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テスト前のノートまとめは必要か—かわいいノートを作る時間と、問題を解く時間の分け方|武蔵野個別指導塾

先に問題を解き、間違えた所と覚えにくい所だけを1教科1ページに集めれば、まとめノートは膨らみません。4時間の午後なら、飾るのは最後の15分で足ります。
テスト前に授業のノートを最初から清書し直すまとめなら、要りません。要るのは、問題を解いて見つかった「間違えた所」と「覚えにくい所」だけを集めた、1教科1ページほどのまとめです。テストのノートのまとめ方で迷ったら、順番をひっくり返してください。先に解き、そのあとでまとめ、飾るのは最後。まとめる時間を1教科30〜45分で区切れば、きれいなノートを作る楽しみを手放さずに、解く時間を守れます。
よくあるのは、テスト1週間前の土曜、写真に撮って見せたくなるほどきれいなまとめノートが3ページ仕上がった午後という場面です。見出しは囲み、大事な語には色を引き、余白には小さな絵まで添えてあります。昼ごはんのあとに理科の教科書を開いて書き始め、ふと顔を上げると、窓の外が暮れかけていました。机の端では、学校のワークが閉じたままです。3ページは本当にきれいで、本人も満足しています。ところがワークの基本問題を解いてみると、さっき色を引いたばかりの語が、答えの欄に出てきません。
なぜそうなるのか
テスト前にまとめノートを作り直したくなるのは、怠けているからではありません。教室でテスト前の中学生や高校生を見ていると、理由はおおむね4つに分かれます。
1つ目は、書いた量がそのまま目に見えることです。まとめノートは、1時間で1ページ、3時間で3ページと、使った時間が紙の上に積み上がります。問題を解く勉強はそうはいきません。1時間解いて残るのは、○と×の付いたワークだけです。×が並べば気分も沈みます。同じ1時間なら、成果が目に見えて、しかも間違いが一つも出てこないまとめの方が心地よい。まとめノートは、失敗しない勉強になってしまっているのです。けれども、テストで点になるのは書いた量ではなく、答えを見ずに思い出せた量です。
2つ目は、始め方がはっきりしていることです。テスト1週間前は、範囲表を眺めるだけで落ち着かなくなります。どの教科から、どの問題から手をつけるかを決めるのは、それだけで頭を使う仕事です。まとめなら迷いません。範囲の最初のページを開き、上から写していけばよいからです。不安を静めるために、とにかく手を動かしたい。その気持ちに、まとめはぴったり合ってしまいます。
3つ目は、見た目を整えることそのものが楽しいことです。色をそろえ、見出しを飾り、仕上がったページを眺めるのは気持ちがよく、それを取り上げる理由はありません。困るのは、楽しい作業には終わりの線が無いことです。見出しを囲めば下線も引きたくなり、色を足せば余白に絵も描きたくなります。図1のように「教科書を写す」「ページが増える」「進んだ気がする」「次の単元も清書」の輪がいったん回り始めると、解く時間はその輪の外へ押し出されます。

4つ目は、授業のノートそのものに抜けがあることです。休んだ日の板書が無い、急いで書いて自分でも読めない、途中で写すのをやめたページがある。こうした抜けに気づくと、ノートを丸ごと書き直したくなります。学校によってはノートの提出があり、提出に合わせて作り直す人もいます。提出の有無や、ノートが評価にどう入るかは学校ごとに違うので、学校の決まりを確かめてください。どちらにしても、抜けを埋めることと、テストのためにまとめることは別の作業です。抜けは教科書か友だちのノートを借りて、その部分だけ埋めれば足ります。
今夜からの手順
手順の芯は、まとめを「解いたあとに作るもの」へ置き直すことです。ここでは、土曜の午後に4時間ほど使える日を例にします。平日の夜で1〜2時間しか取れない日は、同じ順番のまま、それぞれの量を半分ほどに減らしてください。
1. 最初の90分は、ノートを閉じて問題を解く
最初に開くのはノートではなく、学校のワークや配られたプリントです。ノートと教科書は閉じたまま、答えも見ずに解きます。理科なら範囲の単元ごとに基本問題を10問前後、社会なら一問一答の形の問題を1単元15〜20問、数学なら各節の例題に近い問題を2〜3問ずつ。範囲を全部解き切るのが目的ではなく、端から端までを一度なでて、自分の穴の場所を見つけるのが目的です。丸をつけるときは、すぐ解けた問題に○、迷ったり時間がかかったりした問題に△、解けなかった問題に×を、問題番号の横に書き込みます。
2. ×と△だけを、まとめの候補として書き出す
丸つけが終わったら、×と△の問題を紙の端に書き出します。書くのは問題番号と、何を聞かれたかの短いメモだけです。1教科で10〜20個ほど集まることが多く、ほとんど集まらなかった教科は、まとめを作らなくて構いません。解き始めてから、ここまでで90分ほどです。
