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共通テストの試験場はどう決まるか—高校の地区か住所の地区か、試験場コードと受験番号|武蔵野個別指導塾

卒業見込みの高校生は登録した学校、既卒生は登録した住所の試験地区で試験場が割り振られます。最寄りにならない理由と、受験番号を塗るときに多い4つのミスを知っていれば、12月の受験票にも慌てずに済むはずです。
共通テストの試験場は、受験生が選ぶものではありません。大学入試センターが、出願のときに登録された「学校」か「現住所」を物差しにして、その試験地区の中から割り振ります。2027年1月16日に始まる令和9年度試験では、2027年3月に高校を卒業する見込みの人(通信制を除く)は登録した学校のある地区、既卒生や通信制の人は登録した現住所の地区が物差しです。家からの近さの順に決まるわけではありません。決まった試験場は変えられず、どこになったかは2026年12月4日(金)10時から取れる受験票で初めて知ることになります。
受験票に載る試験場の名前は、次の五つの決まりから出てきます(いずれも令和9年度の文書)。
| 試験場にかかわる項目 | 令和9年度に決まっていること | 載っている文書 |
|---|---|---|
| 指定する人 | 大学入試センター。指定の後は変更できない | 受験案内「試験場の指定」 |
| 卒業見込みの高校生 | 出願サイトに登録した学校がある試験地区 | 同上 |
| 既卒生・通信制・高卒認定 | 出願サイトに登録した現住所の試験地区 | 同上 |
| 試験地区の単位 | 原則は都道府県で、8つの道県だけ区分表が別の線を引く | 受験案内の試験地区区分表 |
| 知る方法 | 受験票の試験場の欄。取得は2026年12月4日(金)10時から | 受験案内・センターの共通テストQ&A |
よくあるのは、12月の夜、刷り上がったばかりの受験票を手に取ったら、試験場の欄に一度も行ったことのない大学の名前が印字されていた、という場面です。同じクラスの友だちに聞くと、自分とは違う、駅から近い大学だと言う。「出願のときに住所を打ち間違えたのでは」「頼めば近い所に変えてもらえるのでは」。地図で調べると乗り換えが二度あり、家から1時間半かかる。夜が更けるほど、受験票の大学の名前だけが大きく見えてきます。
試験場を割り振る物差しは、登録した学校か、登録した現住所か
令和9年度の実施要項によると、試験場は原則として都道府県を単位とする試験地区ごとに、その地区にある大学が設けます。受験票に大学の名前が載るのはこのためで、試験場を設けるのは各大学、受験生をどの試験場に入れるかを決めるのは大学入試センター、と仕事が分かれています。センターは、志願者がどこにどれだけいるか、使う施設に何人入るかを見ながら、受験生ごとの試験場を指定します。
割り振りの物差しは、出願資格で二つに分かれます。高校(中等教育学校と特別支援学校の高等部を含む)を2027年3月に卒業する見込みの人は、出願サイトに登録した学校がある試験地区です。自宅がどこにあるかは、この人たちの物差しになりません。これに対して、すでに高校を卒業した人、高卒認定試験に合格して受ける人、通信制の課程を2027年3月に卒業する見込みの人は、出願サイトに登録した現住所の試験地区になります。どちらの場合も、令和9年度の出願で訂正を受け付けた2026年10月9日(金)から16日(金)までの間に学校や住所を直していれば、直した後の登録が使われます。
図1のように、受験生の側にある分かれ道は「卒業見込みの高校生かどうか」の一つだけで、そこから先の割り振りはセンターの仕事です。

試験地区は原則として都道府県ですが、受験案内の試験地区区分表を開くと、北海道、岩手県、埼玉県、神奈川県、兵庫県、島根県、鹿児島県、沖縄県の8つの道県には、都道府県の境とは違う線が引かれています。武蔵境のまわりで関係が深いのは東京都の地区です。区分表には、神奈川県の川崎市と横浜市の鶴見区・青葉区・都筑区、埼玉県の草加市・蕨市と川口市の一部(区分表の注記では卒業者等)が東京都へ回ると書かれています。区分表の末尾には、今後変わることがあるという注記もあります。
