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浪人生の共通テストの出願—卒業証明書はいるか、試験場、前の年の成績を使う大学|武蔵野個別指導塾

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卒業証明書は送らず、浪人生の試験場は現住所の地区で決まります。去年のマイページは消えるので作り直し、前の年の点を使う大学には過年度成績請求票とその年の受験票をそろえて出してください。

共通テストの出願で、浪人生が卒業証明書を取り寄せて送る場面はありません。出願サイトで「卒業した者」という資格を選んで登録するだけで、資格を裏付ける紙を送る手続そのものが無いからです。試験場は卒業した高校の場所ではなく、登録した現住所の試験地区で決まります。前の年の成績を使えるかどうかは志望校が決めることで、使う大学に出すときは、センターが発行する「過年度成績請求票」と、その成績を取った年度の受験票の両方が要ります。

浪人生がつまずきやすい五つの点を、根拠の文書と年度をつけて並べました。

気になる点 決まり 根拠の文書
卒業証明書 共通テストの出願では提出しない 令和9年度 受験案内・センターの共通テストQ&A
マイページ 前の年度の物は削除されていて使えない。作り直す(前と同じメールアドレスは使える) センターの共通テストQ&A
試験場 出願サイトに登録した現住所の試験地区。試験地区は原則として都道府県ごと 令和9年度 受験案内
前の年の成績 令和9年度の入試では、令和6〜8年度の成績を使う大学がある。過年度成績請求票と該当年度の受験票で出す 令和9年度 受験案内
令和10年度の出願期間 未公表。公表済みは本試験の日付(2028年1月15日・16日)と出題方法・問題作成方針 センター 令和10年度試験の頁

よくあるのは、3月、高校の卒業式の翌週という場面です。大学の合否の画面を閉じて、来年の1月に向けて「出願って、どこから何を出すんだっけ」と検索を始める。去年は担任の先生が教室で日程を読み上げ、受験票の印刷も友だちと声をかけ合っていました。今年はその声がありません。机の上には、1月に使った受験票の紙と、まだログインできるかどうかわからない高校のメールアドレスのメモが残っています。

卒業した人の出願で、センターが求めるもの・求めないもの

いまの高3が2027年3月に卒業して浪人すると、次に受けるのはいまの高2と同じ令和10年度試験で、本試験は2028年1月15日(土)・16日(日)です。令和10年度は出願の期間も受験案内もまだ出ていないので、ここに書く手続の日付は令和9年度の例です。2026年3月に卒業して2027年1月の令和9年度試験に向かっている人は、出願も訂正の期間もこの秋のうちに閉じていて、残っているのは12月からの受験票の取得と、大学への出願です。

令和9年度の受験案内の出願資格の一覧では、いまの高3が選ぶ令和9年3月の卒業見込みの資格のすぐ次の行に、高校か中等教育学校を「卒業した者」という資格が並んでいます。浪人生が選ぶのはこちらです。同じ頁には、共通テストの出願で資格を証明する書類を出す必要は無いと書かれ、センターの共通テストQ&Aも、卒業証明書などは提出しないので準備は要らないと答えています。紙を出さないのは、確かめようがないからではありません。受験案内は続けて、わざと偽りの資格を登録すれば不正行為になると書いています。

出願は共通テスト出願サイトだけで行い、郵送では出願できません。令和9年度の受験案内は、事前の準備、出願サイトへのアクセス、マイページの作成、出願内容の登録、検定料等の支払いという五つの段に分けています。準備するのは、インターネットにつながる端末、日ごろ読んでいるメールアドレス、顔写真のデータの三つです。令和9年度の検定料は3教科以上が18,000円、2教科以下が12,000円で、成績の閲覧を希望すると300円が加わり、どの払い方でも188円の手数料がかかりました。

浪人生にとって大きいのは、マイページが年度ごとに区切られていることです。令和9年度のマイページは、作れるのが2026年7月1日(水)10時から、使えるのが2027年4月30日(金)17時までと期間が決まっています。センターのQ&Aには、前の年度のマイページはすべて削除されるので改めて作る、とあります。高3の秋に打ち込んだ氏名や電話番号は、翌年には残っていません。前と同じメールアドレスで作り直すことは認められています。

顔写真にも撮った日の条件があります。令和9年度は2026年7月1日以降に撮った、上半身・無帽・背景なしの写真のデータで、アプリで加工した物や、印刷した写真を撮り直した物は使えませんでした。同じ形の条件が続くなら、前の年の出願で使った写真はそのままでは通らないことになります。

