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短い小論文の書き方—200字・400字・600字の段落の数と、二段落構成の作り方|武蔵野個別指導塾

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たとえば400字の解答欄なら段落を2つにし、1段落目に立場と理由、2段落目に車内の場面と結びを置けば、通話を認めない答案でも反対の声への一言まで枠に収まります。

短い小論文の書き方は、書き始める前に段落の数を決めるところで半分決まります。塾の練習で使っている目安では、200字なら段落は1つにして、立場と理由1つを言い切ります。400字なら段落を2つにし、1段落目に立場と理由、2段落目に具体の場面と結びを置きます。600字なら3つまで増やせるので、反対の意見を1文で示し、それに応える文を2〜3文続けられます。全国で決まった形ではないので、問いに段落の指示があればそちらに合わせます。反対の意見は、短いほど小さく畳んで残します。

よくあるのは、問題用紙をめくって「400字以内で述べよ」の一文を読み、その下の解答欄が思っていたより小さかったという場面です。たとえば20字のマスが20行の欄に、800字の練習と同じ調子で「現代の社会では」と前置きから入ると、3行目に来てもまだ立場が出てきません。あわてて序論・本論・結論を詰め込むと、どの段落も2文ずつの答案になります。教室に集まる400字の下書きにも、この崩れ方がよく混じっています。

400字に4つの段落を入れると、立場が2回出て理由が細くなる

800字の答案なら、序論・本論2つ・結論の4段落にしても、1つの段落に200字前後を割けます。同じ4段落を400字の枠に入れると、1段落は100字前後になり、2〜3文書いたところで次の段落へ移ることになります。そのとき削られているのは、前置きの方ではありません。下書きを並べてみると、細くなっているのは理由と具体です。

図1の上の帯は、4段落で書いた400字の答案の割り振りです。序論で前置きに50字、立場に40字を使い、結論でその立場を90字かけて言い直しています。立場とその周りの文で180字、枠の45%です。理由と具体に残るのは110字ずつで、どちらも2文ほどで止まります。下の帯は、同じ400字を2段落で書いた形です。立場は1段落目の頭の40字で一度言い切り、2段落目の終わりの結び40字で戻ります。立場の周りが80字に減って浮いた100字は、理由に20字、具体に30字、反対の意見を受ける文に50字と振り分けられます。

図1 400字を4段落と2段落で書いたときの、役目ごとの字数の比べ

読み手の側から見ると、短い答案で同じ立場が2回出てくると、考えを先へ進めるはずの字数を言い直しに使った答案と受け取られやすくなります。理由が1文で終わっていると、「なぜそう言えるのか」に答えかけたところで段落が変わったように読めます。文部科学省の令和9年度の実施要項は、小論文などを、考えを筋道立てて、また創造的に組み立てる力や、考えた過程と結果を的確に表す力を見るために使うよう大学に勧めています。字数の定めは要項になく、長さは大学が問題ごとに決めますが、要項が小論文に期待する物は、枠が短くなっても変わりません。段落を減らすのは、その筋道を途中で切らないためです。

段落を変えるたびに、マス目の解答欄では行の終わりに空きが残ります。段落の始めを1字下げて書けば、そのマスも空きます。4段落は2段落より改行が2回多く、その分、文を書けるマスも減ります。小さな枠ほど、この減り方が効いてきます。

1文の長さも、同じ理由で短くします。400字の答案に80字の文を1つ書くと、その1文で枠の5分の1を使います。その文の主語と述語がねじれていたら、答案の5分の1が、読み返さないと通じない文になります。短い文が並んでいれば、1文目に置いた立場が次の文とまぎれずに目に入ります。塾の練習では、短い問いのとき1文を40字前後、長くても60字までを目安にしています。400字なら10文前後になる計算です。

200字・400字・600字の割り振りと、二段落構成の書き方の手順

下の表は、塾で短い小論文を練習するときの割り振りの目安です。数は字数で、どれも「前後」と読んでください。問いに「段落に分けずに」「2段落で」といった指示があれば、表よりそちらが先です。

指定の長さ 段落の数 1段落目 2段落目 3段落目 反対の意見の扱い
200字 1 立場40・理由100・反論の受け30・結び30 なし なし 条件を添えた1文で受ける
400字 2 立場40・理由130(計170) 具体140・反論50・結び40(計230) なし 「〜という声もあるが、〜」の1文で示して応える
600字 3 立場40・理由150(計190) 具体190 反論50・応答110・結び60(計220) 反論を1文、応答を2〜3文

表を縦に読むと、立場の40字はどの長さでも動きません。200字から400字で増える200字のうち140字は具体の場面に回り、400字から600字で増える200字のうち110字は反対の意見とそれへの応答に回ります。図2のように段落の境目を並べると、400字の境目は理由と具体のあいだにあり、600字ではそこに、具体と反論のあいだの境目が1つ加わります。

図2 200字・400字・600字の段落の境目と、段落ごとに入れる役目

二段落構成は、1段落目を「何を・なぜ」、2段落目を「どこで・それでも」と覚えておくと境目がぶれません。1段落目は立場と理由で閉じ、2段落目は場面から入って、反対の声に応えてから立場へ戻ります。400字の問いを例に、手順は次のとおりです。

