
武蔵野個別指導塾の特徴
夜にならないと勉強のやる気が出ない—昼と夕方を捨てずに、夜の分を前へ移す順番|武蔵野個別指導塾

夜11時に急に数学のワークを開く中学生へ。丸つけ、暗記の確かめ、プリントの整理を平日は夕方の10〜15分、休日は昼ごはんの後の20〜30分へ1つずつ移せば、夜は考える問題の2〜3問で閉じられます。
夜にだけ勉強のやる気が出るのは、怠けているからではありません。昼は家の予定と人の声に途中で切られ、夕方は部活と学校の疲れが残り、夜だけが静かで、しかも締め切りが目の前に見えるからです。直すのは時間帯の好みではなく、夜に積み上げた作業の中身です。丸つけ、暗記の確かめ、プリントの整理のように手と目でできる物を、平日は夕方の10〜15分、休日は昼ごはんの後の20〜30分へ、1週間に1つずつ移します。夜には考える問題の2〜3問と新しく覚える物だけを残し、閉じる時刻は寝る時刻の30分前と決めて、後ろへずらしません。
よくあるのは、土曜の昼は何も進まず、夜11時になって急に数学のワークを開いた中学2年という場面です。昼ごはんの後、リビングでは弟がテレビをつけ、母からは「3時ごろ買い物に行くよ」と声がかかります。始めてもどうせ途中で切られると思うと、ワークを開く手が出ません。夕方は部活の練習から帰ってソファに沈み、気づけば夕ごはんです。家じゅうが静かになった夜11時、月曜までに進めるはずだった連立方程式のページを思い出し、急に手が動き出します。解いて、丸をつけて、学校のプリントを綴じ直しているうちに、時計は0時を回っています。
なぜそうなるのか
塾で家庭学習の相談を受けていると、「夜しか無理です」という声は珍しくありません。話を聞いていくと、本人の性格より先に、昼・夕方・夜のそれぞれに、勉強が始まりにくい事情と始まりやすい事情が並んでいます。図1のように、昼と夕方にあるのは勉強を止める物で、夜にあるのは勉強を押し出す物です。

1つ目は、昼は家の予定と人の声が多いことです。休日の昼は、昼ごはん、片づけ、買い物、来客、きょうだいのテレビと、家の出来事が次々に入ります。厄介なのは、予定そのものより「いつ切られるかわからない」ことです。もうすぐ呼ばれるかもしれないと思うと、数学の文章題のように、頭が温まるまでに時間のかかる問題には手が出ません。始めない理由が「やる気が出ない」という言葉にまとめられているだけで、実際には、途中で切られても困らない作業が昼に用意されていないのです。
2つ目は、夕方は部活や学校の疲れが残っていることです。家に帰った直後、体は家にいても、頭はまだ練習や授業の続きにいます。この時間に証明問題を置くと、1行目で止まり、「夕方はやっぱりだめだ」という印象だけが残ります。ところが同じ夕方でも、赤ペンで丸をつける、プリントを日付の順に綴じる、といった手と目の作業なら進む生徒は少なくありません。夕方が使えないのではなく、夕方に置く物の選び方が合っていないのです。
3つ目は、夜は静かで、締め切りが近く感じられることです。家族がそれぞれの部屋に入り、テレビの音が消え、明日の朝が見えてくる。「今日のうちに」という区切りが、背中を押します。この押し出す力そのものは悪い物ではありません。困るのは、締め切りに押されて出るやる気には終わりの合図が無く、手が動き出すと寝る時刻を越えても止まらないことです。
4つ目は、夜に寄せた結果、夜の作業がさらに増えることです。昼と夕方に何も置かないまま1週間を過ごすと、丸つけも、単語の確かめも、プリントの整理も、すべて夜の机に積まれます。夜の量が多いので、本当に静かさが要る考える問題に使える時間が、かえって短くなります。夜にやる気が出るのは確かでも、その夜を丸つけで使い切っているなら、せっかくの静かな時間を手の作業に明け渡していることになります。
今夜からの手順
移す順番は、夜の作業をいったんばらしてから決めます。昼に机へ向かう練習をいきなり始めるのではなく、夜にやっている物を、軽い物から順に前へ譲っていく形です。
