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三角関数の公式一覧—相互関係・加法定理・合成まで|武蔵野個別指導塾

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2倍角も半角も合成も、覚える 3 本の式から作り直せます。cos 2α の 3 つの形の選び方と、sin と cos の足し算を 1 本の波にまとめる手順は例題 4 問で練習できます。

三角関数の公式を、かたまりごとに 1 枚に並べます。θ、α、β、A、B は角、a と b は同時に 0 にならない実数です。± と ∓ を含む式は、上の符号どうし、下の符号どうしをそろえて読みます。tan を含む式は、tan が定義されない角と分母が 0 になる角を除きます。

かたまり 公式
相互関係 sin²θ + cos²θ = 1
相互関係 tan θ = sin θ / cos θ
相互関係 1 + tan²θ = 1 / cos²θ
負の角 sin(-θ) = -sin θ、cos(-θ) = cos θ、tan(-θ) = -tan θ
余角 sin(π/2 − θ) = cos θ、cos(π/2 − θ) = sin θ、tan(π/2 − θ) = 1 / tan θ
加法定理 sin(α ± β) = sin α cos β ± cos α sin β
加法定理 cos(α ± β) = cos α cos β ∓ sin α sin β
加法定理 tan(α ± β) = (tan α ± tan β) / (1 ∓ tan α tan β)
2倍角 sin 2α = 2 sin α cos α
2倍角 cos 2α = cos²α − sin²α = 1 − 2 sin²α = 2 cos²α − 1
2倍角 tan 2α = 2 tan α / (1 − tan²α)
半角 sin²(α/2) = (1 − cos α) / 2
半角 cos²(α/2) = (1 + cos α) / 2
半角 tan²(α/2) = (1 − cos α) / (1 + cos α)
積を和に sin α cos β = (1/2){sin(α + β) + sin(α − β)}
積を和に cos α sin β = (1/2){sin(α + β) − sin(α − β)}
積を和に cos α cos β = (1/2){cos(α + β) + cos(α − β)}
積を和に sin α sin β = -(1/2){cos(α + β) − cos(α − β)}
和を積に sin A + sin B = 2 sin((A + B)/2) cos((A − B)/2)
和を積に sin A − sin B = 2 cos((A + B)/2) sin((A − B)/2)
和を積に cos A + cos B = 2 cos((A + B)/2) cos((A − B)/2)
和を積に cos A − cos B = -2 sin((A + B)/2) sin((A − B)/2)
合成の式 a sin θ + b cos θ = √(a² + b²) sin(θ + α) ただし r = √(a² + b²) として cos α = a / r、sin α = b / r
弧度法 180° = π ラジアン

よくあるのは、数学Ⅱの授業が終わった後の廊下で、移動教室の列から一歩外れて公式を探すという場面です。黒板の最後の行には「あとは全部、加法定理から出ます」とありました。その「全部」がいくつあるのか、どれを覚えてどれを作るのか、ノートを開いても見えてきません。次のチャイムまでに要るのは長い説明ではなく、地図です。上の表が地図で、ここから下は歩き方です。

公式の一覧

出発点は単位円です。半径 1 の円の上に、x 軸の正の向きから角 θ だけ回った点 P(x, y) をとり、x を cos θ、y を sin θ、y / x を tan θ と決めます。三角関数の定義はこれで全部です。

図1 単位円の点 P の座標で cos、sin、tan を決める図

図1のように、cos θ は点 P の横の位置、sin θ は縦の位置です。tan θ は、原点と P を結ぶ直線が縦線 x = 1 と交わる点の高さにあたります。色をつけた直角三角形に三平方の定理を使うと x² + y² = 1 で、これがそのまま相互関係の 1 本目です。θ が 90° を超えても、P が円の上にいる限りこの式は崩れません。

冒頭の表を、問題のどこを見たら使うかで引き直すと次のようになります。科目の欄は学ぶ時期の目安です。

かたまり 学ぶ科目 問題のここを見たら使う
相互関係 数学Ⅰ(0° から 180°)、数学Ⅱ(一般角) sin、cos、tan のどれか 1 つと、角の象限がわかっている
負の角・余角など 数学Ⅰ(90° − θ、180° − θ)、数学Ⅱ(一般角) 角に -θ、π/2 − θ、π − θ が入っている
加法定理 数学Ⅱ 角が有名角の和か差に分けられる(15°、105° など)
2倍角 数学Ⅱ θ と 2θ が 1 つの式に混ざっている
半角 数学Ⅱ 22.5° のように半分の角の値がほしい、sin²θ の 2 乗を消したい
積を和に・和を積に 数学Ⅱ(教科書によって発展の扱い)、数学Ⅲの積分で使う 積のままでは積分しにくい、和のままでは方程式を解きにくい
合成 数学Ⅱ 同じ角の sin と cos が足してあり、最大最小や方程式を聞かれている
弧度法 数学Ⅱ 角が π で書かれている、弧の長さやおうぎ形の面積を聞かれている

