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自由研究のまとめ方—模造紙とレポートの型|武蔵野個別指導塾

動機、予想、方法、結果、考察、感想の6つの枠で模造紙とレポートを組む手順を、文字の大きさの決め方から棒グラフの目盛り、予想が外れたときの書き方まで、床に広げた一枚から順に追います。
まとめ方は、6 つの枠を順に埋めれば形になります。枠の名前と、そこに書く中身は次のとおりです。
| 枠 | 書くこと | 目安の量 |
|---|---|---|
| 動機 | なぜこのテーマにしたか。きっかけになった一場面 | 3 行 |
| 予想 | 調べる前にどうなると思ったか。そう思った理由 | 2 行 |
| 方法 | 用意した物、手順、そろえた条件、変えた条件 | 5 行と図 1 つ |
| 結果 | 測った数の表とグラフ。自分の考えは書かない | 表 1 つとグラフ 1 つ |
| 考察 | 結果の数からわかったこと。予想と比べてどうだったか | 5 行 |
| 感想 | やってみて思ったこと。次にやりたいこと | 3 行 |
模造紙でもレポート用紙でも、枠の並びは同じです。違うのは、模造紙は 1 枚を離れた所から見せる物で、レポートは手元で順に読む物だということです。この違いが、文字の大きさと枚数の決め方を変えます。
よくあるのは、8 月の終わりに模造紙を床に広げ、色ペンを並べたまま手が止まる、という場面です。実験は終わっていて、ノートには数も書いてあります。それなのに、紙のどこに何を書けばよいかが決まらず、最初の 1 本の線を引けないまま夕方になります。止まる理由ははっきりしていて、紙の上の区分けを決めずに書き始めようとしているからです。先に枠を決め、枠の名前を書き、それから中身を入れる。順番をこの形に変えるだけで、床に広げた一枚は埋まっていきます。
用意するもの
模造紙は 1 枚では足りません。本番の 1 枚と、失敗したときの予備の 1 枚を買っておきます。市販の模造紙は横 788 mm、縦 1091 mm の物が多く、縦に使うか横に使うかで区分けが変わります。縦に使うと枠を縦長に取れて、左の列を上から下へ、次に右の列へと読む順がそのまま目の動きになります。横に使うと表やグラフを広く置けます。どちらでもよいのですが、迷ったら縦です。
道具は、鉛筆と消しゴム、黒の太いペン、色ペン 2 色、長い定規、のりかマスキングテープ、実験の記録ノート、写真を印刷した物、下書き用の A4 の紙を数枚そろえます。色ペンは 2 色までにします。色が増えるほど、どこが大事なのかが見えなくなります。黒で書いて、見出しの下線と、グラフの棒だけに色を使う。これで十分に目立ちます。
図1のように、縦に使う模造紙は、上に題名の帯を 1 本とり、その下を 2 列 3 段に分けます。左の列に上から動機、予想、方法、右の列に上から結果、考察、感想です。題名の帯を 150 mm とると、残りは 941 mm で、3 段に分けるとひと段が 313 mm ほどになります。この線は鉛筆で薄く引き、最後に消します。紙の上に区分けの線が見えているだけで、書く場所に迷わなくなります。

文字の大きさも、紙を広げる前に決めておきます。本文の字を 2 cm 角にすると、横 788 mm の紙では 1 行におよそ 39 字が入ります。2 列に分けた枠の幅は 394 mm なので、ひと枠の 1 行は 19 字ほどです。この数を知っていると、下書きの段階で「この枠に何行入るか」が数えられます。書いている途中で紙が足りなくなる失敗の多くは、この数え方をしていないことから起きます。
レポートにする場合は、A4 の用紙を使います。表紙が 1 枚、本文が 3 枚から 5 枚、表とグラフは本文の中に入れます。手書きでもパソコンでもかまいませんが、グラフだけは定規を使って手で描くと、目盛りの意味が自分の手でわかります。