1. 今夜の作業を、終わったあとに1行ずつ書き出す
今夜はいつもどおり夜に勉強してかまいません。その代わり、閉じる前に、やった作業を紙に1行ずつ書き出します。「数学」「英語」と教科で書くのではなく、手の動きで書くのがこつです。土曜の夜の中学2年なら、たとえば次のようになります。
- 数学のワークの、連立方程式の文章題を解く
- 解いたページの丸つけと、間違えた問題への印つけ
- 前の晩に覚えた英単語10個を、隠して書いてみる
- 学校でもらった理科のプリントを、ファイルに綴じる
- 理科の用語を5つ、新しく覚える
書き出したら、1行ごとに、だいたいかかった時間を添えておきます。正確でなくてかまいません。夜11時に始めて0時を回った日なら、その1時間あまりがどこに消えたのかが、この紙で初めて見えてきます。
2. 「前へ移す物」と「夜に残す物」に分ける
次に、書き出した行を2つに分けます。分ける基準は教科ではなく、途中で切られても困らないかどうかです。
図2のように、丸つけ・暗記の確かめ・プリントの整理は、手と目でできて、いつでも止められ、止めた所から再開できる作業です。これが前へ移す物です。一方、証明や文章題のように1問を最初から最後まで考える問題と、新しく単語や用語を覚える作業は、静かさと続いた時間が要ります。こちらは夜に残します。

迷う行は、「家の人に呼ばれて席を立ったら、戻ってすぐ続けられるか」で決めます。丸つけは続けられます。証明は、席を立った瞬間に頭の中の道筋が消えるので、続けられません。覚えるのは夜、確かめるのは翌日の夕方、というように、同じ英語の中でも作業によって置き場所が分かれます。
3. 平日は夕方の10〜15分に、丸つけから移す
前へ移す物は、一度に全部を動かしません。最初の1週間は丸つけだけです。前の夜に解いたワークのページを、翌日、家に帰ってかばんを下ろした所で開き、赤ペンで丸をつけて、間違えた問題の番号に印をつけます。夕方の10〜15分に収まる量なので、部活の後の頭でも終わります。解いた直後にどうしても答えを確かめたい問題があれば、その1問だけ夜のうちに答えを見てかまいません。ページ全体の丸つけと印つけを、翌日の夕方に回します。
丸つけを最初にするのは、終わりがはっきりしていて、解答と赤ペンがあれば手が動き、しかも夜の時間を長く使っていることが多いからです。土曜の場面でも、0時を回った理由の一つは、解き終わった後の丸つけでした。
丸つけの1週間が続いたら、次の週にプリントの整理を足し、その次の週に暗記の確かめを足します。暗記の確かめは、前の晩に覚えた英単語10個を、日本語だけを見て書いてみる形です。一晩おいてから隠して書くと、覚えたつもりの単語と本当に手から出てくる単語の差が、その場ではっきりします。3つそろっても、夕方の10〜15分の中に収まる量にとどめます。
夕方の始まりは、時刻で決めません。部活の終わる時刻は日によって違うので、「17時から」と決めると、過ぎた日にはそのまま消えてしまいます。「かばんを下ろしたら赤ペン」のように、家に着いてからの動きに結びつけておきます。
4. 休日は昼ごはんの後の20〜30分を、1週間分の確かめに使う
休日の昼は、家の予定に切られやすい時間です。だから、切られても困らない物だけを置きます。昼ごはんの片づけが終わったら20〜30分だけ机に向かい、金曜の夜に解いた問題の丸つけと、その週に夕方で終わらなかった整理をまとめて済ませます。暗記の確かめを夕方に移した週からは、その週に覚えた英単語を全部隠して書く、1週間分の確かめもここに入ります。
置き場所は、リビングの端でも自分の部屋でもかまいません。大事なのは、途中で「買い物に行くよ」と呼ばれたら、その場で赤ペンにキャップをして立てることです。戻ったら、丸をつけた最後の問題の次から続けます。考える問題を昼に置かないのは、この立ち上がりを気楽にするためでもあります。
