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指定校推薦と英検—出願の条件に入る場合と、校内選考の材料になる場合|武蔵野個別指導塾

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英検の合格が出願の関門になるのは、大学が示す条件欄に英語の資格の行があるときです。校内選考での扱い、調査書の取得資格の記録、証明が届く日から逆に数える準備の順まで、封筒に入れる前に確かめられます。

英検が意味を持つ場面は、二つに分かれます。一つは、大学が高校へ示す条件欄に英語の資格の行があり、持っていなければその枠に手を挙げられない場合です。もう一つは、条件欄には何も書かれていないのに、高校が校内選考で見比べる材料にしたり、調査書や推薦書に書き込んだりする場合です。自分がどちらにいるのかは、高校に届いた一覧の条件欄と、校内の推薦の要項を開くまで決まりません。

ここでいう指定校推薦は、学校推薦型選抜の一つです。大学が推薦を受け付ける高校をあらかじめ選び、そこの校長が推した生徒にだけ出願の道を開きます。文部科学省の実施要項にこの呼び名は出てきません。要項が面接の決まりの例外として触れている、公募をせず、合格したら入学すると約束して受ける学校推薦型選抜が、これに近い形です。

英語の資格にかかわる決まりを、2027年4月に入学する人の選抜に使われる令和9年度の実施要項と、高校の指導要録の決まりから抜き出すと、次のとおりです。

決まり 中身 出どころ
資格・検定試験の結果 大学・学部の特性と必要に応じて、英検やTOEFLのように聞く・読む・話す・書くの4技能を測る試験の結果を使うことが望ましい 令和9年度大学入学者選抜実施要項 第6の4(1)①
受けにくい人への手当て 資格の結果を使わない選抜区分を設ける、個別テストと資格のうち有利なほうを使う、などが望ましい 同 第6の4(1)①
学校推薦型の評価の方法 調査書・推薦書のほかに、個別テスト・共通テスト・小論文や面接など・資格や検定のうち少なくとも1つを使い、募集要項に書く 同 第3の1(3)②
調査書のどこに載るか 指導要録をもとに、指導上参考となる諸事項の欄へ要点を箇条書きにする。指導要録の対応する欄には取得資格の項目がある 同 調査書記入上の注意12、指導要録に記載する事項等(別紙3)
活動報告書のイメージ例 資格・検定の名称、級やスコア、取った年月を書く欄がある 同 参考様式2

よくあるのは、高3の秋、英検の合格証を推薦の書類と同じ封筒に入れようとして、手が止まるという場面です。校内選考の申込書は書き終えていて、担任の先生に渡す封筒も用意できています。ところが、合格証の写しをここに入れてよいのかがわからない。そもそも志望する学部の条件欄に、英語の資格の行はあったのか。夏に配られた一覧を、そのあと一度も開いていないことに、そこで気づきます。握っている合格証より先に確かめるべきなのは、引き出しの奥の一覧のほうです。

令和9年度の実施要項は英語の資格をどう扱っているか

令和9年度の実施要項は、資格・検定試験の結果を入試に生かす話を第6の4にまとめています。英語については、聞く・読む・話す・書くの4技能を測れる試験として英検やTOEFLの名を挙げ、その結果を使う道を示しました。ただし、文の結びは、大学・学部の特性や必要に応じて使うことが「望ましい」という形です。すべての大学のすべての学部に英語の資格を使えと命じた決まりではありません。英検を選抜の中で読むかどうかは、大学が学部ごとに決めます。

同じ項目は、試験を受ける側の事情にも目を向けています。家庭の状況や住んでいる地域によっては、資格・検定試験を受けること自体が重い負担になる人がいます。その人たちの受験の機会を公平に保つために、資格の結果を使わない選抜区分を用意する、大学の個別テストの点と資格の結果のうち有利なほうを使う、といった手当てを望ましいとしています。英検を受けられたかどうかの差が、そのまま合否の差にならないよう、配慮を促しているわけです。

