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因数分解の公式一覧—中3の形から高校の3次式まで、使う順番つき|武蔵野個別指導塾

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2x³ − 18x の答えが x(2x² − 18) で止まると何が足りないのか。和と差から a³ − b³ まで 10 の形を表に並べ、共通因数から確かめまで 5 段の順番で式をほどいていきます。

式の形 因数分解した形 学ぶ範囲
ma + mb m(a + b) 中3
a² + 2ab + b² (a + b)² 中3
a² − 2ab + b² (a − b)² 中3
a² − b² (a + b)(a − b) 中3
x² + (a + b)x + ab (x + a)(x + b) 中3
acx² + (ad + bc)x + bd (ax + b)(cx + d) 数学Ⅰ
a³ + b³ (a + b)(a² − ab + b²) 数学Ⅱ
a³ − b³ (a − b)(a² + ab + b²) 数学Ⅱ
a³ + 3a²b + 3ab² + b³ (a + b)³ 数学Ⅱ
a³ − 3a²b + 3ab² − b³ (a − b)³ 数学Ⅱ

a, b, c, d, m には、数だけでなく 2x や x + 1 のような式のかたまりも入ります。使う順番は、共通因数をくくる → 項の数で公式を選ぶ → 同じかたまりを置き換える → 括弧の中をもう一度見る → 展開で確かめる、の 5 段です。

よくあるのは、夜の机でワークの解答を開いても納得できないという場面です。問題は 2x³ − 18x。自分の答えは x(2x² − 18) で、展開すれば問題の式にきちんと戻ります。それなのに解答の欄には 2x(x + 3)(x − 3) とあるだけで、なぜ 2x でくくるのか、なぜそこで終わるのかは 1 行も書いてありません。消しゴムのかすばかり増える夜に要るのは、結果ではなく、どの公式をどの順に使うかです。

公式の一覧

因数分解は、足し算と引き算でつながった式を、かけ算の形に直す作業です。かけられている 1 つ 1 つの式を因数と呼びます。冒頭の表は学ぶ範囲の順でした。問題を前にして引くのは、項の数で並べた次の表です。

項の数 見分ける目印 使う公式 数を入れた例
2 項 2 乗どうしの差 和と差 x² − 49 = (x + 7)(x − 7)
2 項 3 乗どうしの和 3 乗の和 x³ + 8 = (x + 2)(x² − 2x + 4)
2 項 3 乗どうしの差 3 乗の差 x³ − 27 = (x − 3)(x² + 3x + 9)
3 項 両端が 2 乗で中央が 2ab の形 和の平方・差の平方 9x² − 12x + 4 = (3x − 2)²
3 項 x² の係数が 1 和と積 x² + 5x − 14 = (x + 7)(x − 2)
3 項 x² の係数が 1 でない たすき掛け 3x² + 10x + 8 = (3x + 4)(x + 2)
4 項 両端が 3 乗で係数が 1, 3, 3, 1 和の 3 乗・差の 3 乗 x³ + 6x² + 12x + 8 = (x + 2)³
4 項 2 項ずつに分けると同じかたまりが出る 組み分け x³ + 2x² − 9x − 18 = (x + 2)(x + 3)(x − 3)

公式の呼び名は教科書によって少しずつ違うので、名前より式の形で覚えてください。図1のように、最初の関門はどの式でも共通因数で、そのあと項の数で 3 方向に分かれます。どの方向へ進んでも、最後は括弧の中の確認に集まります。

図1 共通因数から項の数で公式を選び括弧の中を確かめる流れ

使う順番は 5 段

  1. 共通因数をくくり出します。2x³ − 18x なら 2x(x² − 9) です。先にくくると係数が小さくなり、隠れていた公式の形が見えてきます。
  2. 項の数を数えて公式を選びます。括弧の中の x² − 9 は 2 項で、2 乗どうしの差なので和と差を使います。4 項の x³ + 2x² − 9x − 18 なら、前の 2 項と後ろの 2 項に分けて x²(x + 2) − 9(x + 2) とすると、x + 2 が共通因数として現れます。
  3. 同じかたまりが繰り返されていたら 1 文字に置き換えます。(x + 1)² + 5(x + 1) + 6 は、x + 1 を A とすれば A² + 5A + 6 = (A + 2)(A + 3) で、もとに戻して (x + 3)(x + 4) です。全部を展開してから整理するより、計算がずっと短くなります。
  4. 括弧の中をもう一度見ます。x⁴ − 16 は (x² + 4)(x² − 4) で止まりそうになりますが、x² − 4 はまだ (x + 2)(x − 2) に分解できます。
  5. 最後に確かめます。見るのは、展開するともとの式に戻ることと、どの括弧もこれ以上分解できないことの 2 つです。戻るだけでは足りません。x(2x² − 18) も戻るからです。

