
武蔵野個別指導塾の特徴
【生物】転写と翻訳を図解で総まとめ—mRNA の合成・スプライシング・遺伝暗号・tRNA とリボソーム|武蔵野個別指導塾

鋳型鎖からmRNAを求める例題、スプライシングの図、コドンとアンチコドンの対応を通して、塩基配列からアミノ酸配列を導く手順を確かめましょう。
よくあるのは、図書館の机で教科書とノートを開き、DNAの塩基配列を見ながら「TをUに置き換えればよいのか、相補的な塩基に直すのか」で手が止まるという場面です。隣のページにはコドン表があり、その先にはtRNAの図もあります。用語を一つずつ覚えていても、どの分子からどの分子へ進むのかを見失うと、同じ配列から違う答えを作ってしまいます。
この単元で頼りになるのは、配列の上に分子名を書き、両端に向きを添える習慣です。DNAからRNAを作る段階と、RNAからアミノ酸の並びを決める段階を分ければ、必要な規則も分かれます。転写、RNAの加工、翻訳を順にたどり、最後には短い塩基配列からポリペプチドのアミノ酸数まで自分で説明できるようにしましょう。図の矢印を言葉に直すところから始めます。
この単元で身につけること
- 転写と翻訳の役割を区別します。転写はDNAの情報をRNAの塩基配列へ写す過程、翻訳はmRNAの情報に従ってアミノ酸をつなぐ過程です。
- DNAの鋳型鎖と合成されるRNAの向きをそろえて読めるようにします。相補的な塩基を選ぶことと、指定の向きに並べ直すことを別々に確かめます。
- 真核生物のRNAの加工を説明します。スプライシングで除かれる部分と残る部分を見分け、成熟したmRNAを使って翻訳を考えます。
- コドンとアンチコドンを区別します。遺伝暗号表で直接調べるのはmRNAのコドンであり、DNAやtRNAの配列をそのまま入れないようにします。
- 開始コドンと終止コドンの役割を踏まえて、アミノ酸配列や個数を求めます。塩基数を単純に3で割る前に、数える範囲を限定します。
生物基礎で学んだ「遺伝情報はDNAの塩基配列にある」という考え方に、DNAの構造と複製で学ぶ相補性や鎖の方向性を結び付けます。配列問題を解くときは、分子名、向き、読み始める位置の3点を先に記すと、覚えた知識を使う順番が定まります。
基本の考え方
DNAの情報をRNAへ写す転写
DNAは、ヌクレオチドという単位が連なった分子です。DNAの塩基にはアデニンA、チミンT、グアニンG、シトシンCがあります。RNAもヌクレオチドが連なった分子ですが、糖はDNAのデオキシリボースに対してリボースで、塩基にはTの代わりにウラシルUを含みます。DNAの塩基を実際に取り外してRNAに付け替えるのではなく、RNAの材料を新しくつなぎます。
転写とは、DNAの一方の鎖を鋳型として、相補的な塩基配列をもつRNAを合成することです。鋳型とは、並びを決めるために読み取られる側という意味です。RNAポリメラーゼという酵素がDNAの特定の領域に結合して転写を始め、DNAの一部がほどけたところでRNAを伸ばしていきます。転写の開始に関わるDNAの領域をプロモーターといいます。DNA全体が一度に開くわけでも、1本の遺伝子について2本の鎖を同時に写すわけでもありません。
RNAに取り込まれる塩基は、鋳型DNAのAに対してU、Tに対してA、Gに対してC、Cに対してGです。この対応を相補性といいます。鋳型DNAにAがあればRNAにもAを書く、という同じ文字の転記ではありません。図書館の本をそのまま書き写すことにたとえるなら、転写はさらに決まった対応表で文字を置き換える操作を含んでいます。
核酸の鎖には5′末端と3′末端という区別があります。5′と3′は、ヌクレオチドの糖の炭素の位置に由来する表示で、配列を読む向きを表す目印になります。RNAは5′から3′へ伸び、鋳型DNAは3′から5′へ読み取られます。向かい合う2本は逆向きです。ノートでは上下の鎖の左端をどちらも5′にすると対応が崩れるので、塩基を埋める前に末端を書きましょう。
鋳型鎖に対して、もう一方のDNA鎖は非鋳型鎖といい、タンパク質を指定する遺伝子ではコード鎖とも呼ばれます。同じ向きで比べると、RNAの配列はこのコード鎖のTをUに置き換えた並びになります。ただし、どちらの鎖が鋳型になるかは遺伝子ごとに決まります。図で上に描かれた鎖をいつもコード鎖だと決め付けることはできません。