角を変えたときの値は、次の表で全部そろいます。冒頭の表に載せた負の角と余角に、π/2 + θ、π − θ、π + θ を足したものです。

角 sin cos tan
-θ -sin θ cos θ -tan θ
π/2 − θ cos θ sin θ 1 / tan θ
π/2 + θ cos θ -sin θ -1 / tan θ
π − θ sin θ -cos θ -tan θ
π + θ -sin θ -cos θ tan θ

sin と cos は 2π ごとに、tan は π ごとに同じ値へ戻ります。n を整数として sin(θ + 2nπ) = sin θ、cos(θ + 2nπ) = cos θ、tan(θ + nπ) = tan θ です。

弧度法は、度数に π/180 をかけるとラジアンになり、ラジアンに 180/π をかけると度数に戻ります。1 ラジアンはおよそ 57.3° です。よく出る角は次の表で確かめてください。

度数 ラジアン
30° π/6
45° π/4
60° π/3
90° π/2
120° 2π/3
135° 3π/4
150° 5π/6
180° π
270° 3π/2
360° 2π

半径 r、中心角 θ(ラジアン)のおうぎ形では、弧の長さが l = rθ、面積が S = (1/2)r²θ = (1/2)rl です。度数のままだと 360 で割る手間が入りますが、ラジアンならこの短い形で済みます。

なぜこの形になるのか

一覧の行数にひるむ必要はありません。図2のように、赤の 2 つのかたまりだけを手元に置けば、紺のかたまりはすべて矢印をたどって作れます。ばらばらに見えた公式は、1 本の幹から伸びた枝です。赤の相互関係も、中身は 1 本で足ります。tan θ = sin θ / cos θ は定義そのもので、1 + tan²θ = 1 / cos²θ は sin²θ + cos²θ = 1 の両辺を cos²θ で割っただけの式です。

図2 単位円と加法定理から各公式が生まれるつながり

幹の手前に、角の折り返しを置きます。図3の点 Q は、点 P を x 軸で折り返した位置で、座標は (x, -y) です。だから cos は変わらず、sin は符号が変わります。点 R は、直線 y = x で折り返した位置で、座標は (y, x) です。x 軸から測った角は π/2 − θ で、横と縦が入れ替わるので sin と cos が入れ替わります。

図3 -θ と π/2 - θ を単位円の折り返しで読む図

幹そのものは、距離を 2 通りで測って作ります。今度は単位円の上に 2 点 P(cos α, sin α) と Q(cos β, sin β) をとります。距離の 2 乗は、PQ² = (cos α − cos β)² + (sin α − sin β)² = 2 − 2(cos α cos β + sin α sin β) です。次に円全体を -β だけ回します。回転後の 2 点の座標は (1, 0) と (cos(α − β), sin(α − β)) で、回しても 2 点の距離は変わらないので、PQ² = (cos(α − β) − 1)² + sin²(α − β) = 2 − 2 cos(α − β) とも書けます。両方を見比べて、cos(α − β) = cos α cos β + sin α sin β が出ます。ここから先は、この 1 本からの置き換えだけで進みます。

  1. β を -β に置き換えると、負の角の公式から cos(α + β) = cos α cos β − sin α sin β です。
  2. sin(α + β) = cos((π/2 − α) − β) と見て cos(α − β) の式に入れ、余角の公式で直すと sin α cos β + cos α sin β です。
  3. sin の式を cos の式で割り、分母と分子を cos α cos β で割ると tan の加法定理です。
  4. β = α とおくと 2倍角です。cos 2α は sin²α + cos²α = 1 を使って、sin だけの形と cos だけの形にも直せます。
  5. cos 2α = 1 − 2 sin²α を sin²α について解き、α を α/2 に置き換えると半角です。cos も同じ手順で、tan は sin の式を cos の式で割れば出ます。α を 2θ と読み直した sin²θ = (1 − cos 2θ) / 2 は、数学Ⅲの積分で 2 乗を消す形として再び現れます。
  6. sin(α + β) と sin(α − β) を足すと 2 sin α cos β が残ります。2 で割れば積を和に直す公式です。引き算と cos でも同じです。
  7. 積を和に直す公式で α + β = A、α − β = B とおくと、α = (A + B)/2、β = (A − B)/2 となり、和を積に直す公式に変わります。
  8. sin(θ + α) の加法定理の両辺に r をかけると r sin(θ + α) = r cos α sin θ + r sin α cos θ です。a = r cos α、b = r sin α と読めば a² + b² = r² なので r = √(a² + b²) と決まり、これが合成です。合成は新しい公式ではなく、加法定理を右から左へ読んだものにすぎません。

