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【化学基礎】酸と塩基を図解で総まとめ—定義・価数と強弱・pH・中和と塩|武蔵野個別指導塾

酸の価数と強弱の違いを粒子の図で整理し、pHの読み取りから硫酸の中和計算、塩の分類と液性まで、例題を通して順に学べます。
よくあるのは、修学旅行前の教室で配られた課題を開き、「硫酸は2価だから塩酸より強い」と書いたところで、隣の中和の計算も合わなくなるという場面です。「酸の強さ」「水溶液の濃さ」「酸1 molが反応できる量」が、どれも酸の性質を表すため、同じ意味に見えてしまいます。けれども、この3つは別々に確かめる必要があります。
酸と塩基の問題は、名称だけを暗記するより、まず水溶液中にどの粒子があり、何が移動するのかを考えるとつながります。酸と塩基の定義は反応の見方、価数は中和できる量、電離度は水中でイオンになる割合、pHはその水溶液の水素イオン濃度を表すものです。それぞれの役割を決めておけば、式にどの数値を入れるかも判断できます。
ここでは、定義からpH、中和反応、できた塩の分類と液性までを順に扱います。計算では、答えの数字だけでなく「何の物質量をそろえたか」を説明できるところまで確かめていきましょう。
この単元で身につけること
- 酸と塩基を2つの定義で説明します。水溶液中で生じるイオンに注目する見方と、H⁺の授受に注目する見方を使い分けます。
- 価数と強弱を区別します。何個のH⁺を放出できるかという数と、どの程度電離するかという割合を混同しないことが目標です。
- 水素イオン濃度からpHを読み取ります。10の累乗で表した濃度を使い、pHが1違うと濃度が10倍違うことを確かめます。
- 中和を物質量で計算します。酸と塩基の価数、モル濃度、体積を組み合わせて、過不足なく反応する条件を立てます。
- 塩の分類と水溶液の液性を別々に判断します。正塩という名前だけでは中性と決められない理由を説明します。
前の単元で学ぶ「物質量=モル濃度×体積」と、化学反応式の係数が物質量の比を表すという関係が、この単元の計算の土台です。中学校で扱った酸性・アルカリ性の性質を、粒子とmolの両方から説明し直すつもりで読むと、既に知っている知識を整理できます。
基本の考え方
酸と塩基は何をする物質か
アレニウスの定義では、酸は水溶液中でH⁺を生じる物質、塩基は水溶液中でOH⁻を生じる物質です。H⁺を水素イオン、OH⁻を水酸化物イオンといいます。塩化水素HClが水に溶けた塩酸や、水酸化ナトリウムNaOHの水溶液が代表例です。水に溶けてイオンに分かれることを電離といい、次の式で表せます。
HCl → H⁺ + Cl⁻
NaOH → Na⁺ + OH⁻
実際の水中ではH⁺は水分子と結びついて存在しますが、化学基礎の通常の計算ではH⁺と略して扱います。NaOHはもともとイオンからなる物質で、水に溶けるとNa⁺とOH⁻が水中に分散します。このように物質のつくりが違っても、水溶液でどのイオンを生じるかに注目すると、酸と塩基を共通の視点で整理できます。
もう1つのブレンステッド・ローリーの定義では、酸はH⁺を与える物質、塩基はH⁺を受け取る物質です。たとえば、アンモニアNH₃が水と反応すると、次の変化が起こります。両向きの矢印は、右向きだけでなく左向きの変化も起こることを表します。
NH₃ + H₂O ⇄ NH₄⁺ + OH⁻
NH₃は水からH⁺を受け取ってNH₄⁺になるので塩基です。この反応では、水はH⁺を与える側なので酸として働きます。NH₃の式の中にOHがなくても、水溶液中にOH⁻が生じるため、アンモニア水は塩基性になります。「塩基なら必ず化学式の中にOHがある」という判断はできません。
HClとNH₃の反応をHCl + NH₃ → NH₄Clと表すと、HClからNH₃へH⁺が移動していることも読み取れます。H⁺の授受という定義は、水溶液だけに限らず酸と塩基を考えられる点が特徴です。また、水は相手によってH⁺を受け取る側にもなります。酸・塩基としての役割は、反応の相手まで見て決めます。
価数は個数、強弱は電離のしやすさ
