作る順番も例つきで追えます。
大学に届く調査書には、部活や生活の様子が入る欄が二つあります。ホームルーム活動・生徒会活動・学校行事は「特別活動の記録」に○の形で残ります。部活動やボランティア、表彰、ふだんの行動についての所見は「指導上参考となる諸事項」に要点の箇条書きで入り、何をどこまで書くかは高校が選びます。校内選考でその中身をどう比べるかも高校ごとに違うので、「選ばれる人」の型を探すより、自分の3年間を欄に合う事実の形にそろえておくほうが確かです。
ここでいう指定校推薦は、実施要項の区分では学校推薦型選抜に含まれる受け方です。大学から推薦の枠を示された高校が、校内で選んだ生徒に校長の推薦書をつけて出願させる形を、世間でこう呼んでいます。要項の本文に「指定校推薦」という言葉は出てきません。近い書き方としては、面接の決まりの中に、高校との連携で生徒と大学の組み合わせを丁寧に整えた非公募型の学校推薦型選抜、という言い回しが一度出てくるだけです。
| 令和9年度の実施要項の様式 | 部活や生活の様子が出るところ |
|---|---|
| 調査書の「特別活動の記録」 | ホームルーム活動・生徒会活動・学校行事の3行と学年の列。学校が決めた観点で十分に満足できる状況なら○ |
| 調査書の「指導上参考となる諸事項」 | 学年ごとの欄に、指導要録をもとに要点を箇条書き。部活動・ボランティア・表彰・行動の所見などが入る欄 |
| 推薦書のイメージ例の「推薦理由」 | 大学・学部のアドミッション・ポリシーに対応する学習歴や活動歴をふまえた、学力の三要素の評価 |
| 活動報告書のイメージ例 | 学内の欄の例に部活動・生徒会活動などで取り組んだ課題研究、学外の欄の例にボランティア・大会やコンクール。どちらも活動期間を書く |
よくあるのは、最後の大会を終えて部を引退した高3の7月、夜の部屋でスマートフォンの写真フォルダを3年分さかのぼる場面です。ユニフォーム姿の集合写真、文化祭の前日に段ボールを切っていた教室、体育祭で係のテントに座っていた昼。指定校推薦を考え始めたところで、「この3年間は書類のどこかに残っているのか」「部長でもなかった自分は、選ばれる人に入るのか」と、画面を止めたまま考え込んでしまいます。写真は何百枚もあるのに、どれが書類の言葉になるのかが見えない夜です。
令和9年度の調査書で、部活と生活の様子が載る場所
令和9年度の大学入学者選抜実施要項には、大学へ出す調査書の様式(別紙様式1)がついています。表面は成績の記録で、科目ごとの評定と修得単位数、教科ごとの学習成績の状況、学習成績概評が並びます。部活や生活の様子が出てくるのは裏面です。裏面は上から、総合的な探究の時間の記録、特別活動の記録、指導上参考となる諸事項、備考、出欠の記録の順に区切られ、最後に校長名と記載責任者の欄があります。図1は、このうち活動にかかわる二つの欄を、中身の入っていない枠だけで描いたものです。

図1の左側、特別活動の記録は、ホームルーム活動・生徒会活動・学校行事の3行と、学年の列でできています。調査書記入上の注意によると、学校はまず自分で決めた評価の観点をこの欄に書き、そのうえで活動や行事ごとに、観点に照らして十分に満足できる状況だと判断したときに○をつけます。文章を書きこむマスではありません。全日制の3年間なら3行と3学年で9つのマスがあり、そこから読み取れるのは、学校が掲げた観点の文と、マスごとに○があるか無いかです。役職の名前も、行事で何を受け持ったかも、この欄には書く場所がありません。
観点の決め方は、高校の指導要録の決まり(平成31年3月29日の通知の別紙3)にあります。観点は学習指導要領の特別活動の目標をふまえて各学校が定め、たとえば「主体的に生活や人間関係をよりよくしようとする態度」のように、もっと具体的に定めることも考えられるとしています。さらに、特別活動の学習は学校やホームルームでの集団の活動と生活を対象にしている、という点に気をつけて記入するよう求めています。学級で係を続けたこと、行事の準備で人と動いたことは、ここでは文章ではなく○として表れます。
