
武蔵野個別指導塾の特徴
共通テスト数学が70分で終わらないのは計算か、読む量か—会話文の問題で時間が消える所を見つける|武蔵野個別指導塾

令和8年度の数学I,数学Aは第2問だけで10ページあり、太郎さんと花子さんの会話もそこにありました。余白に三つの時刻を書けば、70分が読む・計算・前の答えのどこで消えたかを1回の過去問で突き止められます。
共通テストの数学が終わらない原因は、計算か読む量かのどちらか一つに決まっているわけではなく、人によっても大問によっても違います。数学①・数学②はどちらも70分100点で、1点あたりに直すと42秒です。小問ごとに使った時間を「読む」「計算する」「前の答えを使う」の三つに分け、この42秒の物差しと比べると、時間が消えた所は1回の過去問で見えてきます。会話文の大問で手が止まる人は、計算の練習を増やす前に、読む時間と前の答えを探して戻る時間を疑ってください。
測る前に押さえておく決まりと、塾で問題冊子を開いて確かめたことを並べます。
| 見た項目 | 公表の中身 | 載っている文書 |
|---|---|---|
| 時間と配点 | 数学①・数学②とも70分100点。いまの高2が受ける令和10年度試験も同じ | 令和9年度・令和10年度「出題教科・科目の出題方法等」 |
| 問題の作り方 | 事象を数理的に捉え、見通しを立て、解決の過程を振り返る問いを重視する | 令和10年度「問題作成方針」の数学 |
| 問題の分量 | 試験時間に見合う分量になるよう配慮する | 同じ方針の「問題の分量・程度」 |
| 会話の題材 | 令和8年度は『数学I,数学A』の第2問と、数学②の第2問・第4〜6問に太郎さんと花子さん | 令和8年度 本試験の問題冊子(塾が確かめた) |
| 同じ記号の2度目 | 原則として2度目から細字で示す | 令和8年度 問題冊子の解答上の注意 |
よくあるのは、模試の数学①が終わって問題冊子を閉じたとき、最後の大問のページにだけ一つも書き込みが無かった、という場面です。高2の秋、太郎さんと花子さんが話し合う大問を読み返し、表とグラフのページを行ったり来たりしているうちに、終了の合図が来ます。本人は「計算が遅いから」と言いますが、余白の途中式は思ったほど多くありません。70分のどこで何分使ったのか、本人にも説明がつかないのです。
数学①②の70分と会話の題材について、センターの文書と問題冊子で言えること
令和9年度と令和10年度の「出題教科・科目の出題方法等」を並べると、70分100点という枠は数学①にも数学②にも共通です。①は『数学I,数学A』と『数学I』のどちらか1科目、②は『数学II,数学B,数学C』です。数学Aの出題は図形の性質、場合の数と確率の2項目で選ぶ余地は無く、数学②の数学B・数学Cは4項目から3項目の問題を選んで解きます。2028年1月に本試験を受ける今の高2の年度、令和10年度も、出題方法と問題作成方針はもう公表されていて、年度の表記を除けば令和9年度の物と同じ内容です。高2のうちに測り始めても、物差しが途中で変わる心配はいまのところありません。一問何分かけてよいかは、実施要項にも受験案内にも、問題作成方針にも決められていません。配点を時間に直した1点42秒を、ここでは物差しとして使います。
時間が消える理由に近いのは、問題作成方針の数学の段落です。そこでは、数学の問題を見つけて解決する過程を重視するとし、事象を数理的に捉えること、解決の見通しを持つこと、式や図や表やグラフを使って処理すること、解決の過程を振り返って結果を意味づけたり発展させたりすることを求めています。題材の例として、日常生活や社会の事象と、教科書で扱っていない定理を既に学んだ知識で導くものが挙がっています。問題文が数式より先に場面の説明から始まり、途中に「ここまでを振り返る」段が入るのはこのためです。共通テストの数学が長文と言われる正体は、ここにあります。
同じ方針の前半には、問題の分量は試験時間に見合うものになるよう配慮するとあります。教科書で扱っていない資料を使う場合があること、前の問いの答えと後の問いの答えを組み合わせて答える形(いわゆる連動型)を出す場合があることも書かれています。量を決める段階で70分が前提になっている以上、それでも終わらないなら、時間はどこかの手順から漏れている、と考えるのが筋です。
