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高校入試の作文—都立の推薦と一般の書き方、時間配分|武蔵野個別指導塾

都立の推薦は個人面接に加えて作文か小論文などを各校が課し、調査書点は総合成績の上限50%です。50分を5・10・30・5に分ける配分と、問い・体験・これからの3段の型を、一般の200字にも使える形で整えています。
都立高校の推薦の作文は、問いの言葉で書き出し、体験を 1 つだけ場面で書き、高校で何をするかで結ぶ、この 3 段で書けます。50 分の検査なら、問いを読む 5 分、メモ 10 分、書く 30 分、見直し 5 分に分けます。一般入試の国語の論説文の大問の最後にある 200 字は、筆者の主張を 1 文で受けてから、自分の体験で裏づけて意見を言います。令和 9 年度(2027 年度)の都立の募集案内では、推薦は全員に個人面接を行い、作文か小論文などの検査のうち各校が定めた 1 つ以上を課すと決まっています。何字を何分で書くかは学校ごとに違うので、志望校の案内で確かめてから練習を始めます。
よくあるのは、推薦の願書を書いた週末に作文の練習を始めてみたら、1 行も進まないという場面です。土曜の午後、志望校の案内を机に広げ、去年出た課題を原稿用紙に写してみる。「中学校生活で力を入れたことと、それを本校でどう生かすか」。題は読める。けれど鉛筆が止まる。部活も委員会も体育祭もやった。どれを書けば点になるのかが見えない。書いては消し、日曜の夜には原稿用紙が 3 枚、丸めて机の端に積んであります。足りないのは経験ではなく、書く前の整理です。
書く前にすること
最初にするのは、鉛筆を持つことではなく、検査の中身を知ることです。令和 9 年度の都立高校の募集案内によると、推薦に基づく入試では全員に個人面接があり、集団討論は必要と判断した学校だけが行います。そのうえで、小論文または作文、実技検査、その他学校が設定する検査のうち、校長が定めた 1 つ以上を実施します。調査書点は総合成績に占める割合の上限が 50% で、残りを面接と作文や小論文などの検査が占めます。自己 PR カードは点数にはなりませんが、面接の資料として使われます。
配点は学校ごとに違います。令和 9 年度の入試実施方法一覧から、武蔵境の近くの学校を抜き出すと、武蔵野北は調査書 450 点、個人面接 150 点、小論文 300 点。西は調査書 360 点、個人面接 240 点、作文 300 点。神代は調査書 450 点、個人面接 150 点、作文 300 点。小金井北と調布北は調査書 500 点、個人面接 200 点、小論文 300 点。豊多摩は調査書 500 点、個人面接 250 点、作文 250 点です。どの学校も、作文か小論文が総合成績の 4 分の 1 から 3 分の 1 を占めます。内申で差がつかない受検者どうしでは、ここで並びが変わります。
次に、志望校が「作文」なのか「小論文」なのかを見ます。名前が違うだけではなく、問われ方が違います。令和 8 年度(2026 年度)に実際に出た課題を東京都教育委員会が公表していて、作文の学校は 50 分で 600 字(西)、500 字以上 600 字以内(豊多摩)のように、自分の体験と考えを書かせる題が多いです。小論文の学校は、武蔵野北が資料を読み取って 150 字で答える小問と、資料を踏まえて自分の経験も交えて 500 字で述べる小問の 2 問、小金井北が 100 字と 500 字の 2 問というように、資料の読み取りと意見の 2 段構えでした。令和 9 年度の時間と字の数は募集要項と各校の案内で確かめてください。同じ「50 分」でも、資料を読む時間が要る小論文と、題を読めばすぐ書ける作文とでは、配分が変わります。
ここまで調べたら、メモの型を 1 つ決めます。図1のように、紙を横に 3 つに分け、左から「問い」「体験」「これから」と書きます。問いの枠には、課題文を読んで「何を」「いくつ」聞かれているかを書きます。「力を入れたこと」と「どう生かすか」なら、問いは 2 つです。体験の枠には、いつ、どこで、誰と、何をして、何が変わったかを、単語で 5 つ並べます。これからの枠には、高校に入ってから何を、どの場面でするかを書きます。

体験は 1 つに絞ります。部活、委員会、行事を全部書こうとすると、どれも 3 行で終わり、顔の見えない作文になります。「野球部で 3 年間がんばった」ではなく、「2 年の秋、ノックの球を 10 本続けて後ろにそらした日」のように、1 日に絞れるかどうかが、メモの段階で決まります。この 1 日を思い出せないなら、メモの枠はまだ埋まっていません。
もう 1 つ、志望校が出している「本校の期待する生徒の姿」を読んでおきます。令和 9 年度の分が都教育委員会から公表されています。作文の「これから」の枠は、ここに書かれた言葉と自分の体験をつなぐ場所です。ただし、書かれている言葉をそのまま写すと、誰の作文かわからなくなります。読んだうえで、自分の言葉に置き換えて使います。
