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【数学C】平面上の曲線と複素数平面を図解で総まとめ—放物線・楕円・双曲線・媒介変数・極座標・ド・モアブル|武蔵野個別指導塾

焦点から2次曲線を読み、媒介変数・極座標・複素数の極形式を結びつけます。楕円と直線の共有点や3乗根の例題を通して、式から図形を描く手順を確かめましょう。
よくあるのは、朝の通学路の坂を友人と上りながら前夜の課題の話になり、x²/9+y²/4=1 は楕円とわかっても、x=3cos t、y=2sin t ではなぜ同じ図形なのか説明できないという場面です。坂を曲がった先の道順なら言葉にできても、式で点の位置を伝える方法が変わると戸惑います。続いて r=2cos θ や z=cos θ+i sin θ が出てくると、覚える公式が急に増えたように感じます。しかし、どれも平面上の点の位置を表すための言葉です。違いは、位置を横と縦で指定するか、動かすための変数で指定するか、距離と角度で指定するかにあります。
この単元では、式を整理するだけでなく、式に合う点を動かして形を読むことが必要です。分母の数字、角度の範囲、複素数の絶対値にそれぞれ図形上の意味があります。その対応を押さえると、焦点の位置や曲線の一部分、回転した点の位置まで、自分で確かめながら求められます。まず曲線の条件を整理し、その後で同じ点を別の表し方に移していきましょう。
この単元で身につけること
- 放物線・楕円・双曲線の標準形を読みます。焦点、頂点、軸の向きを求め、符号や分母の違いを図形の違いとして説明できるようにします。
- 平行移動と直線との共有点を調べます。中心や頂点が原点にない式を整理し、連立してできる2次方程式の実数解と図形を対応させます。
- 媒介変数表示と極座標を使います。変数を消して得た方程式だけで終えず、点が動ける範囲や向き、原点を含むかまで確かめます。
- 複素数を点や移動として読みます。絶対値は距離、偏角は向き、積と商は拡大・縮小と回転として捉えます。
- ド・モアブルの定理とn乗根を使います。累乗の計算を角度の計算に直し、複数の解が円周上に等間隔で並ぶ理由を説明します。
数学IIで扱う図形と方程式、三角関数、複素数の計算が、この単元で一つの座標平面につながります。特に平方完成、三平方の定理、三角関数の相互関係は繰り返し使うので、公式を忘れたときにもそこへ戻って考えられることが大切です。
基本の考え方
2次曲線は距離の条件から生まれる
曲線を「式を満たす点の集まり」として見ると、y が x の関数にならない図形も扱えます。円では同じ x に対して上下に2つの y が対応することがありますが、それでも平面上の曲線として問題はありません。放物線・楕円・双曲線は、座標についての2次式で表される代表的な2次曲線です。
放物線は、定点と、その点を通らない定直線からの距離が等しい点の集合です。定点を焦点、定直線を準線と呼びます。焦点を (p,0)、準線を x=-p とすると、点 (x,y) の条件は √((x-p)²+y²)=|x+p| です。両辺が距離で負にならないことを踏まえて2乗すると、y²=4px になります。p>0 なら右、p<0 なら左に開き、頂点は原点、軸は x 軸です。p=0 は通常の放物線を表さないので除きます。
同様に x²=4py は上下に開く放物線で、焦点は (0,p)、準線は y=-p です。これまでの y=ax² という形も、a≠0 のとき x²=4py、p=1/(4a) と書けます。「2乗されていない座標の方向に開く」と読むと、横向きの放物線でも向きを取り違えにくくなります。
楕円は、異なる2定点からの距離の和が一定で、その一定値が2定点間の距離より大きい点の集合です。2定点が焦点です。標準形 x²/a²+y²/b²=1 で a>b>0 とすると、左右の頂点は (±a,0)、上下の頂点は (0,±b)、焦点は (±c,0) です。ただし c²=a²-b² で、距離の和は 2a になります。a と b はそれぞれ長半径、短半径であり、長軸全体の長さは 2a です。