図1の右側、指導上参考となる諸事項は、第1学年から学年ごとに区切られた欄です。記入上の注意は、指導要録と同じように要点を箇条書きにするなどして、書くことを必要最小限にとどめるよう求めています。生徒の特徴や特技、学校の外での活動は、指導要録に、その後の指導に要る情報として選んで書かれた中身をもとに写すのが原則です。書くことが無ければ無いと明示し、何学年にもまたがる事柄なら学年ごとに分けて書かなくてもよい、ともあります。3年間続けた部活が、学年ごとに3回出てくるとは限らないということです。
指導要録の側で、この欄にあたる「総合所見及び指導上参考となる諸事項」に挙がっている事項は8つあります。教科や総合的な探究の時間の学習の所見、特別活動の事実と所見、行動の所見、進路指導、取得資格、就職している生徒の事業所が、6つ目までです。7つ目が特徴・特技・部活動・学校内外のボランティアなどの活動・表彰を受けた行為や活動・標準化された学力の検査の記録で、8つ目が成長の様子をまとめた所見です。部活動はこの7つ目に入っていて、特別活動の記録の3行には入っていません。生活の様子が文章で書かれうる場所も、この欄の行動の所見です。記入のしかたについては、優れている点や長所、進歩の様子を取り上げるよう留意し、努力を要する点も、その後の指導で特に配慮が要るものがあれば短く書く、と決められています。
調査書の外にも、活動が言葉になる書類があります。同じ要項の推薦書のイメージ例は、学校名と学校長名で大学の学長にあてる1枚です。その推薦理由の欄には、大学・学部のアドミッション・ポリシーに対応する本人の学習歴や活動歴をふまえて、学力の三要素についての評価を書くよう求めています。活動報告書のイメージ例は、学業に関する活動を学内と学外に分けています。学内の例は総合的な探究の時間・部活動・生徒会活動などで取り組んだ課題研究、学外の例はボランティア活動、大会やコンクール、留学や海外経験で、どちらにも活動期間を書く括弧があります。どちらもイメージ例で、要項のQ&Aによれば、推薦書は大学が文言や欄を変えてよく、活動報告書は大学が求めるときに作るものです。要項の本文は、スポーツや文化の活動、ボランティアなどの諸活動を適切に評価することが望ましいと書いていますが、望ましいという書き方なので、どれだけ重く見るかは大学に任されています。
○の物差しも、一行に残す活動も、高校が決めている
図1の枠は同じ様式でも、枠に何を入れるかの物差しは高校ごとです。特別活動の記録の観点は各学校が定めるので、同じ学校行事の○でも、何をもって十分に満足できる状況とみるかは学校によって違います。指導上参考となる諸事項も、指導要録に選んで書かれた中身が元になるため、先生がどの活動を指導に要る情報として拾ったかで、行の中身が変わります。別の高校に通う友だちの調査書と見比べても、自分の高校の書き方の答えにはなりません。
調査書を作るのも高校です。担任の先生などが原案を書き、関係する先生たちの委員会で審議したうえで、校長が作成し、校長の責任で大学へ出します。指導要録も調査書も、先生の手元にある事実から書かれる書類なので、先生が知らない活動は、どちらにも書かれようがありません。学校の外で続けている地域の活動、部とは別に個人で出た大会、学外の講座で取り組んだ研究などは、自分から伝えない限り、材料が先生に届いていないこともあります。いつまでに、だれに、どんな形で伝えればよいかは高校の決まりなので、担任か進路指導の先生に聞いてください。
校内選考も同じです。だれを推薦するかを判断するのは高校の校長で、校内選考で評定のほかに部活・出欠・生活の様子・面談・作文などを見るのか、見るならどんな順で比べるのかは高校が決めます。校内の推薦の要項に書かれている高校もあれば、決め方が公表されていない高校もあります。部長だったかどうかを比べる高校がどれだけあるのかも、外からは数えようがありません。「指定校推薦で選ばれる人」と検索して出てくる人物像が、自分の高校の物差しと重なっている保証はどこにもないのです。