書き方の手順
検査の 50 分は、図2のように 4 つに分けます。問いを読む 5 分、メモ 10 分、書く 30 分、見直し 5 分です。書く時間が 30 分あれば、600 字は 1 分に 20 字の速さで書けます。中学生が原稿用紙に丁寧に書く速さがだいたいそのくらいなので、焦らずに書けます。練習では、この 4 つの区切りを時計で測りながら書き、どこが足りないかを毎回 1 行で記録します。

最初の 5 分は、問いを 2 回読みます。1 回目は意味を取り、2 回目は「何を」「いくつ」聞かれているかに印を付けます。問いが 2 つなら、答えも 2 つ要ります。「あなたの考えを述べなさい」なのか、「具体例を挙げて述べなさい」なのかで、体験の枠の重さも変わります。この 5 分を省くと、途中で問いを読み直すことになり、30 分の書く時間が削れます。
次の 10 分で、書く前に決めたメモの 3 枠を埋めます。問いの枠は 1 分で書けます。体験の枠に 6 分かけます。いつ、どこで、誰と、何をして、何が変わったかを単語で書き、会話を 1 つ、数字を 1 つ添えます。「先輩が『顔を上げろ』と言った」「10 本中 7 本をそらした」のような、その場にいた人しか書けない言葉がここで出てこなければ、体験を変えます。これからの枠に 3 分かけて、高校での行動を 1 つ、いつ、どの場面でするかまで決めます。
書く 30 分は、3 段で書きます。600 字なら、1 段目を 100 字前後、2 段目を 300 字前後、3 段目を 200 字前後に分けます。1 段目は問いの言葉で書き出します。「私が中学校生活で力を入れたのは、……です。」と、問いの語をそのまま使って答えを先に置きます。採点する先生は何十枚も読むので、1 行目で答えが見える作文は読みやすく、ずれていないことがすぐにわかります。
2 段目は、メモの体験の枠を文にします。説明ではなく、場面を書きます。「がんばった」「大変だった」という言葉は使わず、その日に何が起き、自分が何をし、何が変わったかを順に書きます。会話を 1 つ、数字を 1 つ入れると、読む人の頭にその場の絵が浮かびます。体験の段落は、作文の中でいちばん長く、いちばん自分にしか書けない部分です。
3 段目は、高校で何をするかです。「頑張りたいと思います」で終わる作文は、ここが空欄と同じです。体験から得たものを 1 つ言い、それを高校のどの場面で、どう使うかを書きます。「期待する生徒の姿」で読んだ言葉と、自分の体験の言葉を、この段でつなぎます。最後の 1 文は、未来のことを言い切る形にします。
小論文の学校は、手順が少し変わります。令和 8 年度の武蔵野北や小金井北のように、資料の読み取りの小問と、意見を述べる小問の 2 段構えなら、読み取りの小問は、資料の数字と変化を、問いの指定した語を使ってそのまま書きます。感想は入れません。意見の小問は、課題、取り組み、理由の順に書き、取り組みのところで自分の経験や見聞を 1 つ入れます。資料を読む時間が要るので、最初の 5 分を 10 分に伸ばし、メモを 5 分に縮めます。
一般入試の作文は、国語の検査の中にあります。令和 8 年度の第一次募集の国語では、読解の大問の最後に、200 字で書く設問があり、配点は 10 点でした。国語の検査は 50 分なので、ここに使えるのは 8 分から 10 分です。都教育委員会が公表した採点のポイントは 3 つです。テーマに即した自分の意見や主張が書かれていること、本文中の筆者の主張を的確にとらえ、それを踏まえて書かれていること、意見の根拠となる具体的な体験や見聞が書かれていることです。あわせて、誤字が 1 つ以上あれば減点するという部分点の基準の例も示されています。つまり 200 字は、筆者の主張を 1 文で受け、自分の体験や見聞を 2 文か 3 文で書き、意見を 1 文で言い切る、この 3 つで組みます。文字の間違いが点を削るので、見直しの 1 分は必ず取ります。
例文で見る
例文は型を見るためのものです。そのまま提出できる形にはしていません。自分の体験に置き換えて使ってください。
1 つ目は、推薦の作文です。問いは「中学校生活で力を入れたことと、それを本校でどう生かすか」とします。
私が中学校生活で力を入れたのは、放送委員として昼の校内放送を続けたことです。
2 年の 6 月、原稿を読み飛ばして曲が 20 秒早く始まり、職員室に呼ばれました。……翌週から、放送の 10 分前に原稿を声に出して 2 回読む決まりを自分で作りました。……3 年の 3 月の最後の放送で、1 年生から「……」と言われました。
高校では、この「前の 10 分」を授業の予習に使います。……入学したら、まず……。
1 段目は問いの語で始まり、答えが 1 行で見えます。2 段目は、月と秒という数字、職員室という場所、1 年生の言葉という会話があり、本人にしか書けません。失敗から始まっているのも大切なところで、力を入れた理由がそこにあります。3 段目は、体験で身につけた「前の 10 分」を、高校の授業という具体の場面に移しています。「頑張ります」と書かずに、何をするかで結んでいます。