酸の価数は、酸1分子から放出できるH⁺の数です。HClは1価、H₂SO₄は2価、H₃PO₄は3価の酸です。ただし、化学式にあるHを全部数えるのではありません。酢酸CH₃COOHはHを4個含みますが、酸として放出できるH⁺はCOOHの部分の1個なので1価です。塩基の価数は、NaOHなら生じるOH⁻の数から1価、Ca(OH)₂なら2価と判断します。NH₃は1分子がH⁺を1個受け取るので1価の塩基として扱います。
これに対して、酸・塩基の強弱は水中での電離のしやすさです。電離度αは、溶かした物質のうち電離した割合で、次のように表します。
電離度α=電離した物質量÷溶かした物質量
電離度に単位はなく、0から1までの値をとります。希薄な水溶液でほぼ完全に電離するHCl、HNO₃、NaOHなどは強酸・強塩基で、一部しか電離しないCH₃COOH、NH₃などは弱酸・弱塩基です。硫酸は2価の強酸に分類しますが、2個のH⁺の放出をどの濃度でも同じように完全電離とみなせるわけではありません。硫酸の中和計算で2価を使うことと、硫酸のpHを求めることは分けて考えます。
図1のように、同じ数の1価の酸を水に溶かす模式図でも、電離した割合は異なります。左は4個すべてが電離した場合、右は4個のうち1個が電離した場合です。右の電離度は1÷4=0.25ですが、これは図を読むための例であり、特定の弱酸の電離度を固定して示したものではありません。

図1のHAは電離前の酸、A⁻はH⁺を放出した後の陰イオンを表します。右にもH⁺を放出できるHAが残っているため、弱酸を中和するときに最初からあるH⁺だけを数えてはいけません。H⁺が反応で消費されると、残った酸からもH⁺が供給されます。したがって、弱酸でも、完全に中和するために必要な塩基の量は、酸全体の物質量と価数から決まります。
「濃い・薄い」は、一定の体積にどれだけ物質を溶かしたかという濃度の話です。濃い酢酸も弱酸で、薄い塩酸も強酸です。また、電離度は物質名だけで一律に決まる数値ではなく、濃度や温度にもよります。問題に電離度が与えられたときは、その水溶液についての条件として使います。
pH、中和、塩をつなげる
水素イオン濃度[H⁺]は、水溶液1 L中のH⁺の物質量をmol/Lで表したものです。[H⁺]=1.0×10⁻³ mol/LならpH=3、1.0×10⁻⁴ mol/LならpH=4です。一般に、[H⁺]=1.0×10⁻ⁿ mol/Lの形ならpH=nと読み取ります。pHは単位を付けない数値で、値が小さいほど水素イオン濃度が大きいことを表します。
この解説の水溶液の計算では、温度を25 ℃とし、教科書で用いる関係[H⁺][OH⁻]=1.0×10⁻¹⁴ (mol/L)²を使います。中性では[H⁺]=[OH⁻]=1.0×10⁻⁷ mol/LなのでpH=7です。25 ℃では、pHが7より小さければ酸性、大きければ塩基性です。水にもわずかなH⁺とOH⁻があるので、塩基性の水溶液にもH⁺は存在します。
酸と塩基が互いの性質を打ち消し合う反応が中和です。強酸と強塩基の水溶液の中和は、H⁺ + OH⁻ → H₂Oというイオンの反応式で中心となる変化を表せます。たとえばHCl + NaOH → NaCl + H₂Oでは、H⁺とOH⁻が反応し、Na⁺とCl⁻は水中に残ります。生じるNaClのように、酸に由来する陰イオンと塩基に由来する陽イオンからなる化合物を塩といいます。塩は「しお」ではなく「えん」と読み、食塩だけを指す言葉ではありません。
塩を組成で分類すると、酸の置換できるHや塩基のOHが残っていないものは正塩です。NaCl、CH₃COONa、NH₄Clはいずれも正塩に分類します。酸の置換できるHが残るNaHCO₃やNaHSO₄は酸性塩、塩基のOHが残るMgCl(OH)などは塩基性塩です。NH₄ClのHはNH₄⁺に含まれるもので、酸に由来する陰イオンに残ったHではないため、酸性塩ではありません。
