
武蔵野個別指導塾の特徴
計算の基礎を固め直す—九九と四則の速さと正確さを取り戻す練習の組み方|武蔵野個別指導塾
九九で止まる場所と筆算の手順を分け、短い練習、答え合わせ、翌日の確認へつなぐ方法を整理します。九九の暗唱と筆算での使用を分けて点検し、明日確かめる式を少数に絞る助けにしてください。

計算の基礎を固め直す—九九と四則の速さと正確さを取り戻す練習の組み方
九九を言えるのに、計算の途中で止まるとき
よくあるのは、コインランドリーの待合席で、乾燥を待つ間に宿題を広げ、九九を最初からなら言えるのに、筆算の途中の「7×8」で鉛筆が止まるという場面です。「七一が七」から小さく唱え直しているうちに、繰り上がりの数を忘れてしまいます。横から「昨日もできたでしょう」と言われると、答えを探すより先に、早く書かなければという気持ちが出てくることもあります。
このとき、九九を全部忘れたと決めて、最初から何度も書かせる必要はありません。段の順番を頼りに答えること、途中の式だけを見て答えること、筆算の手順の中で使うことを分けてみてください。同じ九九でも、どこまで一人で使えるかによって、必要な練習が変わります。
目指すのは、ただ紙を早く埋めることではありません。正しい答えにたどり着く方法を持ち、慣れた計算を少ない負担で進め、間違えたら戻れる状態です。小学生の算数でも、中高生の数学の学び直しでも、まずは「計算が遅い」という大きな困りごとを、小さな練習課題へ分けていきましょう。

速さの前に、止まる場所を見つける
計算の基礎には、いくつかの異なる力が重なっています。たとえば「8+7」の答えを思い出す力、「8に2を足して10、残りの5を足して15」と組み立てる力、筆算で位をそろえる力は別々です。答えが出るまでの時間だけを見ても、何を助ければよいかは決まりません。暗記する部分と、意味や手順を確かめる部分を見分ける必要があります。
基礎的な計算を正確に、滞りなく使う力は「計算の流暢さ」と呼ばれます。計算に困難のある児童生徒への介入をまとめた研究では、35研究、178の効果量を統合した平均がg=0.76で、練習を含む支援には教育的に意味のある改善が示されました(Douglasほか・2026)。対象は数学に困難のある児童生徒で、取り組む人数、回数、演算、評価方法による違いが大きいため、この平均からお子さまに合う練習量や伸び方をそのまま決めることはできません。ここから家庭の練習を考える際には、問題数を一律に増やすより、扱う計算と確かめ方を具体的に選ぶという視点が役立ちます。
たとえば「6×7」に時間がかかる場合、答えを思い出す道筋がまだ不安定なのかもしれません。「6×5=30、あと6が2つで42」と求められるなら、掛け算の意味を使った足場があります。この足場を使って正答を確かめ、次に同じ式から答えを思い出す練習へ移れます。一方、6を何回足すのかも曖昧なら、答えの暗記だけを急ぐ前に、まとまりを図に描いて確認したいところです。
足し算と引き算でも、見た目が似た誤答の中身は異なります。「13-8」で止まるなら、13から3を引いて10、さらに5を引いて5と考えられるかを見ます。「43-18」で止まるなら、同じ引き算のほかに、十の位から借りる手順も関わります。前者だけを練習しても、筆算で借りた後の十の位を直し忘れる問題は残ります。計算の部品と、その部品を並べる手順を分けて確認しましょう。
また、九九を声で答えられるのに書くと遅い場合は、答えを探す時間と書く時間を分けて見られます。式の読み違いがあるなら、最初に演算記号へ目を向ける練習が必要です。「遅いから暗記不足」と一つにまとめると、すでにできている部分まで繰り返すことになります。答えの横に残った小さな途中式は、どの助けを使えたかを知らせる手がかりです。
速さを確かめるのは、こうした足場が整ってからで十分です。時間に追われて答えを推測してしまうなら、まず時計を外し、考えて正解できる問題へ戻します。計算への心配や緊張をここでは数学不安として捉えますが、それだけで能力を判断しません。「どこで止まったか」「何を使うと進めたか」を見れば、次の練習はもっと具体的になります。
短い練習を、選ぶ・解く・確かめるに分ける
最初の2分で、今日の課題を絞る
用意するのは、手元の教科書や使い慣れた問題集、紙、答えを隠すための紙です。新しい教材を何冊もそろえる必要はありません。まず解いた問題を見返し、足し算、引き算、掛け算、割り算のどこで止まったかを探します。自分で探しにくければ、今日は九九だけ、と範囲を狭めてもかまいません。最初の2分は速さを競う時間ではなく、取り組む場所を決める時間にします。
