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意味が複数ある英単語の覚え方—二つ目の意味をいつ、どう足すか|武蔵野個別指導塾

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模試の長文で ran a small hotel を「ホテルを走った」と訳したら、二つ目の意味を足す合図です。中心の動きを1行で決めて例文の表に書く手順と、品詞で意味が変わる語の見分け方を身につけましょう。

意味が複数ある英単語は、単語帳に並んだ意味を上から全部覚えるのではなく、最初の意味が英語を見てすぐ言えるようになってから、二つ目を1つだけ足します。足す合図は、長文や和訳で、最初の意味では文が通らなかった日です。足すときは訳語を横に並べず、その語の中心にある動きを短い日本語1行で決め、そこから二つ目の意味へ線を引き、意味ごとに短い例文を1つずつ書きます。品詞が変わると意味が変わる語は、品詞を先に決めてから意味を選びます。中心から線が引けない意味は、無理につなげず、つづりが同じ別の語として覚えたほうが早く身につきます。

よくあるのは、高2の模試の直しで、長文の一文の訳に赤い線が引かれている場面です。答案には、Her grandmother ran a small hotel by the sea. を「祖母は海辺の小さなホテルを走った」と訳した跡が残っています。書きながら変だとは思ったものの、run は中1から知っている語なので、ほかの意味を探そうとは考えなかったのです。単語帳でも run には印を付けず、見出しの下に並ぶ意味は読み飛ばしてきました。知っている語ほど辞書を引かず、引かないから二つ目の意味に出会いません。「知っている単語なのに」という首のかしげ方は、たいていこの形から始まります。

run を「走る」としか読めないのはなぜか

中1で run を「走る」と覚えたとき、その語と訳語は1対1で結びつきます。教科書の最初のほうに出てくる語は、走る場面の絵や会話と一緒に何度も目にするので、run を見た瞬間に「走る」が浮かぶようになります。これは覚えた成果です。困るのは、そのあと同じ語に別の意味が出てきても、最初の訳語が先に浮かび、文のほうを訳語に合わせて読んでしまうことです。「ホテルを走った」という訳は、run の訳語を変えずに、文の意味のほうを曲げた結果です。日本語として変だと気づいても、語の意味を疑う前に「自分の読み方がおかしいのだろう」と考えて、そのまま書いてしまいます。

もう一つの理由は、知っている語に印を付けない習慣です。単語帳で知らない語にだけ印を付けて回すやり方は、量をこなすには正しいやり方です。ただ、そのやり方だと run や save のように中学で習った語は1周目で「知っている」に分けられます。見出しの下に小さく並んだ二つ目の意味は、それきり目に入らなくなるのです。模試の長文には、こうした「知っている語の知らない意味」が何度も出てきます。知らない語なら辞書を引くのに、知っている語は引かないので、訳が合わない理由を自分では見つけられないのです。

英語の語は、日本語の訳語を1つずつ持っているわけではありません。1つの語の中心に動きや様子が1つあり、文の中で何と組むかによって、日本語では別の訳になります。図1のように run の中心を「止まらずに動かし続ける」と決めると、人なら「走る」、機械なら「動く」、バスなら「運行する」、店なら「経営する」になります。4つの訳語をばらばらに覚えるより、中心の1行と、何と組んでいるかを見るほうが、初めて見る文でも意味を組み立てられます。

図1 run の中心の動きから4つの意味へ広がる様子

図1の赤い枠が、冒頭の模試の文で使われていた意味です。ran の後ろに a small hotel という「人が動かし続けるもの」が来ていることに目が行けば、「経営していた」まではあと一歩でした。意味を決める手がかりは、語そのものより、その語の後ろに何が来ているかにあります。人が主語で、後ろに in the park のような場所が続けば「走る」、後ろに店やホテルが来れば「経営する」と読みます。訳語を選ぶ理由は、文の形の中に書いてあるのです。

品詞が変わって意味が変わる語もあります。face は名詞なら「顔」ですが、The hotel faces the sea. のように主語のすぐ後ろに来て、後ろに名詞を従えていれば動詞で、「〜に面している」と訳します。顔をそちらへ向けている、と考えれば中心はつながります。一方で、kind の「親切な」(形容詞)と「種類」(名詞)、fine の「元気な」(形容詞)と「罰金」(名詞)のように、中心から線を引こうとしても無理がある組もあります。こうした語は、つづりが同じ別の語だと割り切ったほうが早く覚えられます。どちらの型でも、長文と和訳でつまずく原因は同じで、最初に覚えた訳語を文に押しつけてしまうことです。

