
武蔵野個別指導塾の特徴
【生物】呼吸を図解で総まとめ—解糖系 クエン酸回路 電子伝達系・ATP の収支・発酵|武蔵野個別指導塾

解糖系から電子伝達系までを場所と物質の流れで結び、ATP収支と呼吸商の例題を図とともにたどります。発酵でNAD⁺を再生する理由まで、自分の言葉で説明するための手がかりをまとめました。
よくあるのは、塾の面談の席で呼吸の図を開き、「解糖系、クエン酸回路、電子伝達系の順番は言えるのに、酸素がどこで使われるかを聞かれると止まる」という場面です。矢印の横にはATPやNADHが並び、途中でCO₂も出てきます。すべてを同じ種類の記号として覚えると、反応の順番を再現できても、酸素がなくなった場合やATPの数え方を説明できません。
この単元は、炭素を含む物質の行方、電子を受け渡す物質の行方、ATPをつくるしくみの3つを分けると読みやすくなります。まずグルコースの炭素を追い、次に電子の運び手を重ね、最後にATPの収支を数えます。発酵と呼吸商も、この順序で理解した呼吸の流れから考えられます。名称を埋めるだけでなく、「その反応が止まると、なぜ次の反応が進みにくくなるのか」まで説明することを目指しましょう。
この単元で身につけること
- 呼吸の意味と場所を結び付けます。呼吸は細胞が有機物を分解し、その過程で取り出したエネルギーをATPの合成に利用するはたらきです。真核細胞では細胞質基質とミトコンドリアにまたがって進みます。
- 炭素数の変化を追います。炭素数6のグルコースから炭素数3のピルビン酸が2分子でき、その後の反応でCO₂が生じます。どこで炭素が外れるかを区別します。
- NADHとFADH₂の役割を説明します。これらは電子などを受け取った運搬役であり、ATPそのものではありません。電子伝達系に電子を渡すことがATP合成につながります。
- ATPの収支を条件付きで計算します。反応中につくられた総数と、先に消費した分を引いた正味の数を分け、問題に示された換算値を使います。
- 発酵と呼吸商を扱います。発酵ではNAD⁺の再生、呼吸商では放出したCO₂と消費したO₂の比に着目し、式から判断できる範囲を見極めます。
生物基礎で学ぶATPと代謝の関係に、膜の構造や酵素による反応のつながりを加えるのが、この単元の学習です。
基本の考え方
呼吸では何を取り出し、どこで使うのか
代謝とは、生体内で起こる化学反応の全体です。そのうち、複雑な物質をより単純な物質へ分解する反応を異化といい、呼吸はその代表です。食事の有機物が持つエネルギーを、細胞のさまざまな活動に利用しやすい形へ受け渡していきます。肺で空気を出し入れする動きと細胞の呼吸は同じ現象ではなく、動物の換気やガス交換は細胞に必要な酸素を供給することにつながっています。
ATPはアデノシン三リン酸の略で、細胞内でエネルギーの受け渡しを担う物質です。ATPがADPとリン酸になる反応に伴って放出されるエネルギーは、物質の合成や能動輸送などに利用されます。呼吸では、逆にADPとリン酸からATPを合成するために、有機物の分解で取り出したエネルギーを使います。ATPは一度使ったらなくなる貯蔵品ではなく、分解と合成を繰り返す物質として捉えましょう。
グルコースだけを材料にして完全に分解する呼吸の全体は、次のように表せます。グルコースは、細胞が呼吸の材料として利用する単糖の1つです。
C₆H₁₂O₆ + 6O₂ → 6CO₂ + 6H₂O
この式は多数の反応をまとめた物質の収支です。グルコースが1回の反応で酸素と結び付いて、直接すべてのCO₂になるという意味ではありません。また、有機物のエネルギーのすべてがATPに移るわけではなく、一部は熱として放出されます。生きた細胞では、酵素が関わる反応を段階的に進めることによって、エネルギーの一部をATPの合成に利用しています。
解糖系からクエン酸回路までを炭素で追う
真核細胞の細胞質基質は、細胞質のうち細胞小器官などを除いた部分です。ここで進む解糖系では、グルコース1分子がピルビン酸2分子になります。ピルビン酸は炭素を3個持つ有機酸で、呼吸と発酵の分かれ道に位置します。炭素の数は6から3+3へ分かれるだけなので、通常の解糖系ではCO₂を放出しません。
