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小学生の英単語の覚え方—中学に上がる前に、聞いてわかる語を読める語に|武蔵野個別指導塾

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小学校で扱う英単語は600〜700語程度。音で知っている語を英語だけのカードで読み分け、読めた語だけを4線のノートに書き写す1日15分の段取りを、学年ごとの始めどきと並べて載せています。

小学生の英単語は、つづりを書いて覚えるより先に、聞いて意味がわかる語を「文字を見て声に出せる語」に変えてください。1・2年の低学年なら、歌や絵本で聞いてわかる語を増やすだけで足ります。3・4年は聞いて言えれば十分で、5・6年になったら英語だけのカードを読む練習を足します。見ないでつづりを書く練習は、迷わず読める語に限り、目安は小6の秋から中学に上がる前の春休みに数語ずつ。中1の4月に止まりやすいのは、書けない語より、知っているはずの語が文字で出てきて読めない語です。

よくあるのは、小6の3月、中学の英語の教科書を初めて開いた居間の場面です。最初の数頁の絵の横に breakfast や library が並んでいて、お子さまは絵を見れば「朝ごはん」「図書館」とすぐに言えます。ところが絵を手で隠し、英語の文字だけを指でたどると、声が止まる。横で見ていた保護者が「小学校で英語をやってきたのに」とつぶやき、教科書はそのまま閉じられます。止まったのは、覚えていないからではありません。音で覚えた語と文字が、まだ結びついていないだけです。

音で覚えた600語あまりが、文字になると読めない理由

小学校の英語は、耳と口から始まるように組まれています。文部科学省の小学校学習指導要領を読むと、3・4年の外国語活動は聞くことと話すことの活動で組み立てられ、文字は音でのやり取りを助けるものとして扱うよう書かれています。5・6年の外国語で読むことと書くことが加わりますが、その中身は、音で十分に慣れた語や表現の意味がわかること、慣れた語句を書き写すこと、例文を見ながら自分のことを書くこと、が中心です。扱う語は、3・4年の外国語活動で触れた語を含めて600〜700語程度とされています。

つまり、小学校で身についた語の多くは、音と絵で覚えた語です。授業では先生の声を聞き、絵カードを見て、みんなで言う。文字はカードの下や黒板の端に添えてあり、見ればなんとなく形がわかる、という距離にあります。教室で中1の4月によく見るのは、英語を聞けばすぐに意味を言えるのに、同じ語を教科書の文字で見ると読めない生徒です。library と言われれば「図書館」と答えられるのに、文字で見ると最初の l で止まる。耳の中にある語と、目の前の文字の列が、まだ一本の線でつながっていないのです。

中学に入ると、この線が急に要るようになります。中学校の学習指導要領は、扱う語を、小学校で学習した語に1,600〜1,800語程度の新しい語を加えたもの、と書いています。小学校の600〜700語程度は、中学では知っている語として土台に置かれ、その上に新しい語が積まれる形です。小学校の分と中学の新しい分を合わせると、中学を出るころに目にしている語は2,200〜2,500語程度という計算です。書くことの目標も、小学校の「書き写す」「例文を見て書く」から、中学では「正確に書く」へ変わります。土台のはずの語が文字で読めないと、教科書の英文を読むたびに、新しい語と、知っているはずの語の両方で止まることになります。

聞く、言う、読む、書くの順に進めるのには理由があります。図1のように、4つは階段になっていて、下の段が上の段の足場です。聞いてわかる語なら、文字を見たときに「あの音のことだ」と照らせるので、読む練習は新しい語を覚えるより軽くすみます。読める語を書き写せば、書きながら声に出して確かめられるので、写した文字が意味を持ちます。逆に、読めない語をいきなり何回も書かせると、手は動いても、書いた語を読んでみてと言われたときに読めません。形を写しただけで、音とも意味ともつながっていないからです。

図1 聞く・言う・読む・書くの4段と、学校で始まる学年

図1の右端の段だけは、小学校と中学で中身が違います。小学校の書く段は、見本を見て写し、例文をまねて自分のことを書くところまで。中学に上がってから、見本なしで正しく書くことが求められます。低学年のお子さまの英単語の覚え方を聞かれることもありますが、学習指導要領で英語の時間が始まるのは3年の外国語活動からです。1・2年のうちは、歌や絵本で聞いてわかる語を増やすことが、そのまま一番下の段を広げることになり、文字を急ぐ必要はありません。

3月の居間で、英語だけのカードを読み分ける手順

ここからは、小6の3月に、平日に1日15分を取れるお子さまを例にした始め方です。枚数と分は目安で、15分で終わらない日は枚数を減らしてください。5年生や、6年生の秋から始めるときも、同じ順でかまいません。

