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小論文の構成メモの書き方—答案に写せるメモと、試験時間ごとのメモの時間|武蔵野個別指導塾

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立場から結論までを語と矢印の5行で書き、60分の試験ならメモは12分ほどという目安で区切れば、15分たって答案用紙が白いままでも、書き始めは十分に間に合います。

構成メモは、立場・理由・具体・反論と応答・結論の5行を、文ではなく語と矢印で書けば、そのまま答案の段落に写せます。メモにかける時間は、塾で練習に使う目安でいえば試験時間のおよそ2割で、45分の試験なら8分、60分なら12分、90分なら18分ほどです。試験が始まって15分たっても答案用紙が白いなら、焦る前にメモを見てください。5行がそろい、1行目の立場と5行目の結論が同じ向きを向いているなら、写し始めて間に合います。反論の行が空いている、あるいは行が文で埋まっているなら、2分かけてそこを直してから、鉛筆を答案用紙へ移します。

よくあるのは、試験が始まって15分、下書き用紙に矢印と単語ばかりが並んでいる場面です。題は「宿題を毎日出すべきか、あなたの考えを述べなさい」。用紙には「毎日?」「量→直す時間なし」「部活の日」「習慣は?」と書いてあり、矢印が3本、上から下へ伸びています。周りの机からは、答案用紙に字を書く音が聞こえ始めました。こちらの答案用紙は、まだ1字も埋まっていません。このまま矢印を書き足すか、いますぐ答案に移るか。鉛筆が下書き用紙の上で止まっています。

メモを語と矢印で書くと、答案の段落にそのまま写せる理由

小論文の書き方を習うとき、メモは後回しにされやすいところです。書き出しの言い方や段落の型は教わっても、メモに何を何行書くかは決めないまま、試験の日を迎える人が少なくありません。教室で下書き用紙を見せてもらうと、たいてい3つに分かれます。思いついた語が紙のあちこちに散らばっているもの、答案の下書きのように文が続いているもの、行ごとに役目が決まっているもの。答案に写せるのは、3つ目です。

役目の決まった行が要るのは、答案用紙の上では順番を入れ替えられないからです。書き終えた段落を消して前後を入れ替えれば、消しゴムの跡と、書き直す時間が残ります。順番を手軽に入れ替えられる紙は、下書き用紙か問題用紙の余白の方です。そこで、立場・理由・具体・反論と応答・結論の5行を、上から順に書いておきます。行の役目が先に決まっていれば、浮かんだ語をどの行に置くかを考えるうちに、骨組みができあがります。

文でなく語と矢印で書くのには、理由が2つあります。1つは時間です。メモに文を書くと、同じ中身を答案でもう一度書くことになり、メモの時間の多くが1回目の文に消えます。もう1つは、写したあとの答案の文です。メモの文をそのまま写すと、考えている途中の言い回しが答案に残ります。語と矢印で骨組みを止めておけば、文は答案用紙の上で初めて組み立てることになり、段落ごとに言い方を整えられます。矢印は「なぜなら」「だから」の向きを1本の線で示す記号です。「毎日→量をこなす→直す時間なし」と書けば、理由のつながりが3つの語で見えます。

メモを書かずに書き始めた答案は、崩れる場所がおおよそ決まっています。1つは結論の段です。序論で「宿題は毎日でなくてよい」と書いたのに、書き進めるうちに「量を減らせば毎日でもよい」へ寄っていき、最後の段で立場が半分入れ替わります。読み手には、書きながら考えが動いた跡として読めます。もう1つは反論の置き場所です。反対の意見を思いつくのが本論の終わりごろになり、結論の手前に1文で押し込まれます。反論に答える文が無いまま結論が来るので、反対の意見を認めて終わった答案と受け取られやすくなります。

図1のように、5行のメモは答案の4つの段落に対応します。理由と具体の2行が1つの本論に入り、残りの3行がそれぞれ1つの段落になります。左の赤い線は、1行目と5行目を見比べるための線です。メモの段階でこの2行の向きがそろっていれば、答案の序論と結論が食い違う心配はぐっと小さくなります。

図1 メモの5行が答案の4つの段落に入る流れと、立場と結論の見比べ

5行は、型を覚えるための枠ではありません。論の筋が通っているかを、答案用紙に書く前に目で確かめるための道具です。4行目に反論と応答を置くのも同じ理由です。反対の言い分にどう答えるかを書く前に決めておけば、答案の中で立場が揺れにくくなります。

60分の試験で構成メモを書き、答案に写す手順

小論文の試験時間や字数に、全国でそろった決まりはありません。大学が問題や募集要項で示すので、本番では示された時間に合わせて組み替えます。ここからは、たとえば60分で800字程度の問いを例に、時刻つきで手順を並べます。時刻は試験が始まってからの分です。