解糖系の途中では、反応を進めるためにATPを2分子使い、後半でATPを4分子つくります。したがって、グルコース1分子当たりの正味の増加は2分子です。このように、反応中の物質からADPへ直接リン酸基を渡してATPをつくるしくみを、基質レベルのリン酸化といいます。「リン酸化」は物質にリン酸基を付けることを指す語です。解糖系ではATPの正味2分子に加え、NADHが2分子できます。
NAD⁺は、反応の際に電子と水素イオンを受け取る補酵素です。補酵素とは、酵素のはたらきを助ける有機物をいいます。NAD⁺が還元された形がNADHです。還元は電子を受け取る変化、酸化は電子を失う変化であり、両者は電子の受け渡しとして組み合わさって起こります。NADHは、分解の過程で取り出された電子を後の反応へ渡す役目を持ちます。
図1のように、解糖系はミトコンドリアの外側で進み、ピルビン酸はミトコンドリアへ運ばれます。ミトコンドリアは外膜と内膜を持ち、内膜に囲まれた内部をマトリックス、外膜と内膜の間を膜間腔といいます。図ではこのうち、反応の場所の違いを見やすく示しています。

マトリックスでは、ピルビン酸1分子からCO₂が1分子外れ、残る炭素数2の部分が補酵素Aと結び付いてアセチルCoAになります。補酵素Aはこの炭素数2の部分を運ぶ役割を持ちます。この反応は解糖系とクエン酸回路を結ぶ反応で、グルコース1分子から生じたピルビン酸2分子を処理すると、CO₂とNADHがそれぞれ2分子生じます。この段階ではATPは直接つくられません。
クエン酸回路では、アセチルCoAの炭素数2の部分が、炭素数4のオキサロ酢酸と結び付き、炭素数6のクエン酸ができます。いくつかの反応を経てCO₂が放出され、最後にオキサロ酢酸が再生します。出発時に使った物質が戻るため、反応を回路として描けます。ただし、最初の1周で放出されるCO₂の炭素が、直前に入った炭素2個と必ず一致するとは考えません。ここでは炭素原子の個別の履歴ではなく、回路全体の収支を数えます。
回路1周当たりの収支はCO₂が2分子、NADHが3分子、FADH₂が1分子、ATP相当が1分子です。FADH₂は、NAD⁺とは別の補酵素であるFADが還元された形で、電子伝達系へ電子を渡します。教科書では、回路の基質レベルのリン酸化による生成物をATPとして数えて説明することがあります。ここでもATP相当をATPとして数えます。グルコース1分子からはアセチルCoAが2分子できるので、回路は2周分として計算します。
電子の流れをATPの合成につなぐ
電子伝達系は、膜にある複数の物質が順に電子を受け渡すしくみです。真核細胞の呼吸ではミトコンドリアの内膜にあり、NADHやFADH₂から受け取った電子を最終的に酸素へ渡します。酸素は電子とH⁺を受け取って水になります。H⁺は水素イオンです。呼吸における酸素の直接の役割は、この電子の最終的な受け取りです。
電子を受け渡す過程で放出されるエネルギーによって、H⁺がマトリックスから膜間腔へ運ばれます。その結果、内膜の両側にH⁺の濃度差などができます。H⁺がATP合成酵素を通ってマトリックスへ戻るとき、その流れを利用してATPが合成されます。ATP合成酵素は、膜を隔てたH⁺の偏りをATPの合成に結び付ける酵素です。この呼吸の電子伝達系と結び付いたATP合成を、酸化的リン酸化といいます。
電子伝達系は、炭素を切り離してCO₂を出す場所ではありません。図1でクエン酸回路から電子伝達系に向かう矢印は、炭素のすべてがそのまま移ることを表さず、還元された補酵素が電子を供給する関係を表します。炭素の行方と電子の行方を別の色で追えるようになると、同じ図の中に異なる役割の矢印があることを読み取れます。
例題で解き方を確かめる
例題1 場所と炭素数を対応させる
真核細胞でグルコース1分子が完全に分解されました。解糖系の場所、できるピルビン酸の分子数、アセチルCoAができるまでに放出されるCO₂の分子数、クエン酸回路2周分で放出されるCO₂の分子数を答えましょう。
- まず図1の境界を見て、解糖系を細胞質基質に置きます。反応名だけでなく場所を確かめることで、「呼吸のすべてがミトコンドリアで進む」という思い込みを防げます。
- 次にグルコースの炭素6個を、ピルビン酸の炭素3個ずつに分けます。6 ÷ 3 = 2なので、ピルビン酸は2分子です。解糖系だけでは炭素が気体として外れないこともここで確かめます。