学校推薦型選抜には、もう一つ大事な決まりがあります。調査書や推薦書だけで合否を決めてはならず、評価の方法を少なくとも一つ足して、そのことを募集要項に書くというものです(第3の1(3)②)。足す方法の候補は、大学の個別テスト、共通テスト、小論文や面接など、資格や検定の結果の四つで、英検は四つ目に当たりえます。とはいえ、求められているのは少なくとも一つなので、大学が面接や小論文だけを足すなら、資格はその枠組みの中では使われません。英検が足された方法に入っているかどうかは、大学の書類の選考方法の行を読むまでわかりません。

資格を使う大学には、使い方を前もって示す務めがあります。たとえば個別テストの点の代わりに資格の結果を使うなら、どう換算するのかを受験生にわかる形で明らかにすること。あわせて、結果をどうやって確かめるかを、試験を実施する団体と事前に詰めておくことも望ましいとされています(第6の4(2))。令和9年度の選抜では、入試の方法など基本の事柄を大学が発表する期間は2026年5月27日から7月31日まででした。指定校の細かな条件は、高校へ届く書類に載ります。

では、調査書のどこに英検が載りうるのか。調査書は、高校が指導要録をもとに作り、校長の責任で大学へ出す書類です。資格の記録が入る場所は指導上参考となる諸事項の欄で、指導要録でこれに当たる総合所見の欄には、学習の所見や進路指導の事柄と並んで「取得資格」の項目が立っています。ただし、調査書へは要点を箇条書きにし、必要最小限にとどめることになっています。学校の外の活動は、指導に要るものとして指導要録に精選して書かれた中身をもとにします。大学のほうも、調査書の学習成績の欄だけでなく、ほかの記載も生かして評価するよう求められています(第5の2(1))。

推薦書と活動報告書にも、英語の学習が顔を出す余地があります。推薦書の推薦理由には、大学が掲げる受け入れの方針に照らして、本人のそれまでの学びと活動を評価して書くことになっていて、英語を続けてきた経過はその材料になりえます。活動報告書を出させる大学の場合、要項のイメージ例には資格・検定の欄があり、試験の名前、級やスコア、取った年月を本人が書く形です。実際の様式は、大学の書類で確かめます。図1は、英検の結果が出てきうる場所を四つに分けて並べたものです。

図1 英検の結果が出てくる四つの場所と、出願の前後の分かれ目

図1のように、左の二つ、条件欄と校内選考は、そもそも出願できるかどうかを分ける場所です。右の二つ、調査書と活動報告書は、出願の書類として大学が読む記録です。同じ一枚の合格証でも、左で効くのか右で効くのかによって、準備の締め切りがまったく変わります。

英語の資格を読むのは大学の条件欄か、高校の校内選考か

英検の扱いを決める手は二つあります。出願の要件を決めるのは大学で、その中身は高校に届く大学の書類と、高校が生徒に示す一覧の条件欄に表れます。校内選考で誰を推すかを決めるのは高校で、その決まりは校内の推薦の要項と、進路の先生の説明の中にあります。同じ英検の合格でも、どちらの手の中にあるかで重さがまるで違います。

条件欄に英語の資格の行がある場合、その行は加点ではなく関門です。評定の条件を満たしていても、資格の行を満たさなければ、その枠には手を挙げられません。読むところは四つあります。認められる試験の名前、求める級やスコア、取った時期の期限、そして何を証明として出すか、です。四つのうち書かれていないものがあれば、推して読まずに進路の先生に聞いてください。同じ大学の同じ学部でも、高校ごとに示される条件が同じとは限りません。友だちの高校の一覧や先輩の年の一覧で、自分の条件を代わりにしないことです。

条件欄に資格の行が無い場合、英検は出願の要件ではありません。ただし、高校が校内選考で資格を見るかどうかは別の問題です。評定が並んだときに比べる材料にするのか、面談で話を聞くときに触れるだけなのか、まったく見ないのか。決め方は高校ごとで、校内の推薦の要項に書いていない高校もあります。書いていなければ、聞くほかに知る手はありません。「英検があるから大丈夫」と思い込んだまま希望を出すと、締め切りのあとで材料の出し方を知ることになりかねません。