真核生物ではRNAを加工してから運び出す
タンパク質合成の情報をリボソームへ伝えるRNAを、伝令RNA、つまりmRNAといいます。真核生物の核内では、まずmRNA前駆体が作られます。多くの遺伝子には、成熟したmRNAに残るエキソンと、途中で除かれるイントロンが含まれています。イントロンを取り除き、エキソンどうしをつなぐ加工がスプライシングです。
図1のように、転写、スプライシング、翻訳は順序をもつ別々の過程です。図の紺色の部分は残される領域、橙色の部分は取り除かれる領域を示しています。加工されるのはRNAであり、核内のDNAからイントロンの部分が切り取られるわけではありません。図は各段階の関係を表す模式図で、塩基の個数や分子の大きさの比は示していません。

成熟したmRNAは核膜の核膜孔を通って細胞質へ運ばれ、リボソームで翻訳されます。真核生物のmRNAの加工では、通常、5′末端へのキャップの付加と3′末端へのポリA尾部の付加も行われます。キャップは末端に付く修飾された構造、ポリA尾部はAが多数連なった部分です。これらはmRNAの安定性や翻訳などに関わります。
エキソンを「すべてアミノ酸を指定する部分」と覚えるのは正確ではありません。成熟したmRNAには、翻訳されない非翻訳領域もあり、その部分もエキソンに含まれます。また、選択的スプライシングでは、エキソンの組合せが変わることで、1つの遺伝子から異なるmRNAが生じることがあります。ここではまず「残る部分」と「翻訳する部分」は同じ区分ではない、と押さえましょう。
原核生物には核膜で囲まれた核がありません。教科書では、原核生物では転写と翻訳が同じ細胞内の空間で進み、転写の途中から翻訳が始まることもあると説明されます。真核生物の核内と細胞質を分けた図を、そのまま細菌にも当てはめないことが必要です。
mRNAの情報をアミノ酸の並びへ読み替える翻訳
翻訳では、mRNAの塩基3個の並びを1組として読みます。この1組がコドンです。塩基は4種類あるので、3個の並びは4×4×4=64通りあります。標準的な遺伝暗号では、そのうち61種類がアミノ酸を指定し、3種類が終止の合図です。アミノ酸は20種類なので、複数のコドンが同じアミノ酸を指定することがあります。
アミノ酸を運ぶのは、転移RNA、つまりtRNAです。tRNAには特定のアミノ酸が結合する部分と、mRNAのコドンと相補的に結合するアンチコドンがあります。アミノ酸を正しくtRNAに結合させる過程には酵素が働きます。mRNAがアミノ酸を直接引き寄せて並べているのではありません。
リボソームは、リボソームRNAであるrRNAとタンパク質からなる、大小2つのサブユニットをもつ構造です。mRNAとtRNAを対応させ、アミノ酸どうしをペプチド結合でつなぐ場になります。ペプチド結合で多数のアミノ酸が連なった鎖をポリペプチドといいます。できた鎖は折りたたまれたり加工されたりして、働くタンパク質になります。
翻訳は通常、開始コドンAUGから始まります。AUGはメチオニンを指定し、読み始める位置も定めます。その位置から3塩基ずつ区切るまとまりを読み枠といいます。リボソームはmRNA上を5′から3′へ進み、対応するtRNAが次々にアミノ酸を運びます。終止コドンUAA、UAG、UGAに達すると、終結に関わる因子が働いて合成が終わり、ポリペプチドが放出されます。終止コドンはアミノ酸を指定せず、「終止用のアミノ酸」を運ぶtRNAもありません。
DNAからRNAへ、RNAからタンパク質へという遺伝情報の基本的な流れを、セントラルドグマと呼びます。ここで流れるのは情報であって、DNAそのものがRNAやタンパク質へ変身するのではありません。一部のウイルスではRNAを鋳型にDNAが合成される逆転写も見られますが、通常のタンパク質合成の配列問題では、転写と翻訳の2段階をまず正しく追うことが出発点です。
例題で解き方を確かめる
例題1 鋳型鎖からmRNAを求める
DNAの鋳型鎖の一部が3′-TAC GGA CTT-5′です。この部分から転写されるRNAの配列を5′から3′の向きで答えます。ここでは示した部分にイントロンはないものとし、配列中の空白は読みやすくするための区切りとします。
- 鋳型鎖の下に、RNAの左端を5′、右端を3′と書きます。鋳型とRNAは逆向きに対応するからです。