この関係は上の頂点 (0,b) で考えると納得できます。左右の焦点までの距離はどちらも √(b²+c²) で、和が 2a だから b²+c²=a² です。分母そのものが半径なのではなく、その平方根が半径だと意識しましょう。y² の分母の方が大きい場合には長軸は縦になり、焦点も y 軸上に並びます。分母が等しければ円です。
双曲線は、異なる2定点からの距離の差の絶対値が一定で、その一定値が0より大きく2定点間の距離より小さい点の集合です。x²/a²-y²/b²=1、a>0、b>0 のとき、頂点は (±a,0)、焦点は (±c,0)、c²=a²+b² です。距離の差の絶対値は 2a で、焦点は頂点より外側にあります。楕円の焦点を求める式と違い、ここでは平方を足します。
双曲線には y=±(b/a)x という2本の漸近線があります。遠くに進むほど曲線が近づく直線です。式を y²=(b²/a²)x²-b² と直すと、|x| が大きいところでは定数項の影響が相対的に小さくなり、この傾きを持つことが見えてきます。y²/a²-x²/b²=1 なら上下に開き、焦点は y 軸上、漸近線は y=±(a/b)x になります。正の項の座標が開く方向を決めます。

図1の左は y²=4x、中央は x²/9+y²/4=1、右は x²-y²=1 です。赤い点が焦点で、左の灰色の破線が準線、右の灰色の破線が漸近線です。楕円の焦点が内側、双曲線の焦点が頂点より外側にあることを見比べてください。図の左右の幅だけで判断せず、式の距離条件と結びつけて覚えます。
平行移動した曲線では、x を x-h、y を y-k に置き換えます。たとえば (x-h)²/a²+(y-k)²/b²=1 の中心は (h,k) です。焦点や頂点にも同じ移動を加えるので、横長なら焦点は (h±c,k) です。逆に展開された式を渡されたら、x と y の項をそれぞれ平方完成して、中心や頂点が見える形へ戻します。
直線との共有点は、曲線の方程式と直線の方程式を連立して調べます。代入後に2次方程式が得られた場合は、判別式 D>0 なら2点、D=0 なら重解に対応する1点、D<0 なら共有点なしです。ただし、代入して1次方程式になった場合には、この判定は使えません。放物線の軸に平行な直線は1点で交わっても接線とは限らず、双曲線でも最高次の項が消えることがあります。まず整理後の次数を見ることが必要です。
媒介変数と極座標で点を動かす
媒介変数表示は、x と y を共通の変数 t で表す方法です。たとえば x=3cos t、y=2sin t では、t を決めると1つの点が決まります。cos²t+sin²t=1 を使えば x²/9+y²/4=1 が得られるので、点は楕円上にあります。0≦t<2π とすると楕円全体を1周し、t=0 では (3,0)、t=π/2 では (0,2) を通ります。
ここで t は必ずしも点の実際の偏角ではありません。円と違い、横と縦の倍率が違うため、原点から点へ引いた線の傾きは、cos t≠0 のとき (2/3)tan t です。媒介変数は位置を指定するための変数であり、図の角度と同じだと決めつけないようにします。t の範囲を 0≦t≦π に変えれば、動くのは上半分だけです。
極座標は、極と呼ぶ原点からの距離 r と、始線である正の x 軸から測る角 θ で位置を表します。ここでは r≧0 とし、角度は弧度法で扱います。直交座標への変換は x=r cos θ、y=r sin θ で、r²=x²+y² も使えます。角度は 2π だけ増やしても同じ向きなので、極座標の表し方は一意とは限りません。原点では r=0 となり、θ の値で位置を区別しません。
極方程式は r と θ の関係式です。r=2 は原点を中心とする半径2の円を表します。r=2cos θ なら両辺に r を掛けて r²=2r cos θ、つまり x²+y²=2x となり、(x-1)²+y²=1 です。ただし変形だけで同値と決めず、r≧0 を満たす角度と原点を確認します。-π/2≦θ≦π/2 の範囲でこの円全体を表せて、端の角度では r=0 になります。