近さで決まらない理由も、受験案内に書かれています。試験場の近くに住む人をその試験場へ優先して入れると、もともと遠い所に住む人が、さらに遠い試験場へ押し出されてしまう。それを避けるために、近くに住む人の方が少し遠い試験場へ回ることがある、という説明です。地区の中で通う距離の差をならす割り振りなので、「自分の家から一番近い所」は最初から約束されていません。
同じ高校から卒業見込みで受ける人たちは、一つの試験場にまとまるよう考慮されます。それでも、地歴公民と理科を何科目で登録したかの組み合わせ、トイレをはじめとする試験場の設備、病気・けが・障害で配慮を申し出た人の受け入れといった事情で、同じ学校の中で試験場が割れることがあります。設備の都合で、女性だけ、または男性だけの試験場に指定されることもあります。さらに、試験場を決めるときに見る志願者の分布は年ごとに変わるので、同じ学校や同じ住所の人が毎年同じ試験場になるとは限りません。
一度指定された試験場は動かせず、別の試験場で受けることも認められていません。初日と2日目で会場が入れ替わることは無い、とセンターのQ&Aは答えています。本試験とは別の話として、追試験の試験場は原則として全国を2つの地区に分けて設けられ、本試験の試験場の割り振りとは物差しが違います。
自分の試験場の物差しを、出願内容と受験票の欄で突き止める
自分の試験場がどの物差しで決まったのかは、推測しなくても、出願サイトのマイページに残っている出願内容で読めます。見るのは三つの欄です。登録した出願資格(卒業見込みか、卒業したか)、登録した学校、登録した現住所。卒業見込みの高校生なら学校の欄、それ以外の人なら住所の欄が、試験地区を決めています。
たとえば、東京都に住んで横浜市西区の高校に通う高3は、家が東京でも、学校の所在地で神奈川県の試験地区になります。区分表で東京都へ回るのは、横浜市のうち鶴見区・青葉区・都筑区だけだからです。同じ人が卒業して浪人として出願し直すと、物差しは現住所に移り、東京都の試験地区になります。川崎市に住む既卒生は、区分表で東京都の試験地区です。物差しと区分表を重ねると、自分がどの地区の中で割り振られたのかを一行で言えるようになります。
受験票では、試験場の欄のほかに次の所を読みます。受験教科名の欄の丸、地理歴史・公民と理科の備考欄に出る登録科目数、そして「上履き持参」の表示です。友だちと試験場が分かれたときは、まず登録科目数の欄を見比べてください。2科目と1科目の違いは、同じ学校から試験場が分かれる理由として、受験案内が最初に挙げているものです。「上履き持参」の文字があった人は、上履きと、脱いだ靴をしまう袋を荷物に足します。
受験票に書かれている「問合せ大学」も、この時点で確かめておきます。令和8年度の受験上の注意では、試験場についての問い合わせ先がこの問合せ大学で、当日に交通の乱れがあったときの連絡先でもありました。令和9年度の共通テストQ&Aも、受験票の「問合せ大学」に問い合わせる場面を書いているので、受験票にこの欄があること自体は変わりません。
受験番号も受験票に載ります。令和9年度の実施要項は、受験番号と試験場などを記した受験票を発行すると定めています。部屋の割り当ては当日、試験場の入口の掲示や印刷物で案内され、そこで自分の受験番号を探して確かめる、とQ&Aは案内しています。席に着く前に、机に貼られた番号と受験票の番号が同じかを見るよう、令和8年度の受験上の注意は求めていました。
浪人生で引っ越しを考えている人は、時期に気をつけてください。現住所が物差しの人でも、令和9年度は確認・訂正の期間が2026年10月16日(金)17時で閉じているので、いまから住所が変わっても、指定された試験場は動きません。高2のうちにこれを読んでいる人の本番は令和10年度試験で、本試験は2028年1月15日(土)と16日(日)です。その年度の受験案内も出願の期間も、まだ公表されていません。試験場の決め方も、令和10年度の受験案内が出たら「試験場の指定」の欄で読み直し、令和9年度と同じだと決めつけないでください。
