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【地学基礎】化石と地質年代を図解で総まとめ—示準化石・示相化石と放射年代|武蔵野個別指導塾

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アンモナイトは時代を、サンゴは環境を語ります。見分けの条件、親と娘の比から年代を出す半減期の計算、46億年を同じ尺で描いた帯の図まで、例題と練習問題で順に確かめていきましょう。

よくあるのは、保健室の前の長椅子で順番を待ちながらプリントを開き、「河口の地層から出たシジミの化石は時代と環境のどちらの手がかりか」の一問で手が止まるという場面です。アンモナイトは中生代、サンゴは暖かい海と、名前と答えの組み合わせは覚えたはずなのに、問題文が条件の言葉で書かれていると判断の足場がありません。次の行には「親と娘の原子の比が1:3の岩石は何年前のものか」と書いてあり、1/3なのか1/4なのかでまた止まります。

この単元を学ぶと、名前を知らない化石でも条件から示準化石と示相化石を見分けられるようになります。半減期を使って岩石の年代を自分の手で計算でき、46億年の歴史のどこに何が置かれているかも1本の帯としてつかめるようになります。

この単元で押さえること

前の単元で学んだ地層累重の法則や鍵層が「順番」を読む道具だったのに対し、ここで手に入れる時代の物差しの上に、次の単元からは生物と環境の出来事を並べていきます。

基本の考え方

化石は「いつ」と「どんな場所」の2つを語る

化石とは、地質時代に生きていた生物の遺骸や、足跡・巣穴といった生活の跡が、地層の中に残ったものです。生活の跡が残ったものは、とくに生痕化石と呼びます。地層から化石が出たとき、問いは2つあります。その地層はいつできたのか、そしてその場所はどんな環境だったのか。前の問いに答えるのが示準化石、後の問いに答えるのが示相化石です。

示準化石は、古い日記に出てくる流行語にたとえられます。ある1年だけ全国ではやった言葉が書いてあれば、日付がなくても書かれた時期を絞れます。何十年も使われ続けている言葉では絞れず、一つの町でしか通じない言葉では遠くの日記と比べられません。化石でも同じで、次の3つの条件がそろうほど役に立ちます。

  1. 生存期間が短い: 種が現れてから絶滅するまでが短いほど、地層の時代を狭く絞れます。
  2. 分布が広い: 広い範囲に暮らしていたほど、離れた地域の地層を同じ時代のものとして結びつけられます。この結びつけを対比といいます。
  3. 個体数が多い: 数が多いほど、実際に地層から見つかります。どれほど条件がよくても、見つからない化石は手がかりになりません。

代表的な示準化石には、古生代の三葉虫、フズリナ、筆石、中生代のアンモナイト、恐竜、トリゴニア、新生代のカヘイ石、ビカリア、マンモスなどがあります。アンモナイトは仲間全体としては長く続きましたが、次々に新しい種が現れては消えたので、種ごとに見れば生存期間が短く、時代を細かく絞れます。

示相化石は、古い写真に写り込んだ浮き輪のようなものです。撮影の年はわからなくても、そこが水辺だったことは読み取れます。条件は、限られた環境でしか暮らせないこと、現在も近い仲間が生きていて環境を推し量れること、そして暮らしていた場所でそのまま埋もれたことです。流されてきた貝殻は、流れ着いた先の地層に入ってしまうので、その場所の当時の環境を示しません。

示相化石 示す環境
造礁サンゴ 暖かく浅い、澄んだ海
アサリ、ハマグリ 内湾や干潟などの浅い海
カキ 河口に近い浅い海
シジミ 河口や湖
ホタテガイ 冷たく浅い海
ブナ 温帯のやや涼しい陸地

図1のように、横軸に生存期間、縦軸に暮らす範囲をとると、2つの違いが整理できます。左上の「生存期間が短く、広い範囲に暮らした生物」は時代の手がかりに、右下の「長く続いているが、限られた環境でしか暮らせない生物」は環境の手がかりになります。灰色の2つの区画は、どちらの手がかりとしても力が弱い組み合わせです。右上は時代も環境も絞れず、左下は見つかる機会が少なく遠くの地層とも比べられません。

図1 生存期間と暮らす範囲で見分ける示準化石と示相化石

一つの化石が両方の役を果たすこともあります。ビカリアは新第三紀の示準化石ですが、マングローブの茂る暖かい河口付近で暮らした巻貝なので、環境の手がかりとしても読まれます。示準か示相かは化石に貼られた札ではなく、その化石に何を問うかで決まります。

順番で示す相対年代、数字で示す数値年代

地層や化石の新旧の順序で表す年代を相対年代といいます。背の順に並んだ列を見れば、誰が誰より高いかはわかりますが、何cmかはわかりません。地層累重の法則や示準化石で決められるのは、この順序です。