- Tの下にA、Aの下にU、Cの下にGを書くという対応で、9個の塩基を順に埋めます。DNAのAに対して使うのはRNAのUであることを確かめます。
- 得られた5′-AUG CCU GAA-3′を鋳型鎖と1塩基ずつ照合します。鋳型のGGAにはCCU、CTTにはGAAが対応しており、9塩基のまま写せています。
コード鎖も確かめると5′-ATG CCT GAA-3′です。これとRNAを比較したときに初めて、TとU以外は同じ並びになります。「TをUにする」という短い解き方は、問題がコード鎖を示している場合に使えるものです。鋳型鎖かどうかを読まずに使うと、AUGという開始コドンさえ得られなくなります。
答え:5′-AUG CCU GAA-3′です。
例題2 コドンからアミノ酸配列とアンチコドンを求める
成熟したmRNAの翻訳領域が5′-AUG UUU GGC UAA-3′と示されています。AUGから翻訳が始まるものとして、合成直後のポリペプチドのアミノ酸配列と、UUUに対応するtRNAのアンチコドンを求めます。アンチコドンはコドンと上下に対応させた向きで答えます。
この問題で使う標準的な遺伝暗号表の一部を示します。表の左欄はすべてmRNAを5′から3′へ読んだコドンです。完全な遺伝暗号表でも、第1、第2、第3の塩基を順にたどって同じ対応を探します。
| mRNAのコドン | 指定するアミノ酸または合図 |
|---|---|
| AUG | メチオニン |
| UUU、UUC | フェニルアラニン |
| GGU、GGC、GGA、GGG | グリシン |
| CCU、CCC、CCA、CCG | プロリン |
| GAA、GAG | グルタミン酸 |
| UAA、UAG、UGA | 終止 |
- AUGから3塩基ずつ区切り、AUG、UUU、GGC、UAAの4組を得ます。開始位置を固定してから区切ることで、読み枠を途中でずらさずに済みます。
- 表で順に調べます。AUGはメチオニン、UUUはフェニルアラニン、GGCはグリシンで、UAAは終止です。終止を4個目のアミノ酸に数えないようにします。
- UUUの下に相補的なAAAを書き、左に3′、右に5′を添えます。アンチコドンはmRNAと逆向きに結合するからです。
図2のように、コドンとアンチコドンは向かい合って対応します。図中の丸はアミノ酸を表し、中央のtRNAに結合した丸が、UUUに対応して運ばれるフェニルアラニンです。淡い緑の部分はリボソームを模式的に示しています。ここではコドンとtRNAの対応に注目するため、リボソームの細かな形は省略しています。

アンチコドンを遺伝暗号表で調べると、運ばれるアミノ酸と異なる答えになることがあります。表に入れるのはコドンUUUであり、アンチコドンAAAではありません。tRNAを手がかりに解く場合も、いったんmRNAの配列に戻してから表を読むのが確実です。
答え:メチオニン→フェニルアラニン→グリシンの3個で、アンチコドンは3′-AAA-5′です。
例題3 スプライシング後の長さからアミノ酸数を求める
ある真核生物のmRNA前駆体について、転写された部分は合計900塩基で、そのうちイントロンは合計300塩基です。スプライシング後に残る非翻訳領域は合計150塩基で、残りは開始コドンから終止コドンまでの連続した領域です。キャップとポリA尾部は今回の塩基数に含めません。合成直後のポリペプチドのアミノ酸数と、鎖内のペプチド結合の数を求めます。
- 900−300=600塩基として、スプライシング後に残る長さを求めます。翻訳に使う配列を考える前に、取り除かれるイントロンを除く必要があります。
- 600−150=450塩基として、開始コドンから終止コドンまでの長さを求めます。成熟したmRNAでも全域が翻訳されるわけではないからです。
- 450÷3=150組のコドンのうち、終止コドン1組を引き、150−1=149個のアミノ酸を得ます。開始コドンのメチオニンは、合成直後という条件では数に含めます。
- 1本の直鎖状のポリペプチドでは、隣り合うアミノ酸の間に結合ができるため、149−1=148個のペプチド結合になります。たとえば3個を1列につなぐ場合、間は2か所という関係を使います。