候補に入れてよいものが、もう1種類あります。「覚えにくい所」です。2回以上間違えた語や、似ていて混ざる語の組がそれにあたります。理科の道管と師管のように、どちらが根から吸った水を運び、どちらが葉でできた養分を運ぶのかが頭の中で入れ替わる組は、並べて書くだけで区別がつきやすくなります。逆に、候補に入らなかった所はもう解けているのですから、まとめ直す必要はありません。
3. まとめの上限を、ページと時間の両方で先に決める
まとめに取りかかる前に、上限を決めます。目安は1教科につき1ページ、時間は30〜45分です。たとえば45分と決めたら、ページの上の端に教科の名前と「45分まで」を書いておきます。見開きを使うと、空いた右のページを埋めたくなるので、片面の1ページにとどめます。
図2は、4時間の午後を4つに割った例です。解く・丸つけが90分、まとめるのは45分まで、解き直しが60分、飾るのが15分で、この順に進めます。15分の休憩を2回はさむと、ちょうど4時間になります。まとめの時間は全体の4分の1にも届きませんが、それで足ります。書く物が、×と△の分だけに絞られているからです。

上限に届いたら、書きかけでも次の教科へ移ります。書き切れなかった候補は問いだけを並べ、答えの代わりに教科書のページ番号を添えておけば、あとから引けます。
4. まとめページには「問い」「答え」「つまずいた理由」を書く
まとめページに書くのは、説明の文章ではありません。×や△の問題を、隠して答えられる問いの形で書き、その横に正しい答え、さらに自分がなぜ間違えたかを一行添えます。英語なら、問いは「彼は毎朝走る、を英語に」、答えは He runs every morning.、つまずいた理由は「主語が he で現在の文なのに、動詞の s を落とした」。この最後の一行は、教科書のどこにも載っていない、自分だけの情報です。きれいに写した教科書の文より、この一行の方が、テスト前の夜にずっと役に立ちます。
5. まとめのあとの60分で、×の問題を解き直す
まとめを書き終えたら、ワークに戻り、×と△の付いた問題をもう一度解きます。このときもまとめページは閉じておき、解けなかったときだけ開いて確かめ、閉じてからもう一度解きます。まとめページは、この解き直しで「引く物」になってはじめて、勉強の道具になります。
その日の夜か翌朝には、まとめページの問いの欄より右を折った紙で隠し、問いだけを見て答えを口で言ってみます。言えた行には小さな印を、言えなかった行には日付を書きます。テストの前日に見るのは、印の無い行だけです。3ページのまとめでも、前日に見る行が10行ほどに減っていれば、作った意味は十分にありました。
6. 飾るのは、解き直しが終わったあとの15分
見出しを囲む、色を付ける、余白に小さな絵を描く。こうした飾りは、解き直しが終わったあとの10〜15分に回します。先に飾ると、そこで力を使い切ってしまいます。最後に置けば、解き直しを終わらせる理由に変わります。飾りの終わりは時計より形で決めておくと延びにくく、「この見出しを囲んだらおしまい」のように、最後の一筆を先に決めておきます。
学年と時期で変わるところ
中1の最初の定期テストは、何がどう出るのか見当がつかないぶん、まとめノートに逃げ込みやすい時期です。小学校のテストと違って範囲は数週間分あり、教科の数も一気に増えます。見当がつかないときほど、先に解く手順が効きます。ワークは、テストに出る形をいちばん近くで見せてくれる教材だからです。中1の間は、まとめを作るとしても1教科半ページで足ります。
中2は、部活の練習や大会にテスト前の時間を削られやすい学年です。平日に取れるのが1〜2時間なら、まとめは週末にまとめて作り、平日の夜は解く日と解き直す日にあてます。平日にまとめを書き始めると、その日は解く時間がほとんど残りません。
中3は、定期テストの勉強がそのまま入試の準備に重なります。テストのたびに作った間違いのページを捨てず、1冊に綴じておくと、入試の前に見返す自分だけの問題集になります。2学期の後半からは、新しく作り直すより、そのページに印と日付を足していく方が時間を食いません。
高校生は科目が増え、1科目の範囲も広がります。数学や物理のように解いた量で決まる科目は、まとめページより解き直しに時間を回します。古文の助動詞や化学の反応のように、覚える物が多い所は、問いと答えの形で1ページにまとめる値打ちがあります。科目ごとに「作る科目」と「作らない科目」を先に分けておくと、テスト前の週末に迷いません。
時期でも変わります。ふだんの週は、まとめノートは作らず、授業ノートの余白に×を付けておくだけで十分です。テストの2週間前から1週間前は、上の手順で間違えた所だけをまとめます。テストの3日前からは新しいページを作らず、作ったページを隠して答えることだけに時間を使います。夏休みや冬休みのような長い休みは、反対に、まとめを作るのに向いた時期です。前の学期の間違いのページを見直し、時間をかけてきれいに書き直しても、テストの日が迫っていないので、解く時間と取り合いになりません。かわいいノートを作るのが好きな人ほど、その楽しみを長い休みに取っておくのが賢いやり方です。
よくある失敗と直し方
失敗1 教科書を縮めて写しただけのページになる