大学の側にも違いがあります。指定校の出願で、調査書と推薦書のほかに活動報告書や大学入学希望理由書のような本人が書く書類を求めるか、面接で活動について聞くかは、大学と学部ごとに違います。推薦理由にアドミッション・ポリシーとの対応を求めるのは要項の決まりなので、学部が何を求めているかによって、同じ部活の話でも推薦理由で生きる部分が変わります。理系の学部が観察や記録の習慣を求めていれば、部の練習日誌をつけ続けたことが前に出るかもしれませんし、人と協働する力を挙げる学部なら、行事の係の話のほうが合うかもしれません。指定校の書類は高校に届くので、大学に問い合わせる前に、まず高校の先生に相談して見せてもらってください。
自分の場合を知るために見る物は、4つにしぼれます。校内の推薦の要項(申込の書類と選考の決まり)、指定校の一覧の条件の欄、高校に届いた大学の募集要項と出願書類の様式、そして進路の先生との面談です。いまの高2の受ける令和10年度分は要項の公表を待つ段階なので、調査書の欄の形が令和9年度と同じかどうかは、要項が出たら確かめてください。
引退した7月に、写真フォルダを3列のメモへ直す
ここからは、今日から手を動かす順番です。図2のように、拾う・表に直す・振り分ける・渡す・話せる形にする、の5つに分けます。保護者の方は、お子さまが日付や大会名を思い出すときの聞き役に回ってください。代わりに書いてしまうと、面接で本人が自分の言葉で話せなくなります。

1つ目は、写真を日付で拾うことです。スマートフォンの写真には撮った日付が残っているので、高1の4月から順にさかのぼり、部活、学校行事、学級や委員会の係、学校の外の活動にかかわる写真に印をつけます。写真が無い活動も、手帳、部の連絡のやり取り、賞状、参加証から日付を拾えます。この段階では良し悪しを選びません。続けた期間がわかることのほうが大事です。
2つ目は、拾ったものを3列の表にすることです。列は「いつ(学年と月)」「何をしたか(事実だけ)」「そこから何を身につけたか」の3つにします。たとえば、ある生徒が吹奏楽部で打楽器を受け持っていたとします。3つのマスは「高2の5月から高3の7月」「楽器の点検表を作り、週1回の点検を部員の当番で回した」「壊れる前に直す段取りを考えるようになった」となります。真ん中の列に感想を入れず、回数や期間、受け持った役のように、先生が確かめられる事実だけを書くのがこつです。
3つ目は、表の行を調査書の欄に振り分けることです。ホームルームの係、生徒会、文化祭や体育祭のような学校行事にかかわる行は、特別活動の記録の側に置きます。部活動、ボランティア、表彰、資格や検定は、指導上参考となる諸事項の側です。総合的な探究の時間で取り組んだ課題研究は、裏面のいちばん上の総合的な探究の時間の記録と、大学が活動報告書を求めるときの課題研究の欄にかかわります。どちらに置くか迷う行は、図3の分かれ道で考え、それでも決まらなければ担任に聞く印をつけておきます。
4つ目は、担任に渡すメモを作ることです。調査書の欄が要点の箇条書きなので、メモも1つの事柄を1行にし、期間・役割・事実の順で書くと読みやすくなります。たとえば「高1の9月から高3の6月まで図書委員。新着の本の紹介カードを月に1回書いた」のような1行です。学校の外の活動は、賞状や参加証の写しを出せるかどうかも含めて、出し方を担任に聞きます。推薦書の材料としてメモを求められたときにも、この表がそのまま下書きになります。
5つ目は、口で話せる形にすることです。推薦書の推薦理由はアドミッション・ポリシーとの対応を求められるので、志望する学部のアドミッション・ポリシーを読み、表の中から学部の学びにつながる行を1つか2つ選んで、つながりを一文にします。たとえば、学校行事で会計の係をして予算の表を作った経験は、数字で物事を考える力を求める学部なら、そこへつながる一文になります。要項は、学校推薦型選抜などで本人が書いた資料を、プレゼンテーションなどを通して積極的に使うよう大学に求めています。書いた行を声に出して説明してみて、つかえるところがあれば、そこはまだ自分の言葉になっていない行です。
途中で部を移った人、やめた人も、期間を正しく表に書いておきます。調査書にどう書かれるかは高校が決めることなので、表から消すより、続けた期間と理由を自分の言葉で言えるようにしておくほうが、面談でも面接でも困りません。