  1. 語を集める(初日・30分)。5・6年の教科書と、授業で配られたワークシートを机に出し、絵と英語が並んでいる頁から語を拾います。食べ物、教科、町の建物、1日の生活、行事のように、授業で何度も言った語のまとまりから始めると、拾うのが速く進みます。
  2. 耳で仕分ける(初日・10分)。保護者が英語を1語ずつ言い、お子さまは絵を指すか日本語で答えます。意味がすぐに出た語だけを、次の文字の仕分けに回します。意味が出なかった語は「音から」の山に分け、読む練習には入れません。聞いてわからない語を文字から覚えさせると、一段飛ばしになるからです。
  3. 文字で仕分ける(2日目・15分)。教科書の頁の絵を紙で隠し、英語だけを指して声に出して読んでもらいます。迷わず読めたら○、つかえながら読めたら△、読めなかったら×を、拾った語の一覧に鉛筆で付けます。△と×の語だけを、表に英語、裏に絵か日本語を書いたカードにします。600〜700語を全部カードにする必要はありません。○の語はもう読める語なので、カードにせず、書き写しの候補として一覧に残します。
  4. 読む練習(毎日・7分)。×と△のカードから、1日10枚を出します。まず裏の絵を見て英語で言い、次に表を返して、言いながら文字を左から指でなぞり、最後に表だけでもう一度読みます。10枚で7分に収まらなければ、次の日から8枚に減らします。
  5. 聞いて言う(毎日・5分)。「音から」の山の語を、保護者の声か、教科書に音声がついていればその音声で聞き、まねして言い、絵を指します。意味がすぐに出るようになったら、手順3の文字の仕分けへ移します。
  6. 書き写す(毎日・3分)。最初の仕分けで○だった語と、読む練習で2日続けて○が付いた語を、4本の線が引かれた英語のノートに書き写します。1語に1行を使い、行の左に小さく絵か日本語を書いてから、英語を2回写します。写したら、指でなぞりながら声に出して読みます。書く量より、写した語を読めることのほうを重く見ます。
  7. 見ないで書く(土曜・10分)。書き写した語のうち、自分のことを書く文に使う語だけを選び、最初は5語ほどにします。たとえば例文 I like soccer. を4線に写し、soccer のところを自分の好きなものに替えて、カードを見ずに書きます。書いたらカードと並べ、違っていた文字にだけ赤で丸を付けます。
  8. 4月につなぐ(入学の前の週・25分)。中学の教科書の最初の課を開き、読める語の上に鉛筆で小さな点を付けていきます。点の付かなかった語が、4月の授業で初めて出会う新しい語です。点の付いた語が多いほど、新しい語に時間を回せます。

1枚のカードは、図2のように、聞いてわかる、読める、書き写せる、見ないで書ける、の順に進みます。読めない×のカードは書く段に進めず、読む練習の山に残します。2日続けて○が付いた語だけが書き写しへ進み、何日も×が続く札は音の段に戻します。

図2 1枚のカードが、聞いてわかる語から見ないで書ける語へ進む順

1週間の割り振りは、たとえば次のようになります。

曜日 聞いて言う 読む練習 書き写す 合わせて
月 5分 7分。×と△の山から10枚 3分 15分
火 5分 7分。前の日に×だった札を先に、合わせて10枚 3分 15分
水 5分 7分。前の日に×だった札を先に、合わせて10枚 3分 15分
木 5分 7分。月〜水にまた×が付いた札だけ 3分 15分
金 5分 7分。前の日に×だった札を先に、合わせて10枚 3分 15分
土 なし なし 見ないで書く10分 10分
日 家族とかるた10分 なし なし 10分

平日の15分を5日と、土日の10分ずつを足すと、1週間で95分です。木曜を、新しい札を開けずに×の札だけを見る日にしているのは、同じ札で何日も×が続いていないかを、週の半ばで一度見るためです。木曜にも×が付いた札は、手順2の「音から」の山へ戻します。絵があれば意味は言えても、耳に入っている音そのものがあいまいなまま、ということがあるからです。音をはっきり聞き直してから、もう一度文字に戻ります。学校の宿題で15分が取れない日は、読む練習の7分だけにします。カードを嫌がるときは枚数を半分にし、読めた札の数をお子さま本人に数えてもらいます。

学年によって、どの段までをやるかも変わります。

学年 学校の英語 家でやること つづりを見ないで書くか
1・2年 学習指導要領の英語の時間はまだ置かれていない 歌、絵本、指さしで聞いてわかる語を増やす 書かない
3・4年 外国語活動。聞くことと話すことが中心 聞いて言う。アルファベットの形と名前に慣れる 書かない
5年〜6年の夏 外国語。読むことと書くことが加わる 授業で言った語を、英語だけのカードで読む 書き写しまで
6年の秋〜3月 外国語 読めない語を拾い、読める語にする 自分のことを書く数語だけ
中1の4月 新しい語が加わり、正確に書くことが目標になる 教科書の読める語に点を付ける 授業の進み方に合わせる

小学生の英単語のノートは、きれいにまとめるための帳面ではありません。読める語を写して、声に出して読み返すための帳面です。1冊を最初の頁から順に使い、頁の上の端に日付だけを書いておくと、春休みの終わりに、どの週にどの語を写したかを、お子さまと一緒にめくって確かめられます。

