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文法を英作文に使う—直されて伸びる根拠|武蔵野個別指導塾
赤字の多い答案でも、修正理由を1つ選んで次の作文に使う練習から始められます。訂正を隠して書き直し、話題を変えて試す手順を追いながら、次の1文で使う判断基準を定めます。

文法を英作文に使う—直されて伸びる根拠
赤字を写したあと、次の1文で止まる
よくあるのは、返却された模試の封筒を開け、英作文の答案を取り出した途端、赤字の多い面を下に伏せてしまうという場面です。家では訂正をきれいに写しました。動詞に線を引かれた理由も、そのときはわかったつもりでした。それでも次の課題では、同じところで手が止まります。
お子さまが「直したのに、また間違えた」と話すと、保護者の方も、もっと文法問題を解かせたほうがよいのか迷うかもしれません。けれども、選択肢から正しい形を選ぶこと、赤字を見て理解すること、自分の伝えたい内容に合わせてその形を使うことは、それぞれ違う作業です。添削を受けたあとには、その間をつなぐ練習が必要です。
英作文の訂正には、文法の正確さを育てる研究上の裏づけがあります。ただ、紙に正解が残ることと、次に自力で書けることを同じに扱わないでください。直された箇所を入口に、何を伝えようとして、どこで選び方がずれたのかをたどります。赤字の数に圧倒されるときほど、次に使う文法を絞って取り組みましょう。

文法を知っていても、書くときに使えない理由
文法問題では、考える場所があらかじめ示されています。動詞の形を選ぶ問題なら、主語や時を表す言葉を探すところから始められます。一方、自由に書くときには、伝える内容を決め、単語を探し、語順を整え、文と文のつながりも考えます。その途中で、知っている規則の確認が抜けることがあります。「規則を言えるのに誤る」という状態を、すぐに理解不足だけで説明すると、必要な練習を選びにくくなります。
たとえば、過去の出来事を書くと決めていたのに、動詞だけが現在の形になる場合があります。過去形そのものを知らないのか、書く途中で時間の設定を忘れたのかによって、戻る場所は変わります。前者なら形と意味の確認が必要です。後者なら、書き始める前に時間を決め、書いたあとで動詞だけを見返す手順が役立ちます。結果の誤りが同じでも、そこへ至る道筋は同じとは限りません。
書いた英文への訂正をまとめた52研究のベイズ的メタ分析では、訂正フィードバックに中程度の効果があり、長期にも持続することが示されています。また、正しい形を示す方法、誤りの位置を示す方法、解説を添える方法の差は小さいと報告されています(Brownほか・2023)。添削は、ただ答案を整えるための作業ではなく、その後の学習につなげられる働きかけと考えられます。
別の35研究のメタ分析でも、書いた英文への訂正が文法の正確さを中程度に高め、直接訂正する方法の効果がやや大きいこと、習熟度が効果の違いに関わる最も強い調整要因であることが報告されています(Lim・Renandya・2020)。正解を示してはいけないとも、自分で考えさせれば必ずよいとも言い切れません。今の知識で修正できる箇所か、まだ手がかりが必要な箇所かを見ながら、助け方を選ぶ視点が必要です。
これらは英語以外を母語とする海外の学習者を対象とした研究を多く含む52研究と35研究の統合であり、特定の国・年齢・人数の生徒を一律に代表する結果として、お子さま個人の伸び方や最適な添削方法を決めることはできません。それでも、訂正を学習に組み込む根拠と、習熟度に応じて支え方を調整する視点は得られます。以下は、その視点を日々のノートで実行するための練習案です。
ここで分けて見たいのは、訂正を読める段階、同じ文を直せる段階、内容を変えて書ける段階です。正解が横にあれば書けても、正解を隠すと迷うことがあります。元の文なら書けても、主語が変わると形を選べないこともあります。できたかどうかを丸だけで記録せず、「何を見て、どの文ならできたか」を残すと、次の課題が具体的になります。
さらに、文法が正しくても、伝えたいことから離れた文になる場合があります。添削後の英文が難しくなりすぎて、お子さま自身が意味を説明できなければ、そのまま覚える前に立ち止まります。もとの意図を保った短い文で、文法の選択を確かめるほうが練習の焦点を定めやすくなります。正しい形と、本人が伝えたい意味を一緒に扱うことが出発点です。
添削を次の英作文につなげる練習の手順
最初に用意するのは、返却された英作文、授業で使った文法の説明、書き直す余白です。新しい教材を増やす前に、この組み合わせで始めてください。赤字が多い日は全部を学び直そうとせず、「動詞と時間」のように今回扱う点を決めます。課題としてすべて訂正する必要がある場合も、自力で使う練習の重点は分けて考えられます。