中学と高校の因数分解は、特に指定がなければ係数が有理数の範囲で考えます。x² − 2 を (x + √2)(x − √2) とはせず、そのまま残すのはこのためです。

順番が答えの見つけやすさを変える例が x⁶ − 1 です。2 乗どうしの差にも 3 乗どうしの差にも見えるとき、2 乗の差を先に使います。(x³ + 1)(x³ − 1) とすれば、それぞれに 3 乗の公式が使え、(x + 1)(x² − x + 1)(x − 1)(x² + x + 1) まで一直線です。3 乗の差を先に使うと (x² − 1)(x⁴ + x² + 1) となり、x⁴ + x² + 1 という見慣れない式が残ります。これも (x² + x + 1)(x² − x + 1) に分解できるものの、気づくのは簡単ではありません。

文字が多いときの整理

文字が 2 種類以上あって項も多い式は、いちばん次数の低い文字に注目します。x² + xy − 3x − 3y では x が 2 次、y が 1 次なので、y について整理します。すると (x − 3)y + x(x − 3) となり、x − 3 をくくって (x − 3)(x + y) です。1 次の文字で整理すると、式は「かたまり × 文字 + かたまり」の形になり、2 つのかたまりの共通部分を探すだけで済みます。

どの文字も同じ次数なら、1 つの文字を選んで降べきの順に並べます。降べきの順とは、その文字の次数が高い項から順に書くことです。残りの文字はただの数のように扱います。3 文字の式 a³ + b³ + c³ − 3abc = (a + b + c)(a² + b² + c² − ab − bc − ca) もあります。教科書では発展として扱われることが多い形です。

なぜこの形になるのか

因数分解の公式に、新しい内容はありません。展開の結果を右から左へ読み直しただけです。(a + b)(a − b) を分配法則で開くと a² − ab + ab − b² となり、中央の -ab と +ab が消えて a² − b² が残ります。和と差の公式の正体は、この打ち消し合いです。

図2は同じことを面積で見せます。a = 5, b = 2 として、1 辺 a の正方形から 1 辺 b の正方形を切り取ると、面積 25 − 4 = 21 の L 字が残ります。L 字を 2 つに切り、オレンジ色の部分を回して青い部分の横へ移すと、たて a − b、よこ a + b の長方形になります。たて 3、よこ 7 で、面積は同じ 21 です。

図2 1辺aの正方形からbの正方形を切り取り長方形へ並べ替える図

中3の公式は別々のものではありません。x² + (a + b)x + ab = (x + a)(x + b) で a と b を同じ数にすると、和の平方の公式になります。b を -a にすると中央の項が消えて、x² − a² = (x + a)(x − a) になります。和の平方も和と差も、和と積の公式の特別な場合です。さらに (ax + b)(cx + d) = acx² + (ad + bc)x + bd で a と c を 1 にすれば、和と積の形に戻ります。覚える式の数は、見かけより少ないのです。たすき掛けという呼び名は、ad と bc が斜めに掛け合わされる形からきています。

3 次の公式も、展開の打ち消し合いから出ます。(a + b)(a² − ab + b²) を開くと a³ − a²b + ab² + a²b − ab² + b³ で、中央の 4 つの項が 2 組ずつ消えて a³ + b³ だけが残ります。2 つ目の括弧の中央が -ab なのは、この打ち消しを起こすためです。+ab にすると、消えるはずの項が消えません。差の公式を別に覚える必要もなく、和の公式の b を -b に置き換えれば a³ − b³ = (a − b)(a² + ab + b²) が出てきます。a³ + 3a²b + 3ab² + b³ の係数 1, 3, 3, 1 は、(a + b) を 3 回かけるときに b を取り出す括弧の選び方の数です。

例題で使い方を確かめる

易しい順に 4 問を解きます。どの問題でも、手順の 1 番目は共通因数の確認です。

例題 1 3x³ − 12x(中3)

  1. 共通因数を探します。3x³ と 12x はどちらも 3 と x で割れるので、3x(x² − 4) とします。先に外へ出すと、括弧の中の次数が 3 から 2 に下がり、公式の形に近づくからです。
  2. 括弧の中の項を数えます。x² − 4 は 2 項で、x² と 2² の差です。2 項で 2 乗どうしの差なら、使う公式は和と差に決まります。
  3. a を x に、b を 2 に置き換えて (x + 2)(x − 2) と書きます。公式の文字には、見えている数や式をそのまま入れれば済みます。
  4. x = 3 を入れて確かめます。左は 81 − 36 = 45、右は 9 × 5 × 1 = 45 で一致します。x = 2 や x = 0 は因数が 0 になり、0 = 0 しか言えないので避けます。