900塩基をいきなり3で割ると、イントロンも非翻訳領域もアミノ酸に換算してしまいます。また、完成したタンパク質で先頭のメチオニンなどが除かれる場合は、合成直後の鎖と個数が変わることがあります。この問題は合成直後と明記しているので、加工後の変化は考えません。
答え:アミノ酸は149個、ペプチド結合は148個です。
例題4 5′から示された鋳型鎖を読み直す
DNAの鋳型鎖が5′-TTA GCC AAA CAT-3′と与えられています。この領域にはイントロンがなく、対応するmRNAを5′から3′で書くと、先頭のAUGから翻訳が始まります。mRNAとアミノ酸配列を求めます。
- DNAの下に、左が3′、右が5′のRNAを書きます。紙面の左から右へ塩基を対応させると、3′-AAU CGG UUU GUA-5′になります。
- 求められている5′から3′の向きにするため、RNAの右端から1塩基ずつ読み直します。これで5′-AUG UUU GGC UAA-3′が得られます。3文字のかたまりだけを逆順にせず、各塩基の順を反転させるのが要点です。
- AUGから区切り直して表を使います。例題2と同じ4組なので、終止の手前までの3個のアミノ酸が並びます。
この問題では、相補的な文字を正しく書けても、向きを変えなければ答えに届きません。問題文が鋳型鎖を5′から示すことは間違いではなく、解く側がRNAの5′側を探す必要があるということです。途中の配列に両端の表示を残すと、自分がどちら向きに読んでいるのかを確かめられます。
答え:mRNAは5′-AUG UUU GGC UAA-3′、アミノ酸配列はメチオニン→フェニルアラニン→グリシンです。
つまずきやすいところと直し方
誤り1 鋳型鎖のTだけをUに変える
誤った書き方は、「鋳型DNAが3′-TAC-5′なので、RNAは3′-UAC-5′」です。どこが違うかというと、鋳型との相補性と、2本の向きが逆になることの両方が抜けています。正しい書き方は、「鋳型3′-TAC-5′に対して、RNAは5′-AUG-3′」です。
直すときは、まずDNAの下にRNA用の空欄を作り、5′と3′だけを書きます。その後でTとA、AとU、CとGを縦に対応させます。頭の中でまとめて変換するより、どの段階で間違えたかが残ります。TをUに置き換える方法を使うなら、出発点が鋳型鎖ではなくコード鎖であることを先に確認しましょう。
誤り2 エキソンの全塩基をアミノ酸に換算する
誤った書き方は、「スプライシング後のmRNAが600塩基なので、アミノ酸は600÷3=200個」です。どこが違うかというと、非翻訳領域と終止コドンまでアミノ酸を指定すると扱っています。正しい書き方は、非翻訳領域を除いた範囲を3で割り、その範囲に終止コドンが含まれるなら1組分を引く、という順です。
図3のように、成熟したmRNAの両端に非翻訳領域があっても、翻訳は指定されたAUGから読み枠を作って進みます。図の中央にはアミノ酸を指定する3組と終止コドンを描いています。両端の灰色の区間は長さを表しておらず、ここを含めてコドン数を数えることはできません。

エキソンは「加工後に残るかどうか」による区分、翻訳領域は「アミノ酸配列の情報として読む範囲」による区分です。2種類の区分を同じものとして覚えなければ、図3の灰色の部分も成熟したmRNAに含まれることが自然に理解できます。
誤り3 終止コドンにもtRNAが来ると考える
誤った書き方は、「UAAに対応するtRNAが最後のアミノ酸を運ぶ」です。どこが違うかというと、終止コドンをアミノ酸の指定として扱っている点です。正しい書き方は、「UAAは終止の合図で、終結に関わる因子が働き、ポリペプチドが放出される」です。
相補的な配列を書けることと、その配列をもつtRNAが翻訳で働くことは別です。UAAに対して紙面上でAUUと書けても、それを通常の翻訳の「終止用tRNA」としてはいけません。終止コドンは数えるコドンには入る一方、数えるアミノ酸には入らないため、問題文の「何の個数か」に線を引くと誤りを防げます。
練習問題
各問題では、標準的な遺伝暗号を使います。特に記した場合を除き、示した配列にイントロンはなく、開始コドンから終止コドンまでを1つの読み枠で読みます。答えだけでなく、分子名と両端の向きもノートに残して確かめましょう。
練習1