進め方
書く順は、図2のとおり、動機、予想、方法、結果、考察、感想の 6 つです。この順は、研究をした順と同じです。思いついて、予想して、やってみて、数が出て、考えて、振り返る。読む人も同じ順で読むので、入れ替えないほうが伝わります。

まず題名です。題名には「何を」「どうした」を入れます。「水の実験」では、何をしたのかが見えません。「水の温度を変えると角砂糖がとける時間はどう変わるか」のように、変えた物と測った物を題名に入れると、読む人は最初の 1 行で研究の形をつかみます。15 字から 25 字が目安です。長くなりすぎたら、「水の温度と角砂糖のとける時間」のように、変えた物と測った物だけを残します。
枠の見出しは、枠の名前をそのまま書いてかまいません。「動機」「予想」「方法」「結果」「考察」「感想」の 6 語です。ただし、その下に小さく 1 行、その枠で言いたいことを添えると、読む人の目が止まります。たとえば「考察」の下に「温かい水ほど速くとけた」と添える形です。見出しは、読む人が本文を読まなくても流れをつかめるように付けます。
動機の枠には、きっかけになった一場面を 3 行で書きます。ありがちなのは「おもしろそうだったから」の一言で終わる書き方です。これでは、なぜおもしろいと思ったのかが伝わりません。「麦茶に入れた砂糖が、冷たいとなかなかとけなかった。温かい紅茶ではすぐとけた。温度でどれくらい違うのか、数で確かめたくなった」のように、見た物、思った物、確かめたくなった物の 3 つを順に書きます。
予想の枠は 2 文です。「温かい水ほど速くとけると思う」が 1 文目、「なぜなら、紅茶ではすぐとけたから」が 2 文目です。理由がついていると、考察で予想と比べるときに、理由が合っていたかどうかまで書けます。予想は外れてもかまいません。外れた予想は、考察の材料になります。
方法の枠には、4 つの物を書きます。用意した物の一覧、手順の番号つきの箇条書き、変えた条件、そろえた条件です。変えた条件は 1 つだけにします。この研究なら、変えたのは水の温度だけで、水の量、角砂糖の数、かき混ぜないこと、コップの形はすべてそろえます。そろえた条件を書いておくと、「温度のせいだ」と言える理由になります。日時と部屋の温度も 1 行で入れます。「8 月 20 日、午前 10 時、室温 28 ℃」のような 1 行です。写真か図を 1 つ置くと、文で説明しきれない並べ方が一目で伝わります。温かい水を使うときは、熱いお湯ではなく、お風呂くらいの温度までにして、温度計で測ります。お湯を注ぐときは大人と一緒に行います。
結果の枠は、表が先、グラフがあとです。測った数は、1 回では信用できません。同じ条件で 3 回測って、平均を出します。たとえば、次のような記録になったとします。
| 水の温度 | 1 回目 | 2 回目 | 3 回目 | 平均 |
|---|---|---|---|---|
| 10 ℃ | 175 秒 | 185 秒 | 180 秒 | 180 秒 |
| 25 ℃ | 105 秒 | 115 秒 | 110 秒 | 110 秒 |
| 40 ℃ | 48 秒 | 52 秒 | 50 秒 | 50 秒 |
平均は、3 回の数を足して 3 で割ります。10 ℃ の列なら、175 と 185 と 180 を足して 540、それを 3 で割って 180 です。測った値は家ごとに、使う水や角砂糖によって変わりますから、この数はあくまで書き方の例です。自分で測った数を、自分の表に入れます。結果の枠には、「速かった」「おどろいた」のような自分の考えを書きません。数と表とグラフだけを置きます。考えは、次の考察の枠に取っておきます。