卒業見込みの人にだけある欄もあります。「在学する学校への出願情報の提供」に同意するかどうかを選ぶ欄で、同意すると出願の状況や受験番号、試験場の情報が在学中の高校に伝わります。この欄は卒業見込みの資格で出す人のための物で、浪人生は対象外です。高校の先生が出願の進み具合を見守ってくれる仕組みは、もう働きません。会場の決まり方も違います。図1のように、高3は登録した学校の所在地の試験地区、浪人生は登録した現住所の試験地区の試験場に指定されます。試験地区は原則として都道府県ごとで、北海道・岩手県・埼玉県・神奈川県・兵庫県・島根県・鹿児島県・沖縄県の8道県だけは、受験案内の区分表でさらに分けています。

図1 高3と浪人生で違う出願の三つの欄(証明書・試験地区・高校への情報)

図1の三つの行のうち、証明書の行だけは高3と浪人生で同じです。違いは試験地区と高校への情報の二つで、どちらも「高校が手続の後ろにいるかどうか」の差から来ています。

前の年の成績を使えるかは、志望校の募集要項の一行で決まる

前の年の共通テストの点は自分の物なのに、自分の判断だけでは使えません。令和9年度の受験案内には、共通テストを使う大学が、過年度(令和9年度の入試では令和6年度から令和8年度)の成績をその年の選抜に使うことがある、と書かれています。使うかどうか、どの年度までさかのぼるかは大学の側が決め、受験案内は各大学の募集要項で確かめるよう求めています。2026年3月に卒業し、2027年1月に受ける人にとっては、高3のときに受けた令和8年度の点がこの過年度にあたります。

募集要項で探すのは、共通テストの利用教科・科目の表の近くにある、過年度の成績の扱いの一行です。そこに過年度の成績を使わないとあれば、使われるのは次の1月の点だけです。使うと書かれていれば、どの年度の点までか、二つの年度を受けた人はどちらの点を使うのかまで書かれているかを読んでください。大学ごとに書き方も中身も違うので、友だちの志望校の話を自分に当てはめないことです。

使う大学に出すときの手順は、受験案内の大学への出願の章にあります。センターのサイトから「過年度成績請求票発行申請書」をダウンロードしてセンターに申請し、発行された過年度成績請求票を、大学に出願するときに出します。もう一つ、その成績を取った年度の受験票も要ります。紛失して手元に無いときは、志望大学に問い合わせるよう書かれています。令和9年度の受験案内はさらに、令和10年度以降の入試で令和9年度の成績を使う大学に出すときは令和9年度の受験票が必要になるので、大切に保管しておくよう求めています。1月の試験場で机に置いたあの紙が、翌年の出願書類の一枚になるわけです。

手元で確かめるのは二つです。一つは、1月に使った受験票の紙が見つかるかどうか。もう一つは、令和9年度のマイページにまだ入れるかどうかです。令和9年度の受験票は、マイページから2027年4月30日(金)17時まで取得できる期間になっているので、紙をなくした人も、その日時までならPDFを保存し直せます。ただ、大学に出すときに取り直した物でよいかは、志望大学に確かめてください。

卒業証明書の心配に戻ると、紙が要るかもしれないのは共通テストではなく、大学への出願のほうです。文部科学省の令和9年度の大学入学者選抜実施要項は、各大学が志願者に、在籍した高校の作る調査書を求めるとしています。前の年までに卒業した人には前の様式の調査書も認め、調査書が得られない事情があるときは卒業証明書などで代える措置をとり、それを募集要項で知らせるのが望ましい、としています。大学に出す必要書類は、募集要項の出願書類の欄に一覧があります。そこで調査書と卒業証明書のどちらが要るのかを見て、母校に頼む日を逆算します。

卒業式の翌週から2028年1月の本試験まで、浪人生の手続の順番

令和10年度の日付はまだ出ていないので、順番だけを先に決め、日付は受験案内が出た日に書き込みます。図2は、2027年3月に卒業した人が2028年1月の本試験までにたどる順番です。

