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中学で数学が急に苦手になる子—小学校の算数とのつなぎ目を点検する|武蔵野個別指導塾
等号・文字・分数・割合のつまずきを、手元の教科書で点検する手順をまとめました。今止まった式と算数の例を往復すると、復習が必要な箇所を絞れます。

中学で数学が急に苦手になる子—小学校の算数とのつなぎ目を点検する
答えが出ていた算数から、式で止まる数学へ
よくあるのは、家の玄関でかばんから数学のプリントを出し、「算数はできたのに」と言って、途中まで書いた式を隠してしまうという場面です。計算の答えは並んでいるのに、文字を含む問題から先が白い。保護者には急な変化に見えても、お子さまの中では「何をどう書けばよいのか」という戸惑いが積もっているのかもしれません。
中学の数学では、数の計算をするだけでなく、数量の関係を文字で表したり、式を変えた理由を説明したりします。算数で使ってきた考えが、別の書き方で現れることもあります。そのつながりが見えないまま練習を重ねると、手順だけが増えて、どれを使うか迷いやすくなります。
点検したいのは、小学校の内容を全部覚えているかではありません。今止まっている式の、どの意味が曖昧なのかです。等号、文字、分数、割合を入口に、手元の教科書で戻る場所を絞ってみましょう。生徒の皆さんも、解けなかった問題を1問だけ用意すれば始められます。

苦手が急に増えたように感じる理由
算数から数学への変化を考えるとき、まず見たいのは、答えを求めることと、関係を表すことの違いです。例えば「3個ずつ入った袋が4袋」なら、3 × 4 = 12と計算できます。袋の数をaと書くと、3 × aは袋の数が変わっても使える表し方になります。ここで戸惑うのは、かけ算を忘れたからとは限りません。「答えが数にならなくても、式として意味がある」と受け取れるかが、新しい点検箇所です。
等号にもつなぎ目があります。2 + 5 = 7を繰り返し見ていると、=を「次に答えを書く合図」として使ってしまうことがあります。しかし、等号が表すのは左右が等しいという関係です。7 = 2 + 5も、2 + 5 = 4 + 3も成り立ちます。この意味が曖昧なまま方程式を学ぶと、左右の関係を保って式を変える理由が見えず、「向こうへ移す」という操作だけを覚えることになります。
分数では、計算の仕方と量の大きさが離れていないかを見ます。1/2 + 1/3の通分ができても、「1/2は何を半分にした量か」「1/3と同じ大きさの全体を考えているか」と聞かれると迷う場合があります。分数を紙の上の上下の数字として扱うだけでは、文字を含む分数や割合の式で、どの量を求めているのか見失いやすくなります。
割合でも、「比べる量」と「もとにする量」の関係が残ります。増えた量を求める問題と、増えた後の全体を求める問題は、同じ数が書かれていても式が違います。公式を思い出せるかだけで判断せず、何を1と見ているのかを言葉にできるか確かめる必要があります。こうした小さな意味の違いは、単純な計算問題では表に出ず、複数の操作が続く問題で目立つことがあります。
負の数を扱うときは、同じ記号の役割にも注意します。-3に付く符号と、5 − 3の引き算の記号は、見た目が同じでも読むときの役割が違います。式をひとかたまりとして暗記しようとすると、符号が続いたところで迷うことがあります。数直線のどこにある数かを示すことと、そこからどちらへ動く計算かを分けて読むと、何を確かめるべきかが見えます。新しく増えた書き方の意味を確認する時間も、算数と数学をつなぐ学習の一部です。
不安にも目を向けましょう。数学について「間違えたらどうしよう」と感じることと、成績との関係を調べた研究では、負の相関が報告されています(Namkungほか・2019)。学齢期の児童生徒を扱った131研究、478の効果量をまとめた分析であり、日本の中学進学という変化だけを切り出して因果関係を示した結果ではありませんが、多段階の発展的な課題や成績・評定に響く試験では負の相関が強く、内容の理解と取り組むときの気持ちを併せて見る手がかりになります。
家庭でいう「数学不安」は、数学に向かうときの心配や恐れを指す言葉として受け止めてください。お子さまを分類する札にする必要はありません。問題文を読む前に諦めるのか、途中までは進めるのか、答え合わせで手が止まるのか。それぞれで支え方は変わります。「数学が苦手」の一言を、止まる場所と、そのときの気持ちに分けると、次に試すことが具体的になります。
手元の1問から、算数とのつながりを確かめる