一方、「約何年前」と数値で表す年代を数値年代といいます。身長計で測った値にあたるものです。主に放射性同位体を使って求めるので放射年代とも呼ばれ、絶対年代という呼び方もあります。2つは競争相手ではありません。紀の名前の多くは、放射年代の測定が始まる前に化石と地層の順序をもとに付けられたもので、そこへ後から数値の目盛りが入りました。

半減期は温度や圧力でほとんど狂わない時計

同じ元素でも中性子の数が違う原子を同位体といい、そのうち不安定なものが放射性同位体です。放射性同位体は放射線を出して別の原子に変わっていきます。この変化を放射性崩壊(壊変)と呼び、もとの原子を親(親核種)、変わってできた原子を娘(娘核種)と呼びます。親の原子の数が半分に減るまでの時間が半減期で、同位体の種類ごとに決まっています。

半減期が過ぎるたびに残りが半分になるので、親の割合は1/2、1/4、1/8と減っていきます。化学反応と違って温度や圧力にほとんど左右されないため、マグマが冷えて鉱物ができたときに閉じ込められた親の原子は、その後何億年も同じ歩みで減り続けます。鉱物の中の親と娘の量を測れば、鉱物ができてからの時間を計算できるわけです。

放射性同位体 変わってできる原子 半減期 主な使いみち
炭素14 窒素14 約5700年 数万年前までの木片や骨など
カリウム40 アルゴン40など 約13億年 火成岩などの古い岩石
ウラン238 鉛206 約45億年 非常に古い岩石や鉱物

炭素14は、生物が生きている間は大気や食物から取り込まれて割合がほぼ一定に保たれ、死ぬと取り込みが止まって減るだけになります。そのため、生物の遺骸に残る割合から死後の時間がわかります。

ここで注意したいのは、化石を含む砂岩をそのまま測っても地層の年代は出ないという点です。砂の粒はもっと前にできた岩石のかけらなので、粒の年代はもとの岩石の年代を示します。一方、凝灰岩は火山灰が固まった岩石で、含まれる鉱物はマグマからできたばかりのものなので、噴火のころの年代を示します。そこで、地層にはさまれた凝灰岩や、地層を貫く火成岩の年代を測り、化石の出る地層の年代を上下からはさんで求めます。

地質年代は生物の移り変わりで区切られている

地球が誕生した約46億年前から現在までは、次のように区分されています。

区分 始まり 中の区分
先カンブリア時代 約46億年前 冥王代、太古代(始生代)、原生代
古生代 約5.4億年前(約5億3900万年前) カンブリア紀、オルドビス紀、シルル紀、デボン紀、石炭紀、ペルム紀
中生代 約2.5億年前 三畳紀、ジュラ紀、白亜紀
新生代 約6600万年前 古第三紀、新第三紀、第四紀(約260万年前から)

古生代より前は硬い殻や骨格をもつ生物が少なく、化石が多くは残っていないので、まとめて先カンブリア時代と呼びます。古生代に入ると殻や骨格をもつ生物の化石が一気に増えます。古生代と中生代の境、中生代と新生代の境は、どちらも多くの生物が絶滅して顔ぶれが大きく入れ替わった時期にあたります。古生代、中生代、新生代という名前も、古い生物、中ごろの生物、新しい生物の時代という意味で付けられています。

例題で解き方を確かめる

例題1(用語の見分け)

次のA〜Dのうち、示準化石の条件にあたるものと、示相化石の条件にあたるものを分けなさい。

  1. 問いの向きを決めます。示準化石は「いつ」、示相化石は「どんな環境」に答えるものなので、各文がどちらの問いに役立つかを考えれば、暗記に頼らず分けられます。
  2. AとCを読みます。期間が短いと時代を絞れ、分布が広いと遠くの地層と比べられるので、どちらも「いつ」を答えるための条件です。
  3. BとDを読みます。環境が限られ、その場で埋もれていれば、地層ができた場所の様子を直接語ってくれるので、「どんな環境」を答えるための条件です。

答え:示準化石の条件はAとC、示相化石の条件はBとD。

例題2(表の読み取り)

次の表は、化石P、Q、Rが見つかる時代を○で示したものです(読み取りの練習のため記号で示しています)。ある地層からP、Q、Rがそろって見つかりました。(1)この地層ができたのはどの紀か。(2)3つのうち、示準化石として最も役に立つのはどれか。