九九なら「すぐ答えられる式」「考えれば答えられる式」「考え方から確かめたい式」に分けます。紙の3つの欄に式を書けば十分です。今日は真ん中の欄から3問ほど選び、すぐ答えられる式も少し添えます。難しい式だけが並ぶ状態を避けつつ、全部を復習して終わらないようにします。分類は自分の今の状態を知るためのもので、成績や才能の評価ではありません。
たとえば7×6、7×7、7×8で止まるなら、7の段全部を書き続ける前に、この3つを取り出します。答えを一度確かめたら隠し、式だけを見て答えます。答えが出なければ、知っている7×5=35から7ずつ増やしてもよいのです。出なかった答えを空欄のままにして区切り、後で確認する方法も選べます。思いついた数を急いで埋める必要はありません。
次の3分で、答えへの道筋をつくる
続く3分は、答えを丸暗記し直す前に、自分で確かめられる道筋を使います。足し算なら10のまとまりをつくる、引き算なら10を経由する、掛け算なら知っている段から組み立てるというように、今日扱う演算に合う方法を一つ選んでください。最初から多くの解き方を覚えようとせず、自分が説明できる方法を足場にします。
「8+7」なら、7を2と5に分けて「8+2+5=15」と書きます。「14-6」なら「14-4-2=8」です。式だけではわかりにくければ、丸を描いてまとまりに線を引いてみてください。紙の図は考えるための道具です。答えを思い出せる問題では図を省き、迷う問題では戻るという使い分けができます。
割り算は掛け算とのつながりを確かめます。「42÷6」なら「6に何を掛けると42か」と問い直し、「6×7=42」で答えを確認します。ただし、割り算の意味まで曖昧なときは、42個を6個ずつに分ける図や、6つの同じまとまりに分ける図を描いてみましょう。式の答えを知っていることと、何を求める式かがわかることの両方を確かめます。
教材の使い方も分けられます。教科書は考え方を戻って読むため、問題集は練習する式を選ぶため、手元の紙は答えを隠して自分で解くために使います。解答がすぐ下にある場合は紙で覆ってください。見ながら正しく書けた問題は「確かめた問題」、隠して答えられた問題は「自分で解いた問題」と区別すると、次に練習する式が選びやすくなります。
余りのある割り算では、掛けて元へ戻すだけでなく、余りも足して確かめます。「38÷6=6余り2」なら「6×6+2=38」です。さらに余りの2が、割る数の6より小さいことも見ます。「5余り8」としても掛けて足せば38になるため、元の数に戻ったことだけでは点検が終わりません。答えを確かめる条件を紙の端に書いておけば、一人でも順に見直せます。
引き算の筆算で混乱するなら、「52-28」のような問題を紙に大きく書き、52を40と12に分けて考えてみます。12から8を引いて4、40から20を引いて20なので、答えは24です。十の位から借りたという操作が、数のまとまりを分け直すことだとつながれば、書き換えた数字にも意味が持てます。計算が済んだら24+28=52と戻し、正解を自分で確かめてください。
1分休んでから、2分だけ思い出す
考え方を確かめたら、1分ほど鉛筆を置き、目線を紙から離します。その後の2分で、さきほどの式を順番を変えて解きます。この2分は全問を埋める締め切りではありません。途中でも終わりにしてよい区切りです。時間を気にして落ち着かない場合は、時計を見ず、選んだ3問だけで区切ってください。時間の目安は、生活の中で始めやすく終えやすくするために使います。
答え合わせは、まとめて丸を付けるだけで終わらせません。間違えた式には正しい答えと、そこへ至る短い計算を残します。「7×8=56」なら「7×4=28、その2倍」と確かめてもよいでしょう。その場で答えを何度も写すより、一度隠してもう一度解きます。隠したらまた迷った場合は、道筋を使って正しく求められれば、その日の確認として記録できます。
自分で確かめる方法は、演算に合わせて選びます。足し算なら一方の数を引いて元へ戻るか、引き算なら差に引く数を足して元へ戻るかを見ます。割り算なら答えに割る数を掛けます。たとえば「56÷7=8」は「8×7=56」で点検できます。同じ誤りを繰り返していないか、最後は解答とも照らし合わせてください。
答え合わせでは、数字だけでなく式も読み直します。たとえば8+6を8×6として解いていたら、足し算の練習を増やす前に、記号を指で示して読む方法を試せます。間違いの横に「記号」「九九」「位」のような短いメモを置くと、次に見る場所が決まります。すべてを「うっかり」で片付けず、実際に取り違えた箇所を残すと、直し方を自分で選べます。
翌日は最初の1分で、残っているかを見る