塩の水溶液の液性は、こうした組成による名前とは別に調べます。代表的な正塩では、強酸と強塩基からできたNaClは中性、弱酸と強塩基からできたCH₃COONaは塩基性、強酸と弱塩基からできたNH₄Clは酸性を示します。弱酸に由来する陰イオンや弱塩基に由来する陽イオンが水と反応するためで、この反応を塩の加水分解といいます。弱酸と弱塩基の組合せでは、名前だけから一律に液性を決めることはできません。
例題で解き方を確かめる
例題1 価数と電離度を読み分ける
1価の弱酸HAを0.020 mol水に溶かしたところ、0.0010 molが電離しました。酸の価数と電離度を求め、電離度を百分率でも表してください。
- 価数は「1価の弱酸」という条件から1と判断します。電離した割合が小さくても、1分子から放出できるH⁺の数は変わらないためです。
- 電離度は0.0010 mol÷0.020 mol=0.050です。分母は電離せずに残った量ではなく、最初に溶かした全体の物質量にします。
- 百分率では0.050×100=5.0 %です。与えられた物質量が有効数字2桁なので、割合も2桁で示します。電離していない酸は全体の95 %ですが、中和の相手が加わると、その酸からもH⁺が供給されます。
答え:価数は1、電離度は0.050、電離した割合は5.0 %です。
例題2 強酸と強塩基のpHを求める
25 ℃で、①1.0×10⁻³ mol/Lの塩酸、②1.0×10⁻² mol/LのNaOH水溶液のpHを求めてください。どちらも完全に電離するとし、水自身から生じるイオンの寄与は濃度計算で無視します。
- ①はHClが1価の強酸なので、[H⁺]=1.0×10⁻³ mol/Lです。モル濃度がそのままH⁺の濃度になるのは、この価数と電離の条件があるためです。
- [H⁺]=1.0×10⁻³ mol/LからpH=3と読み取ります。pHの数字が濃度そのものではなく、10の累乗の指数と結びついていることを確かめます。
- ②は[OH⁻]=1.0×10⁻² mol/Lです。[H⁺]=1.0×10⁻¹⁴÷(1.0×10⁻²)=1.0×10⁻¹² mol/LとなるのでpH=12です。OH⁻の濃度をH⁺の濃度と取り違えると、塩基なのに酸性という答えになります。
答え:①pH=3、②pH=12です。
図2ではpHの目盛りを等間隔にしていますが、H⁺の濃度そのものが等しい差で変わるわけではありません。pHが3から4へ1増えると[H⁺]は10分の1になり、3から5へ2増えると100分の1になります。図の0から14は通常扱う範囲を示したもので、pHが必ずこの範囲だけに限られるという意味ではありません。

図2の中性の位置は25 ℃での値です。また、塩酸を10倍に薄めると、例題の濃度付近ではpHが1増えると考えられますが、極めて薄い水溶液まで同じ計算を続けてはいけません。その場合は水自身から生じるH⁺も無視できなくなるからです。
例題3 硫酸を過不足なく中和する
0.100 mol/Lの硫酸20.0 mLを、0.200 mol/LのNaOH水溶液で過不足なく中和します。必要なNaOH水溶液の体積を求めてください。硫酸の2個のH⁺をともに中和するものとします。
- 反応式をH₂SO₄ + 2NaOH → Na₂SO₄ + 2H₂Oと書きます。硫酸1 molにNaOHが2 mol必要なため、酸と塩基の物質量を同じにする式では足りません。
- 20.0 mL=0.0200 Lと換算し、硫酸の物質量を0.100 mol/L×0.0200 L=0.00200 molと求めます。mol/Lに掛ける体積をLでそろえると、単位がmolになります。
- 必要なNaOHは2×0.00200=0.00400 molです。これを濃度で割ると、体積は0.00400 mol÷0.200 mol/L=0.0200 L=20.0 mLです。測定値が有効数字3桁なので答えも3桁とします。価数の2は個数に基づく正確な数で、桁数を制限しません。
答え:必要なNaOH水溶液は20.0 mLです。
この手順をまとめると、「酸の価数×酸のモル濃度×酸の体積=塩基の価数×塩基のモル濃度×塩基の体積」となります。左右は、中和するH⁺とそれを受け取る量をmolでそろえたものです。体積を両辺ともmLで書けば共通の換算係数が消えるため体積の答えは出せますが、途中の積をmolと呼ぶときはLへの換算が必要です。