曲線を極座標で扱うときにも、焦点からの距離という考え方が役立ちます。焦点を原点、準線を x=-d、d>0 とし、焦点までの距離を準線までの距離の e 倍とする条件を考えます。x+d≧0 の側では r=e(r cos θ+d) なので、r=ed/(1-e cos θ) です。e は離心率と呼ばれ、0<e<1 で楕円、e=1 で放物線、e>1 で双曲線に対応します。ただし双曲線では準線の反対側もあるため、絶対値を外す条件と分母の符号を確認する必要があります。この式だけを無条件に使うのではなく、元の距離の式 r=e|x+d| に戻れるようにしておきましょう。
複素数の積を回転として読む
複素数 z=x+yi を点 (x,y) に対応させた平面が複素数平面です。横軸を実軸、縦軸を虚軸といい、i²=-1 です。絶対値 |z|=√(x²+y²) は原点からの距離、共役複素数は x-yi で、点を実軸について対称に移した位置です。実部と虚部を座標として読むので、虚部は yi ではなく実数 y です。
z≠0 のとき、r=|z|、偏角を θ として z=r(cos θ+i sin θ) と書く形が極形式です。偏角は正の実軸から反時計回りを正として測り、2π の整数倍の違いを許します。0 の偏角は定まりません。実部と虚部の符号を先に調べれば、tan θ だけから角を決めて象限を間違えることを防げます。
2つの複素数の積では絶対値を掛け、偏角を足します。具体的には r(cos α+i sin α) と s(cos β+i sin β) の積は rs{cos(α+β)+i sin(α+β)} です。これは展開して i²=-1 を使い、加法定理でまとめた式です。商では、分母が0でないことを確認して絶対値を割り、偏角を引きます。したがって i を掛ける操作は、長さを変えず原点のまわりに π/2 回転する操作です。
ド・モアブルの定理は、整数 n に対して「(cos θ+i sin θ) の n 乗=cos(nθ)+i sin(nθ)」という関係です。正の整数の場合は積の偏角を足す規則を繰り返せば得られ、負の整数では逆数を使います。絶対値が r の複素数を n 乗する場合は、絶対値も r の n 乗にすることを忘れないでください。
0でない複素数 w=R(cos φ+i sin φ) の n 乗根は、z の n 乗=w を満たす z です。n は正の整数とします。絶対値 ρ は ρ の n 乗=R を満たす正の数で、偏角は (φ+2kπ)/n、k=0,1,…,n-1 です。φ/n だけを選ぶと残りの根を落としてしまいます。n≧3 なら、n個の根は原点中心の円に内接する正n角形の頂点を作り、n=2 なら直径の両端です。w=0 の場合の根は0だけです。
図形への応用では、2点を表す複素数を α、β とすると距離は |β-α| です。|z-α|=r、r>0 は中心 α、半径 r の円、α≠β のとき |z-α|=|z-β| は2点を結ぶ線分の垂直二等分線です。中心 α の回転は、いったん z-α で中心を原点へ移し、回転の複素数を掛け、最後に α を足して戻します。
また、頂点 α から異なる2点 β、γ への向きを比べるには (γ-α)/(β-α) を使います。3点が互いに異なるとき、この商が実数なら3点は同一直線上にあり、純虚数なら2本の線分は垂直です。商の偏角は向きの差なので、三角形の角を求めるときには、内角が0とπの間にあることに合わせて読み直します。複素数の計算結果を、距離や角の結論へ戻すところまでが解答です。
例題で解き方を確かめる
例題1 平行移動した放物線の焦点
放物線 y²-4y-8x+12=0 の頂点、焦点、準線を求めます。展開された形から焦点を直接探すのではなく、平方完成によって移動前の形を読みます。
