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数学のノートのまとめ方—中学生が途中式を残すページの作り方と、解き直しの欄|武蔵野個別指導塾

方程式の答えが合わないとき、どの行で符号を落としたかを自分で探せるノートの作り方。1ページを問題・式・答え・直しに割る線の位置、1行に1回だけ変形する書き方、間違えた式を消さずに残す理由まで、中1の例で追います。
中学生の数学のノートのまとめ方で、最初に決めるのは書き方ではなく場所です。1ページを先に「問題」「式」「答え」「直し」の4つに割り、式の欄には1行に1回の変形だけを書いて、等号を縦にそろえます。間違えた式は消しゴムで消さずに赤の1本線で残し、右の細い直しの欄に正しい式と「どの行で何を落としたか」を1行で書きます。問題の横には×と日付を付け、2〜3日後と1週間後に何も見ずに解き直して、○を足していきます。
よくあるのは、方程式の宿題で答えだけが合わない中学1年の夜という場面です。問題は「4x − 3 = 7x + 12」。ノートに残っているのは最初の式と「x = -3」の2行だけで、その間は消しゴムで何度もこすった跡がうっすら灰色になっています。解答には「x = -5」とあります。どこで符号を取り違えたのかを探そうにも、自分が書いた途中の式はもう紙の上にありません。結局、解答の式を写して赤で丸を付け、次の問題へ進んでしまいました。
なぜそうなるのか
1つ目の理由は、1行の中で2つの変形を同時にしていることです。答えだけが合わない式をさかのぼると、たいていそうなっています。冒頭の式なら、左辺の「-3」を右へ移すことと、右辺の「7x」を左へ移すことを頭の中で一度に済ませ、ノートには結果だけを書く。移項のたびに符号が変わるので、2つの項を同時に動かすと、どちらの符号を変え忘れたのかが紙に残りません。正しくは「-3」が右へ移って「+3」になり、「4x − 7x = 12 + 3」から「-3x = 15」、「x = -5」と進みます。間違えた式では、「-3」を右へ移したのに符号を変えず、「12 − 3」と書いていました。

図1のように、同じ間違いでも、途中の行が残っていれば2行目の「12 − 3」で目が留まります。省いたノートでは、最初の式と答えの間に何もないので、どこを疑えばいいのかから考え直すことになります。
2つ目の理由は消しゴムです。間違えた式をきれいに消して書き直すと、ページは整って見えます。けれど、自分がどこでつまずきやすいのかという手がかりも一緒に消えてしまいます。符号の間違いは、たまたまの不注意に見えて、実は同じ場所で何度も起きます。移項したとき、かっこの前にマイナスがあるとき、負の数をひくとき。消さずに残しておけば、3問目と7問目が同じ型の間違いだったと後から気づけます。消す時間、消しかすを払う時間、紙が毛羽立って次の字が書きにくくなることも、毎日続けば小さくありません。
3つ目は、式を書く場所が決まっていないことです。問題集の余白、ノートの端、前の問題の下に空いたすきま。式があちこちに散らばると、矢印で行き来しているうちに、どの行が次の行につながっているのかが自分でも読めなくなります。等号の位置が行ごとにずれていると、左辺と右辺の境目もぼやけます。移項は項が等号をまたぐときに符号が変わる操作なので、等号を目で追えないノートは、それだけで符号を落としやすいノートです。
4つ目は、答え合わせが○か×かで終わってしまうことです。×を付けて解答の式を写すと、その場では直したつもりになります。ところが、写した式は解答を書いた人の考え方であって、自分がどの行で道を外れたかの記録ではありません。次に同じ型の問題が出たときにノートを開いても、そこには正しい式しかないので、自分の癖は思い出せないままです。
今夜からの手順