答え: 3x(x + 2)(x − 2)

例題 2 6x² + x − 12(数学Ⅰ)

  1. 共通因数を確かめます。6, 1, -12 には 1 以外の共通の約数がありません。この確認が、手順 3 で候補を減らす材料になります。
  2. 6 を 2 × 3 と分け、(2x + p)(3x + q) の形を探します。x の係数 1 がとても小さく、斜めの積どうしがほとんど打ち消し合うはずなので、差の小さい 2 と 3 の組から試すのが近道です。
  3. 候補を絞ります。pq = -12 となる整数の組は全部で 12 通りありますが、もし 2x + 4 のような括弧が入っていれば、式全体が 2 で割れるはずです。共通因数がない式にそれは起きないので、p は奇数、q は 3 の倍数でないものに限られ、残るのは (p, q) = (3, -4) と (-3, 4) の 2 通りだけです。
  4. 図3のように斜めに掛けます。2 × (-4) = -8 と 3 × 3 = 9 の和は 1 で、x の係数と一致します。(-3, 4) のほうは和が -1 で、符号が逆になります。
  5. 横に読んで括弧を作ります。上の段の 2 と +3 が 2x + 3 に、下の段の 3 と -4 が 3x − 4 になります。左の列をかけると 6、右の列をかけると -12 になる並べ方なので、横の組がそのまま因数です。
  6. 展開で確かめます。(2x + 3)(3x − 4) = 6x² − 8x + 9x − 12 = 6x² + x − 12 で、もとの式に戻ります。
図3 6x² + x - 12 をたすき掛けで (2x + 3)(3x - 4) にする図

答え: (2x + 3)(3x − 4)

例題 3 8x³ − 27(数学Ⅱ)

  1. 共通因数を確かめます。8 と 27 には 1 以外の共通の約数がないので、公式を選ぶ段へ進みます。
  2. 項を数えて形を読みます。2 項で、8x³ = (2x)³、27 = 3³ なので 3 乗どうしの差です。8 と 27 が 3 乗の数だと気づけるかどうかが、この問題の入口です。
  3. a を 2x に、b を 3 に置き換えて a³ − b³ = (a − b)(a² + ab + b²) に入れます。(2x − 3)((2x)² + 2x × 3 + 3²) となります。2x をかたまりのまま入れると、(2x)² の 4 を落とす誤りを防げます。
  4. 整理して (2x − 3)(4x² + 6x + 9) とします。係数をまとめるのは、次の段で括弧の中の形を読むためです。
  5. 2 つ目の括弧をもう一度見ます。4x² + 6x + 9 の判別式は 36 − 144 = -108 で負なので、実数の範囲ではこれ以上分解できません。ここで止めてよいと、計算で確かめられました。
  6. x = 2 を入れて確かめます。左は 64 − 27 = 37、右は 1 × (16 + 12 + 9) = 37 です。

答え: (2x − 3)(4x² + 6x + 9)

例題 4 x² + xy − 2y² + 2x + 7y − 3(数学Ⅰ)

  1. 共通因数はないので、整理する文字を決めます。x も y も 2 次で次数は同じです。x² の係数が 1 である x を選ぶと、たすき掛けが和と積の形で済むからです。
  2. x について降べきの順に並べます。x² + (y + 2)x + (-2y² + 7y − 3) です。y を含む式を、ただの数のように見るための並べ替えです。
  3. x を含まない部分を先に分解します。-2y² + 7y − 3 = -(2y² − 7y + 3) = -(2y − 1)(y − 3) です。かけてこの部分になる 2 つの式を探すには、積の形が見えている必要があるからです。
  4. 和が y + 2、積が -(2y − 1)(y − 3) になる 2 つの式を探します。2y − 1 と -(y − 3) の和は 2y − 1 − y + 3 = y + 2 で、条件に合います。和と積の公式の p と q に、数ではなく式が入っただけです。
  5. (x + 2y − 1)(x − y + 3) と書きます。-(y − 3) の括弧を開くと -y + 3 になるので、符号をここで間違えないようにします。
  6. x = 1, y = 1 を入れて確かめます。左は 1 + 1 − 2 + 2 + 7 − 3 = 6、右は 2 × 3 = 6 です。

答え: (x + 2y − 1)(x − y + 3)