考察の枠は、結果の数を引きながら書きます。「10 ℃ では平均 180 秒だったのに対して、40 ℃ では平均 50 秒で、130 秒短かった」のように、数を 2 つ並べて差を言います。次に、予想と比べます。「温かい水ほど速くとけるという予想のとおりだった」か、「予想と違った」かを、はっきり 1 文で書きます。そのあとに理由を、教科書の言葉で書きます。水の温度が高いほど物がとけやすいことは、理科の教科書に出てくる範囲です。そこから先の、教科書に無い理由は、「〜かもしれない」と、断定しない形で書きます。わからないことを「わからなかった」と書くのも、立派な考察です。
感想の枠は、やってみて思ったことを 2 行、次にやりたいことを 1 行です。「次は水の量を変えてみたい」のように、今回そろえた条件のどれかを、次に変える条件として挙げると、研究が続いていく形になります。
下書きの手順も決めておきます。最初に A4 の紙に、模造紙と同じ区分けを小さく描き、各枠に何行入れるかを書き込みます。次に模造紙に鉛筆で区分けの線を引きます。それから黒ペンで題名と 6 つの見出しだけを先に書きます。見出しが入った紙は、もう「できかけ」の形をしているので、残りの作業が怖くなくなります。本文を鉛筆で薄く書き、読み直して、黒ペンでなぞります。色ペンは最後です。下線とグラフの棒に 2 色を使い、乾いてから鉛筆の線を消します。
まとめ方
模造紙を離れた所から見せるためには、文字の大きさを 3 段階に分けます。題名は 6 cm から 8 cm 角、枠の見出しは 4 cm 角、本文は 2 cm 角です。3 段階あると、教室の後ろからでも、題名と見出しは読めて、近づけば本文が読める、という作りになります。本文を 1 cm 角で書いてしまうと、模造紙なのに近づかないと読めず、模造紙にした意味が薄れます。
レポートの型は、表紙、本文、表とグラフの 3 つです。表紙には題名、学年と組、名前、日付を書きます。本文は 6 つの枠を見出しにして、順に書きます。ひと枠を 1 ページにする必要はありません。短い枠は半ページで終えて、次の枠を続けます。表とグラフは、それを説明している文のすぐ近くに置き、「表 1」「図 1」のように番号をつけて、本文の中で「表 1 のように」と指します。写真には 1 行の説明をつけます。説明の無い写真は、読む人には何の写真かわかりません。
グラフは、変えた条件が 3 つ程度で、それぞれの値を比べるなら棒グラフです。時間がたつにつれて変わる物を測ったなら折れ線グラフです。先ほどの記録を棒グラフにすると、図3のようになります。

棒グラフを描くときの決まりは 5 つです。縦の軸は 0 から始めること。目盛りは等間隔にして、100 秒ごとのような切りのよい数で刻むこと。軸には「秒」「水の温度」のように名前と単位を書くこと。棒の幅と間隔をそろえること。棒の上に平均の値を書くこと。図3では、縦の軸を 0 秒から 200 秒までとり、100 秒ごとに目盛りを入れ、10 ℃ の 180 秒、25 ℃ の 110 秒、40 ℃ の 50 秒を棒の高さにしています。目盛りが等間隔なので、180 秒の棒は 50 秒の棒の 3.6 倍の高さになります。目盛りの間隔を途中で変えると、この比が崩れて、読む人をだますグラフになります。
考察は、3 文の型で書くと形になります。1 文目は「結果では、〜だった」で、数を引きます。2 文目は「これは、〜からだと考えられる」で、教科書の範囲の理由を書きます。3 文目は「ただし、〜」で、今回の実験ではわからなかったことや、測り方の限界を書きます。「ただし、3 回の記録には 10 秒ほどのばらつきがあり、温度のわずかな違いは測れていない」のような 1 文です。この 3 文目があると、考察は一段深くなります。
模造紙に書くときは、文を短くします。1 文は 1 行から 2 行です。レポートなら 3 行の文も読めますが、模造紙では、長い文は途中で目が迷子になります。箇条書きが使える所は箇条書きにし、矢印でつなげる所は矢印にします。読む人が立ったまま読む紙だということを、忘れずに書きます。
うまくいかないとき