用意するのは、いつもの数学のノートと鉛筆、赤ペン1本、定規です。全部の科目のノートを作り直す必要はありません。今夜の数学の宿題の分だけ、次の6段で書いてみてください。
1. ページに縦線を1本、上に横線を1本引く
ノートを開いたら、右端から3分の1ほどの所に、定規で縦に線を引きます。左の広い側が式の欄、右の細い側が直しの欄です。ページのいちばん上の1〜2行の下には横線を引き、その上を日付を書く帯にします。今夜の宿題が5〜6問なら、2ページ分の線を先に引いておけば足ります。かかるのは3〜5分です。

図2がそのページの形です。1ページに入れる問題は、中1の方程式なら3〜4問までにします。詰め込むと直しの欄が狭くなり、間違えたときに書く場所がなくなります。余ったら次のページへ進めばいいだけなので、紙は惜しまないでください。
2. 問題の式をそのまま写し、写したら見比べる
式の欄の1行目には、問題集のページと問題番号、そして問題の式をそのまま写します。中1の方程式は1行で写せる長さのものがほとんどなので、手間はかかりません。写し終えたら、問題集の式と1字ずつ見比べます。答えが合わない式をたどると、解く前の写し間違いだったということがよくあります。「-」を1つ写し落とす、「5x − 4」を「5x + 4」と写してしまう。解き方は合っているのに答えが合わないとき、最初に疑うのはこの1行です。
3. 1行に1回の変形で書き、等号を縦にそろえる
いちばん大事な段です。1行で行う変形は1つだけにします。かっこを外したら1行、移項したら1行、同じ文字の項をまとめたら1行、両辺を同じ数でわったら1行。たとえば「3(x + 2) = 5x − 4」なら、次の4行になります。
- 3x + 6 = 5x − 4(かっこを外した)
- 3x − 5x = -4 − 6(移項した)
- -2x = -10(まとめた)
- x = 5(両辺を -2 でわった)
かっこの中の言葉は説明のために付けたもので、ノートに書く必要はありません。等号は、上の行の等号の真下に書きます。図2の緑の帯がその位置です。等号がそろうと、左辺と右辺の境目がまっすぐな1本の線になり、移項で等号をまたいだ項がどれなのかが目で追えます。
移項した項には、移した先で小さな丸を付けてください。上の例なら、2行目の「-5x」と「-6」に丸です。丸を付けるたびに「符号を変えたか」を自分に聞くことになるので、変え忘れがその場で止まります。
正負の数の計算でも同じ書き方が使えます。「-8 − (-3) × 4」なら、かけ算を先にして「-8 − (-12)」、ひき算をたし算に直して「-8 + 12」、最後に「4」。3行に分けておけば、かっこの前のマイナスをどの行で処理したかが残ります。
4. 答えを四角で囲み、もとの式に入れて確かめる
答えが出たら四角で囲みます。囲んだ答えは、次の問題との境目の目印にもなります。方程式なら、そのすぐ下に、答えをもとの式に入れた確かめを1行だけ書きます。「x = 5」なら、左辺は「3 × (5 + 2) = 21」、右辺は「5 × 5 − 4 = 21」で、両辺が同じ数になるので合っています。
冒頭の場面の「x = -3」で同じことをすると、左辺は「4 × (-3) − 3 = -15」、右辺は「7 × (-3) + 12 = -9」で、そろいません。解答を開く前に、自分で間違いに気づけるのです。1問あたり30秒から1分ほど増えますが、答え合わせで×が付いてから原因を探す時間に比べれば短く済みます。
5. 間違えた行は1本線で消し、直しの欄に正しい式と理由を書く
確かめで両辺がそろわなかったときや、答え合わせで×になったときは、消しゴムを使いません。間違えた行に赤ペンで横に1本線を引きます。2本線や塗りつぶしにはしません。線の下の字が読めることが肝心だからです。
そのうえで、右の直しの欄に正しい式を上から書き直し、最後に理由を1行で添えます。冒頭の場面なら「2行目、-3 を右へ移したのに符号を変えていない」。理由は教科書どおりの言葉でなくて構いません。「マイナスを持ったまま引っ越した」のように、次に自分が思い出せる言い方のほうがノートに残ります。
