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小学生の自由研究—学年ごとのテーマとまとめ方|武蔵野個別指導塾

小学1年から6年まで、学年ごとに向く自由研究のテーマと、絵日記から模造紙、レポートへ進むまとめ方を一覧にしました。台所の氷で確かめる例と、親がどこまで手伝うかの線引きも載せています。
| 学年 | 研究のねらい | テーマの例 | まとめの形 |
|---|---|---|---|
| 1、2 年 | よく見て、気づいたことを残す | 氷がとけていく様子、朝顔の花の数、夕方の影の形 | 絵日記か画用紙 1 枚 |
| 3、4 年 | 2 つ以上を比べて、数で記録する | 日なたと日かげの氷、磁石につく物とつかない物、水の量を変えた豆の芽 | 表とグラフを載せた模造紙 |
| 5、6 年 | 条件を 1 つ変えて、予想を確かめる | 塩をかけた氷とかけない氷、振り子の長さと往復の時間、塩水の濃さと物の浮き沈み | 動機から考察までそろえたレポート |
学年が上がるごとに、やることは「見る」から「比べる」へ、そして「条件を変える」へと一段ずつ上がります。テーマは同じ氷でも、1 年生と 6 年生では問いの立て方と記録の形が違います。この表の段階に合わせれば、家にある物で十分に研究になります。
よくあるのは、小学 2 年のお子さまが 8 月の台所で製氷皿から氷を取り出しながら、「どうして台所だと氷はすぐとけるの」と聞いてくる、という場面です。保護者は夕飯の支度の手を止めて、麦茶のコップの中で小さくなっていく氷を一緒にのぞきこみます。そこで「じゃあ、どこに置くといちばん長くもつか、調べてみようか」と返せば、その日の台所がそのまま研究の場所になります。自由研究は、こうした一言から始まることがほとんどです。
テーマの選び方
テーマを選ぶときに最初に決めるのは、題材ではなく「どの段階の研究にするか」です。図1のように、小学生の自由研究には 3 つの段階があります。1、2 年は「見る」段階で、目の前で起きていることをよく見て、絵と短い言葉で残せれば十分です。3、4 年は「比べる」段階で、2 つか 3 つの物を同じやり方で調べ、数や長さで記録します。5、6 年は「条件を変える」段階で、変える条件を 1 つに絞り、先に予想を書いてから確かめます。

この 3 段階は、学校の理科の進み方とも重なります。理科の授業は 3 年生から始まり、1、2 年の生活科では「見つける」「気づく」ことが中心です。だから低学年のお子さまに「条件をそろえて 3 回測ろう」と求めても、研究そのものより作業の指示が多くなってしまいます。逆に 5 年で振り子や物のとけ方を習った後の高学年なら、変える条件とそろえる条件を自分で決められます。学年に合った段階を選ぶと、親が手を出す場面が減ります。
題材は、お子さまが夏休みに実際に触っている物から選びます。台所なら氷、砂糖、塩、卵、野菜の切れ端。ベランダなら朝顔、ミニトマト、洗濯物の乾き方。公園ならセミの抜け殻、影の長さ、滑り台の温度。どれも道具を買い足さずに始められます。迷ったら、「この夏、本人が何度も触った物は何か」を思い出してください。本人が何度も触った物には、本人の問いが隠れています。
ひとつ注意したいのは、題材の面白さより問いの大きさです。「海の生き物について」のような広い題は、調べ物になって終わりやすく、低学年では図鑑の書き写しになりがちです。「麦茶の氷は、どこに置くと長くもつか」のように、答えが数や絵で出る問いにしてください。問いが小さいほど、研究は深くなります。
進め方
進め方の骨組みは、どの学年でも同じ 5 つです。問いを 1 文にする、予想を書く、道具と場所を決める、測って記録する、表にまとめる。違うのは、各段階をどこまで本人がやるかだけです。ここでは台所の氷を例に、学年ごとの進め方を示します。
まず問いを 1 文にします。低学年なら「氷はどうやってとけていくか」、中学年なら「氷は、日なた、日かげ、部屋の中のどこでいちばん長くもつか」、高学年なら「塩をかけた氷は、かけない氷より早くとけるか」です。1 文に収まらない問いは、まだ大きすぎます。
次に予想を書きます。「日かげがいちばん長くもつと思う。理由は、日なたは暑いから」というように、理由を 1 つ添えます。予想は当たらなくてかまいません。当たらなかったときこそ、考察に書くことが生まれます。
