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指定校推薦の正式名称と他の言い方—募集要項で「学校推薦型選抜」の中から指定校の枠を見つける|武蔵野個別指導塾

大学入学者選抜実施要項には「指定校」の語が一度も出てきません。令和3年度から使われる学校推薦型選抜の中で、出願できる高校が限られた区分を、募集要項の出願資格の一行から見分けてください。
「指定校推薦」は、文部科学省が年度ごとに定める大学入学者選抜実施要項の用語ではありません。要項にある入試の区分は一般選抜・総合型選抜・学校推薦型選抜の3つです。指定校推薦はそのうちの学校推薦型選抜で、大学があらかじめ指定した高校の生徒だけが、その高校の校長の推薦を受けて出願する形を指す呼び名です。大学の書類で探すときの入口は「学校推薦型選抜」の見出しで、その下のどの区分が指定校の枠かは、区分の名前ではなく出願資格の一行で見分けます。
| 確かめたいこと | 公式の文書に書かれていること | 文書 |
|---|---|---|
| 入試の区分 | 一般選抜・総合型選抜・学校推薦型選抜の3つ | 令和9年度大学入学者選抜実施要項 第3 |
| 「指定校」という語 | 要項にもQ&Aにも出てこない。近い語は「非公募型」で、学校推薦型選抜の面接の決まりに1か所 | 令和9年度実施要項 第3の1(3)①、同Q&A(令和8年9月2日更新) |
| いまの名前の始まり | 令和3年度(2021年4月入学)の要項から「学校推薦型選抜」の名前で書かれている | 令和3年度大学入学者選抜実施要項について(通知) |
| その前の呼び名 | 推薦入試。校長の推薦にもとづき、原則として学力検査を免除する入試と説明されていた | 文部科学省「令和2年度入学者選抜について」 |
| 区分の整理し直し | 令和7年度の要項から、選抜の区分を上の3つに再整理した | 令和9年度実施要項等に関するQ&A Q3-1 |
よくあるのは、高2の秋、進路室の前の掲示板で大学の入試の案内を眺めていて、「学校推薦型選抜」という七文字に目が留まる場面です。部活の先輩から何度も聞いた「指定校」の三文字は、紙のどこにも見当たりません。名前が変わったのか、まったく別の入試なのか。昼休みの終わりのチャイムを聞きながら、スマートフォンに「指定校推薦 正式名称」と打ち込む。迷いの出発点は制度の難しさではなく、高校で使う言葉と大学の書類の言葉のずれにあります。
要項を頭から終わりまで探しても「指定校」の三文字はない
令和9年度(2027年4月入学)の大学入学者選抜実施要項は、令和8年5月27日付けの文部科学省高等教育局長の通知として出されました。入試の方法を定めた第3を開くと、並んでいる区分は一般選抜・総合型選抜・学校推薦型選抜の3つです。学校推薦型選抜の説明の芯は二つあります。出身高校の校長の推薦にもとづくこと。そして、本人が望むだけでは出願できず、その大学・学部で学ぶのにふさわしい生徒かどうかを校長が判断すること。名前の「学校」と「推薦」は、この仕組みをそのまま言葉にしたものです。
要項のPDFを文字にして、改行や空白を詰めて検索しても、「指定校」の語は一度も出てきません。同じ年度のQ&A(令和8年9月2日更新)も同じでした。いちばん近い言葉は、学校推薦型選抜の面接の決まりの中に1か所だけ出てくる「非公募型の学校推薦型選抜」です。高校と大学が緊密に連携して生徒と学部の組み合わせを丁寧に整え、合格したら入学すると本人が約束して受ける形については、面接を置くかどうかを大学が実情に応じて決めてよい。要項はそう書いています。反対に、総合型選抜の説明には、本人の意志で出願できる公募制という性格が書かれています。要項は、自分から名乗り出られる入試と、名乗り出る入口が限られた入試を、公募と非公募の言葉で分けているのです。要項の言葉で言い直すなら、指定校推薦は学校推薦型選抜のうちの非公募型にあたります。