- ピルビン酸1分子からアセチルCoAができる際にCO₂が1分子出るので、2分子分では2分子です。問いの「できるまで」がどの段階を含むかを、反応の区切りに合わせて読みます。
- クエン酸回路では1周当たりCO₂が2分子出るので、2周で4分子です。前段階の2分子と合わせて6分子となり、全体の反応式の炭素数と一致します。
答え:細胞質基質、ピルビン酸2分子、アセチルCoA生成時のCO₂は2分子、回路でのCO₂は4分子です。
例題2 ATPを直接分と換算分に分けて数える
グルコース1分子から、解糖系で正味ATP2分子とNADH2分子、アセチルCoAの生成でNADH2分子、クエン酸回路2周分でATP2分子とNADH6分子、FADH₂2分子が得られたとします。計算条件として、NADH1分子当たりATP2.5分子、FADH₂1分子当たりATP1.5分子に相当するとします。また、細胞質基質でできたNADHの電子も、同じ換算で利用できるものとします。ATPの合計は何分子相当でしょうか。
- 基質レベルのリン酸化によるATPを先に合計します。解糖系の正味2分子と回路の2分子から、2 + 2 = 4分子です。解糖系の4分子をそのまま足すと、先に消費した2分子を引き忘れます。
- NADHを反応段階ごとに足し、2 + 2 + 6 = 10分子とします。ピルビン酸からアセチルCoAになる反応を独立した行として数えると、そこで生じる2分子の見落としを防げます。
- 電子伝達系につながる分を換算すると、10 × 2.5 + 2 × 1.5 = 28分子相当です。NADHとFADH₂の数そのものをATPの数に足すのではなく、それぞれの条件で換算します。
- 直接分と換算分を合わせて、4 + 28 = 32分子相当とします。これは与えられた条件に基づく平均的な収支で、ATP分子が実際に半分に分かれるという意味ではありません。
答え:この条件では、グルコース1分子当たりATP32分子相当です。
ATPの総数は、教科書では採用する換算や条件に応じて異なる値で説明されます。例えばNADHを3、FADH₂を2として数える問題なら、同じ運搬体数でも4 + 10 × 3 + 2 × 2 = 38となります。一方、真核細胞では細胞質基質で生じたNADHが内膜をそのまま通るわけではなく、その電子を内側へ受け渡すしくみの違いが収支に影響します。総数として約30〜32と説明される場合もあります。数字のどれかを無条件の正解とせず、授業や設問で示された数え方を確認しましょう。
例題3 酸素がなくなったときの変化を説明する
図2はミトコンドリア内膜付近を簡略化したものです。酸素の供給がなくなり、呼吸の電子伝達系が進まなくなったとします。この電子伝達系に結び付いたATP合成が続かなくなる理由を、「電子」「H⁺」「ATP合成酵素」を使って説明しましょう。

- 酸素の役割から考えます。酸素は電子の最終的な受け取り手なので、酸素がなくなると電子を順に渡す流れが進まなくなります。酸素をATPの材料と書くと、ここで原因を取り違えます。
- 次に膜を隔てたH⁺の移動を考えます。図2の上向き矢印は、電子伝達に伴ってH⁺が膜間腔へ運ばれる向きです。電子の流れが止まると、このくみ出しを維持できなくなります。
- 最後にATP合成酵素に注目します。膜の両側のH⁺の偏りが維持できず、その偏りが解消されていくため、ATP合成酵素を通るH⁺の流れを利用したATP合成も続けられません。最初から存在した偏りまで瞬時に消えると考える必要はありません。
答え:酸素への電子の受け渡しが止まるとH⁺の偏りを維持できず、ATP合成酵素を通るH⁺の流れによるATP合成が続かなくなります。
図2ではH⁺の記号の個数は濃度の測定値ではなく、偏りの向きを表します。電子が流れることとH⁺が膜を横切ることは別の動きであり、図の左右の矢印を1本の物質の経路としてつなげないようにします。
例題4 呼吸商を気体の量から求める
ある細胞群が一定時間にO₂を15.0 mL消費し、CO₂を12.0 mL放出しました。気体の体積は同じ温度・圧力で測定し、光合成や発酵の影響はないものとします。呼吸商を求め、グルコースだけを完全に分解した場合と比較しましょう。
- 呼吸商は「放出したCO₂の物質量 ÷ 消費したO₂の物質量」です。同じ温度・圧力での気体は体積の比を物質量の比として扱えるため、この問題では体積をそのまま使えます。
