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原稿用紙の使い方—句読点、かぎかっこ、数字の書き方|武蔵野個別指導塾

行頭に来た句点やかぎかっこを前の行の最後のマスに入れる方法、縦書きの漢数字と横書きの算用数字の入れ方を図で示し、赤ペンの大半を自分で消せます。
先に、決まりを 5 行にまとめます。
- 題名は 1 行目に、上を 2 マスか 3 マス空けて書く。名前は 2 行目に、下を 1 マス空けて書く。本文は 3 行目から、段落の頭を 1 マス空けて始める。
- 句点、読点、かぎかっこは 1 マスに 1 つ。行の頭に来そうなときは、前の行の最後のマスに字といっしょに入れる。
- 小さい「っ」「ゃ」「ゅ」「ょ」も 1 マスに 1 つ。縦書きなら右上、横書きなら左下に寄せる。
- 数字は、縦書きなら漢数字、横書きなら算用数字で 1 マスに 2 けたまで。
- 会話は行を変えて「から始め、終わりの句点と閉じかぎは同じマスに入れる。
よくあるのは、返ってきた作文が赤ペンだらけという場面です。内容をほめる言葉は一つもなく、句点のわきに赤い丸、かぎかっこの横に矢印、数字の上には「漢数字で」の書き込みがあります。本人は「ちゃんと書いたのに」と机につっぷし、保護者は赤字の意味を読み取れずに困ります。赤字をよく見ると、その大半は文の中身ではなく、マスの使い方に付いています。決まりの数は少なく、一度身に付ければ次の作文から赤字は消えます。原稿用紙の決まりには学校ごとに少し違う形があり、学校の指示が優先です。ここでは広く使われている形を書きます。
書く前にすること
原稿用紙に向かう前に、決めておくことが 3 つあります。縦書きか横書きか、題名と名前をどこに置くか、自分がいつも直される項目は何か、の 3 つです。先に決めておけば、書いている途中で手が止まりません。
最初は、縦書きか横書きかです。作文や読書感想文は縦書きの原稿用紙が多く、理科の観察記録や社会の調べ学習は横書きの用紙を使うことがあります。縦と横で、句読点の位置と数字の書き方が変わります。配られた用紙のマスの並びを見て、どちらの決まりで書くかを最初に決めます。
次に、題名と名前の位置です。図1のように、縦書きなら右端の行が 1 行目になります。題名は 1 行目の上を 2 マスか 3 マス空けて書き始めます。どちらも広く使われていて、配られた見本があればそれに合わせます。名前は 2 行目に、下を 1 マス空けて書き終わるように置きます。姓と名の間は 1 マス空けます。本文は 3 行目から始め、書き出しの 1 マスを空けます。題名を 1 マス目から書く、名前を上に詰めて書く、本文を 2 行目から始める、の 3 つは赤字の常連です。

3 つ目は、自分がよく直される項目のメモです。前に返された作文を 1 枚取り出し、赤字を種類ごとに数えます。句点の位置が 4 回、かぎかっこが 2 回、数字が 1 回、といった具合です。多い順に 3 つを紙の端に書き、清書のときに机の上に置きます。人によって直される項目は決まっていて、全部の決まりを同時に見張るより、自分の 3 つだけを見張るほうが赤字は早く減ります。
下書きは、本番と同じマス目の紙に書くのがいちばん確かです。白い紙に下書きをしてから原稿用紙に写すと、写すときに句点が行の頭にずれたり、段落の空きマスを忘れたりします。下書きの段階で、行の最後にどの字が来るかまで見えていれば、清書は写すだけで済みます。マス目の紙が無ければ、ノートの罫線を 1 行ごとに使い、1 行の字の数を原稿用紙と同じ 20 字にそろえて書きます。
書く前に、用紙の裏に書いてよいか、鉛筆か消せるペンか、題名の横に組と番号が要るか、といった提出の決まりも見ておきます。中身を書き終えてから気づくと、書き直しになります。
書き方の手順
決まりを、書く順番に並べて確かめます。最初に段落の頭、次に句読点、かぎかっこ、小さい字、数字と英字、最後に記号の順です。
段落の頭は 1 マス空けます。段落を変えるときは行を変え、次の行の 1 マス目を空けて書き始めます。400 字の作文なら、始め、中、終わりの 3 段落か、中を 2 つに分けた 4 段落が目安です。行の途中で内容が変わっても、段落を変えなければ空きマスは作りません。段落の数が多すぎると、1 行ごとに改行した詩のような見た目になり、空きマスばかりが増えます。
句点「。」と読点「、」は、1 マスに 1 つ書きます。縦書きではマスの右上に、横書きではマスの左下に小さく書きます。マスの真ん中に大きく書くと、字と見分けがつかなくなります。句点と読点の役目は違います。句点は文の終わり、読点は文の途中の切れ目で、読点を打ちすぎると読みにくく、打たなすぎると意味が取りにくくなります。1 文に読点は 1 つか 2 つが目安です。