長文の問題では、もう一つ困ることがあります。本文の内容と合う選択肢を選ぶ問題では、本文の語が別の語に言い換えられて出ることがあります。本文が ran a small hotel なら、選択肢では managed a small hotel になっている、という具合です。run を「走る」としか読めないと、選択肢の managed と本文が結びつかず、正しい選択肢を外してしまいます。和訳の問題なら日本語の不自然さで気づけることもありますが、選択肢の問題では、気づくきっかけそのものがありません。

二つ目の意味を足す手順——中心の動きを1行で決め、例文の表に書く

模試や長文の直しの日に、次の5つを順に進めます。教室で始めるときは、5語で20分ほどを目安にしています。部活のある日などで時間が取れないときは、語の数を3つに減らし、手順は省かずに進めてください。手順を削って語の数を残すと、訳語の一覧だけが増えていきます。

  1. 訳が合わなかった語に丸を付ける。直しの答案と問題文を並べ、訳や選択肢を間違えた文の中から、「知っているつもりだった語」に赤で丸を付けます。初めて見た語は別に扱い、ここでは「知っていたのに文に合わなかった語」だけを拾います。1回の直しで5語までにします。それより多く見つかったときは、設問の点に関わった語から先に選びます。
  2. 辞書で品詞を先に見て、文に合う意味を探す。紙の辞書でも電子辞書でもかまいません。最初に見るのは意味ではなく品詞です。その文の中で動詞として使われているのか、名詞なのかを決めてから、その品詞の欄の中で文に合う意味を探します。1語にかける時間は2〜3分にします。それ以上かかるときは、その語の後ろに何が来ているか(人か、物か、場所か)をもう一度見てください。
  3. 中心の動きを短い日本語1行で決める。辞書に並んだ意味を見比べて、全部に通る言い方を自分の言葉で1行にします。たとえば模試の長文に Riding a bike to school saves time. という文があり、save を「救う」と覚えていたので「自転車で通学することは時間を救う」と訳してしまったとします。辞書を引くと、救う、節約する、貯金する、保存する、と並んでいます。全部に通る言い方を探すと「なくならないように守って取っておく」になります。命をなくさないように守れば「救う」です。時間やお金をなくさなければ「節約する」、データを消えないようにすれば「保存する」になります。この1行が決まれば、訳は「自転車で通学すると時間の節約になる」と直せます。3分考えても1行にならない組(kind や fine のような組)は、表の中心の欄に「別の語」と書き、つなげるのをやめます。
  4. 意味ごとの短い例文の表に書く。ノートの1行に1語、欄は「語と品詞」「中心の動き」「最初の意味の短い例文」「二つ目の意味の短い例文」の4つです。例文は5語前後の短いものにし、辞書の例文か、直しの文を短く切ったものを使います。意味は2つまでにします。辞書に5つ並んでいても、表に書くのは最初の意味と、今日の文で出会った意味だけです。
  5. 英語の例文を見て、文の意味を言って確かめる。表の右の2つの欄の日本語を紙で隠し、英語の例文だけを見て、文の意味を日本語で言います。訳語1語ではなく、文として言えたら合格です。確かめるのは、書いた翌日、3日後、1週間後、それと次の模試の前の4回です。表の右の端に日付を書いておけば、開く日を迷いません。3回続けて言えた行には線を引いて終わりにします。

図2のように、5つの手順は左から右へ一方向に進みます。順番を入れ替えないことが大事で、とくに2の「品詞を先に見る」を飛ばして3の中心の1行を決めようとすると、名詞の意味と動詞の意味を1行に押しこもうとして、どちらにも通らない言い方になります。

図2 訳が合わなかった語に二つ目の意味を足す5つの手順

4の表は、たとえば次のような形になります。どの行も、最初の意味の例文と二つ目の意味の例文で、語の後ろに来るものが違っていることを見てください。表を書き終えたら、その違いに鉛筆で下線を引いておきます。