例題4 中和後に余る酸からpHを求める
25 ℃で、0.100 mol/Lの塩酸30.0 mLと、0.100 mol/LのNaOH水溶液20.0 mLを混合します。混合後の体積は50.0 mLとし、両者は完全に電離するとします。混合後の[H⁺]とpHを求めてください。
- 混合前のH⁺は0.100×0.0300=0.00300 mol、OH⁻は0.100×0.0200=0.00200 molです。中和で減る量を比べるので、最初は濃度ではなく物質量に直します。
- H⁺とOH⁻は1:1で反応するため、H⁺が0.00300−0.00200=0.00100 mol余ります。OH⁻が先に使い切られるので、混合後は酸性です。
- 余ったH⁺を混合後の体積0.0500 Lで割り、[H⁺]=0.0200 mol/L=2.00×10⁻² mol/Lと求めます。係数が1ではないので、指数だけを見てpH=2としてはいけません。この濃度は1.0×10⁻² mol/Lより大きく、1.0×10⁻¹ mol/Lより小さいため、pHは1より大きく2より小さくなります。細かな値を求める計算はここでは不要です。
答え:[H⁺]=2.00×10⁻² mol/L、pHは1より大きく2より小さい値です。
中和が起きたことと、酸・塩基が過不足なく反応したことは区別します。この例では中和反応が起きても酸が余っています。また、過不足なく反応した場合でも、できた塩によっては水溶液が中性になりません。「中和したからpH=7」という決め方は、どちらの理由からも成り立たない場合があります。
つまずきやすいところと直し方
価数が大きいほど強い酸だと考える
誤った書き方は「酢酸はHが4個あるので4価で、HClより強い」です。どこが違うかというと、化学式のHの総数を価数と取り違え、さらに価数を電離のしやすさと取り違えています。CH₃の部分のHは、水中で通常の酸として放出するH⁺には数えません。
正しい書き方は「CH₃COOHは1価の弱酸、HClは1価の強酸」です。式の中で酸として放出するHを確認し、その後に強酸・弱酸を別の情報として添えます。同じ価数の酸どうしでも電離度は異なるので、ノートでは「価数」と「強弱」の欄を分けると、混同した場所が見つかります。
中和計算で酸と塩基のmolをそのまま等しくする
誤った書き方は「硫酸0.00200 molにはNaOHが0.00200 mol必要」です。どこが違うかというと、硫酸1 molが2 molのH⁺を中和に使えることを数えていません。分子や化学式の単位の数をそろえるのではなく、H⁺をやり取りする量をそろえる必要があります。
正しい書き方は「NaOHは2×0.00200=0.00400 mol必要」です。式が立たなくなったら、いったんH₂SO₄ + 2NaOH → Na₂SO₄ + 2H₂Oへ戻って係数を確かめます。NH₃のようにOHを含まない塩基でも、H⁺を受け取る量に注目すれば、同じ考え方で中和の量を比較できます。
正塩は中性、酸性塩は酸性と決める
誤った書き方は「CH₃COONaは正塩だから中性で、NaHCO₃は酸性塩だから酸性」です。どこが違うかというと、組成による分類名を、そのまま水溶液の液性として使っています。図3のように、正塩だけを集めても水溶液の液性は3通りあります。

正しい書き方は「CH₃COONaは正塩で、水溶液は塩基性。NaHCO₃は酸性塩で、水溶液は弱い塩基性」です。NaHCO₃にHが残っていることは組成の情報で、水中でH⁺とOH⁻のどちらが多くなるかとは別の判断です。図3のNH₄Clも正塩ですが、水溶液は酸性になります。
正塩の液性を理由まで確認したいときは、もとの酸と塩基を式で書きます。CH₃COONaならCH₃COOHとNaOH、NH₄ClならHClとNH₃です。さらに、CH₃COO⁻ + H₂O ⇄ CH₃COOH + OH⁻、NH₄⁺ + H₂O ⇄ NH₃ + H₃O⁺という水との反応を見ると、なぜ液性が変わるかを説明できます。H₃O⁺は水分子にH⁺が結びついたオキソニウムイオンです。
練習問題
