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共通テスト数学②の選択問題はどれを選ぶか—数列・統計的な推測・ベクトル・複素数平面の4つから3つ|武蔵野個別指導塾

第4問〜第7問から3問を解く数学②。令和7・8年度の本試験の並び、正規分布表の引き方、ベクトルと複素数平面の重なりを押さえ、1問16点を何分で取れるかを測って自分の3つと予備を決めます。
共通テストの数学の選択問題は数学②(『数学II,数学B,数学C』)の後半にあり、数学Bからは数列と統計的な推測、数学Cからはベクトルと「平面上の曲線と複素数平面」が出て、その4つのうち3つを解きます。どれを選べば得かという公式の答えはなく、どれを何人が選んだかの数も、令和8年度の実施結果の概要には載っていません。決め手は、学校で習い終える月、1問16点を自分が何分で取れるか、ベクトルと複素数平面の重なり、正規分布表を引く手間の4つです。この4つを材料に、3つを高3の夏の終わりまでに決め、予備を持つかどうかは秋の過去問の記録で決めます。
| 確かめること | 公式の文書から言えること | 文書 |
|---|---|---|
| 選ぶ範囲 | 数学Bの2項目と数学Cの2項目、合わせて4項目から3項目の問題を選んで解く | 令和9年度・令和10年度「出題教科・科目の出題方法等」 |
| 時間と配点 | 70分で100点 | 同上 |
| 令和8年度の配点 | 第1問〜第3問は必答で15点・15点・22点、第4問〜第7問は1問16点で3問を解く | 令和8年度 本試験の正解 |
| 令和8年度の第4問〜第7問 | 順に数列、統計的な推測、ベクトル、複素数平面。正規分布表は問題冊子の中にある | 令和8年度 本試験の問題冊子 |
| 解答欄 | 選んだ問題の番号の欄だけに塗り、選ばなかった番号の欄は空けておく | 令和8年度 試験問題冊子の注意事項 |
よくあるのは、高3の6月、学校の数学Bの授業は数列が終わったところで、統計的な推測はまだ1時間も習っていない、という場面です。過去問の数学②を開くと、第5問には正規分布や帰無仮説という語が並び、第5問のすぐ後ろのページにある数字だらけの表をどう引くのかもわかりません。友だちの一人は「統計は捨てて複素数平面にした」と言い、もう一人は「統計のほうが楽」と言う。どちらの言葉も、自分の答案から出た話ではありません。
「4項目のうち3項目」と、過去の問題冊子の並び
令和9年度の出題方法等は、『数学II,数学B,数学C』の数学Bと数学Cの部分を、4項目に対応した問題として出すと定めています。数学Bの数列と統計的な推測、数学Cのベクトルと平面上の曲線と複素数平面の4つで、そのうち3項目の問題を選んで解きます。いまの高2が受ける令和10年度試験の出題方法等も、年度の字のほかは同じ書き方です。数学IIIは出題科目に入っていません。
見落としやすいのは、4つ目の項目の名前です。出題方法等が書いているのは「複素数平面」だけではなく「平面上の曲線と複素数平面」で、楕円・双曲線・放物線のような曲線も、この項目の内側にあります。令和7年度と令和8年度の本試験の第7問は、どちらも複素数平面の問題でした。一方、令和7年度試験に向けてセンターが公表した試作問題の第7問には、方程式の係数を変えたときに楕円や双曲線や放物線が現れるかを考える小問がありました。2年続けて複素数平面だったことは、次も曲線が出ないという約束ではありません。
形は、令和7年度と令和8年度の本試験で同じでした。第1問〜第3問は全員が解く必答で、15点・15点・22点の計52点。第4問〜第7問が1問16点の選択問題で、3問を解いて48点です。図1のように、100点のうち半分近くが、自分で選んだ3問で決まります。並びも2年とも、第4問が数列、第5問が統計的な推測、第6問がベクトル、第7問が複素数平面でした。ただし出題方法等が決めているのは「4項目から3項目を選ぶ」ことまでで、大問の番号の並びと1問の配点は、その年の問題冊子と正解の表で読むものです。