  1. 卒業した週に、令和9年度のマイページに登録したメールアドレスを確かめます。受験案内は、高校から配られたアドレスをIDにしている人に、4月1日以降も使えるかを前もって確かめるよう書いています。ログインのたびに認証コードがそのアドレスに届くので、受け取れなくなると入れないことがあるからです。使えなくなりそうなら、マイページの「メールアドレス変更」から自分のアドレスに移します。アドレスを変えるときやコードが届かないときには秘密の質問の答えを使うので、出願のときの控えを探しておきます。
  2. 4月30日(金)17時までに、受験票と成績のPDFを保存します。成績の閲覧は、出願のときに希望した人だけが4月1日(木)10時から見られます。たとえば3月8日(月)に調べ始めたなら、締め切りの4月30日までは53日です。受験票の紙は、書き込みをせずにクリアファイルに入れて、大学の書類と同じ場所にしまいます。
  3. 春のうちに、志望校の募集要項の二つの欄に印を付けます。過年度の成績の扱いと、出願書類の一覧です。新しい年度の募集要項が出たら、同じ欄が変わっていないかを読み直します。
  4. 令和10年度の受験案内が出たら、顔写真の撮影日の条件を読んでから撮ります。令和9年度と同じ形の条件なら、出願の年の7月1日より前に撮った写真は使えません。
  5. マイページを新しく作ります。前の年と同じ自分のアドレスでかまいませんが、高校のアドレスは使いません。令和9年度は7月1日の10時から作れました。
  6. 出願内容を登録して、検定料を払います。出願資格の欄では「卒業した者」にあたる資格を選び、卒業した高校を一覧から探します。現住所には、いま住んでいる所を入れます。Q&Aによれば住民票の住所である必要は無く、暮らしている寮があればその住所でよい一方、郵便局留めや私書箱では受け付けられません。令和9年度は登録が10月2日(金)17時、支払いが同じ日の23時59分まででした。
  7. 確認と訂正の期間に、住所と教科を見直します。引っ越しが決まっている人は、この期間の終わりまでに転居先の住所に直せば、転居先に基づいて試験場が決まるとQ&Aにあります。令和9年度は10月9日(金)10時から16日(金)17時まででした。
  8. 受験票を取得して、試験場と身分証を確かめます。令和9年度は12月4日(金)10時から取得できました。身分証は氏名と生年月日があり、顔写真付きで試験日に有効な物と受験案内は決めています。高校の生徒証は券面の期限が卒業までなら使えないので、マイナンバーカードやパスポート、運転免許証などを用意します。
  9. 大学に出願します。2028年の国立大学の一般選抜の出願期間は、国立大学協会の実施要領で1月24日(月)から2月2日(水)までです。過年度の成績を使う大学には、ここで過年度成績請求票と該当年度の受験票を出します。
図2 卒業の翌週から本試験までの出願の順番(点線は日付が未公表)

図2の点線の箱が、令和10年度の受験案内が出るまで日付の入らない段です。保護者の方は、お子さまの1月の受験票の紙がどこにあるかを、上の2の手順のうちに一度いっしょに確かめておいてください。家の中で行方がわからなくなる書類の筆頭が、この一枚です。

「去年と同じ」が通じない所

一つ目は「浪人は卒業証明書を出す」という思い込みです。冒頭の表と、センターが求めるものを並べた節で見たとおり、共通テストの出願には証明書を出す手続がありません。証明書や調査書が話に出るのは大学への出願で、何が要るかは志望校の募集要項の出願書類の欄が決めます。共通テストの準備として母校に証明書を頼みに行く必要はありません。

二つ目は「去年のマイページと試験場がそのまま使える」という思い込みです。マイページは年度ごとに削除されるので作り直しになり、試験場は登録した現住所で決まります。しかも最寄りの試験場とは限りません。受験案内は、もともと遠い人がさらに遠い試験場に回されないように、近くに住む人を少し離れた試験場に指定することがある、と図で説明しています。志願者の数や分布は毎年変わるので、同じ住所でも去年と同じ試験場になるとは限らず、指定された試験場を変えることもできません。

三つ目は「前の年の点は自動で大学に届く」という思い込みです。過年度の成績を使う大学に出すには、センターへの申請で過年度成績請求票を受け取り、該当年度の受験票といっしょに出す手順が要ります。図3のように、最初の分かれ道は志望校の募集要項です。

図3 前の年の成績を使うときの分かれ道(請求票と受験票)

図3の右の枝に進んだ人は、次の1月の点だけで勝負します。左の枝に進んだ人は、受験票の紙が見つからなければ、右下の箱のとおり志望大学に問い合わせます。どちらに進むかを決めるのは、自分の希望ではなく募集要項の一行です。

確かめる先と聞き方

浪人の出願は、相談の窓口が高校の教室から外に移ります。卒業した後に頼れる文書と窓口を、そこで確かめる項目と一緒に挙げます。

個別指導で確かめること

塾では、生徒が持ってきた志望校の募集要項の、過年度の成績の欄と出願書類の欄にいっしょに印を付けます。受験票の紙とPDFの置き場所、マイページに登録したメールアドレスが卒業後も読めるかを、出願の予定表に書き込みながら確かめ、令和10年度の受験案内が出た週に、顔写真を撮る日とマイページを作る日を表に足します。現住所に入れる住所と、確認と訂正の期間に見直す教科の数も、その表の横に書いておきます。

まとめ

浪人生の出願は、高3のときに高校が後ろで支えていた手続を、自分の手に引き取ることです。証明書は要らず、試験場は住んでいる所で決まり、前の年の成績は請求票と受験票で運びます。日付だけが年度ごとに変わるので、順番は今日のうちに決めておけます。

卒業の春に消えていく物と、捨ててはいけない物を分けるところから、浪人の出願は動き出します。

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