  1. 問いの長さを見たら、問題用紙の余白に段落の数と段落ごとの字数を書きます(30秒ほど)。400字なら「170/230」と2つの数を書いておけば、解答欄に写すときに境目を見失いません。
  2. 同じ余白に、立場・理由・具体の場面・反対の意見を1つずつ、文ではなく語で書きます(3分ほど)。理由が2つ浮かんだら、400字までは、具体の場面を1つ描ける方を残します。電車の中の通話なら、「移りにくい車内」と「相手に車内が見えない」の2つが浮かんでも、朝の混んだ車両の場面につながる「移りにくい車内」を選びます。
  3. 1文目で立場を言い切ります(40字前後)。「〜について考える」「〜という問題がある」といった前置きは書かず、問いの言葉を主語にします。問いの前提を問い直す部分は段落として立てず、立場の文の中の語に縮めます。「急ぎの用件であっても」「乗っている間は」のような語を1つ入れると、問いのどこに答えるのかが1文目で決まります。
  4. 1段落目の残りで理由を書きます。理由を1文で言い切り、その中身を2〜3文で説明します。ここまでで170字前後になったところで、1段落目を閉じます。
  5. 2段落目は「たとえば」で始め、具体の場面を1つ書きます(140字前後)。場面は、いつ・どこで・誰が困るかが見える1つに絞ります。続けて、反対の意見を「〜という声もあるが」の形で文の前半に置き、同じ文の後半で応えます(50字前後)。
  6. 最後の1文で結びます(40字前後)。1文目の立場をそのまま写さず、2段落目の場面の語を使って立場へ戻します。「以上のことから」「このように」で始めなくても、場面の語から立場へ戻る文なら、結びとして読める文になります。
  7. 書き終えたら、各段落の1文目と最後の1文を拾って続けて読みます(1回)。それで立場・理由・結びがつながって読めれば、二段落構成の芯は通っています。60字を超える文があれば、そこで切ります。

200字のときは、手順4のあとに条件を添えた1文で反対の意見を受け、結びの1文で閉じます。段落は分けません。600字のときは、手順5の具体の場面を190字前後の段落として独立させ、3段落目で反論を1文書いてから、それに2〜3文で応えます。どの長さでも、手順1で余白に書いた数を写しながら進めると、途中で割り振りが崩れたときに気づけます。

200字と400字の答案を、直す前と直した後で比べる

1組目は、練習の問い「電車の中での通話を認めるべきか。200字以内で述べよ」への答案です。

直す前

電車の中での通話を認めるべきかについて、私の考えを述べる。現代では、電車の中でスマートフォンを使う人の姿は珍しくない。

私は、電車の中での通話は認めるべきではないと考える。なぜなら、周りの人の迷惑になるからである。

以上の理由から、私は電車の中での通話は認めるべきではないと考える。

200字の枠を3段落に分けたため、「認めるべきではない」が2段落目と3段落目に2回出ています。1段落目は問いの言い換えと車内の様子で、立場はまだありません。考えを進めている文は「なぜなら」で始まる21字の1文で、なぜ迷惑なのか、隣の人との会話と通話の何が違うのかには届いていません。

直した後

電車の中での通話は、急ぎの用件であっても、乗っている間は認めるべきではない。車内は、降りる駅に着くまでほかの場所へ移りにくい空間だからだ。隣の人との会話なら、話す二人が周りの様子を見て声を落とせる。電話の相手には車内が見えず、話す側の声は相手に届くよう大きくなりやすい。急ぎなら、文字で送るか次の駅で降りてかければ足りる。逃げ場のない乗客に声を聞かせ続ける通話は、認めない方がよい。

段落を1つにして、立場を1文目の38字で言い切りました。理由は「移りにくい空間」に絞り、隣の人との会話と比べて通話の声が大きくなる筋道を、続く2文で説明しています。「急ぎなら〜足りる」の26字が、反対の意見を条件で受ける1文です。全体は191字で、表の200字の行に近い配り方になっています。

2組目は、同じ題で「400字以内で述べよ」とした問いへの答案の2段落目です。1段落目には、立場と「移りにくい車内」の理由を書いてあるとします。

直す前

通話をする人がいると、周りの人はとても迷惑する。迷惑をかけることは公共の場ではよくないことであり、電車は多くの人が使う場所なので、乗る人それぞれが周りの人のことを考えて行動するべきであるし、マナーを守ることが大切だと思うので、電車の中での通話は認めるべきではない。

1文目の「とても迷惑する」は1段落目の理由の言い直しで、場面がありません。2文目は108字の1文で、「迷惑」「公共」「マナー」をつないだ一般論の最後に、気持ちの「大切だと思う」と立場が同じ文に入っています。反対の意見には一言も触れていません。

直した後

たとえば、朝の混んだ車内で、ドアの横に立つ人が仕事の打ち合わせを電話で始めたとする。周りの乗客は、つり革から手を離せず、耳をふさぐこともできない。取引先の名前や金額まで聞き取れる声が、次の駅に着くまで続く。乗客は、知らない人の用件を断る手段もなく聞き続けることになる。急ぎの連絡に限って認めればよいという声もあるが、急ぎかどうかは周りの人には確かめようがない。聞かされる側が断れない場所である以上、車内での通話は認めるべきではない。