道具と場所を決めます。同じ製氷皿で作った同じ大きさの氷を使うこと、同じ皿に 1 個ずつ置くこと、同じ時刻に始めることの 3 つをそろえます。時間はキッチンタイマーか、台所の時計で測ります。低学年のお子さまなら、時計の針の絵を描いて「始めたとき」「とけ終わったとき」を残すだけで十分です。中学年からは、始めた時刻ととけ終わった時刻を数字で書き、引き算で「とけるまでの分」を出します。
測るときは 3 回くり返します。1 回だけだと、たまたま風が吹いた、たまたま皿がぬれていた、といった偶然が結果に入りこみます。3 回測って平均を出せば、偶然の影響が小さくなります。図2のように、場所ごとに 1 回目、2 回目、3 回目と平均の欄を作っておくと、記録の表がそのまま結果の表になります。

図2の数字は記入の例です。たとえば日なたで 25 分、27 分、23 分と出れば、合計 75 を 3 で割って平均は 25 分です。日かげで 38 分、40 分、42 分なら平均 40 分、部屋の中で 55 分、53 分、57 分なら平均 55 分になります。実際の数は、その日の気温や置き場所によって変わるので、必ず自分で測ってください。日なたがいちばん早くとけることが多いですが、冷房のきいた部屋のほうが日かげより長くもつこともあり、そこに本人の発見があります。
記録には、数以外のことも書きます。始めたときの天気、気温計があれば気温、氷の大きさが半分になった時刻、とけた水の様子。低学年なら「はじめ」「とちゅう」「おわり」の 3 枚の絵でかまいません。あとで考察を書くとき、この余白の記録が効いてきます。
高学年が「条件を変える」研究にするなら、変える条件は 1 つに絞ります。塩をかけるかかけないか、を変えるなら、場所と氷の大きさと始める時刻はそろえます。塩をかけた氷は、かけない氷より早く小さくなることが多いです。その理由は中学以降で習う範囲なので、小学生は「こうなった」という結果と、「塩が氷をとかす力があるのかもしれない」という自分の考えを分けて書けば十分です。理由を全部説明できなくても、研究として成り立ちます。
台所で進めるときの安全も、始める前に決めておきます。氷を素手で長く持つと手が痛くなるので、置き換えるときはスプーンか箸を使います。塩や砂糖を使う実験は口に入れない、洗剤やお風呂用の薬品は実験に使わない、と決めてください。お湯を使う、包丁で何かを切る、コンロの火を使う場面があれば、必ず大人と一緒に、大人が火と刃物を持つ形で行います。
まとめ方
まとめの形は、学年の段階に合わせて選びます。1、2 年は絵日記か画用紙 1 枚、3、4 年は表とグラフを載せた模造紙、5、6 年は動機、予想、方法、結果、考察、感想の順に書くレポートです。どの形でも、「何を知りたかったか」「どうやって調べたか」「何が出たか」「それをどう考えたか」の 4 つが入っていれば、研究として読めます。
図3のように、模造紙は左上に題名、その下に動機と方法、真ん中に結果の表とグラフ、右に考察と感想を置くと、読む人の目が左から右へ自然に流れます。見出しは太い黒のペン、本文は細いペン、結果の数は赤か青で書くと、遠くからでも区切りがわかります。文字の大きさは、教室の後ろから題名が読めるくらいを目安にしてください。

グラフは、場所ごとの平均を棒グラフにします。横に場所、縦に分を取り、縦の目盛りは結果のいちばん大きい数より少し上まで引きます。平均の最大が 55 分なら、10 分きざみで 60 分まで、6 つの目盛りです。棒の高さは目盛りに合わせて定規で測って描きます。目盛りを 5 分きざみにすると 12 本の線になって細かすぎるので、結果の数に合わせて刻みを選びます。低学年のお子さまなら、棒グラフの代わりに「とけた順番」を絵で並べるだけでもかまいません。
考察は、結果とは別の欄に書きます。結果は「日なたが 25 分、日かげが 40 分、部屋の中が 55 分だった」という事実、考察は「部屋の中が長くもったのは、冷房で空気が冷たかったからだと思う」という自分の考えです。予想と違ったときは、「予想では日かげが長いと思ったが、部屋の中が長かった。冷房のことを考えていなかった」と、違った理由を書きます。この一段落があるだけで、研究の読みごたえが変わります。