出願したあと、大学が英語の資格をどう読むかも学部ごとです。資格の結果を評価の方法の一つとして組み込む学部もあれば、面接や小論文を評価の方法に選び、資格は調査書の一行として目を通す学部もありえます。資格の一行にどれだけの重みを置くかまでは、要項は決めていません。重みを知る手がかりは、高校に届いた大学の書類の選考方法の行と、出す書類の一覧です。活動報告書が一覧にあれば、資格の欄に何を書くかを先に考えておけます。

自分の場合を知るために見る物を、順に並べておきます。一つ目は、指定校の一覧の条件欄です。二つ目は、校内の推薦の要項で、申込の締め切りと、申込のときに出す書類の一覧を見ます。三つ目は、高校に届いた大学の書類で、出願の要件、選考方法、出願書類の三つの欄を読みます。四つ目は、進路の先生との面談です。紙に書かれていないことは、ここでしか聞けません。大学に直接たずねたくなったときは、その前に高校の先生に相談してください。

2028年4月に入学する、いまの高2の学年の選抜(令和10年度)については、実施要項がまだ公表されていません。資格・検定試験についての書き方が令和9年度と同じかどうかは、要項が出たら確かめてください。

申込の締め切りから逆に数えて英検の準備を組む

いつまでに英検を取ればよいかは、英検の側ではなく、推薦の側の締め切りで決まります。受けた日ではなく、結果と証明が手元にそろった日で数えるのが要です。順番に進めます。

  1. 条件欄を一字も変えずに書き写します。志望する学部の行に英語の資格の決まりがあれば、試験の名前、級やスコア、取った時期の期限、証明の形を、ノートの一ページに写します。言葉を自分でまとめ直すと、そこに読み違いが入ります。
  2. 校内の推薦の要項から日付を拾います。校内選考の申込の締め切りと、資格の写しを出す欄や提出日があるかを探します。見当たらなければ、そのこと自体を先生への質問に加えます。
  3. 暦を後ろからたどります。いちばん右に大学への出願を置きます。令和9年度の学校推薦型選抜では、出願の受付は2026年11月1日以降に始まり、締め切りの日は大学の書類に書かれます。その左に校内選考の申込の締め切り、さらに左へ、証明が手元に届く日、結果が出る日、受ける日、受検の申込の締め切りを並べます。英検の側の日付は、英検の公式の案内で確かめて書き込みます。
  4. 受ける回を一つに賭けないようにします。締め切りに間に合う回が二つあるなら、早いほうを本番として受けます。届かなくても次の回が残るからです。間に合う回が一つも無ければ、その条件の枠は早めに候補から外し、資格の行が無い枠や、ほかの選抜の日程を探し始めます。
  5. 取れたら、すぐに三つのことをします。合格の書類の写しをとって原本は家の決まった場所にしまうこと、取った年月をノートに書くこと、担任の先生に取ったことを伝え、学校が写しを集める決まりならその形で出すことです。高校が知らない資格は指導要録に載らず、調査書にも出てきません。
  6. 家族と暦を分け合います。受検の申込や証明書の取り寄せには、家庭の手と費用がかかることがあります。保護者の方は、お子さまの暦の右端、つまり出願と校内選考の締め切りを先に知っておくと、申込の段取りで慌てずにすみます。

具体的に考えてみます。高2の3月に先輩の年の一覧を見せてもらい、志望する学部の条件欄に英語の資格の行を見つけたとします。自分の年に同じ行が付くとは限らないので、ここからの手順は備えとして進めます。まず手順1で条件を写し、手順2では、前の年の校内の要項ではなく、自分の学年に配られる要項がいつ出るかを先生に聞きます。日付がわかるまでは、手順3の右側を空けたまま、英検の公式の案内から、受けられる回と結果の出る時期だけを先に書き込みます。右側の日付が入った時点で、間に合う回が二つあるのか一つしかないのかが見えます。勉強の計画は、それが見えてから立てても遅くありません。図2は、この逆算の並びを一本の帯にしたものです。