時間の目安は、伝えたい内容を確かめる2分、誤りと説明を結びつける4分、答えを隠して書き直す4分、別の内容で試す3分、記録する2分です。時計に追われて書き終える必要はありません。途中で止まったら、その位置を残して区切ります。予定どおりに終えたかより、どこから助けが必要になったかが、次の練習を決める材料になります。
最初の2分では、添削前の文で何を伝えたかったかを日本語で短く書きます。「昨日、公園へ行った」のように、誰が、いつ、何をしたのかがわかれば十分です。もとの日本語が長いときは、出来事と感想を分けてください。文法の確認より前に内容を整理しておくと、訂正によって意味まで変わっていないかも確かめられます。
次の4分では、赤字と元の形を比べて、変わった箇所に印をつけます。誤った文が「I go to the park yesterday.」で、訂正が「I went to the park yesterday.」なら、動詞の形と、昨日という時間の関係を見ます。「先生が直したから」ではなく、「昨日の出来事なので、動詞を過去の形にする」と説明してみてください。説明が出ない場合は、文法のページへ戻る場所が見つかったと考えます。
文法の説明は、最初から全部読み直す必要はありません。今回の訂正に当たる規則と、その規則を使った短い例を探します。説明を読んだら本をいったん閉じ、「どんな意味のとき、どこを変えるか」を自分の言葉で書きます。用語を覚えていてもその問いに答えられなければ、例の意味に戻りましょう。使っている教材に印をつけ、次に迷ったときに同じ場所へ戻れるようにします。
添削が記号だけで返ってきた場合は、その記号の意味を先に確かめます。下線が語順を指すのか、語の形を指すのかが曖昧なままでは、直し方を選べません。授業で使っている記号の説明と照らし合わせ、わかったものだけを自分で直します。説明が手元になければ、下線のそばに「どの点を見ればよいか」と質問を残してください。添削の読み方そのものがわからないときに、何となく単語を入れ替えて済ませないことが必要です。
説明を読んでも決められない箇所には、疑問を具体的に残します。「全部わからない」では、あとで質問しにくくなります。「時間は過去だとわかったが、動詞の形を知らなかった」「動詞の場所を見つけられなかった」と書けば、必要な助けが伝わります。正解を想像して埋め続けるより、止まった理由を残して次へ進むほうが、授業でも取り上げやすくなります。
続く4分では、添削された正解を紙で隠し、伝えたい内容のメモだけを見て書き直します。書き終えてから正解を開き、重点にした箇所を照合してください。元の文を覚えていただけか気になるときは、なぜその形を選んだかも声に出します。正解と同じ文字列を再現できることに加えて、意味から選択の理由をたどれるかを確かめます。
一致しなかったときには、すぐ何度も書き写さず、原因を分けます。形を知らなかったなら説明や語形を確認します。知っていたのに確認を忘れたなら、見直す順番を変えます。訂正された文の意味を取り違えたなら、日本語の内容メモへ戻ります。この分け方なら、同じ誤りを繰り返した場合にも、ただ練習量を増やす以外の手を選べます。
次の3分では、文法上の条件を残し、内容の一部を変えて書きます。先ほどなら「I visited my grandmother yesterday.」のように、過去の出来事という条件を保って、したことを変えます。新しい単語をたくさん入れると別の難しさが増えるため、知っている語で作ってください。ここでは立派な内容を考えるより、前の訂正を別の文に使えるかを試します。
内容を変えた文には、もとの添削の正解をそのまま使えません。自分で時を表す語と動詞に印をつけ、関係を確かめます。見たことのない表現を使った場合は、習った範囲で言い換えられないか考えます。それでも判断がつかないところは質問用に残し、自分で確認できた箇所と区別してください。文全体を自動的に正解扱いしないことも、練習の精度を保つ方法です。
最後の2分では、「今回の重点」「使った手がかり」「別の文での結果」を記録します。結果は、資料なしで選べた、説明を見て選べた、質問が残った、のように書き分けます。正解数だけでは、助けが減ったことが見えにくいからです。次の練習では質問が残った点を先に確かめ、すでに自力でできた点を毎回最初からやり直す負担を減らします。
見直しも順番を固定してみましょう。まず、書いた文を日本語で言い直し、伝えたかった内容と合うか確かめます。次に、主語と動詞の組を見つけ、今回の文法の条件を確認します。最後に、語の抜けやつづりなど、残った点を見ます。全文をただ眺めて「変ではなさそう」と判断するより、見る対象を切り替えるほうが、自分が何を確かめたかを説明できます。