行の最後のマスに字が入り、句点が次の行の頭に来そうなときは、図2のように、前の行の最後のマスに字と句点をいっしょに入れます。読点も同じです。行の頭に句点や読点だけが置かれた形は、赤字の中でいちばん多いものです。行の最後の字を書く前に、次に来るのが句読点かどうかを見ます。
かぎかっこ「 」も、1 マスに 1 つ書きます。開きかぎ「が行の最後のマスに来るときは、そこを空けて次の行の頭から書きます。閉じかぎ」が行の頭に来そうなときは、句点と同じように前の行の最後のマスにいっしょに入れます。会話の終わりでは、句点と閉じかぎを同じ 1 マスに「。」」の形で書きます。句点のマスと閉じかぎのマスを別々に取ると、2 マス分がずれます。会話文は行を変えて、1 マス目から「を書き始める形が広く使われています。本の題名や、会話の中の引用には二重かぎ『 』を使います。

小さい「っ」「ゃ」「ゅ」「ょ」と、伸ばす音の「ー」も、1 マスに 1 つです。小さい字は、縦書きではマスの右上に、横書きではマスの左下に寄せて書きます。縦書きの「ー」は縦の線になり、横書きでは横の線になります。縦書きの用紙に横の線を書くと、漢数字の「一」と区別がつきません。小さい字は、句読点と違って行の頭に来てもかまいません。
数字は、縦書きなら漢数字で書きます。「三十五人」「二千二十六年」のように、読むとおりに書くのが基本です。横書きなら算用数字で、1 マスに 2 けたまで入れます。「35 人」なら 35 を 1 マスに入れ、「2026 年」なら 20 と 26 で 2 マスです。1 けたの数は 1 マスに 1 字です。縦書きの中に算用数字を入れる書き方もありますが、学校の作文では漢数字にそろえるのが無難です。
英字は、横書きでは大文字を 1 マスに 1 字、小文字を 1 マスに 2 字入れます。縦書きの中で英字を使うときは、字を横に倒して書くか、カタカナに直します。「PTA」のような略語はそのまま使い、「ノート」「ゲーム」のように日本語になっている言葉はカタカナで書きます。
記号は、使う場面が限られます。疑問符「?」は 1 マスに 1 つで、その後に文が続くなら 1 マス空けます。文の終わりに疑問符を置いたときは、句点を重ねません。点を 3 つ並べる「……」と、長い線の「――」は、どちらも 2 マス使います。中点「・」は 1 マスです。記号を増やすほど、文で説明する力は育ちません。会話の勢いを出したい 1 か所に限って使います。
書き終えたら、行の最後のマスだけを上から下へ目でたどります。句点、読点、閉じかぎが次の行の頭に来ていないか、開きかぎが行の最後に残っていないか、この 2 つを見るだけで赤字の半分が消えます。残りの半分は、段落の頭の空きマスと、数字の書き方です。
例文で見る
決まりを、短い自作の例文に当てはめます。どちらも型を見るための例で、そのまま提出する文ではありません。
一つ目は、縦書きの作文の書き出しです。
朝、げんかんで母が言った。
「かさを持った?」
ぼくは「うん。」と答えて、かさを持たずに出た。
この 3 行で、決まりが 5 つ使われています。1 行目は段落の頭なので 1 マス空けています。母の言葉は行を変えて、1 マス目から開きかぎを書いています。疑問符の後は文が終わっているので、句点を重ねていません。3 行目の「うん。」は、句点と閉じかぎを同じ 1 マスに入れる場所です。ここを 2 マスに分けると、その後ろの字が全部 1 マスずつずれます。会話のあとの地の文は、段落として続けるので 1 マス空けて始めています。この例が良いのは、会話を改行で見せているので、誰の言葉かが一目でわかる点です。1 行 20 マスの用紙に置いてみると、1 行目は空きマスを入れて 14 マス、2 行目は 9 マスです。3 行目は「かさを持たずに」の「に」で 20 マス目が埋まり、次の行は「出た。」の 3 マスで終わります。清書の前にこうして数えておけば、句点が行の頭に来るかどうかは書く前にわかります。
二つ目は、横書きの調べ学習の一部です。
2026 年の 5 月、クラスの 35 人で公園の木を数えた。PTA の人が 3 人手伝ってくれた。