令和8年度の本試験の問題冊子を開いてみると、『数学I,数学A』は4ページから29ページまでの26ページで、そのうち第2問だけで10ページを使っていました。第2問〔1〕は、2次関数の最大値と最小値を求めたあと、太郎さんと花子さんがそれを振り返り、逆に最大値と最小値の条件から2次関数を決められるか、という問いへ進みます。〔2〕は、水泳部の太郎さんが1500m自由形の28人の選手の、50mごとに分けた30個のタイムを、散布図や箱ひげ図で調べていく形です。数学②でも、第4問の数列では太郎さんが考えた和の求め方を、花子さんが別の数列に当てはめる流れでした。図1のように、太郎さんと花子さん(どちらか一人だけの大問も含む)は令和7年度・令和8年度とも複数の大問に出ていますが、どの番号に出るかは年によって違います。図1の数学①は『数学I,数学A』の冊子です。

もう一つ、時間に効く決まりが解答上の注意にあります。令和8年度の問題冊子の裏表紙を読むと、一つの問題文で同じ記号がもう一度出てくる所は、原則として細い字で印刷するとあります。細字の□は、前に出した答えをもう一度使う場所の目印です。問題冊子の余白は使ってよいもののページは切り離せず、令和9年度の受験案内では電卓も定規もコンパスも試験中に使えないことになっています。式を動かすのは、手と余白だけです。
解き終わらなかった模試の冊子で、時間が消えた跡をたどる
自分の70分の使い方を知る材料は、新しく何かを買わなくても手元にあります。最初に開くのは、模試から持ち帰った問題冊子です。最後に鉛筆の跡がある小問を探し、そこから大問ごとに前へ余白をめくってください。途中式がぎっしり詰まっているのに□が埋まっていない大問には、計算で時間を使った跡があります。問題文に何本も線が引かれ、余白はほとんど白い大問は、読む段階で止まっていた疑いが濃い所です。前のページの□の横に書き直した数字や、同じ値を何度も写した跡があれば、前の答えを探して戻っていた印です。
次に答案を見ます。最後の大問だけが丸ごと空いているなら、手前の大問で時間を使い切っています。大問の途中で空欄が点々とあるなら、その小問で止まって先へ進んだ跡です。最後の大問に一度も鉛筆を置けなかった場合、原因はその大問の中身ではなく、そこへ着くまでのどこかにあります。
模試の冊子は書き込みが少ないと跡が読めないので、測るための過去問を別に用意します。センターのサイトの「過去3年分の試験問題」の頁は、令和6年度から8年度までの3年分について、本試験と追・再試験それぞれの冊子と正解を置いています。いまの課程の科目で作られたのは令和7年度からで、令和6年度の数学は旧課程の科目なので、高2がいまの形で測るなら令和7年度と令和8年度の冊子を使います。正解の表には解答記号ごとの配点が書かれているので、小問の点を足せば、その小問の物差し(点数×42秒)が作れます。たとえば12点の小問なら、12×42で504秒、8分24秒です。令和8年度の数学②の正解の表では、解答記号のまとまり1つあたりの配点が1点から4点まで分かれていました。□の数を数えて時間を割るのではなく、点で割る理由はここにあります。模試の冊子も、小問ごとの配点が書かれていれば同じ物差しが作れます。
数学②は、まだ授業で習っていない項目があると、測っても「知らないから止まった」という結果しか出ません。数学B・数学Cの項目を学校でいつ習うかを確かめ、習い終えた大問から順に測ります。志望校が数学①と数学②の両方を使うのか、『数学I』でもよいのかは、募集要項の科目の欄で読めます。測る範囲を決める前に一度開いておくと、使わない科目で時間を測る無駄がありません。
余白に三つの時刻を書き、読む・計算・前の答えに分けて測る
測るときは、70分を一度まるごと使う本番の形で解きます。小問ごとに時計を止めると、時間が消える場面そのものが消えてしまうからです。
