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作文の例文—遠足、運動会、将来の夢を型で書く|武蔵野個別指導塾

遠足、運動会、将来の夢の作文を、場面を1つ選んで4つの段落で組み立てる型と、自作の短い例文3つで示します。400字なら40・160・120・80字の配分です。
作文は、出来事を全部書くものではなく、一つの場面を書くものです。型は次の4つの段落です。
- 出来事を一文で言う(いつ、どこで、何をしたか)。
- いちばん心に残った場面を、見えたもの、聞こえた音、体の感じで細かく書く。
- そのときの気持ちを一つだけ書き、そう感じたわけを書く。
- いまの自分がその場面をどう思うか、次に何をするかで締める。
遠足も運動会も将来の夢も、この4つの段落に当てはめれば形になります。この記事の例文は型を見るためのもので、言葉は自分のものに置き換えて使います。
よくあるのは、運動会の翌週の国語の時間に、先生が「運動会のことを作文に書きましょう」と原稿用紙を配る、という場面です。まわりの鉛筆は動いているのに、自分の原稿用紙には「ぼくは運動会でリレーに出ました。」の一行だけが残っています。次に何を書けばいいのかがわからず、消しゴムで同じ行を消しては、また同じ文を書きます。チャイムが鳴るころに書けたのは3行で、続きは宿題になります。書けないのは、思い出が無いからではありません。どの思い出を書くかを、まだ決めていないからです。
書く前にすること
書く前に、紙を一枚用意します。原稿用紙ではなく、らくがき用の紙です。ここに書くメモが、作文の材料のすべてになります。
場面を一つだけ選ぶ
遠足なら朝の集合から帰りのバスまで、運動会なら開会式から閉会式まで、出来事はいくつもあります。全部を書こうとすると、どれも一行ずつになって、日記と同じ文になります。先に、いちばん心に残った場面を一つ決めます。決め方は簡単で、目をつぶって思い出したとき、最初に出てくる絵はどれか、です。リレーのバトンを受け取る瞬間、お弁当のふたを開けたとき、頂上から見えた町。最初に浮かんだ絵が、その作文の中心です。
将来の夢の作文には、行事のような出来事がありません。それでも、やることは同じです。その夢を持つきっかけになった場面を一つ選びます。歯医者さんで痛くない治療を受けた日、祖父の畑で初めてトマトをもいだ朝、テレビで見た消防士が人を抱えて出てきた映像。夢そのものではなく、場面を選びます。場面があれば、将来の夢の作文も、遠足の作文と同じ型で書けます。
五感でメモを書く
場面を決めたら、図1のように紙を四つに分けてメモを書きます。左上に「見えたもの」、右上に「聞こえた音」、左下に「体の感じ」、右下に「思ったこと」です。文にしなくてかまいません。単語を並べます。
運動会のリレーなら、見えたものは「前の走者の背中」「白い線」「土ぼこり」。聞こえた音は「ピストル」「名前を呼ぶ声」「自分の息」。体の感じは「手のひらの汗」「ももが重い」。思ったことは「落とすな」「あと半周」。遠足の頂上なら、見えたものは「木の間の空」「下の町の屋根」、聞こえた音は「風」「友だちの声」、体の感じは「手すりが冷たい」「ふくらはぎが固い」、思ったことは「着いた」「おなかがすいた」です。
四つのますに、それぞれ3つずつ入っていれば、400字の作文の材料はそろっています。足りないますがあれば、その場面をもう一度思い出します。見えたものが出てこないときは、「何色だったか」と自分に聞くと出てきます。

気持ちの言葉は最後に書く
メモで気をつけたいのは、「楽しかった」「うれしかった」を先に書かないことです。気持ちの言葉は便利なので、先に書くと、そこで手が止まります。見えたもの、聞こえた音を先に出し、気持ちは右下のますに最後に書きます。すると「楽しかった」ではなく「もう一回走りたい」「あの声がなければ登れなかった」のような、自分だけの言葉が出てきます。
おうちの方が手伝うなら、メモの段階で「何が見えた」「どんな音がした」と聞くだけにします。答えを言わず、聞くだけです。お子さまが「わからない」と言ったら、「その日の空は何色だった」のように、小さいことを聞き直します。
書き方の手順
4つの段落の型
図2のように、400字の作文は4つの段落に分けます。それぞれの段落に役目があり、長さも決まっています。
第1段落は、出来事を一文で言います。「5月の遠足で、高尾山に登りました。」のように、いつ、どこで、何をしたかを一文に収めます。長くしません。40字ほどです。ここで出来事の説明を長くすると、第2段落に入る前に読む人が飽きます。
第2段落は、いちばんの場面です。メモの「見えたもの」「聞こえた音」「体の感じ」をつなげて、その場面を細かく書きます。ここが作文の本体で、160字ほど使います。時間にして1分間の出来事を、160字かけて書くつもりで書きます。1分の出来事に160字は長いと感じるかもしれませんが、メモが四つのますに3つずつあれば、足りなくなることはありません。