- 分子にCO₂、分母にO₂を置き、12.0 ÷ 15.0 = 0.800と計算します。mLどうしの比なので単位は付けません。測定値が有効数字3桁なので、ここでは0.800と表します。
- グルコースの完全分解では全体の反応式からCO₂とO₂の係数がともに6なので、呼吸商は6 ÷ 6 = 1です。したがって、今回の値はグルコースだけを完全分解する場合より小さい値です。
答え:呼吸商は0.800で、グルコースのみの完全分解の呼吸商1より小さい値です。
脂肪を材料にする呼吸では、一般に糖の場合よりもCO₂の放出量に対して多くのO₂を必要とし、呼吸商は1より小さくなります。ただし0.800という比だけから、どの物質を何分子分解したかまでは決められません。複数の材料が使われる場合もあるため、呼吸商は材料を考える手がかりとして読み、物質名を一意に決める数値とは区別します。
つまずきやすいところと直し方
誤り1 呼吸の場所を1つにまとめてしまう
誤った書き方は「呼吸はすべてミトコンドリアで行われる」です。どこが違うかというと、解糖系は細胞質基質で行われるため、最初の段階を取り落としています。また、マトリックスと内膜も同じ場所ではありません。正しい書き方は「真核細胞では解糖系が細胞質基質、クエン酸回路がマトリックス、呼吸の電子伝達系が内膜で進む」です。
場所の混乱を直すには、反応名を書いた後に囲みを加えるのではなく、最初に細胞質基質とミトコンドリアを描いてから反応名を置きます。原核細胞はミトコンドリアを持ちませんが、呼吸を行うものもあり、電子伝達系は細胞膜にあります。「ミトコンドリアがないから呼吸できない」という判断にも注意しましょう。
誤り2 酸素の消費とCO₂の生成を同じ反応にする
誤った書き方は「取り込んだO₂に炭素が直接付いてCO₂になる」です。どこが違うかというと、呼吸の全体式を、反応の途中を表す式として読んでいる点です。CO₂はピルビン酸からアセチルCoAになる反応やクエン酸回路で生じ、酸素は電子伝達系の最後で電子とH⁺を受け取ります。正しい書き方は「炭素はCO₂として放出され、O₂は電子伝達系で還元されて水になる」です。
解糖系やクエン酸回路でO₂を直接使わないことは、それらが酸素の有無と無関係に続けられることを意味しません。電子伝達系が止まるとNADHなどを酸化して戻す流れが滞り、NAD⁺などを必要とする反応も進みにくくなります。直接その場で消費する物質と、反応の継続に間接的に必要な条件を分けて考えます。
誤り3 発酵の後半でATPが大量につくられると考える
誤った書き方は「発酵ではピルビン酸がエタノールや乳酸になるときにATPを大量につくる」です。どこが違うかというと、発酵におけるATP生成の段階と、NAD⁺を戻す段階を混同しています。正しい書き方は「アルコール発酵と乳酸発酵では、解糖系で正味ATP2分子を得て、後半の反応でNADHをNAD⁺へ戻す」です。この収支はグルコース1分子当たりです。
図3のように、アルコール発酵ではピルビン酸からCO₂が外れてアセトアルデヒドができ、それがNADHから電子などを受け取ってエタノールになります。アセトアルデヒドはこの経路の途中でできる炭素数2の物質です。一方、乳酸発酵ではピルビン酸がNADHから電子などを受け取って乳酸になり、この経路ではCO₂を出しません。どちらもNAD⁺を再生することによって、NAD⁺を必要とする解糖系の継続を支えます。

アルコール発酵の全体の物質収支はC₆H₁₂O₆ → 2C₂H₅OH + 2CO₂、乳酸発酵はC₆H₁₂O₆ → 2C₃H₆O₃です。エタノールにも乳酸にも有機物としてのエネルギーが残るため、完全分解する呼吸に比べて得られるATPは少なくなります。酵母はアルコール発酵を行い、乳酸菌は乳酸発酵を行います。また、動物の筋細胞でも乳酸を生じる反応が起こります。
発酵の反応自体はO₂を必要としませんが、「酸素があると、あらゆる細胞で発酵が絶対に起こらない」とまでは言えません。問題を解くときは、細胞の種類と与えられた条件を確認します。発酵でO₂の消費が0なのにCO₂が出る場合、その量を呼吸商の式に入れて通常の比として扱うことはできません。分母が0になることと、呼吸商が0であることは違います。