図2 推薦の締め切りから英検の申込まで逆にたどる帯

図2のように、帯の左の四つは英検の公式の案内で日付が決まり、右の二つは高校と大学の書類で日付が決まります。右の二つを知らないうちは、左の四つをいくら丁寧に調べても、間に合うかどうかは判断できません。だから最初に埋めるのは右端です。

英検をめぐる三つの早合点

一つ目は、英検を持っていれば指定校推薦で有利になる、という思い込みです。条件欄に資格の行が無く、高校も校内選考で資格を見ないなら、英検は推薦を受けられるかどうかの場面では材料になりません。要項も、資格の結果を使うことを大学・学部の必要に応じた望ましい形として書いているだけで、使うかどうかは大学に任せています。有利かどうかを決めるのは、合格証ではなく、自分の高校の一覧と校内の要項です。

二つ目は、英語の評定が条件に届かなくても英検で埋め合わせられる、という思い込みです。大学は、重要だと考える教科を指定して、単位の修得や一定以上の評定を出願の要件にできます(第5の2(2))。英語の評定の行と英語の資格の行は、条件欄の中で別の行です。資格で評定の不足を補えると書かれていない限り、補えるものとして読まないでください。どちらか一方でよいのか、両方が要るのかは、条件欄の書き方を先生と一緒に読んで決めます。

三つ目は、取りさえすれば調査書に自然に載る、という思い込みです。調査書は高校が指導要録をもとに作り、指導上参考となる諸事項の欄は要点を絞って書く決まりです。届け出たとしても、どの資格をどう書くかは高校が決めます。手順5で担任に伝えるのは、載せてもらうための最低限の手続きであって、載ることの約束ではありません。

図3は、手元の英検をどこへ持っていくかを、二つの問いで分けたものです。

図3 条件欄と校内選考の二つの問いで決める英検の行き先

図3のように、最初に見るのは条件欄で、校内選考の扱いはその次です。順番を逆にすると、校内選考の材料をそろえたのに条件欄で出願できない、という空回りが起こります。二つの問いのどちらにも当てはまらないときでも、担任に伝えておくことは無駄になりません。推薦書を書く先生が、英語を続けてきた経過を知る手がかりになるからです。

高校の先生に確かめる質問

英検の合格証の写しを手元に置いたまま、上から順に聞いていけます。返ってきた答えは、条件欄を写したページに書き足してください。

  1. 志望する学部の条件欄に、英語の資格の決まりはありますか。あるなら、認められる試験の名前、級やスコア、取った時期の期限を教えてください。
  2. 資格の証明として何を出しますか。合格の書類の写しでよいのか、実施する団体が出す証明書が要るのかを知りたいです。
  3. 校内選考で、英語の資格を見ますか。見る場合、評定や面談と比べてどのように扱いますか。
  4. 校内選考の申込のときに、資格の写しを出す欄や提出の日はありますか。
  5. 校内選考のあとに結果が出た資格は、調査書や推薦書に書いてもらえますか。いつまでに知らせればよいですか。
  6. 取った資格を学校に届けるときは、誰に、何を出せばよいですか。
  7. 条件の資格が締め切りに間に合わないときは、ほかのどの枠や選抜に切り替えられますか。
  8. 資格の扱いについて大学に問い合わせたくなったときは、先にどなたに相談すればよいですか。

個別指導で確かめること

教室では、条件欄を写したノートと、受検の申込から出願までの暦を机に並べ、締め切りに間に合う回がいくつあるかを一緒に数えます。評定の表も横に置いて、英語の評定の行と資格の行を取り違えていないかを確かめます。英作文の下書きは赤を入れて書き直し、話す練習の受け答えはその場で聞いて、言い直せなかった一文から順に詰めていきます。

まとめ

英検の合格が指定校推薦で生きるかどうかを分けるのは、級の高さでも受かった時期でもなく、条件欄と校内の要項に資格を読む行があるかどうかです。封筒に合格証の写しを入れる前に、引き出しの奥の一覧を出して、その行を指でたどってください。推薦の場面で合格証にどれだけの重さが乗るかは、あなたの高校に届いた一覧の、たった一行が決めています。

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