3倍角も同じ枝の先にあります。3α = α + 2α と分けて加法定理と 2倍角を使えば、sin 3α = 3 sin α − 4 sin³α、cos 3α = 4 cos³α − 3 cos α が出てきます。

例題で使い方を確かめる

例題 1 象限から符号を決める

θ が第2象限の角で sin θ = 3/5 のとき、cos θ と tan θ の値を求めてください。

  1. sin²θ + cos²θ = 1 に sin θ = 3/5 を入れ、cos²θ = 1 − 9/25 = 16/25 とします。いったん 2 乗のまま受けるのは、符号の判断を次の手順に分けるためです。
  2. 第2象限では点 P の横の位置が負なので、cos θ = -4/5 を選びます。象限の情報を使うのはこの 1 か所だけです。
  3. tan θ = sin θ / cos θ = (3/5) ÷ (-4/5) = -3/4 と計算します。sin と cos がそろった後は、定義どおりに割るだけで済みます。

答え: cos θ = -4/5、tan θ = -3/4

例題 2 有名角の和に分ける

cos 105° の値を求めてください。

  1. 105° = 60° + 45° と分けます。値を知っている角の和にしなければ、加法定理に入れても計算が進まないからです。
  2. cos(α + β) の式に入れ、cos 60° cos 45° − sin 60° sin 45° = (1/2)(√2/2) − (√3/2)(√2/2) とします。cos の加法定理は真ん中が引き算になるので、ここで符号を一度指で押さえます。
  3. 分母を 4 にそろえて (√2 − √6) / 4 とまとめます。105° は第2象限の角で cos は負のはずで、√2 < √6 なので結果の符号とも合います。

答え: cos 105° = (√2 − √6) / 4

例題 3 2倍角で角をそろえる

0 ≤ θ < 2π のとき、cos 2θ + sin θ = 0 を解いてください。

  1. 角を θ にそろえることを先に決めます。2θ と θ が混ざったままでは、1 つの文字の方程式になりません。
  2. cos 2θ の 3 つの形から 1 − 2 sin²θ を選びます。残りの項が sin θ なので、sin だけの形にすれば文字が 1 種類で済みます。
  3. 1 − 2 sin²θ + sin θ = 0 を整理して 2 sin²θ − sin θ − 1 = 0 とし、(2 sin θ + 1)(sin θ − 1) = 0 と因数分解します。sin θ を 1 つの文字と見れば、中学で習った二次方程式と同じ形です。
  4. sin θ = 1 から θ = π/2、sin θ = -1/2 から θ = 7π/6、11π/6 を読み取ります。-1/2 の方は第3象限と第4象限の 2 か所にあるので、単位円で両方を拾います。

答え: θ = π/2、7π/6、11π/6

例題 4 合成で 1 本の波にする

0 ≤ θ < 2π のとき、y = √3 sin θ + cos θ の最大値と最小値、そのときの θ を求めてください。

  1. sin θ の係数 a = √3 と cos θ の係数 b = 1 から、r = √(3 + 1) = 2 を出します。図4の左のように、係数を横と縦にとった直角三角形の斜辺がこの r です。
  2. cos α = √3/2、sin α = 1/2 から α = π/6 と決めます。三角形の底の角を読むだけです。
  3. y = 2 sin(θ + π/6) と書き直します。sin が 1 回しか出てこない形にすれば、その値は -1 から 1 までと決まっているので、最大と最小がすぐに読めます。
  4. θ + π/6 の範囲は π/6 ≤ θ + π/6 < 13π/6 です。角の範囲をずらしておかないと、最大になる θ を読み違えます。
  5. θ + π/6 = π/2 となる θ = π/3 で y = 2 です。θ + π/6 = 3π/2 となる θ = 4π/3 で y = -2 です。sin の値が 1 と -1 になる角を、ずらした範囲の中から探しているだけです。
図4 √3 sin θ + cos θ を斜辺 2 の三角形と波で読む図