練習1
HNO₃、CH₃COOH、Ca(OH)₂、NH₃について、それぞれ酸・塩基の別、価数、強弱を答えてください。Ca(OH)₂は水に溶けた部分について考えます。化学式にHやOHがいくつ見えるかだけで決めず、酸・塩基として反応する部分に注目しましょう。
練習2
25 ℃で、1.0×10⁻⁴ mol/Lの塩酸のpHを求めてください。また、この水溶液の[H⁺]は、pH=6の水溶液の[H⁺]の何倍ですか。塩酸は完全に電離し、水自身から生じるH⁺の寄与は無視します。pHの差を濃度の差として引き算しないことがポイントです。
練習3
0.150 mol/Lの酢酸水溶液10.0 mLを過不足なく中和するには、0.100 mol/LのNaOH水溶液が何mL必要ですか。酢酸は1価の弱酸です。弱酸だから必要量が減るのか、それとも酸全体の物質量で決まるのか、理由も添えてください。
練習4
NaCl、CH₃COONa、NH₄Cl、NaHCO₃について、正塩・酸性塩・塩基性塩の分類と、水溶液の液性を答えてください。分類と液性を2列に分けて書き、同じ名前の分類でも液性がそろわないことを確認しましょう。
答えと解説
練習1の答えは、HNO₃が1価の強酸、CH₃COOHが1価の弱酸、Ca(OH)₂が2価の強塩基、NH₃が1価の弱塩基です。Ca(OH)₂の水への溶けやすさと、溶けた部分の電離のしやすさは別の性質です。溶けにくさだけから弱塩基と判断しないようにします。
練習2の答えはpH=4、濃度の比は100倍です。比は10⁻⁴÷10⁻⁶=10²=100となります。pHが小さい側のほうが[H⁺]は大きいので、100分の1と逆にしないことも確かめます。
練習3の答えは15.0 mLです。酢酸は0.150×0.0100=0.00150 molで、必要なNaOHも0.00150 molです。体積は0.00150÷0.100=0.0150 Lとなります。中和が進むと未電離の酢酸からもH⁺が供給されるため、最初に電離している分だけで計算しません。
練習4の答えは、NaClが正塩・中性、CH₃COONaが正塩・塩基性、NH₄Clが正塩・酸性、NaHCO₃が酸性塩・弱い塩基性です。この4つに塩基性塩はありません。特にNH₄Clは式にHがあっても酸性塩にはならないので、どのイオンに含まれるHなのかまで見直します。
次の単元へのつながりと家庭での確かめ方
この単元の量的関係は、濃度がわからない酸や塩基を調べる中和滴定につながります。滴定では、過不足なく反応するための量を求めるだけでなく、どの指示薬で反応の終点を捉えるかも考えます。そのとき、「中和してできる塩の水溶液が必ず中性とは限らない」という区別が役立ちます。
家庭では、5分でできる確認を2つ試せます。1つ目は、紙にHCl、H₂SO₄、CH₃COOH、NaOH、NH₃を書き、価数と強弱を別々に付けることです。2つ目は、例題3の数値を見ながら「硫酸のmolを求める」「NaOHのmolに直す」「体積に戻す」の3段階を、式を隠して口で説明することです。薬品を混ぜる必要はなく、紙と筆記具だけで確認できます。
個別指導で確かめる際は、価数で止まっているなら反応式の係数へ、体積で止まっているならmLとLの換算へ戻ります。お子さまの様子を見るときも、答えが合ったかに加えて、掛けた2が何を数えているかを説明できるかに注目すると、理解が途切れた場所を捉えやすくなります。
まとめ
酸と塩基を学ぶと、同じ「酸」という言葉の中でも、1分子の性質、水中での状態、反応で使う量を分けて考えられるようになります。計算が合わないときには、暗記した公式を増やす前に、式の各数字が粒子の個数、割合、濃度、物質量のどれを表しているかを書き添えてみましょう。
修学旅行前の課題の「硫酸は2価だから強い」という一文も、「2価は中和できる量、強いは電離のしやすさ」と分ければ、自分の言葉で直せます。中和の等号がそろえるのは、酸と塩基の名前でも体積でもなく、やり取りするH⁺の物質量です。
本気になった日が、入塾の日。
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