- 用意するのは、令和8年度の『数学I,数学A』の問題冊子(センターのサイトから印刷した物でよい)と、秒針の音がしない普通の時計です。令和9年度の受験案内では、机に置ける時計からキッチンタイマーや学習タイマーが外されているので、練習のときから本番で使う時計に慣れておきます。
- 70分で解きながら、小問に入ったら余白に経過した分を書きます(読み始め)。最初の式を書き始めたら、その分を書いて丸で囲みます(書き始め)。小問の最後の□を埋めたら、また分を書きます(終わり)。前のページへ戻って答えを探したときは、余白に「レ」を一つ付けます。書くのは数字と印だけで、1回に数秒しかかかりません。
- 70分が終わったら、採点の前に記録表を作ります。読み始めから書き始めまでを「読む」、書き始めから終わりまでを「計算」とし、レの数を「戻った回数」として数えます。
- 大問ごとの合計を配点×42秒の物差しと比べ、物差しを最も大きく超えた大問を選びます。
- その大問の小問を、図2の分かれ道で三つの原因のどれかに振り分けます。
たとえば、本試験と同じ30点・30点・20点・20点の4大問の冊子で、第1問に21分、第2問に28分、第3問に21分を使い、第4問は0分だったとします。物差しは順に21分・21分・14分・14分なので、第2問と第3問で7分ずつ超え、その14分が第4問から消えた計算です。第2問の記録が次のようだったとします。
| 小問 | 読み始め | 書き始め | 終わり | 読む | 計算 | 戻った回数 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 第2問〔1〕 | 21分 | 27分 | 32分 | 6分 | 5分 | 3回 |
| 第2問〔2〕 | 32分 | 41分 | 49分 | 9分 | 8分 | 7回 |
読むは合わせて15分、計算は13分です。戻った回数は10回で、1回に30秒かかっていたとすれば5分になり、計算の13分のうち純粋に式を動かしていたのは8分ほどです。この記録の持ち主は、計算より先に読む段階を直すべきだとわかります。ここでの「読む」には、方針を考える時間も入っています。会話文の大問では、次に何を求めるかが会話の中で言われるので、そこを読み取れなければ書き始められません。だから読むことと方針を立てることを一つの欄にまとめて構いません。

図2で原因が決まったら、直し方はそれぞれ一つずつです。
- 読むが長い人は、線を引く所を三つに決めます。「〜とする」「〜を満たす」で書かれた条件、会話の中で次に求めるものを言った一文、□の直前にある「何が」の部分です。それ以外の文には線を引かず、読み返すのは線の所だけにします。
- 計算が長い人は、途中式の書き方を変えます。余白を小問ごとに線で区切り、左上に〔1〕やアイのような記号を書き、1行に変形を一つだけ、上から下へ書きます。横に散らした式は、見直しのときに自分でも探せません。
- 前の答えで戻る人は、見返す場所を作ります。答えが出たら□の横にその値を書き、大問の最初のページの上の余白に「ア 3、イウ 12」のような答えの列を作っておきます。細字の記号が出てきたら、ページを戻らずにその列を見ます。
直す順番は、高2の冬から高3の夏までを三つに分けて考えます。
- 高2の11月〜2月は、令和8年度と令和7年度の『数学I,数学A』で2回測ります。前の答えの戻りは、答えの列を作るだけで次の回から減るので、どの原因が大きくてもここで先に片づけます。上の例のように読むが一番大きかった人は、もう習い終えた『数学I,数学A』の範囲で、線を引く所を決めてから解く練習をここで始めます。
- 高2の3月〜高3の5月は、計算の書き方を学校の課題や定期テストの勉強から変えていきます。数学②は、習い終えた大問から同じ記録表で測り始めます。
- 高3の6月〜8月は、数学②まで含めて読む段階を仕上げます。夏の終わりに追・再試験の冊子でもう一度70分を測り、高2の冬の記録と大問ごとに並べます。
数学②で読む段階の仕上げを夏に置くのは、単元を習ったばかりのうちは、知らない言葉で止まる時間と読む時間が区別できないからです。授業が一通り終わってから測れば、純粋に読むことにかかった時間が残ります。