図4の右が、まとめた後の波です。2 つの波を足した式が、高さ 2 の 1 本の波に変わり、山が θ = π/3、谷が θ = 4π/3 に来ることが目で読めます。

答え: 最大値 2(θ = π/3 のとき)、最小値 -2(θ = 4π/3 のとき)

まちがえやすいところ

1 つ目は、括弧を開いてしまう誤りです。

2 つ目は、cos の加法定理の符号です。sin の式の「足す」につられて起こります。

3 つ目は、合成の α の取り違えです。cos α と sin α のどちらにどの係数が入るかを逆にすると、式の見た目は整ったまま答えだけがずれます。

3 つとも、見つけ方は同じです。答えを書く前に、θ = 0 や 45° のような計算しやすい角を入れて、両辺を比べてください。

覚え方と忘れたときの戻り方

覚える式は 3 本で足ります。sin²θ + cos²θ = 1、sin(α + β)、cos(α + β) です。試験中に忘れたら、次の順に余白で作り直してください。

  1. 単位円を描き、P(cos θ, sin θ) と書いて相互関係を読みます。
  2. 加法定理の 2 本を書きます。よく使われる語呂に「咲いたコスモス、コスモス咲いた」(sin α cos β + cos α sin β)と「コスモスコスモス、咲かない咲かない」(cos α cos β − sin α sin β)があります。語呂が運ぶのは並び順までなので、符号は α = β = 45° を入れて確かめます。
  3. β = α とおいて 2倍角を作り、cos 2α を 2 乗について解いて半角を作ります。
  4. sin(α + β) と sin(α − β) を並べて足し引きし、積と和の変換を作ります。
  5. 直角三角形を描いて、横に sin の係数、縦に cos の係数をとり、合成の r と α を読みます。

途中で詰まったら、1 つ手前の番号へ戻ります。積と和の変換が出なければ加法定理へ、合成があやしければ三角形へ戻る。戻る先が決まっていれば、1 行忘れても答案は止まりません。

練習問題

例題の手順をなぞるだけでは済まないように、例題で使っていない公式を混ぜました。

答えと解説

練習 1 は、相互関係の 3 本目から入ります。1 + tan²θ = 1 / cos²θ に tan θ = 2 を入れると 1 / cos²θ = 5 で、cos²θ = 1/5 です。第3象限では cos が負なので、cos θ = -1/√5 = -√5/5 と決まります。sin θ は sin θ = tan θ × cos θ から 2 × (-√5/5) = -2√5/5 です。sin²θ + cos²θ = 4/5 + 1/5 = 1 となるので、計算は合っています。

答え: cos θ = -√5/5、sin θ = -2√5/5

練習 2 は、π/8 が π/4 の半分だと気づくところが出発点です。cos²(α/2) = (1 + cos α) / 2 に α = π/4 を入れると、cos²(π/8) = (1 + √2/2) / 2 = (2 + √2) / 4 です。π/8 は第1象限の角で cos は正なので、正の平方根をとります。半角の公式は 2 乗の形で出てくるので、最後の符号は自分で決めなければなりません。値はおよそ 0.924 で、cos 22.5° の見当とも合います。

答え: cos(π/8) = √(2 + √2) / 2

練習 3 は、sin α cos β = (1/2){sin(α + β) + sin(α − β)} に α = 75°、β = 15° を入れます。α + β = 90° と α − β = 60° は、どちらも値を知っている角です。式は (1/2)(sin 90° + sin 60°) = (1/2)(1 + √3/2) = (2 + √3) / 4 と進みます。75° と 15° の値をそれぞれ出してからかけるより、ずっと短く終わります。値はおよそ 0.933 です。

答え: sin 75° cos 15° = (2 + √3) / 4

次に確かめる公式

個別指導で手が止まった生徒には、合成なら加法定理へ、加法定理の符号なら単位円の座標へと戻って、その式を本人の手で書いてもらうところから確かめます。

まとめ

一覧に並んだ行の多くは、暗記の相手ではありません。自分で作った式の答え合わせに使うものです。単位円の座標の読み方と 3 本の式を身につけたら、表を閉じて、2倍角から合成までを白紙に書き出してみてください。書けなかった 1 行が、次に戻る場所を教えてくれます。余白と 3 本の式があれば、残りの行は試験の最中でも作り直せます。

読んで終わりにするか、ここから変えるか。

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