まちがえやすいところ

途中で止める

2 乗どうしの和に公式を当てはめる

3 乗の公式の括弧の中を取り違える

符号の取り違えも同じ場所で起きます。図4のように、1 つ目の括弧の符号はもとの式と同じ、2 つ目の括弧の中央はその反対、最後の項は和でも差でもプラスです。

図4 3乗の和と差の公式で符号が同じ・反対・プラスと並ぶ図

覚え方と忘れたときの戻り方

暗記が要る式は多くありません。2 乗の公式は (a + b)(a − b) と (x + a)(x + b) を開けばすぐに戻れます。戻りにくいのは 3 次の公式の符号なので、a = 2, b = 1 を入れて決めます。a³ + b³ は 8 + 1 = 9 で、a + b = 3 ですから、2 つ目の括弧は 3 でなければなりません。a² − ab + b² = 4 − 2 + 1 = 3 で合い、a² + ab + b² = 7 では合いません。a³ − b³ は 8 − 1 = 7 で、a − b = 1 ですから、2 つ目の括弧は 7 です。今度は a² + ab + b² で合います。符号を「同じ、反対、プラス」と唱える覚え方もよく使われますが、唱え方を忘れてもこの計算は残ります。

たすき掛けで組が見つからないときは、探し続ける前に ax² + bx + c の b² − 4ac を計算します。係数が整数で、この値が平方数でなければ、有理数の範囲で分解できる組はそもそもありません。6x² + x − 12 は 1 + 288 = 289 = 17² で組があり、x² + 3x + 1 は 9 − 4 = 5 で組がありません。見つからないのか、初めから無いのかを、計算で切り分けられます。

最後の確かめは数を入れて行います。一致しなければ、必ずどこかが誤りです。ただし 1 つの値で一致しても正しいとは言い切れないので、心配なときは 2 つ目の値でも試します。

練習問題

次の 3 つの式を因数分解してください。紙に手順を書きながら解き、各行の横に 5 段のどれを使ったかを小さく書いておくと、次に同じ形が来たときの入口になります。

  1. x⁴ − 81
  2. 24x² + 10x − 4
  3. a²b − a²c + b²c − b³

答えと解説

練習 1 の答えは (x² + 9)(x + 3)(x − 3) です。x⁴ = (x²)²、81 = 9² なので、まず (x² + 9)(x² − 9) とします。2 つ目の括弧はまだ 2 乗どうしの差なので、同じ公式をもう 1 回使います。1 つ目の x² + 9 は 2 乗どうしの和なので残します。x = 2 を入れると、左は 16 − 81 = -65、右は 13 × 5 × (-1) = -65 です。

練習 2 の答えは 2(3x + 2)(4x − 1) です。24, 10, -4 はすべて 2 で割れるので、2(12x² + 5x − 2) とくくってからたすき掛けをします。くくらないままだと 24 の分け方が増え、試す組も増えます。12 = 3 × 4、-2 = 2 × (-1) と分けると、3 × (-1) = -3 と 4 × 2 = 8 の和が 5 で、x の係数と一致します。x = 1 を入れると、左は 30、右は 2 × 5 × 3 = 30 です。

練習 3 の答えは (a + b)(a − b)(b − c) です。次数は a が 2、b が 3、c が 1 なので、c について整理します。-(a² − b²)c + a²b − b³ となり、後ろの 2 項は b(a² − b²) です。a² − b² が共通因数として現れて (a² − b²)(b − c) になり、括弧の中をもう一度見ると a² − b² がまだ分解できます。a = 3, b = 2, c = 1 を入れると、左は 18 − 9 + 4 − 8 = 5、右は 5 × 1 × 1 = 5 です。

次に確かめる公式

展開の公式(乗法公式)は、因数分解の答えが正しいかを確かめるときに使います。解の公式の出番は、x² + x − 1 = 0 のように整数の組が見つからない 2 次方程式です。因数定理は、x³ − 6x² + 11x − 6 のように公式の形にならない 3 次式で働き、x = 1 を入れると 0 になることから x − 1 という因数が見つかります。

個別指導では、お子さまの手が公式の前で止まるとき、分配法則で括弧を開けるかまで戻って確かめます。1, 4, 9, 16, 25 と 1, 8, 27, 64, 125 を見て 2 乗と 3 乗の数だと気づけるかも、公式を覚え直す前に見ます。

まとめ

10 の公式を前にしても、最初に探すのは共通因数だけです。そのあと項を数え、括弧の中をのぞき、展開で戻します。ワークの解答が 1 行で済ませている部分は、この順番です。x(2x² − 18) は展開すれば戻るのに答えではありません。答えと呼べるのは、どの括弧もそれ以上分解できない式だけです。

読んで終わりにするか、ここから変えるか。

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