DNAの鋳型鎖の一部が3′-TAC TTT CCG ATT-5′です。対応するmRNAを5′から3′の向きで書いてください。また、最初のコドンと最後のコドンの役割を答えてください。
練習2
成熟したmRNAの一部が5′-AUG CCU GAA UAG-3′です。このAUGから翻訳が始まるとして、合成直後のアミノ酸配列とアミノ酸数を求めてください。さらに、CCUに相補的なアンチコドンを、mRNAと上下に対応させた向きと5′から3′の向きの両方で書いてください。
練習3
mRNA前駆体の転写された部分は720塩基で、イントロンは合計180塩基です。残る非翻訳領域は合計90塩基で、それ以外が開始コドンから終止コドンまでの領域です。キャップとポリA尾部を除いて考えるとき、スプライシング後に残る塩基数、合成直後のアミノ酸数、ペプチド結合の数を求めてください。
練習4
あるmRNAのアミノ酸を指定するコドンが、塩基1個の置換でUUUからUUCに変わりました。この部分が指定するアミノ酸は変わるでしょうか。また、この例を根拠に「塩基置換ではアミノ酸配列は変わらない」と一般化してよいでしょうか。例題2の表を使って説明してください。
答えと解説
練習1の答えは、5′-AUG AAA GGC UAA-3′です。最初のAUGはメチオニンを指定し、ここでは開始コドンとして働きます。最後のUAAは終止コドンです。鋳型鎖の左が3′なので、その下に作るRNAの左は5′になり、今回は読み直す操作は必要ありません。
練習2の答えは、メチオニン→プロリン→グルタミン酸の3個です。UAGは終止で、4個目には数えません。CCUに向かい合うアンチコドンは3′-GGA-5′、これを5′から3′へ書き直すと5′-AGG-3′です。同じtRNAの同じ部分でも、書く方向によって見かけの文字列が変わります。
練習3の答えは、540塩基、149個、148個です。720−180=540塩基が残り、非翻訳領域を除くと540−90=450塩基です。450÷3−1=149個のアミノ酸となり、1本の直鎖のペプチド結合は149−1=148個です。例題3とは前駆体の長さが異なりますが、最後に読む領域が同じ長さなのでアミノ酸数は一致します。
練習4の答えは、どちらもフェニルアラニンなので、この置換では指定するアミノ酸は変わりません。ただし、一般化はできません。複数のコドンが同じアミノ酸を指定する一方、別の置換では指定するアミノ酸が変わることも、終止コドンになることもあります。配列の変化がどのコドンを作るかを調べて判断します。
次の単元へのつながりと家庭での確かめ方
転写と翻訳の順序は、遺伝子の発現調節を学ぶときの土台になります。遺伝子の情報がRNAやタンパク質として現れることを遺伝子の発現といいます。同じ個体の細胞が基本的に同じDNAをもっていても、どの遺伝子をどの程度発現するかによって、作られるタンパク質は異なります。「DNAがある」と「その情報が使われている」を分ける視点が、細胞の働きの違いにつながります。
家庭では、次の2つをそれぞれ5分で試せます。1つ目は、例題1の鋳型鎖だけを紙に写し、両端の向き、RNA、コード鎖の順に自力で補うことです。2つ目は、図3を見ずにmRNAを1本描き、非翻訳領域、開始コドン、終止コドンを入れて、アミノ酸を数える区間を指でなぞることです。答え合わせでは、最終結果だけでなく、どの規則を使ったかを声に出して説明します。
個別指導で配列の答えが合わないときは、コドン表を引く前に、DNAとRNAの塩基の違い、相補性、5′と3′の向きまで戻って確かめます。説明が止まる箇所を一つに絞ると、覚え直す用語と練習する操作を具体的に分けられます。
まとめ
塩基配列の問題で答えに迷ったら、AやUの文字列を眺める前に、「何の分子か」「どちら向きか」「どこから読むか」を書き添えてみましょう。解答の途中にこの情報が残っていれば、結果が違っても、自分で間違いの場所を探せます。正答の配列を丸ごと覚える必要はありません。
遺伝暗号表を引く速さだけでは、鋳型の取り違えも、終止コドンの数え過ぎも直せません。塩基の横に書いた向きと、読み始めに引いた一本の線が、遺伝情報を正しく読む根拠になります。
本気になった日が、入塾の日。
お子様の教育、迷ったら「丸投げ」してください。必ず、期待以上の結果で返します。武蔵野で育む、武蔵境で学ぶ。
電話は年中無休。365日、24時間、お電話可能。



