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将来の夢が決まっていない中3の「高校卒業後の進路」—自己PRカードの欄の埋め方と面接での答え方|武蔵野個別指導塾

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都立の自己PRカードで白く残りやすい「高等学校卒業後の進路」の欄を、今の関心・高校で確かめたいこと・卒業後の道の候補に分けて書き、面接で聞かれたときの答えの順までつなげる手順を組み立てます。

結論を先に書きます。都立の自己PRカード(様式12)にある「高等学校卒業後の進路について」の欄は、決まった夢を宣言する欄ではありません。将来の夢や目標、将来なりたい職業など、高等学校卒業後の進路について自分が考えていることを具体的に書く欄です。だから、夢が一つに決まっていなくても、今の関心、高校で確かめたいこと、卒業後の道の候補という3つの材料があれば埋められます。

面接で「将来の夢は何ですか」と聞かれたときも、材料は同じです。塾の練習では、今考えていること、そう考えたきっかけ、高校で何をするかの3つの順に並べます。欄と口頭で違うのは、欄は材料を広く置く場所で、口頭はそれを3文に縮めた答えだという点です。

書く場所 並べる中身
自己PRカードの欄 今の関心、きっかけ、高校で確かめたいこと、卒業後の道の候補
面接の答え 今考えていること、きっかけ、高校で何をするか

よくあるのは、三者面談の前の晩に、自己PRカードの3つの欄を開いて、「志望理由について」と「中学校生活の中で得たことについて」は何とか埋まったのに、「高等学校卒業後の進路について」だけが白いまま、という場面です。机の上には志望校の募集案内が開いたままで、書こうとしても「なりたい職業」の言葉が出てこない。家族はもう寝ていて、聞く相手もいない。そこで手が止まるのは、書く力がないからではなく、材料を集める順番を知らないからです。

「高等学校卒業後の進路」の欄は、決まった夢を書く欄ではない

自己PRカードは様式12のA4判で、欄は「志望理由について」「中学校生活の中で得たことについて」「高等学校卒業後の進路について」の3つに分かれています。3つ目の欄の名前は「将来の夢」ではなく、「高等学校卒業後の進路について」です。この名前の違いは、書くときに効いてきます。夢の名前を答える欄ではなく、卒業後どう進むかを自分で考えて書く欄だからです。

募集案内のQ&Aでは、この欄を、将来の夢や目標、将来なりたい職業など、高等学校卒業後の進路について自分が考えていることを具体的に書く欄と説明しています。様式12の欄には、さらに小さな尋ね方が三つ刷られています。今自分が思い描いている将来の夢や目標、将来なりたい職業とその理由と今から取り組んでいること、高校卒業後の具体的な進路の三つです。どれも「今」と「自分が考えていること」を土台にした尋ね方で、決まった答えを求めてはいません。

だから、夢が決まっていないときに「まだ決まっていません」とだけ書くと、欄は白でなくなっても、持っている材料のほとんどを捨てることになります。今の関心も、そのきっかけも、高校で確かめたいことも、すでに自分の言葉で持っているはずです。それらを欄の尋ね方に合わせて並べれば、夢の名前が無くても中身のある欄になります。

もう一つ、この欄の重さを正確に知っておきます。自己PRカードは点数化されません。ただし、面接を行う場合の面接資料になり、合格判定の資料の一部になり、学校生活への意欲を確かめる資料にもなります。つまり、欄は採点表ではなく、面接で話すための材料の置き場です。この見方をすると、書くときの力の入れ方が変わります。うまい文章を作るのではなく、あとで口で説明できることを、具体的に置いておくのです。

推薦で受ける人は、この欄と口頭の答えの両方が要ります。一般推薦は志願者全員に個人面接があるからです。自己PRカードは推薦では全員が出願のときに出し、第一次募集などでは面接を行う学校を志願する人が出しますから、面接のある学校を目指す人にとっては、欄と口頭はひと続きの準備になります。

図1 自己PRカードの三つの欄と卒業後の進路の欄

図1は、自己PRカードの3つの欄のうち、どこをこの記事で扱うかを示したものです。白いままになりやすいのは3つ目の欄で、ここだけを先に埋めます。ほかの2つの欄の書き方は、先に公開した特集の「都立の自己PRカードの書き方」で扱っています。

夢が決まっていないときに集める3つの材料

欄を埋めるために集めるのは、次の3つです。どれも「夢」より小さく、今日の自分から取り出せるものです。

1つ目は、今の関心です。授業でおもしろかった単元、部活で覚えたこと、家の手伝いで工夫したこと、出かけた先で気になったこと。大人から見れば小さいことでかまいません。大事なのは、自分が時間を忘れて触っていたものです。関心は「好き」と言い切れなくても、気になって何度も見てしまう、という形で現れます。