最初に、今使っている教科書、間違えた問題、白い紙を用意します。新しい問題集を増やす前に、何を直すための練習なのかを決めましょう。以下の時間は、家庭で始めるための区切りです。タイマーが鳴るまでに解く競争にはせず、鳴ったところで続けるか休むかを選びます。途中までしか進まなくても、止まった場所が残れば点検は進んでいます。
最初の3分で、最後にわかった行を探す
解けなかった問題を1問開き、問題文で意味のわかる言葉に線を引きます。自分の途中式があれば、「この行までは説明できる」と思う場所に丸を付けます。丸の次の行が、今日見る候補です。答え全体に大きな印を付けるより、どこから意味が見えなくなったかを細かく残してください。
次に、止まった理由を短い言葉にします。「文字が何の数かわからない」「分数の計算を忘れた」「何を求めるか読み違えた」などです。理由が書けないときは、「この行で何をしたのか聞きたい」と書くだけでも構いません。「全部わからない」を無理に説明しようとせず、指で示せる場所を1つ作るのがこの段階の目標です。
教材は、問題と同じ内容を扱う教科書の例題を使います。解答の最終行を先に写さず、自分が丸を付けた行に対応するところを探します。対応する行が見つからなければ、問題の形を見比べて、同じ数量や同じ記号を囲んでください。これにより、似ているように見えて別の問題を参考にしていないかも点検できます。
次の5分で、記号を言葉や図に戻す
文字で止まったときは、文字の横に「何の数か」を書きます。1本80円の鉛筆をa本買うなら、aは本数、80aは代金です。aに2を入れた場合と5を入れた場合を紙に書き、どちらも同じ表し方で説明できるか確かめます。数を入れれば計算できるのに文字では止まるなら、文字の意味や式の読み方を練習する場所が見えてきます。
等号で止まったときは、左側と右側を別々に読みます。x + 3 = 8なら、「ある数に3を足したものが8と等しい」と読み、両側から3を引くとx = 5になることを確かめます。最後は元の式に5を入れて、5 + 3 = 8になるかを見ます。変形後の式だけで丸を決めず、最初の関係に戻れるかを見るのが自分でできる確認です。
分数なら、同じ長さの線を2本描き、一方を2等分、もう一方を3等分して、1/2と1/3を表します。全体の長さをそろえることが出発点です。その後、それぞれを6等分した目盛りで見直すと、3/6と2/6として扱えます。教科書に図があれば、図を眺めるだけでなく、どの部分が式の分子と分母に対応するかを指で追ってください。
割合なら、問題文の「何をもとにしているか」を囲みます。例えば、40個をもとに、その1/4の量を考えるなら、40を4つに分けた1つ分を図にします。求めるのがその部分なのか、残った部分なのかも、別の印で示します。数を式へ入れる前に求める部分を示せれば、計算が合っているのに答えが違う原因を探しやすくなります。
点検のときに、4 + 3 = 7 + 2 = 9のような書き方がないかも見てみましょう。計算した順を残したつもりでも、この書き方では7と9が等しいことになってしまいます。4 + 3 = 7と7 + 2 = 9を行を分けて書けば、それぞれの等号の左右は等しくなります。答えの9が合っている場合でも、途中式が表す関係を読む練習になります。
文字を使う問題では、文字の説明と単位を別に残す方法も試せます。「aは本数」と書いた紙に、代金を求める式を添えます。そこで「本数が増えれば代金はどう変わるか」を言い、実際に小さな数を入れた結果と比べます。式の意味と計算結果が同じ方向を向いているかを、自分の言葉で確かめるためです。計算を終えても何を求めた数か言えないなら、問題文へ戻って求める量を読み直してください。
ひと休みして、4分だけ似た問題を解く
意味を確かめたら、紙から目を離してひと休みします。再開するときは、同じ例題をそのまま写すのでなく、教科書の近くにある似た問題を1問選びます。最初は、扱う関係が同じで数だけが変わるものが使いやすいでしょう。ページ全体を終わらせることより、さっき確かめた意味を自分で使えるかを見ます。
解くときには、途中式の横に短い理由を1つ書きます。「両側から同じ数を引く」「全体を同じ大きさにそろえる」「もとにする量を4つに分ける」といった言葉です。説明を長い作文にする必要はありません。手順だけを覚えて進んでいないかを、自分で立ち止まって見るためのメモです。
解いた後の2分は、検算と振り返りに充てます。答えが違ったときは、すぐに最初から解き直さず、例題と自分の式が初めて違う形になるところを探します。文字の意味が違うのか、演算を選び違えたのか、計算だけが違うのかを分けます。計算の間違いなら、その部分だけを白い紙に取り出して確かめてから元の問題へ戻ります。全部をやり直す負担を減らし、直す箇所をはっきりさせるためです。
翌日の3分で、元の問題へ戻る