2 つ目は、一般入試の 200 字です。本文の筆者が「よい問いは、答えが出たあとも残る」と述べていたとします。
筆者は、よい問いは答えが出たあとも残ると述べている。私は理科の授業で、氷が水に浮く理由を調べ、密度の違いだと答えを得た。しかし、なぜ固体のほうが軽くなるのかという問いが残り、図書室で水の分子の本を 2 冊読んだ。答えは次の問いの入り口だった。だから私は、答えが出た瞬間に残った疑問を 1 行書き留めることを、学びの習慣にしたい。
最初の 1 文で筆者の主張を受け、採点のポイントの 2 つ目を満たします。次の 3 文が具体的な体験で、授業、図書室、2 冊という手触りがあります。最後の 1 文が自分の意見で、「だから」で体験とつながっています。200 字の中に、受ける、体験、意見の 3 つが全部あります。この形を覚えておけば、本文が変わっても組み立ては同じです。
まちがえやすいところ
直す前に、図3のように、誤りを 3 つに分けて見ます。問いとのずれ、体験の並べ書き、きれいごとの結びです。どれも書き終えてからでは直しにくく、メモの段階で防ぐものです。

1 つ目は、問いとずれることです。「力を入れたことと、どう生かすか」と 2 つ聞かれているのに、力を入れたことだけを 600 字書いてしまう。どこが違うかというと、答えが 1 つしかないので、問いの半分に答えていません。直した文は、1 段目を「私が力を入れたのは……です。それを高校では……に生かします。」と、2 つの答えを 1 段目に並べる形にします。先に 2 つとも置けば、3 段目を書き忘れることがなくなります。
2 つ目は、体験の並べ書きです。「野球部では……。生徒会では……。文化祭では……。」と 3 つを 3 行ずつ書く。どこが違うかというと、どれも説明で終わり、場面がひとつもありません。読む人には、誰にでも書ける作文に見えます。直した文は、1 つに絞って、「2 年の秋の練習で、ノックを 10 本中 7 本そらした。先輩が『顔を上げろ』と言った。」のように、日付と数字と会話のある 1 日を書きます。残りの 2 つは面接で話せばよいのです。
3 つ目は、きれいごとの結びです。「高校でも何事にも全力で頑張りたいと思います。」どこが違うかというと、何を、いつ、どうするかがなく、どの学校にも出せる文になっています。直した文は、「高校では、放送で身につけた前の 10 分の読み直しを、毎朝の予習に使います。」のように、体験の言葉を高校の場面に移します。「思います」を取って言い切るだけでも、文の背筋が伸びます。
よくある質問
推薦と一般で、練習は分けたほうがよいですか
分けません。推薦の作文の 3 段の型は、一般の 200 字の 3 つの部品と同じ形をしています。問いを受け、体験を書き、考えを言い切る。長さが違うだけです。推薦の練習で 600 字の 3 段を書けるようになっていれば、200 字は 2 段目を 3 文に縮めるだけで書けます。推薦が決まらなかった場合も、1 月の練習が 2 月の国語にそのまま生きます。
原稿用紙の書き方は点になりますか
採点の基準は学校ごとに定められ、公表されていないので、何点になるかは言えません。ただ、一般入試の国語では、誤字があれば減点する基準の例が公表されています。段落の始めを 1 字下げる、句読点を行の頭に置かない、といった原稿用紙の決まりは、広く使われる形で書いておけば損はしません。学校から指示があれば、その指示が優先です。
書く題材がありません
題材が無いのではなく、場面を思い出していないことがほとんどです。「力を入れたこと」を聞かれて部活名しか出てこないなら、「叱られた日」「失敗した日」「初めてうまくいった日」の 3 つを思い出してみてください。失敗から始まる体験は、変化が書きやすく、読む人の記憶にも残ります。それでも出てこなければ、家の人に「あのとき何があった」と聞くのがいちばん早いです。
親の手伝い方と個別指導で確かめること
家でできるのは、書かせることではなく、聞くことです。お子さまが書き終えた作文を読む前に、「いつのことか」「誰が何と言ったか」を 1 つずつ聞いてください。答えに出てきた言葉が作文に無ければ、そこが足す場所です。書き直しを命じるより、聞いた言葉を本人がメモに足すほうが、次の作文が変わります。
個別指導で確かめるのは 3 つです。問いの数と答えの数が合っているか、体験に日付と数字と会話があるか、結びに高校での行動があるか。時計で測った練習を重ね、どの 5 分が毎回足りないかを記録して、その区切りだけを集中的に直します。
まとめ
推薦の 1 月 26 日と 27 日にも、一般の 2 月 21 日にも、同じ 3 段の型で向かえます。覚えるのは、メモの 3 つの枠と、50 分の 4 つの区切りだけです。書く前の 10 分のメモが、原稿用紙 3 枚分の消しゴムを減らします。
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