- y²-4y=(y-2)²-4 として、(y-2)²=8(x-1) に直します。平方完成で外に出た -4 と、元の定数12を合わせることがポイントです。
- Y=y-2、X=x-1 と見れば Y²=8X です。標準形 Y²=4pX と比べて p=2 とわかり、移動前の頂点は (0,0)、焦点は (2,0)、準線は X=-2 です。
- x 方向に1、y 方向に2だけ戻します。頂点は (1,2)、焦点は (3,2)、準線は x-1=-2、つまり x=-1 になります。準線は直線全体を移すので、点のように2つの座標で答えません。
答え:頂点 (1,2)、焦点 (3,2)、準線 x=-1 です。
確認のため y=6 を入れると x=3 となります。点 (3,6) から焦点 (3,2) までの距離は4、準線 x=-1 までの距離も4です。式だけでなく放物線の定義に戻ると、移動の符号が正しいことまで確かめられます。
例題2 楕円と直線が接する条件
楕円 x²/9+y²/4=1 と直線 y=(2/3)x+k の共有点の個数を k によって分け、接するときの接点を求めます。図2では k=2√2 の場合を描いています。
- 直線の式を楕円へ代入します。分母を払うため全体を36倍すると、4x²+9{(2/3)x+k}²=36 です。展開して 8x²+12kx+9k²-36=0 を得ます。
- これはすべての実数 k に対して x の2次方程式です。判別式は D=(12k)²-4×8×(9k²-36)=144(8-k²) となり、D の符号は 8-k² の符号と一致します。
- |k|<2√2 なら2点、|k|=2√2 なら1点で接し、|k|>2√2 なら共有点なしです。絶対値を使うことで、切片の正負の両方を一度に扱えます。
- 接するときの重解は x=-12k/16=-3k/4 です。直線へ戻すと y=k/2 なので、k=2√2 の接点は (-3√2/2,√2)、k=-2√2 の接点は (3√2/2,-√2) です。
答え:|k|<2√2 で2点、|k|=2√2 で接し、|k|>2√2 で0点です。接点は (-3k/4,k/2) です。

図2の接点は楕円の左上にあります。傾きが正だから右上で接するはず、という見た目の思い込みは使えません。接点を楕円に代入すると x²/9=1/2、y²/4=1/2 となり、和は1です。直線にも代入して、2つの式を同時に満たすことを確認しましょう。
例題3 媒介変数を消して動く範囲を決める
x=2cos²t、y=2sin t cos t、0≦t≦π/2 で表される点の軌跡を求めます。さらに、同じ軌跡を極方程式と角度の範囲で表します。
- 2倍角の公式を使って x=1+cos(2t)、y=sin(2t) とします。すると (x-1)²+y²=cos²(2t)+sin²(2t)=1 で、中心 (1,0)、半径1の円上にあることがわかります。
- 0≦2t≦π なので y≧0 です。t=0 で (2,0)、t=π/4 で (1,1)、t=π/2 で (0,0) を通り、円の上半分全体を右端から左端へ動きます。途中の角 2t が0からπまで連続して動くので、上半分に抜けはありません。
- 原点以外では (x,y)=2cos t(cos t,sin t) です。この範囲では cos t≧0 なので、極座標の r=2cos t、θ=t と読めます。したがって r=2cos θ、0≦θ≦π/2 と表せます。
- t=π/2 のときは原点です。原点の偏角は定まりませんが、極方程式では θ=π/2、r=0 という組で含められます。原点以外で成り立つ読み方を、そのまま原点の偏角の主張にしないようにします。
答え:軌跡は (x-1)²+y²=1 の y≧0 の部分で、両端を含みます。極方程式は r=2cos θ、0≦θ≦π/2 です。
円の中心 (1,0) から測る角は 2t、原点から測る角は原点以外で t です。同じ点でも、どこを角の頂点にするかで値が違います。円の方程式までできた後に、範囲と端点を書き足す習慣をつけましょう。
例題4 3乗根を求めて回転を確かめる