翌日は解説を閉じたまま、最初に止まった問題をもう一度見ます。昨日の丸の先へ進めるか、文字の意味を言えるか、答えを元の条件に戻して確かめられるかを見てください。途中で解説を開いても構いません。その場合は「ここから見た」と線を引き、ひとりで進めた範囲と分けて残します。
できたかどうかは、答えだけでなく、確かめ方でも見ます。数量の問題なら単位が合っているか、方程式なら元の式が成り立つか、分数なら図にした大きさと食い違わないかを確認します。問題に応じて使える方法を選び、毎回すべてを行う必要はありません。答えを見ないでも疑問に気づける場所を増やしていきましょう。
確認できた問題には、答えの丸とは別に、「何を使ったか」を短く添えます。「文字に数を入れた」「左右が等しいか見た」「全体をそろえて図にした」などです。次に似たところで迷ったら、このメモを見て、使えそうな確かめ方を選びます。解き方の名前を覚えていなくても、自分が何をしたかが残っていれば、学習を再開する手がかりになります。メモを見ても使えなかった場合は、使おうとした場所に印を付けておきましょう。先生には、問題だけでなく、自分で試した方法も伝えられます。
戻る練習をしても元の問題へ進めないときは、戻る範囲をむやみに広げず、つまずきの説明を更新します。「分数が苦手」から「通分はできるが、文章から分数の式を作れない」へ言い換えられれば、次に必要なのは計算の反復だけではないとわかります。そのメモと問題を持って、先生に相談してください。

個別指導で確かめたい、戻る範囲と家庭の役割
個別指導を検討するときは、「小学校からやり直せますか」だけでなく、「今の問題のどこを見て、戻る内容を決めますか」と尋ねてみてください。算数全体を最初から復習する計画と、今の式につながる箇所を補う計画では、扱う内容もお子さまの負担も変わります。戻る理由を、実際の答案に沿って説明してもらえるかが確認点です。
例えば、x/3 = 4で手が止まる場合、先生に見てもらいたい点は複数あります。x/3を「xを3で割った量」と読めるか、12/3なら計算できるか、両側に3をかける理由がわかるかです。数だけの問題も難しければ分ける意味に戻り、数では解けるなら文字を含む式の読み方を見る。このように、同じ空欄でも異なる入口を考えられるかを確かめます。
塾に相談したいのは、練習量を決める前の見立てです。どの問いを出して確かめるのか、どこまで助けたら解けたのか、その助けを次にどう減らすのかを具体的に聞きます。正解まで先生と進めた問題と、自分だけで解いた問題は区別して見たいところです。説明を聞いてうなずけたことだけでは、次にひとりで使えるかまではわかりません。
教材についても、今の教科書とのつながりを尋ねてください。戻る練習のページが決まったら、その練習が終わった後に解く中学の問題も一緒に示してもらうと、目的を見失いにくくなります。「分数を復習する」で終わらず、「分数を含むこの式を読むために、この計算を確かめる」と結び付けます。戻り先と戻ってくる先の両方があるかを見るのです。
家庭が持つ役割は、毎回の説明を引き受けることだけではありません。取り組む前に使う紙を置く、区切りの時間を一緒に決める、終わった後に困った箇所を指さしてもらうなど、始めて終えるための支えを選べます。保護者が解き方に自信を持てないときも、問題の横に「この行で止まった」と残す手助けならできます。説明が食い違ったときは、正しさをその場で競わず、両方の式を残して先生に確かめましょう。
声をかけるなら、「どうしてこれができないの」よりも、「最後に意味がわかったのはどの行」と聞いてみます。「算数ではできたのに」という比較は、つまずきの場所を示してくれません。お子さまが「ここまではわかる」と言えたら、その範囲を出発点にします。答えを急がせずに具体的な場所を尋ねることで、相談に使える材料が残ります。
進み具合は、簡単な欄に分けて残せます。「取り組んだ問題」「自分で説明できたこと」「助けが必要だったこと」「次に確かめる問題」の4つです。例えば、「等号は左右が同じ意味だと言えた」「分数になると両側への操作に迷った」と書けば、正答数だけでは見えない変化を共有できます。毎日長い文章を書く必要はなく、次の学習を決めるのに必要な一言を選びます。
気持ちの変化は、学習内容とは別に言葉で残します。「問題を開くまでは嫌だった」「文字の意味を書いたら始められた」「答え合わせはまだ怖い」など、本人が選んだ表現を尊重してください。解けたのだから安心したはず、と周囲で決めないことが必要です。正解が増えても取りかかれないなら、最初の問題を一緒に選ぶなど、始め方の相談もできます。
相談時に渡すなら、「止まった式」「試した戻り学習」「その後ひとりでできた範囲」「本人の言葉」を短くまとめます。学校の宿題が進まず困っている場合は、今どの課題に取り組む必要があるかも添えましょう。復習を増やした結果、目の前の課題に手が回らないなら、優先する内容を相談する材料になります。家庭だけで全範囲の計画を背負い込まず、学習上の判断を先生に尋ねてください。