長い昼の残りは、休む時間でかまいません。昼に20〜30分の塊が1つあるだけで、土曜の夜の机に載る物は目に見えて減ります。
5. 夜は考える問題と覚える物に絞り、寝る時刻の30分前に閉じる
前へ移した結果、夜に残るのは、考える問題の2〜3問と、新しく覚える物だけになります。土曜の夜なら、連立方程式の文章題を2〜3問と、理科の用語を5つです。家が静かになってからの短い時間でも、これなら最後まで届きます。
閉じる時刻は、寝る時刻の30分前と決めて、紙に書いて机の前に貼っておきます。寝る時刻そのものは、家で決めている時刻のまま動かしません。そのうえで、閉じる時刻から逆に数えて、2〜3問が入るように夜の机に座る時刻を決めます。夜11時に座っていた生徒なら、座る時刻のほうを前へずらすことになります。
閉じる時刻が来たら、解きかけの問題があっても番号に印をつけて、ワークを閉じます。次の夜は、その印の問題から始めます。最初の1問が決まっていると、夜の机に座ってから何をやるか迷う時間が消えます。閉じてから寝るまでの30分には、かばんの用意や歯みがきが入ります。ここを勉強で埋めないことが、翌日の夕方の10〜15分を守ることにもつながります。
学年と時期で変わるところ
中1は、部活が始まったばかりで、夕方の疲れが一番大きい時期です。小学校のころの「宿題は夕ごはんの前」という流れが崩れ、夜に寄り始めるのもこのころです。夕方の10〜15分には丸つけだけを置き、プリントの整理と暗記の確かめは、慣れるまで休日の昼に回してかまいません。
中2は、部活の中心になり、休日の昼も練習で埋まる日が増えます。その日は、休日の昼の20〜30分を、練習から帰った後の夕方へ動かします。置く物は同じで、切られても困らない作業だけです。冒頭の土曜の場面が起きやすいのも、この学年です。
中3は、部活を引退した後、夕方がまるごと空くことがあります。ここで夕方に考える問題を詰め込みたくなりますが、帰宅直後の頭がすぐに切り替わるわけではありません。夕方の最初の10〜15分は今までどおり手と目の作業にし、その後に考える問題を1問足す形で、少しずつ夕方を広げます。
高校生は、通学が長く、帰りが遅い日には夕方そのものがありません。その日は、家に着いて最初の10〜15分を夕方の枠として扱います。丸つけのように机が要る作業は家で、暗記の確かめのように紙1枚でできる作業は帰りの電車の中で、と分けることもできます。
時期でいえば、ふだんの週は今まで書いた形のままです。テスト前は、夜に出るやる気がいちだんと強くなり、夜を延ばしたくなります。そこで延ばすのは夜ではなく休日の昼で、昼ごはんの前にもう1つ、20〜30分の塊を置きます。テストの日程は学校の予定表で確かめ、いつから昼の塊を2つにするかを先に決めておきます。長い休みは毎日が休日の形になるので、昼ごはんの後の20〜30分を毎日の決まりにします。翌朝に学校が無い分、夜は後ろへずれやすいので、閉じる時刻の線はふだんより意識して守ります。
よくある失敗と直し方
1つ目の失敗は、一度に全部を前へ移すことです。意気込んで、丸つけもプリントの整理も暗記の確かめも、次の日から夕方に置く。3日もすると夕方の机が重くなり、どれも始まらないまま、結局すべてが夜に戻ります。夕方の疲れた頭に、新しい習慣を3つ同時に載せるのは無理があるからです。直し方は、図3のように1週間に1つずつ移すことです。丸つけが夕方に根づいたのを確かめてから、プリントの整理、暗記の確かめの順に足します。

2つ目の失敗は、考える問題まで夕方に移すことです。夕方の枠がうまく回り始めると、ついでに証明や文章題も夕方に片づけたくなります。ところが、部活の後の頭で1問を最初から考えると途中で手が止まり、夕方の枠そのものが嫌になります。考える問題が夜に残っていたのは、怠けではなく、静かさが要る問題だったからです。直し方は、夕方に置くのは手と目の作業だけ、と線を引き直し、考える問題は夜へ戻すことです。夕方を広げたいときは、中3の項目で書いたように、手と目の作業の後に1問を足すところから始めます。