旧課程の問題は、形が違います。令和6年度の本試験の『数学II・数学B』は、第3問〜第5問の3問から2問を選ぶ形で、1問20点でした。並んでいたのは統計的な推測・数列・ベクトルで、複素数平面の問題はありません。統計の中身にも差があり、令和7年度と令和8年度の第5問、それに試作問題の統計の問題には「帰無仮説」という語が出てくる仮説検定の小問がありますが、令和6年度の統計の問題(第3問)にこの語は出てきません。
共通テストの数学で統計的な推測を選ぶ人に関わる決まりが、もう1つあります。統計の問題の冒頭には、必要に応じて問題冊子の中の正規分布表を使ってよい、と書かれていました(令和7年度は31ページ、令和8年度は33ページ)。表は配られる冊子に刷ってあるので、覚えて持ち込む物ではありません。問われるのは、表の引き方を手が覚えているかどうかです。
答案の書き方も決まっています。令和8年度の受験上の注意と問題冊子の注意事項によると、選択問題は選んだ問題番号に対応する解答欄に塗り、選ばなかった番号の欄は空けておきます。答案は塗ったとおりに採点されます。どの3問を選ぶかを出願で届け出る欄はなく、試験室で決めて、解答欄の番号で示す仕組みです。大学に届く成績も、実施要項の決まりでは数学②の科目の得点です。国語の分野別や理科の基礎の範囲別のように、数学②を選択問題ごとに分けて大学へ出す決まりは書かれていません。どの3つを選んでも、大学から見えるのは数学②の合計点です。
学校の予定表と過去問の答案で、自分の材料をそろえる
自分の3つを決める材料は、外の評判ではなく、手の届く4種類の紙からそろいます。
1つ目は学校の数学の予定です。数学Bと数学Cの単元を何年生のいつ習うかは、学校によって違います。冒頭の場面のように、高3の6月に統計的な推測が手つかずのこともあれば、平面上の曲線と複素数平面を高3の2学期に回す学校もあります。年間の予定表かシラバスを見るか、先生に聞いて、4項目それぞれが「何月に終わるか」を書き出してください。終わる月が11月の項目なら、本試験まで過去問で練習できるのは2か月足らずです。
2つ目は過去問の冊子です。いまの形の数学②として解けるのは、令和7年度と令和8年度の本試験、同じ2年の追・再試験、そして試作問題です。センターのサイトの「過去3年分の試験問題」の頁に、本試験と追・再試験の問題と正解があります。試作問題は、作成や点検の手順が本試験と同じではないと冒頭の説明に書かれていて、新しく作られたのは第5問と第7問、ほかの問題は令和3年度の本試験の問題を当てたものです。旧課程の問題も、数列とベクトルと統計の中身の練習には使えます。ただ、令和6年度の本試験なら2問選択・1問20点の形で、複素数平面と平面上の曲線の問題はありません。共通テストの数学の複素数平面は、本番の形で解ける問題が数えるほどしかない。この事情も、選ぶ材料に入れておきます。
3つ目は自分の答案です。点数だけでは足りません。1問ごとにかかった分、手が止まった小問の記号、正規分布表を引き違えた跡、ベクトルの成分の計算で崩れた行を、答案と記録表に残します。同じ8点でも、最後の小問だけ落とした8点と、最初の誘導で止まった8点は、選ぶかどうかの判断がまるで違います。
4つ目は志望校の募集要項です。共通テストの数学をどこまで課すかは大学が決めるので、利用する教科・科目の欄に『数学II,数学B,数学C』があるかを読みます。選択問題の3つは受験する人が答案で決めることで、上に書いたとおり、センターから大学へは数学②の得点がまとまって届きます。
学年で、いま手元にある紙は違います。いまの高3は、令和9年度試験(2027年1月16日・17日)の2日目、1月17日(日)の15時からの70分が数学②の時間です。秋のいまは、決めた3つの記録が2回分以上たまっているかを数える時期です。令和10年度試験(受けるのは今の高2で、本試験は2028年1月15日と16日)は、出題方法等と問題作成方針が出ているだけで、受験案内はまだありません。それでも選択問題の決まりは令和10年度の出題方法等で読めるので、材料の1つ目と2つ目は、いまからそろえられます。