  1. 0〜5分 設問を読み、メモを書く場所を決めます。設問の文末と字数の指示に線を引き、下書き用紙が配られているか、問題用紙の余白に書き込んでよいかを、試験の注意書きで確かめます。メモは答案用紙には書きません。メモを書く紙の端に、メモを終える時刻「17分」を書いておきます。
  2. 5〜8分 1行目に立場を書きます。問いをどう受け取ったかを1語添えるのがこつです。「毎日?→回数より直す時間の問題→毎日でなくてよい」のように、問いの前提(毎日か、毎日でないかという分け方)を疑った跡を矢印で残しておくと、序論の1文目がこの行から作れます。
  3. 8〜11分 2行目に理由を1〜2つ、3行目に具体を書きます。具体は、理由が本当に起きる場面です。60分以上の試験なら、具体は2つまで書いてかまいません。1行はどれも10字前後の語にとどめます。
  4. 11〜14分 4行目に反論と応答を書きます。反対側の言い分を1つ、いちばん強い形で書き、「⇔」で区切って、それへの応答を語で書きます。応答が書けない反論しか浮かばないなら、立場の側を見直す合図です。
  5. 14〜16分 5行目に結論を書き、1行目と見比べます。向きが違っていたら、どちらに合わせるかをここで決めます。答案用紙の上で決めるより、ずっと早く済みます。
  6. 16〜17分 各行の右端に、答案の何段落目に入るかの番号と、字数の目安を書きます。あわせて、3行目の2つ目の具体の横に、時間が足りなくなったら外す印を付けておきます。
  7. 17〜53分 答案に写します。1行目の語から序論、2行目と3行目から本論、4行目から第3段落、5行目から結論の順です。語を主語と述語のある文に直しながら書き、1つの段落を書き終えるたびに、メモのその行に斜線を引きます。
  8. 53〜60分 見直します。メモの1行目と5行目の語を、答案の序論と結論の中で探し、向きがそろっているかを確かめてから、誤字と脱字を見ます。

6番目で書く段落と字数の目安は、800字程度の問いなら、たとえば次のように振ります。字数の目安は答案を書くときの物差しで、数字に合わせて文を足したり削ったりするためのものではありません。

メモの行 答案の段落 字数の目安(800字程度の例)
1行目 立場 第1段落(序論) 120字
2行目 理由・3行目 具体 第2段落(本論) 330字
4行目 反論と応答 第3段落(反論と応答) 220字
5行目 結論 第4段落(結論) 130字
合計 4段落 800字

試験時間が変われば、メモの時間とメモの中身の両方を組み替えます。塾で練習に使う目安を、45分・60分・90分で並べると次のとおりです。字数と課題文の有無は、配分を考えるための作りの例です。

試験時間(たとえばの問い) 読む メモ 書く 見直し メモの組み替え
45分(600字程度) 4分 8分 28分 5分 具体は1つ。反論と応答は語2つずつで書く
60分(800字程度) 5分 12分 36分 7分 上の手順の5行をそのまま書く
90分(課題文つき1,000字程度) 12分 18分 50分 10分 1行目の上に課題文の要点の行を足し、反論は2つ出して1つ選ぶ

図2のように、どの長さの試験でも、メモの帯は全体のおよそ2割にあたります。45分の試験でメモを4分に縮めたくなっても、練習では8分を残します。短い試験ほど書き直す時間が無く、メモで決めずに書き始めた分の迷いを、答案の上で取り返せないからです。反対に、90分の試験でメモが30分を超えるなら、書き込みすぎです。課題文の要点の行は、筆者の主張を10字前後で1行に縮めたものにします。

図2 試験時間45分・60分・90分で読む・メモ・書く・見直しに使う時間の目安

この配分は、練習のたびに自分の時計で測り直します。メモが目安より3分以上長くかかる回が続くなら、どの行で止まっているかを見てください。止まりやすいのは、たいてい4行目の反論です。

構成メモを直す前と直した後

1つ目は、メモを文で書いてしまった例です。60分の試験で、14分たったときのメモです。

宿題は毎日出さなくてもよいと私は考える。なぜなら、毎日出すと生徒は決められた量を終わらせることに追われ、間違えた問題を見直す時間がなくなるからである。また、部活動がある日とない日では、家で使える時間が大きく違う。

弱いのは、中身ではなく進み具合です。手順の4番目が終わる14分の時点で、5行のうち立場と理由の2行分しかありません。反論と結論は空のままです。しかも文で書いたので、答案用紙にはこの3文をもう一度書くことになります。同じ中身を語と矢印に直すと、次のようになります。

  • 1行目 立場 毎日?→回数より直す時間→毎日でなくてよい
  • 2行目 理由 毎日→量をこなす→直す時間なし/部活の日で差
  • 3行目 具体 週3回・前の授業の誤りを直す宿題
  • 4行目 反論⇔応答 習慣がつかない⇔曜日を決めれば続く
  • 5行目 結論 回数を減らし、直す時間を残す出し方に

同じ時間で5行が埋まり、4行目に応答まであるので、第3段落に何を書くかが決まっています。

2つ目は、メモを書かずに書き始めた答案の、序論と結論です。

(序論)宿題を毎日出す必要はないと考える。毎日出されると、量を終わらせることが目的になってしまうからだ。……(結論)たしかに、毎日でないと勉強の習慣がつかないという意見もある。宿題の量を少なくすれば、毎日出してもよいのではないだろうか。