横書きなので数字は算用数字です。2026 は 20 と 26 の 2 マス、35 は 1 マス、5 と 3 は 1 マスに 1 字ずつ入ります。PTA は大文字なので 1 マスに 1 字ずつで 3 マスです。句読点は、横書きではマスの左下に書きます。この例が良いのは、数字を文の中に自然に入れ、数えた結果と手伝った人数を区別して書いている点です。縦書きで書くなら、二千二十六年、三十五人、三人と漢数字に直します。2 けたを 1 マスに入れるときは、マスの中で左右に並べ、字の幅を半分にします。1 マスに 3 けたを押し込むと読めなくなるので、「2026」は必ず 2 マスに分けます。横書きでも、句点と読点が行の頭に来そうなときは、縦書きと同じく前の行の最後のマスに入れます。
例文を写すときは、自分の作文の場面に置き換えます。母を父に、かさを帽子に変えるだけでも、自分の出来事になります。大事なのは文そのものではなく、どのマスに何を入れるかの型です。
まちがえやすいところ
よくある誤りを 3 つ、どこが違うか、直した形の順に並べます。
一つ目は、句点を行の頭に置く誤りです。「……見えました」で行の最後のマスが埋まり、次の行の 1 マス目に「。」だけを書いてしまう形です。どこが違うかというと、句点は行の頭に置かない決まりがあり、読み手は行の頭の句点を字と見間違えます。直した形は、前の行の最後のマスに「た。」と 2 つをいっしょに入れます。閉じかぎも同じで、「た」と「」」を同じマスに入れます。
二つ目は、会話の終わりの句点と閉じかぎを 2 マスに分ける誤りです。「。」と「」」を別のマスに書くと、見た目は丁寧に見えますが、決まりでは 1 マスです。どこが違うかというと、句点と閉じかぎはひとまとまりの記号で、分けると後ろの文がずれ、行の最後で別の誤りを呼びます。直した形は、「。」」を 1 マスに書き、縦書きなら右上に小さくまとめます。
三つ目は、縦書きの作文に算用数字をそのまま入れる誤りです。縦書きの中に横向きの 35 を書くと、図3のように、縦に並んだ字の中で数字だけが横を向きます。どこが違うかというと、縦書きの数字は漢数字で書く決まりがあり、算用数字は横書きのための形です。直した形は「三十五」で、1 マスに 1 字ずつ書きます。横書きの用紙なら、35 を 1 マスに入れるのが正しい形です。

この 3 つに共通するのは、記号や数字を「字と同じもの」として扱っていない点です。原稿用紙では、句点も閉じかぎも数字も、マスに入れる字の仲間として数えます。字として扱えば、行の頭に置かない理由も、1 マスにまとめる理由も、同じ決まりから説明できます。
よくある質問
小さい「っ」が行の頭に来てしまいました。直すべきですか
直さなくてかまいません。行の頭に置かない決まりがあるのは、句点、読点、閉じかぎです。小さい「っ」「ゃ」「ゅ」「ょ」は字の仲間なので、行の頭に来ても誤りではありません。縦書きなら右上に寄せて、1 マスに 1 つ書きます。前の行の最後のマスに押し込むと、かえって赤字になります。
段落はどのくらいで変えればよいですか
内容が変わるところで変えます。400 字なら 3 段落か 4 段落、800 字なら 4 段落か 5 段落が目安です。1 行ごとに段落を変えると空きマスばかりになり、逆に最後まで 1 段落だと、読み手がどこで息を継げばよいかわかりません。書く前に、始め、中、終わりの 3 つに出来事を分けておくと、段落の数は自然に決まります。
疑問符の後ろは、句点を付けますか
付けません。疑問符は文の終わりを示す役目も持っているので、「?。」とは書きません。文がそこで終わるなら疑問符だけで終え、次の文が同じ行に続くなら疑問符の後ろを 1 マス空けます。会話の中で使うときも、疑問符の後ろに句点は付けません。
親の手伝い方と個別指導で確かめること
家で手伝うときは、中身を直す前に、行の最後のマスだけをお子さまと一緒に指でたどってください。句点と閉じかぎが次の行の頭に来ていないか、それだけを見ます。見つけたら、答えを書かずに「このマス、何が入る」と聞きます。自分で気づいて直した決まりは、次の作文でも守れます。
個別指導では、返ってきた作文の赤字を項目ごとに分け、どの決まりで何回直されたかを数えるところから始めます。回数の多い決まりを 1 つに絞り、同じマス目の紙で 3 回書いて身に付けてから、次の決まりへ進みます。全部を一度に直そうとすると、どれも定着しません。
まとめ
原稿用紙の決まりは、題名と名前の位置、句読点とかぎかっこの 1 マス、行の頭に置かない記号、縦書きの漢数字と横書きの算用数字、この 4 つに収まります。覚えるのは 4 つ、見張るのは自分がよく直される 3 つだけです。清書のあとに行の最後のマスをたどる 1 分が、書き直しの 1 時間を省きます。赤ペンの数は、文の才能ではなく、行の最後のマスをたどったかどうかで決まります。
読んで終わりにするか、ここから変えるか。
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