おすすめの3つは、1問16点にかかった分で決める
「共通テストの数学の選択問題でおすすめはどれか」という問いに、全員に同じ答えはありません。答えが出るのは、自分の時計の記録からです。手順は次のとおりです。
- 6月のうちに、4項目が学校の授業で終わる月を先生に聞き、表に書き出します。いまの高2なら、高3の4月に新しい予定表が配られたら、6月を待たずに聞いておきます。
- まだ習っていない項目は、教科書の該当の節を、授業より先に1回だけ通して読みます。統計的な推測なら、正規分布表の引き方をここで覚えます。表に並ぶ数は、標準正規分布の曲線の下で、0から z₀ までの灰色の部分の面積です。たとえば面積0.3944を表の中に見つけたら、その行の1.2と列の0.05を合わせて、z₀ は1.25と読みます。
- 7月と8月のうちに、令和8年度の本試験の第4問〜第7問を、1問ずつ時計で測って解きます。1日に1問ずつでもかまいません。測るのは、解き終えるまでの分と、正解の表で付けた点です。
- 点を分で割り、1分あたりの点を出します。
- 8月の終わりに、3つを決めて記録表の一番上に書きます。
- 9月〜11月に、令和7年度の本試験で同じ3つを解き、夏の令和8年度の点と並べます。追・再試験の問題も解けば、並ぶ記録はさらに増えます。予備を持つかどうかは、少なくとも2回分の記録で決めます。
- 12月からは3つだけを解き直します。
4の割り算は、たとえば次のようになります。数列は11分で13点、統計的な推測は14分で10点、ベクトルは12分で12点、複素数平面は13分で9点だったとします。1分あたりにすると、数列1.18、統計的な推測0.71、ベクトル1.00、複素数平面0.69です。数列とベクトルの2つはここで決まります。
迷うのは3つ目です。0.71と0.69は、ほとんど差がありません。ここで他の材料を使います。統計の10点のうち、落とした6点が表の引き違えなら、引き方を覚え直すだけで戻る点です。複素数平面の失点が偏角の計算なら、そこを鍛えることは、ベクトルで垂直や回転を考える練習にもなります。ベクトルと複素数平面の違いは、平面の点を矢印で表すか、1つの数で表すかです。2本の直線が垂直に交わるか、点をある角度だけ回すとどこへ行くか、という問いは、どちらの道具でも解けます。令和7年度の第7問は、2本の直線が垂直になる条件を複素数平面で考える問題でした。ただ、重なるのは平面の話だけです。令和7年度の第6問は座標空間の球面の上の点を扱うベクトルの問題でしたし、楕円や双曲線のような二次曲線は、4項目の中では「平面上の曲線と複素数平面」の側にしかありません。重なりを当てにして選ぶなら、重ならない部分の量も一緒に見積もります。
学校の授業が終わる月も、3つ目を決める材料です。統計的な推測が10月に終わるなら、授業の後に本番の形で解ける回数は限られます。逆に、授業より先に教科書を読んで夏に1回解けていれば、秋の授業は2回目の練習になります。
7の段階に入ったら、本番の塗り方まで決めておきます。たとえば令和7・8年度と同じ並びの冊子で数列・ベクトル・複素数平面を選んだなら、4・6・7の番号の解答欄に塗り、5の欄は空けたままにします。本番では、自分の3項目が第何問かを冊子の見出しで先に確かめてから番号を決めます。1問解き終えるごとに、問題冊子の問題番号と解答欄の番号を指で合わせてから次へ進む、と決めておけば、番号のずれはその場で見つかります。
図2は、ここまでの流れを月の順に並べた物です。いまの高3は11月の今、6の段階の途中にいます。いまの高2は、来年の6月が1の段階です。保護者の方は、お子さまの記録表の「1分あたりの点」の列を一緒に見てください。点の高さより、どの項目で分が延びたかの方が、夏の過ごし方を決めます。

選択問題の割合や評判にまつわる思い込み