受験票を刷った夜から本試験の朝まで、試験場への道を固める順番
試験場の名前がわかったら、本試験の2027年1月16日(土)までの6週間ほどで、道を固めていきます。図2は、受験票の取得が始まる12月4日から本試験までの日数に合わせて、やることを並べたものです。

一つ目は、受験票を取ったその週のうちに、試験場の名前から所在地と最寄りの駅を調べ、家から門までの道順を2本用意することです。いつもの経路と、電車が止まったときに使う別の路線の経路です。2本とも、乗り換えの駅と、家を出る時刻を紙に書いておきます。1日目の朝は、地理歴史・公民を2科目で登録した人なら9時30分に試験が始まり(1科目なら10時40分)、2科目の人が遅れて入室できる限度は9時50分です。9時50分を1分でも過ぎると、第1解答科目だけでなく後ろの第2解答科目も受けられなくなります。家を出る時刻は、この限度からではなく、試験開始よりかなり前に門に着く時刻から逆算します。
二つ目は下見です。道順の下見は、令和8年度の受験上の注意にも、当日あわてずに着くための準備として書かれていた項目です。本試験は土曜と日曜なので、下見も土曜の朝、本番と同じ時刻に家を出るのがいちばん確かです。令和9年度なら、2026年12月12日(土)や19日(土)がその候補になります。測るのは、家を出た時刻、乗り換えにかかった分数、駅から門まで歩いた分数の三つです。試験室は当日に入口の掲示で探すので、下見で確かめるのは門までの道で足ります。
三つ目は、当日の朝に何かあったときの連絡の手順を決めることです。令和8年度の受験上の注意では、電車やバスなど交通機関の事故や災害が起きた朝は試験の始まる時刻が後ろにずれることがあり、受験票に書かれた問合せ大学へ電話を入れてから試験場に向かう手順でした。余白や裏面に何か書かれた受験票は使えないので(令和9年度の受験案内)、問合せ大学の名前と連絡先は別の紙に写し、保護者も同じ紙を持っておきます。当日の連絡の決まりを令和9年度の形で確かめられるのは、センターが12月の上旬に掲げる新しい受験上の注意からです。掲げられたら、問合せ大学への連絡の段取りをそれに合わせて書き直してください。
四つ目は、保護者と別れる場所を決めることです。令和8年度の受験上の注意では、門の内側に入れるのは受験者本人と、配慮の審査で付き添いを認められた人だけで、それ以外の保護者は試験場に入れない決まりでした。車やバイクで構内まで乗りつけることも禁止でした(受験上の配慮として乗用車での入構を認められた人は別です)。車で送るなら、構内に入れない前提で降りる場所を下見の日に決め、終わった後に落ち合う場所もそこで決めておくと、お子さまは試験のことだけを考えて門をくぐれます。同じ受験上の注意には、試験場の注意としてほかに、自分が受けない時間も別の部屋では試験が続いているので場内で騒がないこと、登録していない教科の時間は試験室に入れないことが並んでいました。
五つ目は、受験番号と試験場コードを解答用紙に書いて塗る練習です。令和9年度の受験案内の記入例では、受験番号は数字4桁と英字1字、試験場コードは十万の位から一の位までの6桁で、どちらも書いたうえでマークします。番号の塗り方を誤った答案は採点されないおそれがある、と令和9年度の受験案内は書いています。令和8年度の受験上の注意が、よく起きる誤りとして並べていたのは四つです。数字そのものを取り違える、隣どうしの位で数字が入れ替わる、英字の欄が空のまま、数字も英字もまったく塗っていない。
練習は、12月4日に受験票を取った後なら、自分の本当の受験番号でやるのが効きます。令和8年度試験の頁に載っている解答用紙の様式(一部を抜き出した見本)を刷り、過去問を解くたびに、受験番号の欄を埋めてから1問目に入ります。たとえば数字の部分が4082なら、千の位から4・0・8・2と左から順に塗り、塗り終えたら指で一桁ずつたどって、8と2が入れ替わっていないかを見ます。受験番号の欄の右に刷られた英字は、自分がどの英字を塗ったかを見直すための目印なので、そこに印を付けたり丸で囲んだりしません(令和8年度の受験上の注意)。試験場コードは、当日、監督者の指示に従って書きます。