6. 問題の横に×と日付を書き、解き直すたびに○を足す
最後に、間違えた問題の式の左の余白に×を書き、上の帯の日付と合わせて、いつ間違えたかがわかるようにします。2〜3日後、問題集の式だけを見て、ノートも解答も見ずにもう一度解きます。解けたら×の右に○を1つ足し、解けなかったら直しの欄に戻って、その日の日付で式を書き直します。1週間後にもう一度解いて、×の後ろに○が2つ並んだら、その問題はひとまず卒業です。印の回し方は、失敗の節の図3にまとめました。
学年と時期で変わるところ
中1の数学は、正負の数、文字と式、方程式と、符号を扱う単元が続きます。式が短いうちは1行に1回の変形も苦になりません。この時期にページの割り方を手に覚えさせておくと、2年生以降の長い式で迷いにくくなります。
中2になると、連立方程式で式が2本になり、一次関数ではグラフ、図形では証明が入ってきます。連立方程式は、2本の式に①と②の番号を振り、どちらの式を何倍したかを行の頭に小さく書いておくと、後から追いかけられます。証明では、式の欄を根拠を書く欄として使い、1行に1つの理由を書きます。どこで話が飛んだかを探すやり方は、方程式のときと変わりません。
中3では展開や因数分解、平方根、二次方程式と、1問の途中式が長くなります。ここで初めて、慣れた変形を1行にまとめる線を自分で引き始めます。その線の引き方は、失敗の節の1つ目に書きました。
高校の数学では、1問の途中式が10行を超えることも珍しくありません。右の3分の1を直しに取ると式の欄が窮屈になるので、見開きの左ページを式、右ページを直しにする形に切りかえるとよいでしょう。授業の進みも速くなるので、板書を写すノートと家で解くノートを分け、この割り方は家のノートだけで続けると無理がありません。
時期でいえば、ふだんの宿題ではここまでの6段を全部やります。定期テストの1〜2週間前は、新しい問題に手を広げるより、ノートをめくって×の付いた問題を拾い直す時間を先に取ります。○が2つそろっていない問題だけを解けばいいので、何を解くかで迷う時間がなくなります。夏休みや冬休みのような長い休みは、前の学期のノートを最初から見返し、直しの欄の理由を読み比べる時期です。「符号」「かっこ」「わり算」と、同じ言葉が何度も出てくるなら、それがあなたの間違いの癖です。
よくある失敗と直し方
1行に1回を守ろうとして、宿題が終わらない
途中式を残そうと決めた最初の週に、よく起きます。計算のたびに1行を使うと、もう間違えない所まで書くことになり、宿題にかかる時間が倍近くになります。疲れてやめてしまえば、元の省くノートに戻るだけです。
直し方は、省いてよい変形を自分で決めることです。同じ種類の変形を3〜5問続けて間違えずに書けたら、その変形は次の行とまとめて構いません。たとえば、同じ文字の項をまとめる行と両辺をわる行は、早めに1行にできます。反対に、符号が変わる移項と、かっこの前にマイナスがある式のかっこ外しは、慣れたと思っても1行ずつ残します。間違いが集まるのはこの2つだからです。
直しの欄に、解答の式を写すだけになる
早く終わらせたい日ほど、直しの欄は解答の丸写しになります。理由の1行を書くには、自分の式のどこが違ったのかを見つけなければならず、そこがいちばん面倒だからです。
直し方は、正しい式より先に理由の1行を書くことです。理由が書けないなら、まだ間違いの場所が見つかっていません。そのときは、解答にある正しい答えを、自分の式の各行に上から入れてみます。冒頭の場面なら「x = -5」を入れると、1行目は両辺とも -23 でそろうのに、2行目の「4x − 7x = 12 − 3」は左辺が 15、右辺が 9 でずれます。そろわなくなった最初の行が、間違えた行です。