場面を朝の混んだ車内の1つに絞り、乗客が手を離せない・耳をふさげない・断れないという3つの事情を書きました。具体の4文で134字、反対の意見を前半に置いて後半で応える1文が46字、場面の「断れない」から立場へ戻す結びが36字で、合わせて216字です。

理由を2つ並べる、1文に詰める、反論を消す—短い答案のつまずき

1つ目は、400字の枠に理由を2つ並べ、どちらも1文で終わってしまうことです。「第一に、車内はほかの場所へ移りにくい。第二に、電話の相手には車内が見えない。」と並べると、どちらの理由にも中身の文が付かないまま2段落目に入ります。こう変えます。400字までは理由を1つに絞り、もう1つは、残した理由を説明する文の材料に回します。1組目の直した後で、「電話の相手には車内が見えず」が理由の説明の中に入っているのがこの形です。2つ目の理由を独立させるのは、800字のように本論の段落を2つ持てる長さになってからで足ります。

2つ目は、1文に立場と理由と気持ちを詰め込んでしまうことです。2組目の直す前の2文目は、「であり」「ので」「し」「ので」で5つの話がつながっていました。こう変えます。「ので」「し」「が」が出てきたら、その手前で句点を打てるかを試します。切った後の文の頭には、何の話かを示す語(車内・乗客・相手)を置き直します。図3のように、直す前の2段落目は24字と108字の2文でしたが、直した後は6文になり、いちばん長い文でも46字に収まっています。

図3 400字の答案の2段落目の、直す前と直した後の1文ずつの長さ

3つ目は、反論を入れる場所がないと決めて、反対の意見に触れずに終えてしまうことです。200字や400字では、反論の段落を立てる余地は確かにありません。こう変えます。反論を消さずに、長さに合わせて小さくします。200字なら「急ぎなら〜で足りる」のように、条件を添えた1文で受けます。400字なら「〜という声もあるが、〜」の1文の前半で反論を示し、後半で応えます。反対の意見に一言でも触れておくと、その意見を見たうえで選んだ立場として受け取られやすくなります。

よくある質問

400字の小論文の例文を覚えておけば、本番でも使えますか

例文の文そのものを本番で使える場面は、まずありません。問いの言葉が1語変わると、1文目の立場の書き方から変わるからです。たとえば電車の中の通話の例文を覚えていても、本番の問いが「車内で音を出すことをどこまで許すか」なら、通話は例の1つに下がり、立場の文から作り直しになります。覚えておく値打ちがあるのは、立場40字・理由130字・具体140字という割り振りと、段落の境目の位置の方です。例文を読んだら、同じ割り振りで別の問いの答案を1本書くところまでを1回の練習にします。

二段落構成で、段落の境目はどこに置けばよいですか

目安は、「なぜ」に答え終わったところです。1段落目の最後の文で理由を言い切り、2段落目を「たとえば」で始めると、境目が読み手にも見えます。迷ったら、2段落目の1文目に置く場面を先に決めます。「夜の空いた車内なら通話してもよいのでは」と返されそうな問いなら、2段落目をその夜の車内から書き始め、空いているかどうかは駅ごとに変わり、話し始めた人には次の駅で乗ってくる人が見えないと応えてから立場へ戻ります。境目の後ろで理由を足し始めていたら、段落の分け方がずれているしるしです。

高校生が600字の小論文を書くとき、段落は2つでもよいですか

2つでも書けます。表の3段落は塾の練習の目安なので、問いに段落の数の指示がなければ、論の筋が通る分け方を選べます。2段落にするなら、1段落目に立場・理由・具体の場面まで入れて300字前後、2段落目に反論・応答・結びを入れて300字前後にすると組みやすくなります。表の3段落の目安では反論・応答・結びが220字なので、2段落にすると後半に80字ほど多く回せます。反対の意見に丁寧に応えたい問いほど、この分け方が向いています。

個別指導で確かめること

答案を一緒に見るときは、各段落の1文目と最後の1文に鉛筆で線を引き、線の文を声に出して読んでもらいます。それで立場と理由と結びがつながらなければ、言葉を直す前に、余白に書いた段落の数と字数の割り振りまで戻ります。

60字を超える文には印を付け、どこで切るかは書いた本人に選んでもらいます。反対の意見を条件の1文で受けるか、1文の前半と後半で応えるかも、指定の長さを見ながら一緒に決めます。言い回しの手直しは、割り振りが通ってからにします。

まとめ

短い小論文で削るのは、考えの筋ではなく、前置きと立場の言い直しです。200字なら1段落、400字なら2段落、600字なら3段落という目安は、筋を途中で切らないための入れ物で、問いの指示が違えば組み替えてかまいません。電車の中の通話を認めないと書き出しの1文で言い切った400字の答案なら、残りのマスは、移りにくい車内の理由と朝の車両の場面、反対の声への一言と結びの1文で埋まります。

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