化石 カンブリア紀 オルドビス紀 シルル紀 デボン紀 石炭紀 ペルム紀
P ○ ○ ○ ○ ○ ○
Q ○ ○ ○
R ○
  1. 各化石の幅を読みます。同じ地層からそろって出たなら同じ時期に生きていたと考えられるので、まず一つひとつの幅を確かめます。Pは6つの紀すべて、Qはデボン紀からペルム紀まで、Rは石炭紀だけです。
  2. 幅の重なりを取ります。3つが同時に生きていた時期でなければ同じ地層には入らないからです。PとQの重なりはデボン紀からペルム紀まで、そこにRを重ねると石炭紀だけが残ります。
  3. 示準化石の条件と比べます。条件の第一は生存期間の短さなので、幅の最も狭いものを選びます。Rは1つだけでも時代を石炭紀に絞れますが、Pは出てきても古生代のどこかとしか言えません。

答え:(1)石炭紀、(2)R。

例題3(計算とグラフの読み取り)

図2は、最初に親だけがあったとしたときの、親と娘の割合の変化を示しています。半減期が7億年の放射性同位体Xを含む鉱物を調べると、親と娘の原子の数の比は1:3でした。鉱物ができたときに娘はなかったものとして、この鉱物は何年前にできたと考えられますか。

図2 半減期の回数と親と娘の割合の変化を示すグラフ
  1. 比を全体に対する割合に直します。図2の縦軸は全体に対する割合なので、比のままでは読めません。親は1/(1+3)=1/4です。
  2. 図2で親の割合が1/4になる点を探します。曲線の点を左からたどると、半減期2回のところで親が1/4、娘が3/4になり、オレンジ色の縦線の位置で比1:3と一致します。
  3. 時間に直します。半減期1回が7億年で、回数と時間は比例するからです。7億年 × 2 = 14億年となります。

答え:約14億年前。

同じ同位体で比が1:7なら、親は1/8で半減期3回分、21億年前です。親を1としたときの娘の数に1を足し、その値が2、4、8、16のどれにあたるかを見れば回数がすぐに決まります。どれにもあたらない比のときは、図2の曲線から半減期の回数を読み取ります。

例題4(論述)

恐竜の化石を含む地層の年代を知りたいとき、炭素14(半減期 約5700年)で測るのが適さないのはなぜですか。代わりにどのような方法で年代を求めればよいかも含めて説明しなさい。

  1. 時間の長さを比べます。測りたい時間と半減期の桁が合っているかが、方法を選ぶ第一の基準だからです。中生代の恐竜の化石は最も新しいものでも約6600万年前のもので、これは炭素14の半減期の約1万1600回分にあたります。
  2. 残りの量を見積もります。測れる量が残っていなければ計算のしようがないからです。半減期10回分の5万7000年でも親の割合は1/1024にまで減るので、1万回を超えれば測れるだけの量は残りません。
  3. 代わりの方法を考えます。化石を含む砂岩や泥岩そのものを測っても地層の年代は出ないので、上下の凝灰岩や火成岩の年代を半減期の長い同位体で測ります。地層累重の法則により、化石の地層は下の岩石より新しく、上の岩石より古いとわかります。

答え:炭素14は半減期が短く数千万年後には測れる量が残らないため、半減期の長い同位体で上下の凝灰岩などの年代を測り、地層の年代をはさんで求める。

まちがえやすいところと直し方

示準化石の条件を「長く栄えた生物」と書いてしまう

誤った書き方:「示準化石は、長い期間にわたって栄えた生物の化石である。」

どこが違うか:長く栄えた生物は、見つかっても「その長い期間のどこか」としか言えません。「栄えた」という語の印象に引きずられ、時代を絞るという目的を見失った書き方です。例題2のPがまさにこの形で、数は多くても手がかりとしては弱い化石でした。

正しい書き方:「示準化石は、生存期間が短く、分布が広く、個体数が多い生物の化石で、地層の時代を絞るのに使う。」答案を書く前に、その条件で何が絞れるのかを自分に問うと、この誤りは止まります。

親と娘の比をそのまま割合として読む

誤った書き方:「親:娘=1:3なので親は1/3に減った。半減期の回数は1回と2回の間である。」

どこが違うか:1/3は親を娘と比べた値で、最初の量と比べた値ではありません。最初にあった原子は親か娘のどちらかになっているので、全体は1+3=4です。よく似た誤りに「半減期の2倍の時間がたてば親はなくなる」というものもあります。半分が2回で全部と足し算してしまうのですが、減るのはそのときの残りの半分なので、2回では1/4が残ります。

正しい書き方:「親は全体の1/4なので半減期2回分である。」

4つの時代を同じくらいの長さと思い込む

誤った書き方:「地球の歴史の大部分は、化石が多く出る古生代、中生代、新生代である。」

どこが違うか:年表や表は見やすいように行の高さをそろえてあるので、長さまで同じに見えてしまいます。図3は46億年を同じ尺で描いた帯です。図3のように、先カンブリア時代が約88%を占め、古生代は約6%、中生代は約4%、新生代は約1.4%しかありません。恐竜の栄えた中生代も、帯の右端の細い一筋に収まります。