紙が途中で足りなくなるのは、いちばん多い失敗です。原因は、下書きで行数を数えていないことです。すでに書いてしまった分は消さず、残りの枠の文を短くして入れます。入りきらない表は、別の紙に書いて貼ります。貼る紙は、模造紙と同じ白を選ぶと目立ちません。
字がゆがんで、右上がりに流れていくのも、よく起きます。鉛筆で薄く横線を引いてから書けば防げますし、ゆがんでしまったあとでも、同じ大きさの白い紙を貼って書き直せます。ペンで書き間違えたときも同じで、紙を貼って上から書きます。模造紙を 1 枚丸ごと書き直す必要はありません。
結果が予想と違ったときに、予想のほうを書き直す人がいます。これはやめます。外れた予想は失敗ではなく、考察の材料です。「予想は温かい水ほど速くとけるだったが、25 ℃ と 40 ℃ の差は思ったより小さかった」のように、予想と結果を並べて、どこがどう違ったかを書きます。違った理由として考えられることを 1 つ 2 つ挙げ、確かめられなかったことは確かめられなかったと書きます。研究として評価されるのは、予想が当たったことではなく、結果を正直に書いて、そこから考えたことです。
3 回の記録がばらばらで、平均を出すのが気が引けるときもあります。そのときは、ばらつきそのものを結果に書きます。「3 回の差が最大で 20 秒あった」と書き、考察で「角砂糖を入れるタイミングがそろわなかったのかもしれない」と理由の候補を挙げます。ばらついた記録を隠して、きれいな数だけを書くほうが、研究としては弱くなります。
写真を撮り忘れたときは、図で代わりにします。コップの並びと、何を変えたかを、簡単な線で描いて、ラベルをつけます。写真より図のほうが、変えた条件がはっきり見えることも多いです。
よくある質問
模造紙とレポート、どちらにすればよいですか
学校の指定があればそれに従います。指定が無いなら、表やグラフが大きくて見せたいなら模造紙、文で説明したいことが多いならレポートです。どちらも、動機から感想までの 6 つの枠は同じですから、先に下書きを A4 で作ってから決めても遅くありません。
文字は手書きでないといけませんか
学校の指定が無ければ、パソコンで打った物を貼ってもかまいません。ただし、題名と見出しは手書きにすると、その紙が自分の物だという顔になります。グラフだけは、一度は定規で手で描くことを勧めます。目盛りを等間隔に刻む手の動きが、グラフの読み方を身につけます。
結果が 1 つしかないときも、表とグラフは要りますか
条件を 1 つしか試していなければ、比べる相手が無いので、グラフは描けません。その場合は、表に 3 回の記録と平均を書き、考察で「条件を増やせば比べられる」と次の課題として書きます。残りの日数があるなら、条件をもう 1 つ増やして測るほうが、まとめははるかに楽になります。
親の関わり方と個別指導で確かめること
書く中身は本人のものです。大人が手伝ってよいのは、模造紙の端を押さえること、写真を印刷すること、「今日は見出しまで」と時間を区切ることです。文を直したくなっても、まず「ここは何が言いたいの」と聞くだけにします。お子さまが口で説明した言葉が、そのまま本文になります。
個別指導では、できあがった紙を一緒に読み、考察が結果の数を引いているか、見出しだけを拾って流れがつかめるか、グラフの目盛りが 0 から等間隔かの 3 つを確かめます。理科と社会の講師が、教科書の範囲で理由が書けているかも一緒に見ます。
まとめ
模造紙を床に広げて止まるのは、書く力が無いからではなく、区分けを決めていないからです。題名の帯と 6 つの枠を鉛筆で引き、見出しを先に入れ、結果は数で、考察は数を引いて書く。外れた予想も、ばらついた記録も、そのまま書けば研究の一部です。6 つの枠が埋まった紙は、その夏に何を確かめたかを、本人の代わりに語ります。
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