「指定校」という言い方は、推薦を受け付ける高校を大学が指定する、という仕組みから来た呼び名です。要項の外側で、高校の進路室や受験生のあいだで使われている言葉だと考えてください。由来を調べるなら、次の一点を押さえておいてください。公式の文書が区分として名前をつけているのは学校推薦型選抜までで、その中の形の呼び分けは大学の書類と高校の現場それぞれの言葉に任されています。
いまの正式な名前には、はっきりした始まりがあります。令和3年度(2021年4月入学)の実施要項から、学校推薦型選抜の名前で書かれるようになりました。その要項を知らせた通知は、平成29年7月13日に出た「平成33年度大学入学者選抜実施要項の見直しに係る予告」を盛り込んだ、と書いています。令和の元号がまだ無かったころの予告なので、題名は平成33年度のままで、これが令和3年度にあたります。その一つ前の令和2年度について、文部科学省は国公立大学の入試の説明の中で、この入試を推薦入試と呼んでいます。校長の推薦にもとづき、原則として学力検査を免除して調査書を主な資料に判定する入試、という説明でした。同じ説明では、いまの総合型選抜にあたる入試もAO入試と呼ばれています。「いつから」に公式の文書で答えられるのは、この名前の変わり目です。
名前と一緒に中身も動いています。いまの要項は、学校推薦型選抜でも調査書と推薦書だけで合否を決めないよう求めています。教科・科目の個別テスト、共通テスト、小論文・面接・実技検査など、資格・検定試験などのうち少なくとも1つを使い、それを募集要項に書く決まりです。さらに令和7年度の要項から、区分は3つに整理し直されました。それまで別の区分として並んでいた専門学科・総合学科卒業生選抜、帰国生徒選抜・社会人選抜、多様な背景を持った者を対象とする選抜は、選抜の方法に応じて3つのどれかに位置づけることになっています。図1のように、名前の変わり目は令和3年度、区分の整理し直しは令和7年度で、二つは別の出来事です。

図1の右端が、いま出ている最新の要項です。左端の推薦入試の時代の説明を読んだときは、それが令和2年度までの話だと頭の中で印をつけてから読んでください。
大学の書類の呼び名と、進路室の呼び名はそろっていない
要項が決めているのは3つの区分の大枠までで、学校推薦型選抜の中にどんな区分を設け、どう名づけるかは大学に任されています。同じ学校推薦型選抜でも、見出しの言い方、区分の数、並べ方は大学ごとに違います。ある大学の書類の言い方を覚えても、別の大学の書類ではそのまま役に立ちません。覚えておくべきなのは名前ではなく、名前の違う区分を見分ける手がかりのほうです。
要項の言葉と大学の書類の言葉がずれることは、文部科学省も織り込んでいます。令和8年度の要項で、大学が行う学力の試験の呼び方が個別学力検査から教科・科目に係る個別テストへ改められました。そのときQ&Aは、大学の公表資料の文言まで変えることは求めず、受験者が誤解しないよう丁寧に説明してほしいと答えています。推薦の話ではありませんが、要項の言葉が変わっても大学の書類がすぐ同じ言葉になるとは限らない、という確かな証拠です。
大学が外に向けて何を示すかは、要項が決めています。令和9年度の入試では、各大学は試験の教科や評価の方法などの基本を選抜区分ごとに決めて、令和8年5月27日から7月31日までに発表し、ホームページなどで広く知らせるよう努めることになっていました。出願の手続きや募集人員まで書き込んだ募集要項は、令和8年12月15日までに発表します。評価のしかたが違う区分を設けるなら、募集人員を区分ごとに分け、その区分を設けた理由をアドミッション・ポリシーと結びつけて示すことも求められています。公開された書類は、区分ごとに名前と募集人員を並べて読める形が求められている、ということです。
ただし、指定校の枠の書類は、大学から高校に届きます。公開の募集要項に指定校の区分をどこまで載せるかは大学ごとに違います。自分の高校に枠があるかどうかを確かめる場所は、公開の書類ではなく、高校に届いた書類と進路室の一覧です。