z³=8i を満たす複素数をすべて求めます。また、そのうち第1象限の点を原点のまわりに反時計回りに π/2 回転した点を求めます。
- 8i=8{cos(π/2)+i sin(π/2)} と表します。z の絶対値を ρ とすると ρ³=8 なので ρ=2 です。角度だけでなく距離も先に決まります。
- z の偏角を θ とすると、3θ=π/2+2kπ です。よって θ=π/6+2kπ/3 で、k=0,1,2 を選ぶと π/6、5π/6、3π/2 になります。k=3 以降では同じ位置に戻ります。
- 極形式から直交形式へ直すと、順に √3+i、-√3+i、-2i です。たとえば (√3+i)²=2+2√3i で、これに √3+i を掛けると 8i になります。
- 第1象限の点 √3+i に i を掛けます。i(√3+i)=-1+√3i なので、回転後の座標は (-1,√3) です。絶対値は2のまま、偏角は π/6+π/2=2π/3 になります。
答え:3乗根は √3+i、-√3+i、-2i です。第1象限の点の回転後は -1+√3i です。
3つの解の偏角の差は 2π/3 で、半径2の円周上に等間隔に並びます。3乗した結果が同じになるのは、偏角の差を3倍すると 2π の整数倍になって、同じ向きに重なるからです。回転後の点は別の操作で得た点であり、元の方程式の根に含まれると決めつけないでください。
つまずきやすいところと直し方
分母の値をそのまま焦点に使う
誤った書き方は「x²/9+y²/4=1 の焦点は (±5,0)」です。9-4=5 を計算した後で、それが c² なのか c なのかを区別していません。正しい書き方は「a=3、b=2、c²=9-4=5 より、焦点は (±√5,0)」です。
一方、x²/9-y²/4=1 では c²=9+4=13 となり、焦点は (±√13,0) です。楕円では焦点が頂点の内側、双曲線では外側にあるため、3より小さい √5 と、3より大きい √13 の位置関係まで確かめられます。公式の足し算・引き算を迷ったら、図形上で焦点がどこにあるべきかを先に考えます。
変数を消した時点で軌跡を確定する
誤った書き方は「x=3cos t、y=2sin t、0≦t≦π だから、軌跡は楕円 x²/9+y²/4=1 全体」です。方程式は満たしていますが、指定された範囲では sin t≧0 なので、下半分には点が来ません。正しい書き方は「その楕円の y≧0 の部分で、(-3,0) と (3,0) を含む」です。
軌跡では、動く点が条件を満たすことと、答えに含めたすべての点が実際に現れることの両方が必要です。端の値、途中の代表値、変数の変化する向きを書くと確かめやすくなります。また、式の両辺を変数で割った場合は、その変数が0になる点を別に調べます。例題3で cos t による割り算をすると、左端の原点を落とすおそれがあります。
偏角を1つだけ選んで根を落とす
誤った書き方は「z³=8i なので偏角は (π/2)/3=π/6、解は √3+i だけ」です。偏角 π/2 と π/2+2π は元の数では同じ向きですが、3で割ると π/6 と 5π/6 になり、異なる向きになります。正しい書き方は「偏角は (π/2+2kπ)/3 として k=0,1,2 を調べる」です。

図3では A が √3+i、B が -√3+i、C が -2i、D が -1+√3i です。A、B、C は3乗根で、D は A に i を掛けた回転後の点です。原点から A と D に向かう線分は長さが等しく、互いに垂直です。根の配置と回転を同じ円で比べると、「3乗して向きをそろえる操作」と「i を掛けて直角だけ回す操作」を区別できます。
絶対値の確認も有効です。A は √(3+1)=2、D も √(1+3)=2 で、i の絶対値が1だから距離は変わりません。複素数の乗法では偏角だけを処理せず、絶対値と偏角を対にして書くと、回転と拡大を混同しにくくなります。
練習問題
練習1