2つ目は、高校で確かめたいことです。志望校の科目、実習、部活動、行事のどれでもかまいません。募集案内や学校説明会で見たこと、先輩から聞いたことを、自分の行動の言葉に直します。「授業で〜をやってみたい」「部活の〜を続けたい」「設備の〜を見てみたい」という形です。高校で確かめたいことは、卒業後の進路と志望理由をつなぐ手がかりになります。

3つ目は、卒業後の道の候補です。進学、就職、資格を取る道、専門学校で学ぶ道など、大きく分けた候補を思い浮かべます。一つに絞る必要はありません。二つ並べてもかまいません。候補は「決めた道」ではなく「今見えている分かれ道」なので、あとで変えてよいものです。

この3つをそれぞれ1文にすると、欄の下書きが3文になります。夢の名前が入っていなくても、読んだ人には、この生徒が今どこを見ていて、高校で何をしたいのかが伝わります。3文では足りないときは、きっかけの文を足して4文にします。きっかけは、いつ、どこで、何をして、そう思ったかという形で書くと、具体になります。

職業を無理に作らない理由も、ここにあります。塾の練習で職業名だけを先に決めると、「その仕事のどこに惹かれたのですか」「そのために今、何をしていますか」と重ねて聞かれたときに、言葉が続きません。次の質問で崩れるのです。職業名は、理由と今やっていることを自分の言葉で説明できるときだけ書きます。説明できないなら、関心の言葉に戻します。関心は、質問が重なっても自分の経験に戻って答えられるからです。

材料を集めるときは、人に聞くのも手です。家族や先生に「最近、私が夢中になっていたこと何だと思う」と聞くと、自分では小さいと思っていたことが、案外はっきり見えているものです。人の目から見た自分の関心は、欄の1文目の候補になります。

図2 三つの材料から三つの文を組み立てる順

図2は、3つの材料を3つの文に変える流れです。材料は別の紙に箇条書きで出し、欄に書く段になってから文にします。最初から欄に書こうとすると、白い枠の大きさに気を取られて、手が止まります。

面接で「将来の夢は」と聞かれたときの答えの順

面接の質問と答え方には、都の決まりがありません。要綱、細目、募集案内のQ&Aにも、この質問の形や答えの長さを定めた文は無く、質問の数や面接の時間も学校ごとです。だから、受検票と志望校の指示が最優先です。学校から配られた案内に面接の形や持ち物が書かれていれば、そちらに合わせます。

その上で、塾の練習では、答えを3つの順に組み立てます。今考えていること、そう考えたきっかけ、高校で何をするか、の順です。この順にすると、夢が決まっていなくても答えが途切れません。1文目で今の立ち位置を言い、2文目でその理由を自分の経験に置き、3文目で高校での行動に着地します。

1文目は「今」で始めます。「決まっていません」の一言で終わらせず、「まだ一つに絞れていません。今は〜が気になっています」と言い換えます。言い換えの例を二つ挙げます。「特にないです」は「まだ言葉にできていませんが、〜のときに〜と思いました」に。「なりたい職業はありません」は「職業の名前までは決まっていませんが、〜することに関心があります」に。どちらも、否定の言葉を、今の関心の言葉に置き換えています。

2文目は、きっかけです。いつ、どこで、何をして、そう思ったのかを、自分の行動で話します。出来事の名前や、誰かの言葉を借りるより、自分が何をしたかの方が、次の質問に答えやすくなります。

3文目は、高校ですることです。志望校で確かめたいこと、やってみたいことを、その学校の言葉で話します。ここが具体的だと、その後の質問が「高校で何をしたいの」に広がり、答えの続きを自分で用意できます。

答えの例を二つ挙げます。一つ目は、たとえば「まだ一つに絞れていません。今は、ものを支える骨組みに関心があります。きっかけは、文化祭の展示で看板を支える枠を班で作ったときに、細い棒でも組み方でぐらつかなくなると知ったことです。高校では、ものづくりの実習や設備を確かめて、自分が組み立てる側に向くのかを見てみたいです」という答えです。

二つ目は、たとえば「今は、人に伝わるように説明することを考えています。きっかけは、委員会で連絡の紙を作ったときに、同じ内容でも書き方で伝わり方が変わると気づいたことです。高校では、発表の機会があるかを確かめて、人前で話す練習をしてみたいです」という答えです。どちらも、夢の名前を無理に作らず、今の関心ときっかけと高校ですることを並べています。

この二つは、そのまま覚えるための文ではありません。例の3つの場所を、自分の経験に差し替えて使います。1文目は自分の関心の言葉に、2文目は自分がしたことに、3文目は志望校で確かめたいことに置き換えます。置き換えたときに言葉が足りない場所は、材料が足りない場所です。そこだけ材料集めに戻ります。

欄に書いた文をそのまま暗唱すると、聞かれ方が少し違ったときに止まります。欄は材料の置き場、口頭はその場で組み直す答え、と分けておくと、質問が変わっても3つの順に戻れます。