練習問題
練習1
グルコース3分子が解糖系で分解されました。できるピルビン酸、正味増加したATP、生じたNADHはそれぞれ何分子ですか。また、この段階でCO₂は何分子生じますか。最初にグルコース1分子当たりの数を並べてから考えましょう。
練習2
グルコース1分子の完全分解について、基質レベルのリン酸化によるATPを4分子、電子伝達系に電子を供給する運搬体をNADH10分子、FADH₂2分子とします。NADHを2.5、FADH₂を1.5のATPに換算しますが、解糖系由来のNADH2分子だけは、電子を受け渡す経路の条件により1分子当たり1.5のATPに換算するとします。ATPの合計は何分子相当ですか。
練習3
グルコース2分子がすべてアルコール発酵を行う場合と、すべて乳酸発酵を行う場合を比べます。それぞれでできるエタノールまたは乳酸、CO₂、正味のATPの分子数を答えましょう。さらに、両方の発酵に共通するNADHの変化を説明しましょう。
練習4
同じ温度・圧力で測定したO₂の消費量が24.0 mL、CO₂の放出量が24.0 mLでした。光合成や発酵の影響はないものとして呼吸商を求めましょう。また、その結果だけから「呼吸の材料は必ずグルコースだけである」と言えるか、理由を添えて答えましょう。
答えと解説
練習1の答えは、ピルビン酸6分子、正味ATP6分子、NADH6分子、CO₂は0分子です。最初の3つはそれぞれ2 × 3で求められます。解糖系では炭素数6が炭素数3の2分子に分かれるため、CO₂が出る段階と混ぜないことがポイントです。
練習2の答えは30分子相当です。解糖系以外のNADHは10 − 2 = 8分子なので、4 + 8 × 2.5 + 2 × 1.5 + 2 × 1.5 = 30となります。後ろの2項はそれぞれ、解糖系由来のNADHとFADH₂の換算分です。例題2から変わるのは解糖系由来の2分子の扱いだけです。
練習3の答えは、アルコール発酵ではエタノール4分子、CO₂4分子、正味ATP4分子、乳酸発酵では乳酸4分子、CO₂0分子、正味ATP4分子です。いずれも後半の反応でNADHが酸化されてNAD⁺に戻ります。生成物の種類が異なっても、解糖系を続けるためにNAD⁺を再生する点は共通です。
練習4の答えは呼吸商1.00で、グルコースだけとは断定できません。24.0 ÷ 24.0から、有効数字3桁で1.00とします。グルコースの完全分解とは矛盾しませんが、この比が同じになる他の材料や組合せまで否定する情報は与えられていません。
次の単元へのつながりと家庭での確かめ方
光合成を学ぶときにも、膜の両側にできたH⁺の偏りをATP合成に利用するしくみが登場します。呼吸で「電子の流れ、H⁺の移動、ATP合成」のつながりを説明できれば、次は電子の供給源やエネルギー源の違いに注目できます。生態系のエネルギーの流れを学ぶ際にも、有機物のエネルギーの一部が呼吸で熱として放出されることが土台になります。
家庭では、5分のうち前半に白紙へ細胞質基質とミトコンドリアを描き、3段階の反応名を配置してみましょう。後半には、グルコース1分子から得られる「直接のATP」「NADH」「FADH₂」を別々の行で数え、換算前に合計を確かめます。図を見ながら写すだけでなく、いったん閉じてから、酸素が使われる場所を指せるかが確認点です。
個別指導では、ATPの合計を間違えたときに、掛け算から戻る必要があるのか、グルコース1分子と回路1周の対応から戻る必要があるのかを見ます。お子さまの説明を聞く場合も、総数の正誤だけでなく「その2分子はどこでできたのか」を尋ねると、理解が途切れた場所を確かめられます。
まとめ
呼吸の図を読み終えたかどうかは、名前を順番に言えることだけでは判断できません。酸素がなくなったときの変化や、ATPの換算条件が変わったときの収支を、図の矢印に戻って説明できるかが確かめどころです。自分の計算にある1つの数を指して、その由来を言葉にしてみましょう。
ATPの総数に根拠を与えるのは、炭素の行方と電子の行方を分けて追う理解です。
本気になった日が、入塾の日。
お子様の教育、迷ったら「丸投げ」してください。必ず、期待以上の結果で返します。武蔵野で育む、武蔵境で学ぶ。
電話は年中無休。365日、24時間、お電話可能。