語と品詞 中心の動き 最初の意味の短い例文 二つ目の意味の短い例文
run(動詞) 止まらずに動かし続ける He runs in the park.(公園で走る) She runs a small shop.(小さな店を経営している)
save(動詞) なくならないように守って取っておく She saved a cat.(猫を救った) Riding a bike saves time.(自転車だと時間の節約になる)
miss(動詞) 届くはずのものに届かない、あるはずのものがない I missed the bus.(バスに乗り遅れた) I miss my old friends.(昔の友達に会えなくて寂しい)
face(名詞・動詞) 顔をそちらへ向ける Wash your face.(顔を洗いなさい) The hotel faces the sea.(そのホテルは海に面している)
book(名詞・動詞) 帳面に書きこむ I read a book.(本を読む) I booked a table.(店の席を予約した)

book の行は、名詞の「本」と動詞の「予約する」が離れて見えますが、「帳面に名前を書きこむ」と考えると、予約の台帳に名前を書く場面と結びつきます。こうした結びつけ方は覚えるための手がかりで、正解が1つあるわけではありません。自分が思い出しやすい1行なら、それで十分です。

二つ目の意味を足してよい時期の合図

二つ目の意味を足す時期は、学年より、最初の意味がどれだけ固まっているかで決めます。最初の意味があやふやなまま二つ目を足すと、2つが混ざり、どちらも出てこなくなります。固まっているかどうかは、英語を見て、考えこまずに日本語が出るかで確かめます。出るまでに頭の中で例文を探しているようなら、まだ固まっていません。

今の状態 二つ目の意味は 理由
最初の意味が、英語を見ても出てこない まだ足さない 2つが混ざり、どちらも出なくなる
最初の意味はすぐ言え、長文や和訳で二つ目に出会った その日の直しで足す 出会った文をそのまま例文の表に使える
単語帳に二つ目が載っているが、まだ文で出会っていない 高1と高2の前半は待つ。高2の後半からは1つ足す 文がないと中心の1行が決めにくい。受験の長文が近づいたら先回りする
三つ目より後の意味 文で出会ったときに1つずつ 一度に増やすと、表が訳語の一覧に戻ってしまう

いちばん強い合図は、2行目の「文で出会った」です。訳が合わなかった一文は、二つ目の意味を覚えるための例文として、これ以上ないほど具体的です。どこで間違えたか、なぜ変だと思ったかまで一緒に思い出せるので、単語帳で見た意味より残ります。だから直しの日を逃さず、その日のうちに表へ書きこみます。

二つ目の意味でつまずく4つの形と直し方

1つ目は、単語帳の意味を上から全部覚えようとしてしまう形です。見出しの下に意味が4つあると、4つとも赤シートで隠して唱えます。4つの訳語は互いに似ていないことが多く、次の日には順番もばらばらになります。直し方は、表に書く意味を2つまでと決め、残りは文で出会ってから足すことです。単語帳の意味の欄には、覚えた意味にだけ小さな点を付けておくと、次に開いたとき、どこまで足したかがすぐ見えます。

2つ目は、訳語を書き並べるだけにしてしまう形です。ノートに「run 走る・経営する・動く・運行する」と並べると、見た目は覚えたように見えます。けれど文の中でどの訳語を選べばよいか、その手がかりが1つも書かれていません。直し方は、訳語の前に中心の1行を書き、意味ごとに、その語の後ろに何が来ているかがわかる短い例文を添えることです。run の後ろが店なら「経営する」というように、後ろの語で選べるようになります。

3つ目は、品詞を見ずに訳してしまう形です。The hotel faces the sea. を「ホテルは海の顔」と訳すような答案がこれにあたります。face を名詞だと思いこんだまま、文の形を見ていないのです。直し方は、図3のように、訳す前に品詞を決める手順を1つ挟むことです。主語のすぐ後ろにあって、後ろに名詞が続いていれば、まず動詞を疑います。名詞の訳語で読めなくなったら、辞書の動詞の欄を先に見ます。

図3 face と book は品詞を決めてから意味を選ぶ

4つ目は、つながらない意味まで無理につなげてしまう形です。fine の「元気な」と「罰金」を一本の線で結ぼうとして、こじつけの話を作り、その話のほうを覚えてしまいます。テストのときに話は思い出せても、どちらの意味だったかがあいまいになります。直し方は、3分考えても中心の1行が書けないときは表の中心の欄に「別の語」と書き、2つの意味を別の行に分けることです。He paid a fine. と I’m fine. を、それぞれ別の語として例文ごと覚えます。

確かめの問題

次の3問に答えてください。答えと考え方は、3問のあとにまとめてあります。

問1 次の英文を、leave の意味に気をつけて日本語に訳してください。

Please leave the window open.