復習から先へ進む目安も、相談しておきたい点です。例えば、数を入れた例では説明でき、翌日にも同じ関係の式を自分で作れたなら、元の課題へ戻って試せます。一方、練習した数の組み合わせだけを覚えているなら、数を変えたときの説明をもう一度見ます。復習の終了をページ数だけで決めず、今の数学で何が使えるようになったかで話し合うと、戻ったままになることを避けやすくなります。
家庭での記録は、取り組めなかった日の理由も責めずに扱ってください。「課題が多くて時間がなかった」なら範囲の調整、「どこを開くかわからなかった」なら開始するページの指定が、次に相談する候補になります。どちらも「やる気がない」とまとめると、具体的な調整が難しくなります。本人に尋ねても理由が出てこない日は、推測で埋めず、手を付けられなかったという事実だけを共有して構いません。
体験の場では、お子さま自身にも確かめてもらいましょう。先生の説明を聞いた後、「さっきの式を自分の言葉で読めるか」「似た問題の最初の行を書けるか」「迷ったときに質問したい場所を示せるか」を見ます。その場で難しい問題まで進むことだけを評価せず、授業後に持ち帰れる考え方があるかに注目すると、相談の目的に合った判断ができます。
武蔵野個別指導塾の体験授業や面談では、算数へ戻る計画が今の数学とどうつながるかを確かめてください。戻る内容の理由、今の数学へつなぐ問題、家庭で取り組む範囲について、実際の答案を前に質問すると具体的になります。お子さまが説明をどう受け取るかも含めて、納得できる学び方を探してください。
算数の復習を始める前によく出る3つの疑問
Q. 算数のテストはできていました。それでも戻る必要がありますか
戻る必要があるかは、過去の点数だけでは決められません。計算はできても、その意味を文字の式に移すところで迷っている場合があります。例えば、6 ÷ 3はできるのにa/3が読めないなら、割り算の全範囲をやり直す前に、2つの表記のつながりを確かめます。点検して意味を説明できた内容は先へ進み、止まった箇所に時間を使いましょう。過去にできたことを否定せず、今必要になった使い方を加えると考えると、復習の目的を伝えやすくなります。
Q. 簡単な問題に戻ると、本人の自信を傷つけませんか
戻る理由が伝わらず、できない問題だけを並べられると、嫌な気持ちになることは考えられます。そこで、最初に今解きたい問題を見せ、「この式を読むために、ここだけ確かめよう」と目的を共有します。数だけの問題ができたら、その場で文字の式と見比べて、使える考えを確かめます。簡単なページを終えることを評価の中心にせず、今の問題につながった点を言葉にしてください。本人に、図から始めるか、数を入れて試すかを選んでもらう方法もあります。
Q. 計算は正確なのに文章題だけ解けない場合も、計算練習を増やしますか
まずは、問題文の数量と式が結び付いているかを見ます。求める量に線を引く、もとにする量を囲む、図のどこが未知の量かを示すという順に試してください。式を渡せば解けるなら、計算量を増やす前に、式を作る過程を練習する余地があります。逆に、図や式は合っていて計算で止まるなら、その計算を短く取り出します。「文章題が苦手」というまとまりの中にも違うつまずきがあるので、答案の途中を残すことが役立ちます。
今の式へ戻る道が見える復習を
中学で数学が急に苦手になったと感じたら、最初に開きたいのは、算数の全範囲の一覧よりも、今止まっている1問です。最後に説明できた行を見つけ、記号を言葉や図に戻し、似た問題を経て元の問題へ帰ります。その往復の中で、戻る必要のある内容と、すでに使える力を分けていきます。
保護者は正解まで教え切れなくても、止まった場所と本人の言葉を受け取れます。生徒の皆さんは、「全部わからない」と感じた日も、質問したい行に印を付けてください。そこが次の相談の入口になります。等号を「左右が等しい」と読み直すところから、算数で使えた考えが文字の式につながっていきます。
参考文献
Namkung JM, Peng P, Lin X(2019). 数学不安と数学の成績の関係を扱った学齢期の児童生徒のメタ分析. Review of Educational Research. https://doi.org/10.3102/0034654319843494
本気になった日が、入塾の日。
お子様の教育、迷ったら「丸投げ」してください。必ず、期待以上の結果で返します。武蔵野で育む、武蔵境で学ぶ。
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