翌日は前日の紙を開く前に、取り組んだ式をもう一度解きます。直前に答えを見ていない状態でも答えられるかが、確かめたい点です。すぐ答えられなくても、昨日使った道筋を思い出せるか見てください。忘れていた式だけを今日の練習に残し、できた式はときどき確認する欄へ移します。毎日すべてを同じ回数ずつ繰り返す必要はありません。
その後は筆算の中で使ってみます。「7×8」が安定してきたら「27×8」のような式を選び、九九の答えと繰り上がりの数字を別々に書きます。56の6を一の位に書き、5を繰り上げ、2×8の16に5を足して216とします。ここで迷ったなら、九九を増やす前に、どこへ何を書くかを確かめます。単独の式での正答が、長い計算の中でも使えるかを見る段階です。
正答が続くようになったら、同じ演算の別の数でも使えるかを試します。8+7で10のまとまりを使ったなら、8+6でも同じように考えられるかを確かめます。それから、足し算と引き算などを少しずつ並べ、記号を読んでやり方を選びます。まだ引き算の考え方が曖昧なのに、四則すべてを一度に混ぜる必要はありません。選べるやり方が増えた分だけ、練習する式の種類を広げます。
また、答えを覚えた順番そのものが手掛かりになっていないかも確認できます。紙の上から順に答える日と、下から答える日をつくり、止まる式が変わるかを見てください。毎回同じ順番でしか答えられないなら、まだ式と答えの結び付きに練習の余地があります。順番を変えて迷った式だけを選び直せば、できる式まで最初からやり直さずに済みます。
記録は「答え」「使った助け」「次に確かめる式」の3つで足ります。「7×8は正解、7×4を使った、明日は式だけで試す」と一行書けば、練習の続きが見えます。時間を記録する場合は、正答が安定した同じ種類・同じ量の問題で比べ、誤答が増えていないかも一緒に見ます。途中式を省いて速くなったように見えても、答えが崩れるなら助けを戻しましょう。

個別指導では、練習の量より先に中身を相談する
個別指導を利用するときは、「計算を速くしたい」と伝えるだけでなく、止まった式と、その前後の計算を持っていくと相談しやすくなります。「九九の答えを探している間に、繰り上がりを忘れる」「割り算で使う掛け算が浮かばない」という具体的な困り方があると、何を確かめる授業が必要かを話せます。持参する紙はきれいに書き直さず、消した跡や途中の数字が残っているものでもかまいません。
塾に相談したい第一の役割は、誤答の原因を課題ごとに分けることです。九九の記憶、数のまとまり、位取り、記号の読み、筆算の順序を一度に評価せず、短い問題で確かめてもらいます。たとえば「8×7」は答えられるのに「56÷8」で止まるなら、九九の覚え直しに加えて、割り算から掛け算を探すつながりを扱う必要があります。どの答えで判断したかまで説明してもらえると、家庭でも練習の目的を共有できます。
第二の役割は、使える助けと外す順序を決めることです。九九表、数の図、繰り上がりを書く欄などを用意しても、ずっと同じように使うとは限りません。表を見て正しく解く、迷ったところだけ見る、解いた後の確認に使うという段階が考えられます。助けを外した途端に誤答が増えるなら、外す範囲を小さくします。「もう覚えたはず」という印象ではなく、実際に解いた様子をもとに次を選びたいところです。
第三の役割は、学校で扱っている問題との接続をつくることです。中学生や高校生が九九を練習し直すときも、今の数学を全部止める必要はありません。文字式で係数を計算するときや、分数を整理するときに、どの基礎計算が必要かを取り出せます。今の問題の一部分が軽くなるという目的が見えると、基礎へ戻る意味を説明しやすくなります。どこまで戻り、どの問題へ戻ってくるのかを対にして相談してください。
家庭が持つ役割は、練習を始める場所と終える区切りを整え、困った事実を残すことです。毎回答えを読み上げたり、すべての誤答をその場で直したりする負担まで抱え込む必要はありません。お子さまが自分で答え合わせできる形を用意し、「ここは自分で確かめられたね」「この式は相談する欄へ入れよう」と声を掛けられます。途中で親子のやり取りが険しくなったら、練習を止めた場所を記すだけでも次の相談につながります。
進み具合を見せるには、合計の正答数だけでなく、解き方の変化を並べます。最初は表を見て正解、次は図から正解、その次は式から答えられたという記録なら、同じ正解にも違いが見えます。逆に、正答数は同じでも推測が増えているなら、練習の進め方を見直す材料になります。お子さま自身が「今日はどの助けを使ったか」を選んで書けると、大人の評価だけで記録が埋まらずに済みます。
相談用の一行は、「取り組んだ式・止まったところ・使えた助け」の順にすると具体的です。「56÷7で止まり、7×8を思い出したら進めた」とあれば、次は割り算と掛け算を結び付ける練習を検討できます。「今日は集中できませんでした」だけでは、問題の難しさを調整するのか、時間の区切りを変えるのかが見えにくくなります。気分について伝える場合も、計算中に起きたことを一つ添えてみてください。