3つ目の失敗は、調子のいい夜に、そのまま延ばすことです。夜の机が軽くなると、考える問題が気持ちよく進む夜が出てきます。もう少しだけ、と閉じる時刻を越えると、寝る時刻が後ろへずれ、翌日の夕方は頭がぼんやりして、10〜15分の枠が消えます。夜のやる気には終わりの合図が無いので、うまくいった夜ほど延びやすいのです。直し方は、閉じる時刻が来たら、解けそうな問題でも番号に印をつけて閉じることです。解けそうなまま閉じた問題は、次の夜、座ってすぐに手が動く入り口になります。
よくある質問
昼間に勉強のやる気が出ないのは、怠けているからですか
怠けと決めつける前に、昼間に置いている物を見直してください。昼に考える問題を置いて、それが進まない日が続くと、昼間は向いていないと思い込みやすくなります。ただし、昼間に眠くて頭の働かない日が何日も続くときや、体のだるい日が多いときは、やる気とは別の話かもしれません。そのときは家の人に話し、学校や医療機関に相談してください。
夕方は勉強のやる気が出ません。夕方は休んだほうがいいですか
休んでいい日はあります。試合や大会の日、学校の行事で帰りが遅い日は、夕方の10〜15分を0にしてかまいません。その日の丸つけは、次の休日の昼の20〜30分にまとめます。気をつけたいのは、休む日が週の半分を超えると、夕方の枠が無いのと同じになることです。休んだ日を計画表に印で残しておき、印が並んだ週は、夕方の枠を置く曜日を、部活の無い日に絞り直します。
夜中のほうがやる気が出ます。夜中に勉強してもいいですか
夜中に出るやる気は、締め切りが迫ったときに出る力です。その力自体は使えますが、夜中まで延ばした分は、翌日の昼と夕方から引かれます。夜中にしか始まらないと感じるなら、夜より前に、自分で小さな締め切りを作るのが近道です。たとえば、家の人に「夕ごはんまでに丸つけを終わらせる」と言っておくと、夕方にも締め切りが生まれます。言った相手がいる締め切りは、夜中の締め切りと同じように背中を押してくれます。
保護者が手を貸すなら
お子さまの昼の勉強が進まない理由の一つは、家の予定が本人に見えていないことです。休日の昼ごはんの時刻や出かける時刻を前の晩に伝えておくと、昼ごはんの後の20〜30分を置く場所が決まります。夜遅くに机に向かう姿を見ても、その場で「もっと早くやればいいのに」とは言わず、本人が紙に書いた閉じる時刻を一緒に見る程度にとどめてください。丸つけの赤ペンと解答を、帰ってすぐ手の届く所に置いておくのは、声をかけるより効くことがあります。土曜の昼に「買い物に行くよ」と呼ぶときも、立つ前に赤ペンのキャップを閉める間だけ待つと、戻ってからの続きが途切れません。夜の勉強を取り上げるのではなく、夜に載っていた物を昼と夕方へ運ぶ手伝いだと考えると、言葉もやわらかくなります。
個別指導で確かめること
夜に残した考える問題が毎週同じ単元で止まるなら、つまずきはその単元より手前にあることがあります。中2の連立方程式の文章題で止まる場合は、中1の一次方程式の文章題まで戻り、「何をxと置くか」を決める所で手が止まっていないかを、目の前で1問解いてもらって確かめます。そこがほどければ、夜の2〜3問にかかる時間が縮み、閉じる時刻も守りやすくなります。逆に、どの単元でも同じように止まるなら、問題文を読む所から一緒に見直します。
まとめ
土曜の昼に何も進まなかったのは、昼に置く物が決まっていなかったからで、夜11時のやる気が悪かったわけではありません。昼ごはんの後の20〜30分に赤ペンを持ち、平日は夕方の10〜15分で丸つけを済ませておけば、夜に開く数学のワークに残るのは、静かな部屋でしか解けない2〜3問です。夜のやる気は削らず、その2〜3問のために取っておけばいい。
読んで終わりにするか、ここから変えるか。
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