「計算が遅いだけ」「会話は飛ばせる」—解き終わらない理由の思い込み
一つ目は「終わらないのは計算が遅いから」という思い込みです。計算が遅い人は確かにいますが、前の節の記録のように、測ると読む時間と戻る時間を合わせたほうが長いことがあります。その場合、計算の練習をいくら増やしても、15分かかっている読む段階は1分も縮みません。原因を測らずに打つ手は、当たれば効き、外れれば何も変えないのです。
二つ目は「会話文は飛ばして、式だけ追えばいい」です。問題作成方針は解決の見通しと振り返りを問うとしていて、会話はその役を受け持っています。令和8年度の『数学I,数学A』第2問〔1〕で、次に何を求めるかを決めたのは花子さんの一言でした。そこを飛ばすと、求める物を取り違えたまま計算を始めることになります。ただし、会話のすべてが要るわけではありません。相づちや確認だけの文は読み流してよく、線を引くのは方針を言った一文で足ります。
三つ目は「最後の大問に届かないのは、最後の大問が難しいから」です。図3は、令和8年度の『数学I,数学A』の4つの大問が、冊子の26ページと100点のうちどれだけを占めるかを並べた物です。第2問はページで見ると10ページと4割近くを占めるのに、配点は30点です。たとえば、70分を26ページに均等に割ると、第2問の10ページだけで約27分になり、物差しの21分を約6分超えます。読む量に引きずられて時間を使えば、そのしわ寄せは最後の第4問に来ます。届かなかった大問の中身より、その手前のページの量を見てください。

四つ目は「太郎さんと花子さんが出る大問は毎年決まっているから、そこだけ後回しにすればいい」です。図1のとおり、令和7年度の『数学I,数学A』では第1問と第2問に、令和8年度では第2問だけに出ていました。数学②でも、出る番号は年で変わっています。大問の番号で解く順を決めるより、自分の記録で時間の消える型を知っておくほうが、どの年度の冊子にも通用します。
確かめる先と聞き方
時間が消えた所を測る材料と、測った結果を照らし合わせる決まりは、次の7か所で手に入ります。
- センターの「過去3年分の試験問題」の頁: 令和7・8年度の本試験と追・再試験の『数学I,数学A』『数学II,数学B,数学C』の問題冊子。測る冊子を年度ごとに選びます。
- 同じ頁の正解の表: 解答記号ごとの配点。小問の点を足し、42秒を掛けて物差しを作ります。
- 令和10年度の「出題教科・科目の出題方法等」: 数学①②の時間と配点、数学Aの2項目、数学B・数学Cの4項目から3項目を選ぶ決まり。いまの高2が受ける試験の形として読みます。
- 令和10年度の「問題作成方針」の数学の段落: どんな過程を問うと書いてあるか。会話の中で線を引く一文を決める手がかりにします。
- 問題冊子の裏表紙の解答上の注意: 令和8年度版で細字の決まりを読み、受ける年度の版が出たら同じかどうかを見比べます。
- 高校の数学の先生: 数学B・数学Cの4項目をいつ習うか。数学②を測り始める時期を決めるために聞きます。
- 志望校の募集要項: 数学①と数学②の両方を使うか、『数学I』でもよいか。測る範囲を決めるために読みます。
個別指導で確かめること
教室では、生徒が持ってきた過去問の冊子を開き、余白の三つの時刻とレの印を一緒に数えて記録表に移します。物差しを超えた大問で、線を引いた所と途中式の並び方を見比べ、どの原因から直すかを決めます。直し方を変えた次の回も同じ表で測り、読む・計算・戻った回数の三つの欄が前の回からどれだけ縮んだかを、数字で並べて確かめます。記録表は回ごとに綴じて生徒の手元に残し、高3の夏に高2の冬の1枚と見比べられるようにしておきます。
まとめ
最後の大問に鉛筆が届かなかった70分も、余白に三つの時刻を書けば、どの小問で何分使ったかが記録になります。計算か読む量かを言い合うのをやめ、計算を速くする練習に飛びつく前に一度測り、42秒の物差しを超えた欄から順に直していけば、白いままだった最後の大問のページに、次の過去問では鉛筆が届きます。
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