欄の下書きを、口で言える3文に変える

欄が埋まったら、それを声に出します。読んで息が続かない文は、二つに分けます。文章として整っているのに、口にすると途切れる文は、面接の答えには向きません。

手順は6つです。1つ目、欄とは別の紙に、材料を箇条書きで出します。2つ目、その中から1文目に置くものを一つ選びます。3つ目、きっかけを2文目に、高校ですることを3文目に置きます。4つ目、声に出して3文を通します。5つ目、録音して聞き返します。6つ目、聞き返して足りないところを、材料の紙に戻して書き足します。

録音を聞き返すときは、見る点を3つに絞ります。最初の5秒で「今」が言えているか。きっかけが、自分の行動になっているか。高校ですることが、志望校の言葉になっているか。この3つがそろっていれば、暗唱ではなく、自分の言葉で組み立てた答えになっています。

家族か先生に、質問を1つだけ足してもらうのも効きます。「なぜ」「そのために高校で何をするの」「ほかに気になっていることは」のどれか一つです。答えたら、その答えを材料の紙に足します。質問が増えても3つの順に戻れるようになれば、練習は仕上がっています。

欄の字数の決まりは、読んだ資料には見当たりませんでした。欄の大きさに合わせて、先生に確かめてください。下書きは鉛筆か別の紙に取り、清書のペンと用紙の決まりは「自己PRカードはパソコンで作ってよいか」で確かめてください。

書く前に読む「本校の期待する生徒の姿」

「本校の期待する生徒の姿」は、各校が特色に基づいて、入学を期待する生徒像を示したものです。全校分が都教委のサイトに載っていて、募集案内にも資料があります。募集案内のQ&Aでは、この資料を、志望校を選ぶときと自己PRカードを記入するときに活用するものとしています。欄の言葉を選ぶ前に、志望校の一文を読む価値はここにあります。

読み方のこつは、全部を覚えないことです。自分の志望校の「期待する生徒の姿」を読み、卒業後の進路に触れた一文を探します。実際、この資料には、卒業後の進路目標や進路希望に触れた一文を置く学校があります。見つけたら、その中から言葉を一つだけ選び、自分の欄に引き寄せます。全部を写すと、自分が考えたことではなくなります。

Q&Aは、学校説明会に参加するなどして、自分自身で各高校の特色や雰囲気を確かめることも大切だと書いています。資料の言葉と、自分の目で見たことを一つの欄に重ねると、卒業後の進路の話が、志望校の話とつながります。

よくある質問

将来の夢が本当に無いとき、欄は白いままでよいですか

白いままにしないでください。今の関心を一つ選び、そのきっかけと高校で確かめたいことを添えれば、欄は埋まります。夢の名前が無くても、今見えているものを書くのが、この欄の求めていることです。

なりたい職業が二つあります。どちらかに決めるべきですか

二つを並べてかまいません。並べたときは、どちらにも共通する理由を1文で探します。共通の理由が見つからないときは、それぞれの仕事の中身を説明できるかを確かめ、説明できないほうは関心の言葉に戻します。

面接で「決まっていません」と答えてよいですか

答えてよいです。ただし、その一言で終わらせません。今の関心、きっかけ、高校ですることを続けます。謝る言葉を長くすると、その後の3文が入らなくなります。

欄と面接の答えは同じ文でそろえるべきですか

同じでなくてよいです。順番をそろえます。欄は材料を広く置き、口頭は3文に縮めます。欄の文を覚えて口に出すのではなく、欄を見ながら3文を組み直す練習をします。

確かめる順番

今週やることを5つに分けます。1つ目、自己PRカードの用紙と欄を、中学校の先生に確かめます。字数の決まりと修正のしかたは読んだ資料に見当たらないので、ここで確かめます。2つ目、志望校の「本校の期待する生徒の姿」を読み、卒業後の進路に触れた一文を探します。3つ目、3つの材料を箇条書きにします。4つ目、3文にして、録音して聞き返します。5つ目、三者面談で先生に見せ、足りない材料を聞きます。

推薦で受ける人は、検査が2027年1月26日(火)と27日(水)です。12月のうちに欄の下書きを1枚作っておくと、出願の書類をそろえる時期に、欄と面接の練習を同時に進められます。第一次募集で面接のある学校を受ける人も、受検票と学校の案内で面接の形を確かめてから、同じ5つを回します。

図3 家庭で確かめる五つの順番

図3は、家庭で確かめる5つの順番です。用紙の確認から始め、最後に三者面談で見せることで、欄と口頭の答えが同じ材料からできていることを、先生にも確かめてもらえます。

個別指導で確かめること

講師が面接官の役をして、答えの長さと中身を一緒に聞き返します。夢の名前を作らずに、今の関心から3文を組み直す練習を重ねます。欄の材料に戻って、本人の経験の言葉に直すところまでを見ます。

まとめ

夢が決まっていないことは、欄が埋まらない理由になりません。今の関心を一つ選び、きっかけと高校ですることを続けた3文は、決まった夢の名前より具体的に読めます。

読んで終わりにするか、ここから変えるか。

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