結論の段で反論が初めて出てきて、それに答えないまま、立場が「量を減らせば毎日でもよい」へ動いています。序論と結論が、別の問いの答えのように読めます。メモの4行目に反論と応答を置き、5行目の語から結論を作ると、次のように変わります。

(序論)宿題を毎日出す必要はない。問われているのは回数に見えるが、決めるべきなのは、間違えた所を直す時間を宿題の中に残せるかどうかである。……(結論)毎日でないと習慣がつかないという声には、出す曜日を決めておけば習慣は保てると答えられる。宿題は毎日でなくてよい。減らした回数の分を、前の授業の誤りを直す時間に回すべきである。

反論は第3段落で扱い、結論ではその応答を1文で受けてから、1行目と同じ向きの立場で閉じています。序論の2文目は、1行目の「回数より直す時間」の語をそのまま文に直したものです。

構成メモでつまずく3つの場面と直し方

1つ目は、メモに時間をかけすぎてしまうことです。行をきれいに書き直したり、浮かんだ語を残らず書き出したりして、17分を過ぎても写し始められません。こう変えます。メモを終える時刻を紙の端に先に書き、その時刻が来たら、空いた行があっても5行目の結論を1語書いて写し始めます。理由や具体の行が少し薄くても、立場と結論の向きが決まっていれば、残りは本論を書きながら補えます。

2つ目は、書きながら思いついた話を、メモに無いまま答案へ足してしまうことです。本論の途中で「家で勉強する時間を自分で決める練習になる」という新しい理由が浮かび、そのまま書き足すと、第2段落の字数の目安を超え、第3段落が押し出されます。こう変えます。足したくなったら、鉛筆を一度メモに戻し、2行目か3行目のどこに入るかを決めます。入れるなら、印を付けた2つ目の具体と入れ替えます。入る行が無い話は、その答案では使いません。

3つ目は、時間が足りなくなったとき、書いている段落から先を諦めてしまうことです。結論の段が丸ごと消えると、読み手には何を答えた答案なのかが最後まで届きません。こう変えます。削る順番を、メモの段階で決めておきます。図3のように、先に削るのは3行目の2つ目の具体、次が理由の説明の長さ、その次が反論と応答をそれぞれ1文に縮めること、最後が結論を短くすることです。結論は、立場を言い直す1文と、応答を受ける1文の2文まで縮められます。

図3 時間が足りないときに削る順番と、最後まで残す2つの文

どこまで削っても、立場を示す1文と、反論に答える1文は最後まで残します。立場が無ければ何についての答案かが読めず、反論に答える文が無ければ、反対の意見に押し切られた答案に見えてしまうからです。

よくある質問

構想メモと構成メモは、別のものですか

呼び方の違いで、どちらも答案を書く前に骨組みを決めるメモです。分けて考えるなら、立場から結論までの5行を決める前半が構想、段落の番号と字数の目安を書き込む後半が構成にあたります。60分の手順でいえば、2〜5番目が構想メモの書き方、6番目が構成メモの仕上げです。呼び方の違いより、メモを終えたときに5行と段落の番号がそろっているかを見てください。

メモを答案用紙の余白に書いてもいいですか

答案用紙は読み手に渡る紙なので、メモは書かないでおきます。問題用紙に書き込んでよいか、下書き用紙が配られるかは、試験ごとに注意書きと試験場での説明で示されます。問題用紙の余白に書く試験だとわかっているなら、練習のときから、問題用紙の上半分ほどの広さに5行を収める書き方に慣れておくと、本番で置き場所に迷いません。

書くことがすぐ浮かんだ題でも、メモは要りますか

要ります。ただし短くしてかまいません。たとえば前の週に同じ宿題の題で練習していて、書くことがすぐ浮かぶときほど、浮かんだ理由1つで書き進め、反論の段で手が止まりがちです。急ぐなら、1行目の立場、4行目の反論と応答、5行目の結論の3行を3分で書き、理由と具体は答案の上で組み立てます。3行あれば、序論と結論の向きと、第3段落に書く中身はもう決まっています。

個別指導で確かめること

メモと答案を机に並べて置き、メモの各行から答案の段落へ、鉛筆で線を引いてもらいます。線が引けない行や、2本の線が1つの段落に集まりすぎた行が、答案の崩れた場所です。あわせて、メモに何分かかったかを本人の時計の記録で確かめ、5行のうちどの行で時間を使ったかを見ます。

直すときは、答案を書き直す前に、メモの行まで戻ります。反論の行が弱ければ反論を替え、立場の行と結論の行が食い違っていれば、どちらに合わせるかを本人に決めてもらってから、その段落を書き直します。

まとめ

構成メモは、5つの行に役目を決め、語と矢印で埋め、段落の番号を振ったところで答案の設計図になります。試験の途中で答案用紙が白いことは、そのまま遅れを意味しません。遅れになるのは、5行目が1行目と違う向きのまま写し始めたときです。宿題を毎日出すべきかと問われたら、答案用紙より先に、下書き用紙の1行目と5行目に同じ向きの語を書いてください。

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