高校の側も、言葉は学校ごとです。校内で推薦の候補を決める手続きを何と呼ぶか、申込書や一覧にどんな名前をつけるかは、それぞれの高校が決めています。自分の場合を知るために見る物は四つあります。一つ目は校内の推薦の要項で、校内選考の申込みの手順と、高校がこの入試を何と呼んでいるかがわかります。二つ目は指定校の一覧で、大学・学部・学科と人数、評定などの条件が並びます。三つ目は大学から高校に届く書類で、生徒が直接読めるかどうかは高校の扱いによります。四つ目は担任や進路の先生との面談で、一覧の言葉と大学の書類の言葉の対応を、口で確かめられる場です。
保護者の方の中には、令和2年度までの言い方で推薦入試と呼ぶ方もいます。お子さまの書類に書かれた言葉と、家での会話の言葉を一度並べておくと、出願の時期に話がかみ合います。名前のずれは小さく見えて、締め切りの前の晩に「どの推薦の話をしているのか」で親子がすれ違う原因になります。
募集要項の目次から指定校の枠にたどり着くまで
たどり方は六つの手順に分かれます。見出しを探す、区分を書き出す、出願資格で仕分ける、約束の有無を見る、高校で照らし合わせる、言葉の対応表を残す。順番を入れ替えないのがこつです。
- 入口の見出しを探す。志望する大学の入試の案内か募集要項を開き、目次か区分の一覧で学校推薦型選抜の見出しを探します。区分は名前の響きではなく、要項の3つのどれとして行われるかで決まります。名前に「推薦」の字が入っていても、校長の推薦が要らない入試は学校推薦型選抜ではありません。迷ったら、出願資格の欄に、高校の校長の推薦が条件として書かれているかを見てください。
- 中の区分を書き出す。学校推薦型選抜の見出しの下に並ぶ区分を、ノートに一つずつ書き出します。列は四つです。大学が書いた区分の名前、出願資格の要点、募集人員の書き方、合格したら入学する約束の有無。名前は一字も変えずに写し、自分の言葉に直さないでください。あとで高校の一覧と照らすとき、写したままの名前がいちばんの手がかりになります。
- 出願資格の一行で仕分ける。それぞれの区分で、どの高校の生徒が出願できるかを読みます。要件を満たして校長の推薦があれば、どの高校からでも出せる区分は公募です。大学が指定した高校の生徒に限ると書かれた区分が、指定校の枠の候補になります。公募の区分との違いは、つまるところこの一点です。自分から名乗り出て出願できるのか、大学が高校に入口を渡しているのか。評定の条件や試験の中身は、どちらの区分でも大学が決めて書類に書くものなので、それだけでは見分けられません。
たとえば、ある大学の学校推薦型選抜の見出しの下に、区分が三つ並んでいたとします。一つ目は、評定の条件を満たして校長の推薦があれば、どの高校からでも出願できる区分。二つ目は、専門学科や総合学科で学ぶ生徒に限る区分。三つ目は、大学が指定した高校の生徒に限る区分。三つの名前がどう書かれていても、指定校の枠の候補は三つ目です。二つ目も対象は絞られていますが、絞っているのは学科の種類で、高校の指定ではありません。要件に当てはまる生徒なら、どの高校からでも名乗り出られます。図2の分かれ道を、区分の数だけたどってみてください。

図2で最後に残った箱に「高校で確かめる」と添えたのは、候補を見つけても、自分の高校にその枠が来ているかを確かめる場所は、大学の公開の書類ではなく高校の側にあるからです。続きの手順は、その確かめ方です。
- 約束の有無を見る。指定校の枠の候補にあたる区分が、合格したら入学すると約束して受ける形かを、出願資格や出願書類の欄で確かめます。書類によっては専願という言葉で書かれます。この語は要項にも、入学を辞退したときの納付金の返還を定めた段落に1か所出てきます。塾の案内でも、校内選考を通過したあと、出願してからの辞退は原則できないとお伝えしています。名前を探すこの段階から、約束の重さをノートの列に書き込んでおいてください。
- 高校で照らし合わせる。進路室の指定校の一覧が出たら、ノートの表と並べます。一覧の大学・学部・学科の名前と、自分が書き出した区分を一本の線で結べるかを見ます。結べないもの、公開の書類には見当たらないのに一覧にあるものは、担任か進路の先生に、この枠は大学の書類ではどの区分の名前で呼ばれているのかを聞きます。
- 言葉の対応表を残す。最後に、三つの列の対応表を一枚作ります。要項の言葉(学校推薦型選抜・非公募型)、大学の書類の言葉(写したまま)、高校での言い方(指定校、校内選考など)。高2の秋に一校ぶん作っておけば、高3で志望が増えても列の中身を足すだけで済みます。