何をまとめるかを決める前に、教科書の最初のページから書き始めると、こうなります。教科書の太字はどれも大事に見えるので、結局ぜんぶが並び、教科書を小さく書き写しただけのページができあがります。
直し方は、ページを欄に割り、欄に入る物しか書かないことです。図3のように、ページの上の端に教科と上限の時間を書き、その下を問い、答え、つまずいた理由の3つの欄に分けます。いちばん下には、隠して言えた日を書き込む欄を置きます。答えを確かめるときは、問いの欄の右の線から先を折った紙で隠します。理由の欄は、教科書に無い一行を書く場所です。欄に収まらない説明は、教科書のページ番号だけを書いて済ませます。

失敗2 1教科目のまとめで土曜が終わる
上限を決めずに始めると、最初の教科に時間を吸われます。最初の教科はまだ元気なので、いちばん丁寧に書いてしまい、なおさら延びます。気づいたときには夕方で、残りの教科は手つかずのまま日曜を迎えます。
直し方は、上限に届いたら書きかけでも閉じることです。それに加えて、最初に手をつける教科を、いちばん好きな教科ではなく、×がいちばん多かった教科にします。元気なうちに、いちばん手のかかる教科を終わらせておくためです。
失敗3 まとめたのに、同じ問題をテストで間違える
書き写している間、目はずっと答えを見ています。書き終えた時点で覚えた気になり、一度も隠して答えないままテストを迎えると、こうなります。
直し方は、作った日の夜か翌朝に1回、テストの前日にもう1回、答えを隠して言ってみることです。言えなかった行に日付を書いていくと、2回続けて日付が並んだ行が、テストまでにいちばん手をかけるべき所だとはっきりします。
よくある質問
おしゃれなノートにしたい中学生は、どこまで飾ってよいですか
飾る量に決まりはありません。目安にしてほしいのは、飾った場所と、あとで目を留めたい場所が重なっているかどうかです。つまずいた理由の欄の見出しを飾るのはよい飾りで、教科書の太字を全部色で囲むのは、目を留める場所を減らしてしまう飾りです。友だちとノートを見せ合うのが楽しみなら、見せ合ったあとに、相手のまとめページから1問ずつ出し合ってください。おしゃれなノートは、問題を出してもらう道具にもなります。
かわいいノートを作るのが楽しくて勉強しています。やめた方がいいですか
やめなくて構いません。ノートを作る楽しみが机に向かうきっかけになっているなら、それは大事な入り口です。それに、自分で描いた図そのものが覚える道具になる所もあります。植物の葉の断面や、出来事どうしをつなぐ矢印のように、描くことで中身が頭に入る所は、時間をかけて描く値打ちがあります。考え直すのは、テストの点が変わらないのに、まとめに使う時間だけが毎回延びているときです。そのときは作るのをやめるのではなく、作る順番を解き直しのあとへ動かしてください。
テスト勉強のまとめは、授業のノートとは別の冊子に作りますか
別の冊子に作るなら、教科ごとに分けず、全教科で1冊の薄いノートにするのがおすすめです。テスト前の夜は1冊だけ持てば足り、次のテストや入試の前にも、通して見返せます。高校生で科目が多く1冊では収まらないときは、文系の科目と理系の科目の2冊に分けるくらいまでにとどめます。別の冊子を作る時間も惜しい週は、授業のノートの余白に問いを書き込み、そのページの端を折っておくだけでも同じ働きをします。
保護者が手を貸すなら
仕上がったまとめノートを見せてくれたら、まず「きれいにできたね」と、そのまま受け取ってください。その直後に中身の点検を始めると、次からは見せてくれなくなります。手を貸すなら、問題を出す役が向いています。「このページから3問出してみようか」と声をかけ、答えの欄を隠して問いを読み上げます。言えなかった問いがあっても、そこで説明は足さず、「ここに日付を書いておこう」で終えます。まとめに使った時間を計って注意したり、ノートを毎日開いて確かめたりはしません。見守る線は、土曜の夕方に5分ほど問題を出すところまでで十分です。飾りの多さや色の数には、口を出さずにおきます。お子さまが自分から「もう1問」と言ったら、それがいちばんの手応えです。
個別指導で確かめること
まとめページの×の行から1つを選び、その単元の教科書の最初の例題まで戻って、何も見ずに解けるかを確かめます。例題で手が止まれば、まとめ方より先に単元の入り口から解き直します。解けたときは、つまずいた理由の一行を本人の言葉で言い直してもらい、同じ間違いを次はどの式や語の前で止めるかまで決めておきます。
まとめ
土曜の午後にできた3ページは、きれいなままで構いません。足りなかったのは、そのページを隠して答える時間と、ワークの×をもう一度解く時間だけです。翌朝の日曜、3ページの答えの欄を折った紙で隠し、何行言えるかを数えてみてください。言えなかった行に日付を書けば、その日のうちに解き直す問題が決まります。土曜の午後の値打ちは、隠したまま言えた行の数で決まります。
読んで終わりにするか、ここから変えるか。
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