ノートでは、最初の文を消し切らず、下に修正文を書いて残します。その横に理由を短く添えると、元の判断と変えた判断を比べられます。ただし、誤った形だけを抜き出して繰り返し眺める必要はありません。見返すときは、伝えたかった意味、正しい形、選ぶ理由をひとまとまりにします。きれいな清書用のノートを別に作るより、書き直しの前後を同じページで追える状態にすると、自分が何を学んだかを確かめやすくなります。
次の課題を始めるときには、前回の記録を開き、重点を短く読みます。その後は記録を伏せ、違う話題で書いてみてください。書き終えたら、前回の重点が必要だった場所を探します。使う機会がなかった文を「できた」と数えないことも必要です。昨日の出来事について練習しているなら、実際に過去の形を選ぶ場面を含めて確かめます。
練習を終える前には、次に開く場所も決めておきます。疑問が残った文には印をつけ、参照した文法のページを記録します。翌回、何から始めればよいか迷ったら、その印のある文を見て、質問するか、説明を読み直すかを選べます。忙しい日は新しい作文を加えず、残った疑問を整理して区切ってもかまいません。途中まで進めた内容が失われないよう、始める位置と止まった位置を自分でたどれる形にしておきましょう。
余裕が出たら、短い文を並べて小さなまとまりを作ります。その際も、一文ずつ正しいかだけでなく、途中で時間の設定が変わっていないかを見てください。伝えたいことが増えた途端に誤りが戻るなら、文法を忘れたと決めず、短い文の段階と比べます。どこまでなら自力で選べるかが見えると、作文の長さを伸ばすときにも戻り先を持てます。

個別指導では、直し方と次の確かめ方をそろえる
塾がまず確かめたいのは、完成した答案だけでなく、どこで迷ったかです。書き始める前の内容メモ、途中で消した語、添削後に残した疑問を一緒に見ると、説明が必要な点と、確認の習慣が必要な点を分けやすくなります。本人にその場で短い文を書いてもらい、書いたあとで選び方を聞くこともできます。頭の中の手順を推測だけで決めず、実際の動きを手がかりにします。
同じ動詞の誤りでも、形を知らない生徒に位置だけ示すと、考える材料が足りないことがあります。その場合は正しい形を示し、意味との関係を説明したうえで、答えを隠して試します。知っている規則を使い忘れた場合には、まず位置や時間の手がかりを示し、本人が修正できるか見ます。解説を増やすか減らすかを、お子さまの反応に合わせて調整します。
添削の際には、誤りの訂正と、より伝わりやすい表現への提案を区別して扱います。意味も文法も通る文を、別の表現に置き換えることがありますが、その変更をすべて「間違い」と受け取ると、本人は何を守ればよいのか見失います。必要な訂正なのか、表現の選択肢なのかを説明し、今回覚えて使う点を明らかにします。学ぶ範囲が見えれば、赤字を全部暗記する負担も整理できます。
訂正を受け入れたあとにも、本人から疑問が出ることがあります。「習った規則なら元の形でもよいと思った」と言えたら、その考えを聞く機会にします。どの意味を想定していたのかを照らし合わせると、単純な形の誤りではなく、書き手と読み手の受け取り方の違いが見つかる場合もあります。指導する側も訂正の理由を説明し、意味を変える必要があれば本人に確かめます。お子さまが納得して選び直せることを、添削後のやり取りでも確かめます。
作文の内容にも目を向けます。本人が本当に書きたかったことを聞くと、難しい日本語をそのまま英語へ移そうとして止まっている場合があります。そのときは内容を削って済ませるのではなく、既習の語で伝えられる単位に分けます。どこまで意味が残っていれば本人が納得できるかを確かめ、短くても自分の言葉として説明できる文へ戻します。
塾が持つ範囲は、重点の選定、必要な説明、修正文の確認、次の課題で使えたかの点検です。家庭には、毎日の英文の正誤判定まで背負っていただく必要はありません。練習を始める時間を相談し、答案と記録を開ける場所を整え、残った質問を授業へ持っていけるよう支えます。文法の判断を塾へ戻せるようにしておけば、保護者の方が英語に詳しくなくても、取り組みの様子を見守れます。
家庭での声かけは、「どうしてまた間違えたの」よりも、「今日は何を見て直したの」と、行った作業を尋ねる形にします。「説明を見たら直せた」と返ってきたら、その事実を記録に残します。「自分では決められなかった」と言えた場合も、質問の場所が特定できていれば授業につながります。結果だけを聞く会話から、どの助けで進んだかを聞く会話へ少しずつ変えてください。