1つ目は、選ぶ人の割合が高い問題ほど易しく、おすすめだ、という思い込みです。令和8年度の実施結果の概要には、『地理総合/歴史総合/公共』や理科の基礎の科目について、どの範囲を何人が選んだかの内訳が載っています。ところが数学②の第4問〜第7問について、どれを何人が選んだかの内訳はありません。少なくともこの公式の資料からは、選択問題の割合は読めないのです。それに、仮に人数がわかっても、それは前の年の受験者が選んだ結果です。その年の問題の易しさも、自分が16点を何分で取れるかも、人数の欄には書いてありません。
2つ目は、複素数平面を選ぶなら複素数の計算だけ仕上げればよい、という思い込みです。項目の名前は「平面上の曲線と複素数平面」で、試作問題の第7問には楕円や双曲線の小問がありました。この項目を選ぶ人は、二次曲線の式の形まで含めて準備します。
3つ目は、4問とも解いておけば点の高い3問を数えてもらえる、という思い込みです。注意事項にあるのは、選んだ番号の欄に塗り、選ばなかった番号の欄は空けること、そして塗ったとおりに採点されることです。良い3問を選び直してくれる決まりは、注意事項のどこにもありません。4問に手を広げれば、そのぶん1問にかけられる分も減ります。
4つ目は、予備の4つ目も、3つと同じ深さまで仕上げるべきだ、という思い込みです。予備を持つかどうかは、図3の分かれ道で決めます。3つの点が2回とも安定しているなら、予備は持たず、予備に回すはずだった時間を3つに注いだ方が点になります。揺れている項目があり、その原因がまだ習っていない所にあるなら、4つ目を最初の2〜3個の小問まで解ける深さで持ちます。原因が習ったはずの所の崩れなら、予備を足すより、その項目を3つの中で解き直して固めます。当日、問題を開いて最初の数分で乗り換えるかを一度だけ決め、決めたら戻りません。

確かめる先と聞き方
第4問〜第7問の3つを決める前に、次の6か所で、それぞれ1つずつ答えを取ってきてください。
- 学校の数学の先生に「数学Bの統計的な推測と、数学Cの平面上の曲線と複素数平面は、何月に終わりますか」と聞く。
- センターの過去3年分の試験問題の頁で、令和7年度と令和8年度の本試験と追・再試験の『数学II,数学B,数学C』を開き、第4問〜第7問の題材と、正規分布表のページを確かめる。
- 試作問題の『数学II,数学B,数学C』の第7問で、平面上の曲線の小問がどんな形で出たかを読む。
- 自分が受ける年度(高3は令和9年度、高2は令和10年度)の出題方法等を開き、数学②の「4項目のうち3項目」の行が前の年度と変わっていないかを読む。
- 12月上旬に出る令和9年度の受験上の注意と、その年度の問題冊子の注意事項で、選択問題の解答欄の塗り方を、令和8年度の書き方と比べる。
- 志望校の募集要項の、利用する教科・科目の欄に『数学II,数学B,数学C』があるかを読む。
1は5分で済む質問ですが、これだけで3つ目の候補が1つ消えることがあります。5は令和9年度版がまだ出ていないので、出たら選択問題の行だけを先に探してください。
個別指導で確かめること
塾では、選択問題1問ごとの分と点を書いた記録表、正規分布表を引いた跡、止まった小問の記号を、答案と並べて見ます。3つ目の候補が2つ残ったときは、失点の原因が「習っていない」のか「習ったのに崩れた」のかを一緒に分けてから決めます。秋に2回目の記録が出たら、1回目と同じ項目で分が延びていないかを、表の上で並べて確かめます。過去問の答案では、選ばなかった番号の欄が空いたままかどうかも、毎回いっしょに見ます。
まとめ
数学②の選択問題は、数学Bと数学Cの4項目から3項目を選ぶ決まりで、大学に届くのは数学②の合計点だけです。項目の名前の「平面上の曲線」まで含めて読み、問題番号と解答欄の番号を合わせる癖を夏から付けておきます。評判も人数の割合も、自分の16点の速さは教えてくれません。捨てる1つを選ぶ道具は、夏に1問ずつ測った分の記録と、学校の予定表の月の数字です。
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