図3 46億年を同じ尺で描いた地質年代の帯

正しい書き方:「地球の歴史の約88%は先カンブリア時代で、古生代より後は約12%にすぎない。」化石が多く見つかることと、時間が長いことは別の話です。

用語のまとめ

用語 意味
化石 地質時代の生物の遺骸や生活の跡が地層中に残ったもの
生痕化石 足跡や巣穴など、生活の跡が残った化石
示準化石 地層の時代を知る手がかり。生存期間が短い、分布が広い、個体数が多い
示相化石 地層ができた環境を知る手がかり。環境が限られる、近い仲間が今も生きている、その場で埋もれた
対比 離れた地域の地層を同じ時代のものとして結びつけること
相対年代 新旧の順序で表す年代
数値年代 「約何年前」と数値で表す年代。放射年代、絶対年代ともいう
放射性同位体 放射線を出して別の原子に変わる同位体
半減期 親の原子の数が半分に減るまでの時間
親と娘 変わる前の原子と、変わってできた原子
先カンブリア時代 約46億年前から約5.4億年前まで。地球の歴史の約88%
古生代 約5.4億年前から約2.5億年前まで
中生代 約2.5億年前から約6600万年前まで
新生代 約6600万年前から現在まで。第四紀は約260万年前から

図4は、代ごとの代表的な示準化石を古い順に並べたものです。テスト前には化石名を手で隠し、図4の見出しの代の名前だけを見て3つずつ言えるか試してください。

図4 代ごとの代表的な示準化石を古い順に並べた表

練習問題

練習1 次の化石を示準化石と示相化石に分け、示準化石には代を、示相化石には示す環境を答えなさい。フズリナ、シジミ、アンモナイト、造礁サンゴ

練習2 地層から出た木片の炭素14の割合が、生きている木の1/8でした。炭素14の半減期を約5700年とすると、この木が枯れたのは約何年前ですか。

練習3 半減期が約13億年のカリウム40について、ある鉱物では、できたときにあったカリウム40の3/4がすでに別の原子に変わっていました。この鉱物ができたのは約何年前ですか。

練習4 逆転のない地層で、アンモナイトの化石を含む砂岩層の真下の凝灰岩は約1.2億年前、真上の凝灰岩は約1.1億年前と測られました。砂岩層の年代をどのように言えるか、化石の示す時代と食い違いがないかも含めて説明しなさい。

答えと解説

練習1の答え:示準化石はフズリナ(古生代)とアンモナイト(中生代)、示相化石はシジミ(河口や湖)と造礁サンゴ(暖かく浅い、澄んだ海)。名前で迷ったら、その化石に「いつ」と「どんな場所」のどちらを問う問題かに戻ります。

練習2の答え:約1万7100年前。1/8は1/2を3回かけた値なので半減期3回分で、5700年 × 3 = 17100年です。

練習3の答え:約26億年前。問題にある3/4は変わった分なので、残っている親は1/4です。半減期2回分で、13億年 × 2 = 26億年となります。変わった分と残った分のどちらが書かれているかを読み分けるのが、この問題の山です。

練習4の答え:砂岩層は約1.2億年前より新しく、約1.1億年前より古いと言えます。地層累重の法則から、下の凝灰岩より後に、上の凝灰岩より前にたまったからです。この範囲は中生代(約2.5億年前から約6600万年前まで)の中にあり、アンモナイトの示す時代と食い違いません。相対年代と数値年代が同じ結論を支え合う形です。

次の単元へのつながりと確かめ方

この物差しは、次の先カンブリア時代の単元からすぐに使います。縞状鉄鉱層や全球凍結の話を読むときに、図3の帯のどのあたりの出来事なのかを確かめると、知識が散らばりません。古生代の三葉虫も中生代のアンモナイトも、図4の列の中身を詳しく見ていく話です。

家で5分あればできる確かめ方を2つ挙げます。

個別指導の場では、計算で止まるお子さまには比を全体に対する割合へ直す分数の段階まで戻り、用語で止まるお子さまには3つの条件を「なぜ必要か」から自分の言葉で言えるかまで戻って確かめます。

まとめ

シジミの貝殻は河口の水の様子をとどめ、鉱物の粒に閉じ込められた原子は億の単位の年月をいまも数え続けています。長椅子で手が止まった一問も、いつの話か、どんな場所の話かと問い直せば動き出します。46億年前から続く時計も、数億年前の海の貝殻も、読み方は問いの立て方ひとつです。

石は黙っているのではなく、問いを持たない人の前でだけ黙っています。

読んで終わりにするか、ここから変えるか。

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