問2 次の3つの文の work の意味をそれぞれ答え、3つに通る中心の動きを短い日本語1行で書いてください。

  1. My aunt works at a hospital.

  2. This medicine works well.

  3. This picture is a famous work.

問3 次の2つの文の sound について、品詞と意味をそれぞれ答えてください。

  1. I heard a strange sound from the kitchen.

  2. Your plan sounds interesting.

答えと考え方

問1の答えは「窓を開けたままにしておいてください。」です。leave の最初の意味は「去る」「出発する」ですが、中心は「その場に置いたまま離れる」と決められます。窓を開いた状態に置いて離れる、と読めば「〜のままにしておく」になります。leave の後ろに the window(物)と open(様子)が続いていることが手がかりです。「窓を去る」と訳した人は、中心の1行から考え直してください。

問2の答えは、(a) 働く(病院に勤めている)、(b) 効く(この薬はよく効く)、(c) 作品(有名な作品)です。中心の1行は、たとえば「力を使って、ねらった結果を出す」です。人が力を使えば「働く」、薬が結果を出せば「効く」、働いた結果できた物が「作品」です。(c) だけは a famous の後ろにあるので名詞です。(a) の訳が「働いている」でも「勤めている」でも、中心とつながっていれば正解です。

問3の答えは、(a) 名詞で「音」、(b) 動詞で「〜に聞こえる」「〜のように思える」です。(a) は a strange の後ろにあり、heard の後ろに来るものなので名詞です。(b) は主語 Your plan のすぐ後ろにあり、語の終わりに s が付いていて、後ろに様子を表す interesting が来ているので動詞です。「あなたの計画はおもしろそうだね」と訳せれば正解です。中心を「耳に届く」と考えると、名詞の「音」と動詞の「〜に聞こえる」がつながります。

保護者が家でできること

お子さまが模試の直しをしているとき、「その単語、ほかにどんな意味があるの」と聞くより、「この文では、どういう意味だった」と文ごと聞いてください。意味が複数ある語は、文から切り離すと、どの意味の話をしているのかがぼやけます。文を指さして聞かれると、お子さまは自分で、その語の後ろに何が来ているかを見直します。

確かめ方は、保護者の方が英語を得意でなくてもできます。お子さまが作った例文の表を見せてもらい、英語の例文を1つ読んでもらってから、日本語で意味を言ってもらいます。保護者の方が聞くのは、その日本語が日本語として自然かどうかだけです。「ホテルを走った」のような訳が出たら、「その日本語、ちょっと変じゃない」と一言返せば足ります。正しい訳を教える必要はありません。どこが変かを探すのは、お子さまに任せてください。

言わないほうがよい言葉もあります。「run なんて中1の単語でしょう」は、知っている語の新しい意味に気づいた場面を、恥ずかしい失敗に変えてしまいます。代わりに「知っている語に、新しい意味が見つかったんだね」と言ってください。「単語帳に載っている意味は全部覚えなさい」も避けたい言葉です。表に書く意味は2つまでと決めた手順を崩してしまうので、「今日見つけた意味を1つ、表に足しておこう」と言い換えます。直しのあとに表の行が1つ増えていれば、その日の直しはうまくいっています。

個別指導で確かめること

教室では、直しの答案で訳が合わなかった語を1つ選び、その語の最初の意味が、英語を見てすぐ言えるかまで戻って確かめます。最初の意味が出てこなければ二つ目は足さず、最初の意味を固めるところからやり直します。最初の意味が言えるなら、文の中でその語の品詞を本人が決められるかを確かめ、決められたら中心の1行を本人の言葉で書いてもらいます。二つ目の意味を足したあとは、表の例文とは別の短い文を1つ見せて、同じ意味で読めるかどうかまで確かめます。

まとめ

二つ目の意味は、単語帳の見出しの下で探すものではなく、訳が合わなかった一文の中で見つかるものです。見つけた日に品詞を決め、中心の動きを1行で書き、最初の意味と並べて短い例文を2つ書きます。最初の意味が固まる前には足さず、線が引けない意味は別の語として分けておきます。赤い線の引かれた「ホテルを走った」の一行が、run を二つの意味で読める語に変える、いちばん確かな材料です。

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