第3段落は、気持ちとそのわけです。「〜と思いました。〜だったからです。」の形で、120字ほど書きます。気持ちの言葉は一つでよく、そのわけを長く書きます。わけが書けると、同じ「こわかった」でも、その人だけの「こわかった」になります。
第4段落は、いまの自分です。行事が終わって何日かたったいまの自分が、その場面をどう思っているか、次に何をしたいかを、80字ほどで書きます。「これからもがんばりたいです」では終わりません。「来年は自分が声をかける番です」のように、次にすることを一つだけ書きます。
合わせて400字です。800字の作文なら、各段落を2倍にして、80字、320字、240字、160字にします。第2段落が全体の4割という比率は、長さが変わっても変えません。

遠足、運動会、将来の夢で型を当てはめる
同じ型でも、題によって段落に入れるものが少し変わります。
遠足は、第1段落に「いつ、どこへ」、第2段落に「頂上、お弁当、帰りのバスのうち一つ」、第3段落に「その場面での気持ちとわけ」、第4段落に「次の遠足でしたいこと」を入れます。遠足の作文は、頂上やお弁当のように、動きが止まった場面のほうが書きやすい作文です。
運動会は、第1段落に「出た種目」、第2段落に「スタートからゴールまでのうち、一つの瞬間」、第3段落に「その瞬間の気持ちとわけ」、第4段落に「来年の自分」を入れます。運動会の作文は、動きが速いので、1秒の出来事を引きのばして書くと、読む人がその場にいるように感じます。
将来の夢は、第1段落に「夢を一文で」、第2段落に「きっかけの場面」、第3段落に「なぜその夢なのか」、第4段落に「いまやっていること」を入れます。第4段落を「いまやっていること」にすると、きれいごとになりません。「夢に向かってがんばります」と書くより、「図書室で犬の体の本を借りています」と書くほうが、本気が伝わります。
一文の長さと文末
一文は40字以内にします。「〜て、〜て、〜て」とつなげると、一文が長くなって、どこが大事かがぼやけます。つなぎたくなったら、そこで句点を打ちます。文末は「です・ます」か「だ・である」のどちらかに揃えます。先生が決めている場合は、その指示が優先です。原稿用紙の決まりは、段落の最初を1ます空ける、句読点を行の頭に置かないなど、広く使われる形で書きます。学校の指示が優先です。
書く順番は第2段落から
原稿用紙には第1段落から書きますが、下書きは第2段落から始めます。メモがいちばん多い段落で、書き出しやすいからです。第2段落ができたら第3段落、第4段落と進み、最後に第1段落の一文を書きます。第1段落を最初に書こうとすると、「ぼくは運動会でリレーに出ました。」の次で止まります。中身ができてから書けば、一文で済みます。
題名は、出来事の名前ではなく、第2段落の中の言葉から取ります。「運動会」より「あと半周」、「遠足」より「50段の階段」のほうが、読む前に場面が浮かびます。
例文で見る
例文は、どれも200字ほどの短いものです。型がどう動くかを見るためのもので、このまま使う長さにはしていません。段落ごとに、何をしているかを見てください。
遠足の例文
小学4年生が書いたつもりの例です。
5月の遠足で、高尾山に登りました。 頂上の手前の階段で、足が前に出なくなりました。手すりをにぎると、鉄が冷たくて、少しぬれていました。後ろから「あと50段だよ」と友だちの声がしました。数えながら上がると、木の間から急に空が広がりました。 そのとき、うれしいより先に、ほっとしました。朝から足が重かったのに、やっと着いたからです。 今は、あの50段を数えた声を思い出します。次の遠足では、自分が「あと何段」と言う番だと思っています。
第2段落に「冷たい」「ぬれていた」「あと50段」と、手で触れたもの、耳で聞いたものが入っています。ここが作文の本体です。第3段落の気持ちは「ほっとした」の一つだけで、そのわけに「朝から足が重かった」が付いています。第4段落は「がんばりたい」ではなく、「自分が言う番」という次の行動で締めています。自分の遠足に置き換えるなら、階段を「つり橋」や「坂道」に、「あと50段」を自分が聞いた言葉に、それぞれ入れ替えます。
運動会の例文
小学5年生が書いたつもりの例です。
運動会のリレーで、第3走者を走りました。 バトンを受け取る前、前の走者の背中がどんどん大きくなってきました。手のひらに汗がにじみ、ズボンでふきました。ピストルの音はもう聞こえず、自分の息だけが聞こえました。バトンが手に当たったしゅん間、重さを感じるひまもなく、足が勝手に動きました。 こわかったのだと思います。落としたらどうしようと、朝からずっと考えていたからです。 いまは、こわさは練習の数で小さくなるとわかりました。来年はバトンを渡す側で、もっと大きな声で名前を呼びます。
第2段落は、バトンを受け取る前後の数秒だけを書いています。「背中が大きくなる」「汗をズボンでふく」「息だけが聞こえる」と、見えたもの、体の感じ、聞こえた音が順に出てきます。第3段落は「こわかった」の一つに絞り、「朝からずっと考えていた」というわけを足しています。気持ちが「楽しかった」でなくてよい、というのが、この例でいちばん見てほしいところです。置き換えるなら、リレーを「玉入れ」や「綱引き」にして、その種目の中の一つの瞬間を選びます。