「一番近い所になる」「先輩と同じ所になる」—受験案内が打ち消している思い込み
図3は、試験場についてよく聞く五つの思い込みを、受験案内とQ&Aの答えに照らして分けたものです。△はそうとは限らないもの、×はそうはならないものです。

一つ目の「家から一番近い試験場になる」は、二重に外れます。卒業見込みの高校生の物差しは家ではなく学校の所在地で、しかも地区の中の割り振りは近さの順ではありません。割り振りの物差しの節で触れたとおり、遠い人がさらに遠くへ回されないよう、近い人の方が動くことがあります。
二つ目の「去年の先輩と同じ試験場になる」は、受験案内が例まで挙げて否定しています。ある学校の志願者が前の年まで続けて同じ試験場だったとしても、今年は別の試験場になることがある、という例です。先輩の話は道順の参考にはなっても、指定の予想にはなりません。
三つ目の「同じ高校なら全員同じ試験場」は、考慮はされるものの、登録科目数の組み合わせや設備、配慮への対応で分かれることがあります。友だちと分かれても、出願の誤りとは限りません。
四つ目の「遠ければ頼んで近くに変えてもらえる」は、はっきり×です。変えてほしいと申し出ても指定は変わらず、受験票に載った一か所でしか受けられません。受験票を見て落ち込む時間は、道順を2本調べる時間に回した方が役に立ちます。
五つ目の「2日目は別の試験場かもしれない」も×で、2日間とも同じ試験場に通います。1日目に歩いた道を、2日目もそのまま使えます。
図には入れていませんが、「受けないと決めたら試験場に連絡しなければならない」も思い込みです。受けるのをやめた人がセンターや試験場の大学に何かを届け出る決まりは無く、Q&Aもその連絡や手続は不要と答えています。
確かめる先と聞き方
試験場の疑問は、どの紙の、どの欄に答えがあるかで行き先が決まります。読む順に並べます。
- 受験票(12月4日の朝10時から取れる): 試験場の名前、受験番号、地理歴史・公民と理科の登録科目数、「上履き持参」の表示、問合せ大学の名前。
- 令和9年度の受験案内の「試験場の指定」(45〜46ページ)と試験地区区分表: 自分の出願資格に当てはまる物差しと、住む市や学校のある市が区分表の注記に入っているか。
- マイページの出願内容: 登録した出願資格・学校・現住所。訂正の期間は終わっているので、読んで物差しを確かめるだけにします。
- 令和9年度の受験上の注意: 入室の時刻、試験場での注意、交通が乱れたときの連絡の手順が、令和8年度から変わっていないか。
- 受験票の問合せ大学: 試験場や当日の連絡について、受験票と受験上の注意を読んでもわからないことが残ったとき。受験番号を手元に置いてから電話をかけます。
- 高校の先生: 同じ学校の人がどの試験場に分かれたか、学校として当日の朝の連絡の決まりがあるか。
- 大学入試センターの問い合わせ窓口: 受験案内を読んでもわからない、試験全般のこと。
個別指導で確かめること
塾では、受験票の試験場の欄と登録科目数を生徒と一緒に読み、2本の経路の紙に乗り換えの駅と家を出る時刻、下見で測った門までの分数がそろっているかを、12月のうちに確かめます。過去問の答案では、点数の横に受験番号の欄のマークの跡も並べて見て、桁の入れ替えや英字の塗り忘れが一つでもあれば、自分の本当の受験番号でその日のうちに塗り直してもらいます。
まとめ
試験場はくじではありません。出願で登録した学校か住所、その年の志願者の散らばり、施設の広さで決まり、受験票に載った名前は本試験まで動きません。動かない名前に向けて道を2本引き、土曜の朝に一度歩き、自分の受験番号を正しく塗れる手にしておく。2027年1月16日の朝、知らない大学の門の前で迷う理由は、それで消えます。
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