進み具合は、同じ条件で比べられる記録にします。最初の答案では時間の手がかりを見落とした、訂正時には指摘を受けて直せた、別の話題では自分で時間を決めて書けた、という経過なら、支えが減っていることが伝わります。一方、選ぶべき動詞がなかった作文や、正解を見ながら書いた文は別に扱います。見た目が整ったことと、本人の判断が増えたことを混同しないためです。
保護者への連絡も、その記録に沿って具体化できます。「今回扱った点」「本人が使えた手がかり」「まだ助けが必要な場面」「次に確認する課題」をつなげて伝えます。たとえば、過去の出来事を短く書く課題では時間の語に印をつけて修正できたので、次は印をつける指示がない状態で確かめる、という連絡です。単に「英作文を頑張りました」とするより、家庭でも次に見る変化を共有できます。
うまくいかないときには、課題の条件も見直します。初めての語が多すぎなかったか、意見を考える負担が大きくなかったか、添削の重点が増えすぎていなかったかを確認します。内容を考える助けを加える、使う語を既習の範囲に戻す、文法の重点を絞る、といった調整が考えられます。お子さまの努力だけを原因にせず、どの条件を変えれば判断できるかを試します。
反対に、短い文で自力の修正が続くなら、同じ訂正を繰り返すより課題を少し広げます。文をつなげても選べるか、話題が変わっても見直せるかを順に確かめます。その結果、再び助けが必要になることもありますが、できていた条件へ戻れば立て直し方を相談できます。到達点を「添削が終わった」に置かず、次の作文で本人が選べる範囲として共有することが、継続した指導の軸になります。
添削と書き直しについてよくある質問
正解を教えると、自分で考えなくなりませんか
正解を示したあとに何をするかを分けて考えてください。まだ習っていない形や、自分の知識では判断できない箇所なら、正解と理由を示すことが足場になります。その後で答えを隠して直し、内容を変えて試す機会を設けます。逆に、知っている規則で直せそうなら、最初は場所や意味の手がかりだけを渡せます。正解を見せたかどうかだけでなく、最後に本人がどこまで判断したかで練習を振り返りましょう。
間違いは毎回すべて直したほうがよいですか
提出する文章として整える作業と、今回の学習で身につけたい点を分けます。提出物は求められた範囲を修正しつつ、自力で書く練習では重点を絞れます。誤りを見つけるたびに長い説明を加えると、何を次に使うのかがぼやける場合があります。意味を取り違える箇所や、今回学んだ文法を優先して確認し、残る点は質問として整理してください。本人が扱える量を見ながら、次回以降に取り上げる順番を決めます。
同じ誤りが出たら、練習は無駄だったのでしょうか
誤りが再び出たときは、前回より少ない助けで直せるかも見てください。以前は説明が必要だったのに、今回は自分で見直して直せたなら、学習の状態は変わっています。ただし、自力で使えるようになったかは、別の文でも確かめる必要があります。誤った答案と書き直しを両方残すと、その違いを追えます。いつも同じ場所で止まるなら、規則の理解、形の知識、見直す手順のどれに戻るかを授業で相談しましょう。
次の1文に、自分で選んだ形を残す
添削された英文は、次に何を確かめるかを教えてくれる材料です。正しい形を読むところで終わらず、意味を確かめ、答えを隠して直し、違う内容でも使ってみてください。小さな練習でも、何を手がかりにしたかまで残すと、迷いを次の質問へ変えられます。
保護者の方は、赤字の量だけで取り組みを判断せず、お子さまがどこまで自分で選べたかを聞いてみてください。説明を見て進めたことも、疑問の場所を言えたことも、次の指導に必要な情報です。前の答案で指摘された時制を、別の話題でも自分から見直せた。その判断が次の作文に現れたとき、返された紙の赤字は本人の書く力へと変わっています。
参考文献
- Brownほか(2023)英作文への訂正フィードバックに関する52研究のベイズ的メタ分析。Language Teaching Research。 https://consensus.app/papers/details/eb6b8dc2c02d5671a136fee6971ff1d3/
- Lim・Renandya(2020)書かれた英文への訂正と文法の正確さに関する35研究のメタ分析。 https://consensus.app/papers/details/866c5fde73635e3cae1a001589b62a1d/
本気になった日が、入塾の日。
お子様の教育、迷ったら「丸投げ」してください。必ず、期待以上の結果で返します。武蔵野で育む、武蔵境で学ぶ。
電話は年中無休。365日、24時間、お電話可能。