印が増えるだけで、解き直しが回らない
×と日付は書いたのに、2〜3日後になっても誰も解き直しの日を知らせてくれません。いつやるかが決まっていない解き直しは、新しい宿題に押し出されて消えていきます。

直し方は、解き直しの曜日を先に決めてしまうことです。たとえば水曜と土曜の夜、数学の宿題に入る前の15〜20分を解き直しに充てます。図3のように、当日に×と日付、2〜3日後に何も見ずに解いて○を足し、1週間後にもう一度解きます。間違えたら直しの欄へ戻って書き直し、テスト前には○がそろわない問題だけを解きます。ページを開けば、今日解く問題が印で決まっているので、何を解くかを考える時間はいりません。
よくある質問
中1の途中から始めても間に合いますか
間に合います。始めるのは、次に習う単元の最初のページからで構いません。それまでのノートを新しい割り方で書き直すのはやめてください。書き直しに使う時間があるなら、前のノートで×の付いた問題を3〜4問選んで、新しいページで解き直すほうが役に立ちます。図形の単元の途中から始めるときは、式の欄の上半分に図をかき、下半分に式を書くと収まります。
数学の勉強法として、問題集に直接書き込むのとノートに解くのとでは、どちらがいいですか
家で解くなら、ノートに解くほうをすすめます。問題集に答えを書き込むと、2回目に解くときに答えが目に入ってしまい、何も見ずに解き直すことができなくなるからです。例外は、図形の問題で図に線や角の印を書き込みたいときです。その場合は図だけをノートに写すか、鉛筆で薄く書いて解き直しの前に消します。学校のワークに書き込んで提出する決まりがあるときは、そちらを優先してください。提出の仕方は学校によって違うので、数学の先生に一度聞いておくと迷いません。
高校生になっても同じまとめ方で通用しますか
通用します。加えたいのは、変形の「条件」を書く習慣です。たとえば「x² = 3x」の両辺を x でわると「x = 3」だけが残り、「x = 0」という答えが消えてしまいます。両辺を文字でわるときや、両辺を2乗するときは、その行の横に「x は 0 でない」のような条件を小さく書き添えます。中学では出番の少なかった一言ですが、高校では答えを落とすかどうかを分ける一行になります。
保護者が手を貸すなら
お子さまに「答えが合わない」と言われると、正しい解き方を先に教えたくなります。そこで一度こらえて、「どの行までは合っていそう?」と聞いてみてください。ノートの途中式を、お子さま自身の指で上からなぞってもらうだけで、間違えた行が見つかることがあります。
字のきれいさや、線がまっすぐかどうかは見なくて構いません。消しゴムを使わない書き方なので、赤い線だらけのページになる日もありますが、それは間違いがきちんと残っているしるしです。叱る材料にはしないでください。ノートを毎日点検すると、お子さまにとってノートが見せるためのものに変わってしまいます。見るのは、お子さまが見せてくれたときで十分です。
個別指導で確かめること
方程式で符号の間違いが続く生徒とは、方程式より手前の、正負の数のひき算をたし算に直す所まで戻って、ノートにどう書いているかを横で見ます。間違えた1行を一緒に指でたどり、どの変形で符号が変わるはずだったかを本人の言葉で言えるところまで確かめてから、次の単元に進みます。答えが合ったかどうかより、途中式の何行目で鉛筆が止まるのかのほうを、こちらは見ています。
まとめ
消しゴムでこすった夜の式は戻ってきません。赤の1本線の下に残した「12 − 3」なら、次のテストの前の晩にもう一度読めます。直しの欄に書いた「マイナスを持ったまま引っ越した」の一言は、同じ型の式に出会うたびに先回りして待っています。x = -5 への道を覚えているのは解答集ではなく、あなたのノートの2行目です。
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