「部長でなければ選ばれない」を、欄の形に照らしてほどく
指定校推薦で見られることについて、検索で出てくる話には、書類の形と合わないものが混じっています。決まりと並べてみると、欄の形を知るだけでほどける思い込みがあります。
1つ目は、部活は特別活動の記録に○で残る、という思い込みです。特別活動の記録の3行はホームルーム活動・生徒会活動・学校行事で、部活動はそこに入りません。部活動が載るとすれば、指導要録の7つ目の事項をもとにした指導上参考となる諸事項の箇条です。図3のように、まずホームルーム・生徒会・行事のどれかに当たるかを考え、当たれば特別活動の記録に置きます。当たらなければ部活・表彰・ボランティアのどれかに当たるかを考え、当たれば指導上参考となる諸事項に置きます。どちらとも言いにくいものは担任に聞くと決めておけば、メモの置き場所で迷いません。

2つ目は、部長やキャプテン、大会の成績がないと選ばれない、という思い込みです。調査書の表にも裏にも、役職を書くための決まったマスはありません。部長だったことは、書かれるとしても指導上参考となる諸事項の1行です。指導要録は、長所や進歩の様子を取り上げるよう求めているので、3年間同じ当番を続けたこと、苦手な場面で役を引き受けたことも、事実として書かれる材料になりえます。校内選考で役職を比べるかどうかは高校の決まりで、外から一般の型を作ることはできません。
3つ目は、生活の様子は細かいことまで全部書かれる、という思い込みです。指導上参考となる諸事項は必要最小限にとどめ、学校の外の活動は指導に要る情報に選んで書く決まりなので、毎日のこまごまとした話が並ぶ欄ではありません。ただし、努力を要する点も、その後の指導で特に配慮が要るものがあれば書かれうる、という決まりも同じ欄にあります。休んだ日数は別の欄の出欠の記録に入ります。素行や停学の扱いは高校と大学の規程で決まるので、推測で語れる話ではありません。
高校の先生に確かめる質問
面談で、そのまま読み上げて聞ける形にしておきます。メモの表を持って行き、聞いた答えはその場で表の余白に書きこんでください。
- 校内選考では、評定のほかに部活や生活の様子も見ますか。見るなら、どの書類や面談で見ますか。
- 特別活動の記録の○は、この学校ではどんな観点で付けていますか。観点の文を見せてもらうことはできますか。
- 学校の外で続けている活動や、個人で出た大会のことを伝えるには、いつまでに、だれに、どんな形で出せばよいですか。
- 賞状や参加証の写しは、校内選考の申込のときに添えますか。それとも求められたときに出しますか。
- 途中で部をやめたり移ったりした場合、指導上参考となる諸事項にはどう書かれますか。
- 推薦書の材料として活動のメモを出すことはできますか。様式や分量の決まりはありますか。
- 志望している学部の指定校の書類に、活動報告書や本人が書く理由書、面接はありますか。書類を見せてもらえますか。
聞きにくいと感じる質問ほど、先に紙に書いておくと口に出しやすくなります。答えが「決まっていない」「その年によって違う」だったときも、それ自体が大事な答えなので、聞いた日付と一緒に残しておいてください。
個別指導で確かめること
教室では、3列のメモと図1の見取り図を机に並べ、どの行がどの欄に向くか、事実と期間が1行で伝わるかを一緒に読み直します。志望学部のアドミッション・ポリシーと照らして推薦理由の材料に向く行を選び、面接で活動を話すときの受け答えも、メモの1行から話を広げる形で声に出して確かめます。評定の表もそばに置き、活動の行と成績の行が同じ人の3年間として読めるかを見たうえで、先生に渡す前の下書きには、言い過ぎた言葉と抜けている期間に印をつけて返します。
まとめ
調査書の上で、3年間の部活と学級での毎日は、学年ごとの○と数行の箇条書きにまで縮みます。縮んだあとにどの事実が残るかを左右する材料は、先生の机より先に、写真フォルダを持っているあなたの手の中にあります。引退した7月の夜、写真の日付を1枚ずつ確かめるところから、3年間は調査書の言葉に近づいていきます。
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