将来の夢の例文
中学1年生が書いたつもりの例です。
私の夢は、動物の看護師になることです。 きっかけは、去年の冬の動物病院です。飼い犬のモモが注射をいやがって、台の上で後ろ足をつっぱりました。そのとき看護師さんが、何も言わずにモモの耳の後ろをなでました。モモの足から力がぬけて、注射は3秒で終わりました。 すごいと思ったのは、言葉を使わなかったからです。犬にわかる方法で、こわくないと伝えていました。 いまは、図書室で犬の体の本を借りて読んでいます。夢を言うだけでなく、調べたことを一つずつ増やしていきます。
夢の作文でも、第2段落は場面です。「後ろ足をつっぱる」「耳の後ろをなでる」「3秒で終わる」と、動きで書いています。第3段落は「すごい」の一つで、わけが「言葉を使わなかった」です。第4段落は「いまやっていること」で、本を借りているという事実が、夢の本気さを支えています。置き換えるなら、動物病院を自分のきっかけの場面にして、第4段落には、いま実際に続けていることを一つ書きます。
まちがえやすいところ
直しに来る作文の多くは、次の3つのどれかです。誤りの文、どこが違うか、直した文の順に並べます。
朝から順に全部書く
誤りの文は、「朝、学校に集まりました。バスに乗りました。高尾山に着きました。頂上でお弁当を食べました。帰りもバスでした。楽しかったです。」です。どこが違うかというと、出来事が一行ずつで、場面が一つも無いことです。読む人は、その日の予定表を読まされます。直すには、頂上の一つの場面だけを残して、残りを消します。「頂上の手前の階段で、足が前に出なくなりました。手すりをにぎると、鉄が冷たくて、少しぬれていました。」のように、消した分を一つの場面の細かさに回します。
気持ちの言葉だけで終わる
誤りの文は、「リレーはとてもきんちょうしました。でもがんばりました。楽しかったです。」です。どこが違うかというと、「きんちょう」「がんばった」「楽しかった」は、だれが書いても同じになる言葉で、その人の運動会が見えないことです。図3のように、気持ちの言葉を、見えたものと聞こえた音に置き換えます。直した文は、「手のひらの汗をズボンでふきました。自分の息だけが聞こえました。」です。きんちょうという言葉を使わずに、きんちょうが伝わります。

「〜と思いました」が続く
誤りの文は、「速く走りたいと思いました。みんなに負けたくないと思いました。来年もがんばりたいと思いました。」です。どこが違うかというと、気持ちが3つ並んで、どれにもわけが無いことです。直すには、一つに絞って、わけを足します。「負けたくないと思いました。前の日に、同じ組の人が『今年こそ』と言うのを聞いたからです。」のように、「〜からです」を一つ付けます。気持ちは数ではなく、わけの深さで伝わります。
例文の丸写しも、同じ型の誤りです。写した文には、自分が見たものが入っていません。自分の遠足に無かった「50段の階段」が作文に出てくると、読む先生にはすぐにわかります。写してよいのは、段落の順番と長さだけです。
よくある質問
遠足で特に何も起きませんでした。何を書けばいいですか
何も起きなかった時間を書きます。バスの窓から見えた看板、お弁当のたまご焼きが少しつぶれていたこと、帰りのバスでとなりの人が寝てしまったこと。小さい出来事ほど、その人にしか書けない作文になります。事件は要りません。見えたものと聞こえた音があれば、それが場面です。
将来の夢がまだありません。うそを書いてもいいですか
うそは書かないほうがいい作文になります。「まだ決まっていません」と第1段落に書いて、第2段落に、いま続けていることの場面を書きます。毎朝の犬の散歩でも、週に3回のピアノでも、場面があれば型に乗ります。第4段落は「決まったら、この時間を思い出します」のように、いまの自分で締めます。夢が無いことを正直に書いた作文は、作った夢の作文より読まれます。
例文をそのまま写してもいいですか
写してよいのは型だけです。第1段落は出来事を一文で、第2段落は場面を細かく、という順番と長さを写します。言葉は写しません。例文の「あと50段」を、自分が聞いた言葉に入れ替えたとき、その作文は自分のものになります。
親の手伝い方と個別指導で確かめること
家では、書き直しをさせる前に、お子さまに声に出して読んでもらいます。読んでつっかえたところが、直すところです。おうちの方は「何が見えた」「どんな音がした」と聞くだけにして、文を代わりに作りません。個別指導では、メモが四つのますにそろっているか、第2段落が全体の4割あるか、気持ちの言葉が一つに絞れているか、の3点を順に確かめます。この3点がそろっていれば、文のうまさは後から付いてきます。
まとめ
型は4つの段落で、本体は第2段落の一つの場面です。遠足も運動会も将来の夢も、場面を一つ選んで、見えたものと聞こえた音から書き始めれば、同じ手順で書けます。例文は型を見るためのものです。作文の出来は、思い出の数ではなく、選んだ一つの場面をどれだけ細かく見たかで決まります。
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