指導を相談する際には、お子さまの説明も材料になります。「全部わからない」と話した場合は、紙の中から「ここまでは自分で書いた」という場所を指してもらってください。最初の九九までは出ているなら、その先で繰り上がりが抜けたのか、位がずれたのかを調べられます。言葉だけで説明しにくいときは、解き直す様子を見てもらう方法もあります。大人が先回りして原因を決めず、実際の計算を挟んで話すことが役立ちます。
練習を一区切りにする条件も相談できます。「この紙を終えたら終了」だけでは、埋めることが目的になりがちです。「式だけで正しく答える」「翌日も同じ方法で確かめる」「筆算の中でも使う」という確認点なら、次へ進む根拠が見えます。途中式を使う段階であっても、今の問題を解く助けになっているなら前進です。速さだけを合格条件にせず、何が自力でできるようになったかを言葉にしましょう。
量を増やす相談は、正しい道筋で取り組めることを確認してからにします。翌日に同じ式で止まるなら復習する式を残す、式だけならできるのに筆算で崩れるなら書く場所を整える、問題が続くと符号を見落とすなら途中で区切るというように、調整には複数の選択肢があります。一度に全部を変えず、どの変更で取り組みやすくなったかを見られる形が望ましいでしょう。
武蔵野個別指導塾については、こうしたつまずきの切り分けや、家庭で取り組む範囲の相談がどのようにできるかを、体験授業や面談で確かめてください。「計算が苦手」という印象から、今日選ぶ数問と次回確かめる点まで話が進むかを見ると、お子さまに必要な支援を考えやすくなります。
計算練習で迷いやすい3つのこと
Q1. 九九は、段の順番で全部言えれば十分ですか
順に言えることは足場になりますが、途中の式だけで答える練習も加えてください。筆算や割り算では、いつも段の最初から使うわけではないためです。7×8が出にくければ、その式を選び、知っている式から求めて確かめます。順番を変えた紙でも答えられるか、翌日も使えるかを見ると、暗唱とは別の確認ができます。全部を速く唱える練習だけで疲れてしまうなら、迷う式を少数に絞って終える形に変えてみましょう。
Q2. 指を使ったり、途中式を書いたりするのをやめさせるべきですか
まず、その助けを使って正しく求められているかを見てください。指を使うこと自体を失敗にすると、お子さまは考えた跡を隠してしまうかもしれません。数え間違いがあるなら、丸をまとめた図や10のまとまりなど、確かめやすい方法を試します。途中式も、迷う計算では残してかまいません。慣れた式を助けなしで解く機会を少しつくり、正確さを保てる範囲から省いていくと、急に手掛かりを失わずに練習できます。
Q3. 速さを取り戻すには、毎回時間を測ったほうがよいですか
毎回測る必要はありません。答えの出し方が安定する前は、かかった時間より、正しく考えられたかを確かめます。計測するなら、お子さまが納得できる短い範囲を選び、他の人ではなく自分の前の記録と比べます。その際も、問題数や種類、助けを使う条件をそろえてください。緊張して推測が増える場合は計測を外します。時間を測らない日にも、昨日は表を見た式を今日は自分で解けた、という変化を記録できます。
明日のために、今日迷った式を一つ残す
計算の基礎を固め直す出発点は、今日止まった式を一つ選ぶことです。答えへの道筋を確かめ、隠して解き、翌日にもう一度使ってみます。うまくいかなかったら、問題を増やす前に、数のまとまりや書く位置へ戻ってください。戻る場所が具体的なら、練習の続きも決められます。
お子さまに声を掛けるときは、「速くなったね」に加えて、「迷ったけれど、自分で確かめられたね」という変化も拾えます。計算を終えるたびに自分で点検する方法が残れば、次の問題で頼れるものが増えます。計算練習の一番小さな成果は、明日、自分で確かめられる式が一つ増えることです。
参考文献
Douglasほか(2026). A Meta-Analysis of Mathematics Fact Fluency Interventions for Students With Mathematics Difficulties (MD). Journal of Learning Disabilities. https://doi.org/10.1177/00222194261424914
本気になった日が、入塾の日。
お子様の教育、迷ったら「丸投げ」してください。必ず、期待以上の結果で返します。武蔵野で育む、武蔵境で学ぶ。
電話は年中無休。365日、24時間、お電話可能。