双曲線 (x-1)²/9-(y+2)²/4=1 の中心、頂点、焦点、漸近線を求めてください。移動前の標準形の情報をそろえてから、同じだけ平行移動しましょう。
練習2
放物線 y²=4x と直線 y=x+k の共有点の個数を、実数 k によって分けてください。また、接するときの k と接点を求めてください。
練習3
x=2cos t、y=2sin t、π/2≦t≦π の軌跡を求め、極座標でも表してください。始点と終点を示し、動く向きを説明しましょう。
練習4
z³=-8 を満たす複素数をすべて求めてください。さらに、点 z=2+i を、点 α=1+i のまわりに反時計回りに π/2 回転した点を求めてください。根を求める計算と、中心を移して行う回転を分けて考えます。
答えと解説
練習1の答えは、中心 (1,-2)、頂点 (4,-2)、(-2,-2)、焦点 (1±√13,-2)、漸近線 y+2=±(2/3)(x-1) です。移動前の a=3、b=2、c²=13 を使います。漸近線も中心を通るように移動するので、y=±(2/3)x のままにはなりません。頂点を元の方程式へ入れると第1項が1、第2項が0となります。
練習2の答えは、k<1 で2点、k=1 で接して1点、k>1 で0点です。x=y-k を代入すると y²-4y+4k=0 で、判別式は D=16-16k です。k=1 のとき (y-2)²=0 なので y=2、x=1、接点は (1,2) です。x を消しても y を消してもよいですが、求めた座標を直線と放物線の両方に戻すと安心です。
練習3の答えは、円 x²+y²=4 の x≦0、y≧0 の部分で、両端を含みます。極座標では r=2、π/2≦θ≦π です。始点は (0,2)、終点は (-2,0) で、原点を中心に反時計回りに動きます。今回は x と y の倍率が同じ正の数なので、t をそのまま偏角 θ と読めます。
練習4の3乗根は 1+√3i、-2、1-√3i です。-8 の絶対値は8、偏角として π を選ぶと、根の絶対値は2、偏角は π/3、π、5π/3 になります。回転の答えは 1+2i です。中心からの差は (2+i)-(1+i)=1 なので、回転後は α+i(z-α)=1+i+i=1+2i です。単に iz とすると原点中心の回転になり、求める点とは違います。
次の単元へのつながりと家庭での確かめ方
媒介変数で表した曲線は、数学IIIの微分法で接線や速度を調べるときに使います。極座標で曲線の形をつかむ経験は、面積を求める前に積分する範囲を見定めることにもつながります。複素数平面で得た距離と回転の見方は、三角形の角度や正多角形の性質を式で説明するときに役立ちます。図形を見て、扱いやすい表し方を選ぶという共通の考え方を育てていきましょう。
家庭で5分ずつ確かめるなら、1つ目は「標準形を1つ書き、頂点か焦点を求めて、簡単な図に置く」方法です。焦点が内側か外側か、曲線がどちらへ開くかまで声に出すと、公式の符号と意味が結びつきます。2つ目は「0でない複素数を1つ選び、i を掛ける前後の点を同じ平面に描く」方法です。原点からの距離と直角の回転を確かめ、慣れたら回転の中心を原点以外に変えます。
個別指導で確かめる際は、標準形が読めなければ平方完成と距離の式へ、極形式で止まれば単位円と象限の判断へ戻ります。お子さまのノートを見るときも、答えの数だけでなく「範囲を残しているか」「図に合う座標になっているか」を見ると、どの段階で助けが必要かが捉えやすくなります。
まとめ
曲線の式を得た後に、点を1つ置いて確かめる余白を残しましょう。その点が図形上にあるか、焦点との距離が条件に合うか、指定された変数の範囲で実際に現れるかをたどると、式の変形だけでは見落とした情報が見えてきます。複素数の答えにも、絶対値と向きを添えれば、計算を図で検証できます。
焦点の位置、軌跡の端点、回転の中心まで説明できて初めて、平面上の式は自分で使える図形の言葉になります。
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