感想は考察の後に短く置きます。「氷を見ているのが楽しかった」でも、「次は冷蔵庫の中でも測りたい」でもかまいません。次に調べたいことが 1 つ書いてあると、読んだ先生が声をかけやすくなります。
レポートにする高学年は、動機の欄に「台所で氷がすぐとけるのが気になった」と、きっかけの場面を 2、3 行で書き、方法の欄にそろえた条件と変えた条件を分けて書きます。写真を貼るなら、始めたときと 20 分後と、とけ終わったときの 3 枚があれば、読む人に経過が伝わります。
うまくいかないとき
3 回の数がばらばらになることがあります。日なたで 25 分、27 分、23 分くらいの差なら、平均を取って進めてかまいません。1 回だけ 50 分のように大きく外れたら、その回に何があったかを思い出します。雲が出た、皿がぬれていた、氷が割れていた。原因が思い当たれば、「3 回目は雲が出たので外れた」と書いて、その回を除いた 2 回の平均を使います。外れた理由を書くこと自体が、立派な考察です。
途中で測り忘れることもあります。とけ終わった時刻を見逃したなら、その回は「わからなかった」と正直に書き、翌日にやり直します。記録を作り直して埋めるより、「1 回目は見逃したので 4 回測った」と書いたほうが、研究としては正しい姿です。
予想と結果が逆になったときに、予想を書き直したくなるお子さまがいます。書き直さないでください。予想が外れたことは失敗ではなく、「予想のときに考えていなかったことが 1 つ見つかった」という結果です。外れた予想と、外れた理由の考察が並んでいる研究は、当たった研究より読みごたえがあります。
雨が続いて日なたが作れない、冷房が止まっていて部屋の中と日かげの差が出ない、ということもあります。そのときは条件を変えます。日なたの代わりに窓際、部屋の中の代わりに玄関、というように、家の中で温度が違いそうな場所を 3 つ選び直せば、研究は続けられます。
よくある質問
1 年生でも 3 回測らないといけませんか
1 回でかまいません。低学年の研究は「見る」段階なので、氷が小さくなっていく様子を 3 枚の絵と一言で残せれば十分です。時計の針を絵に描いて、始めた時刻ととけ終わった時刻を残せたら、それだけで時間の感覚が育ちます。3 回測るのは、数で比べる中学年からでかまいません。
テーマが兄弟で同じになってもいいですか
同じ氷でも、学年が違えば問いと記録の形が変わるので、別の研究になります。2 年生が「とけていく様子を絵にする」、5 年生が「塩の有無で時間を比べる」なら、同じ台所の同じ製氷皿を使っても、まとめは全く違う物になります。ただし、まとめは別々の紙に、それぞれが自分の手で書きます。
調べ物だけの自由研究でもいいですか
学校の指定がなければ、調べ物も自由研究として認められることが多いです。ただ、図鑑や本の書き写しになると、本人の問いが見えなくなります。調べ物にするなら、「調べたことを 1 つ、自分で確かめる」という段階を足してください。氷のとけ方を本で調べたら、台所で 1 回測ってみる。その 1 回分の記録があるだけで、研究の中身が本人の物になります。
親の関わり方と個別指導で確かめること
親の役目は、問いを決めることでも、まとめを書くことでもなく、「測る時刻に声をかける」ことと「道具を一緒にそろえる」ことです。製氷皿を空けておく、タイマーを貸す、日なたの皿を風で飛ばされない場所に置く。この 3 つをしておけば、あとは本人が進められます。親が先に答えを言わない、親が表を書かない、予想が外れても直させない。この線引きを守ると、研究は本人の物として残ります。
個別指導では、本人の記録の表を見ながら、「3 回の数のどれが外れているか」「平均の計算が合っているか」「結果と考察が別の欄に分かれているか」を一緒に確かめます。氷の実験で足し算と割り算を使い、グラフで目盛りを読む作業は、そのまま算数の復習にもなります。研究のテーマが決まらないお子さまには、この夏に何度も触った物を聞くところから始めます。
まとめ
学年ごとに段階を 1 つ選び、問いを 1 文にして、3 回測って表にし、結果と考察を分けて書く。これが小学生の自由研究の全部です。台所の製氷皿から出した氷が 25 分でとけるあいだに、問いと予想と記録の型は、1 年生にも 6 年生にも身につきます。
読んで終わりにするか、ここから変えるか。
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