お子さまがこの表を作ったら、保護者の方も一度目を通してください。家の会話で使う「推薦」の二文字がどの区分のことなのか、そこで初めてそろいます。表は、面談に持っていく紙としてもそのまま使えます。
「推薦入試」と言ったら古いのか——名前をめぐる三つの思い込み
思い込みの一つ目は、「指定校推薦」が正式名称で、どこかの公式の文書に定義があるというものです。令和9年度の要項にも、そのQ&Aにも「指定校」の語はありません。正式な区分は学校推薦型選抜で、要項の言葉でいえばその中の非公募型にあたる、というのが答えです。大学の書類を読むときに探す見出しを取り違えないために、この上下の関係だけは押さえておいてください。
二つ目は、推薦入試と言うのはまちがいだ、という思い込みです。令和2年度までは、文部科学省自身がこの入試を推薦入試と呼んでいました。会話で使えば今でも十分に通じます。気をつけたいのは調べもののほうです。旧い名前で見つけた説明は、何年度の決まりなのかを確かめてから使ってください。名前が変わる前の説明を、いまの入試にそのまま当てはめると、次の三つ目の思い込みにつながります。
三つ目は、名前が変わっただけで中身は同じで、学力をみる試験は無い、という思い込みです。図3のように、令和2年度の説明では原則として学力検査を免除する入試でした。令和9年度の要項は、調査書と推薦書のほかに学力をみる方法を少なくとも1つ使うよう、大学に求めています。変わっていないのは、調査書を主な資料にするという軸のほうです。何を使うかは区分ごとに大学が募集要項に書くので、指定校の枠でも、自分の区分の選考方法の欄を読まずに試験は無いと決めてかからないでください。

もう一つ、名前に引きずられた早合点があります。公開の募集要項に指定校の区分が見当たらないから、その大学には指定校の枠が無い、と考えることです。指定校の書類は大学から高校に届くもので、公開の書類にどこまで書くかは大学ごとです。枠があるかどうかの答えは、自分の高校の一覧の中にあります。
高校の先生に確かめる質問
面談でそのまま読み上げられる形にしました。答えは、手順6の対応表の「高校での言い方」の列に書き足してください。
- この高校で指定校推薦と呼んでいる枠は、大学の書類では学校推薦型選抜の中のどの区分にあたりますか。
- 指定校の一覧は、いつ、どんな形で見られますか。掲示ですか、配布ですか、面談の場ですか。
- 大学から高校に届いた指定校の書類を、生徒が読むことはできますか。読めない場合、出願資格や選考方法の欄の中身は、どうやって知ればよいですか。
- 同じ大学の学校推薦型選抜に公募の区分もあるとき、校内ではその区分と指定校の枠を、どう分けて扱いますか。
- 校内の推薦の要項で使っている言葉と、大学の書類の言葉が違うところはありますか。違うなら、どの言葉がどれにあたりますか。
- 合格したら入学すると約束する区分かどうかは、どの書類のどの欄を見ればよいですか。
- 私たちの学年が受ける令和10年度の実施要項が出たら、呼び方や区分に変わりがあったかどうかを、どこで知らせてもらえますか。
聞くときは、ノートに写した大学の区分の名前を先生に見せながら尋ねると、話が早く進みます。言葉だけで聞くと、先生と生徒が別の区分を思い浮かべたまま話が終わることがあるからです。
個別指導で確かめること
武蔵境の教室では、生徒が書き出した区分の表と、大学の募集要項の出願資格の欄を机に並べ、一行ずつ読み比べます。指定校の枠が見えてきたら、その先の評定の表、志望理由の下書き、面接の受け答えも、同じ表を横に置いたまま確かめていきます。
まとめ
指定校推薦は進路室で通じる呼び名で、大学の書類の上では、学校推薦型選抜のうち出願できる高校が限られた区分として姿を見せます。探すべきは名前ではなく、出願資格の一行です。掲示板で目に留まったあの七文字は、指定校の枠へ通じる扉の表札でした。
読んで終わりにするか、ここから変えるか。
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