書かせすぎと先取りで、春休みが空回りするとき

よくあるつまずきは4つです。どれも、まじめに取り組むお子さまと保護者ほど起こりやすいものです。

1つ目は、600〜700語を全部書けるようにしようとしてしまうことです。小学校の書く目標は、書き写しと、例文を見ながら自分のことを書くところまでで、正確に書くことは中学の目標です。全部を書かせると、1語にかかる時間が読む練習の何倍にもなり、春休みが書き取りだけで終わります。こう変えます。書くのは、読める語のうち、自己紹介や好きなもの、家族、学校の行事のように、自分のことを書く文に使う語だけにします。

2つ目は、日本語を言って英語を書かせる問い方をしてしまうことです。保護者がテストのつもりで「図書館は?」と聞き、お子さまがつづりを書けずに黙る。これは、階段の一番上の段を、下の段を確かめないまま問うている形です。こう変えます。英語のカードを見せて読ませるか、英語を言って絵を指させる向きで確かめます。日本語から英語を書かせる問いは、見ないで書く練習を始めた数語だけに使います。

3つ目は、形の似た小文字を取り違えてしまうことです。b と d、p と q は、書き写しで向きが入れ替わりやすい文字です。bed を写したはずのノートに ded と書かれている、というのは教室でよく見る答案です。小文字は、4本の線のどこからどこまでを使うかも文字によって違い、b と d は上に伸び、p と q は下に伸びます。こう変えます。書き写すときに「b は縦の棒が先、d は丸が先」と書く順を声に出しながら写し、線のどの高さから書き始めたかを、写すたびに指で押さえます。

4つ目は、春休みに中学の新しい語を先取りしてしまうことです。中学の教科書を開いて不安になり、知らない語から覚えようとする。図3のように、これだと4月の授業で、新しい語と、小学校で聞いたはずの語の両方で止まります。こう変えます。春休みは、知っている語を読める語にするほうへ時間を使います。そうしておけば、4月の授業では新しい語だけに集中できます。気になるなら、手順8で点の付かなかった語を、入学の前に一度、音で聞いておく程度にとどめます。

図3 春休みに新しい語を先に覚えるか、知っている語を読めるようにするかの比べ

確かめの問題

次の3問は、保護者がお子さまと一緒に考えてもよい問いです。

問1 小6の3月、お子さまは絵を見せると carrot と英語で言えます。ところが、英語だけのカードを見せると読めませんでした。次にやることとして合うものを、ア〜ウから1つ選んでください。

問2 たとえば1日24分を、聞いて言う、読む練習、書き写すの3つに、1対2対1の割合で分けます。それぞれ何分になりますか。また、この分け方を平日5日続けたとき、読む練習の時間は合わせて何分ですか。

問3 小6の春休みに、見ないで書く練習を始める語を1つ選びます。次のうち、最初に選ぶのはどれですか。

答えと考え方

問1はイです。絵を見て英語で言えるのは、聞く段と言う段まで届いている印で、足りないのは読む段です。音と文字を結ぶ練習に進みます。読めない語を何回書いても、形を写すだけになります。ウのように飛ばすと、4月に同じ語で止まります。

問2は、24分を1対2対1に分けるので、1つ分は 24 ÷ 4 で6分です。聞いて言うが6分、読む練習が12分、書き写すが6分になります。読む練習は12分の5日分で、合わせて60分です。

問3はアです。見ないで書くのは、迷わず読めて、書き写しもすみ、自分のことを書く文に使う語からです。イはまだ読む段の手前にいるので、書く段には進めません。ウは聞いてわかる段にもまだ届いていない語なので、いま書く語ではありません。

保護者が家でできること

家での確かめは、テストより遊びの形のほうが続きます。かるたなら、英語だけのカードを机に広げ、保護者が英語を1語言い、お子さまが文字のカードを取ります。音を聞いて文字を選ぶので、聞く段と読む段のつなぎ目を、そのまま確かめられます。取れなかった札は、翌日の読む練習の山に戻します。低学年のお子さまなら、文字のカードの代わりに絵のカードを使い、言われた絵を指すだけで十分です。夕ごはんの前に、献立の中から英語で言える食べ物を1つ選び、そのカードを読んでもらうのも、毎日続けやすい形です。

声のかけ方は、「読めた?」と結果を聞くより、「読んで聞かせて」と頼むほうが、お子さまは口を開きます。○の付いた札の数を数えるのも、お子さま本人に任せます。

言わないほうがよい言葉もあります。「小学校で英語をやってきたのに」は、お子さまには、やってきたことが役に立っていない、と聞こえます。「聞けばわかる語がこれだけある。あとは文字と結ぶだけ」と言い換えます。「書けないと中学で困る」も、書く段を急がせる言葉です。「書くのは中学でも練習する。いまは読める語を増やそう」と言い換えると、春休みの15分の向きがそろいます。

個別指導で確かめること

中1の初めに英語の授業で止まった生徒には、教科書の英文を1語ずつ声に出して読んでもらい、どの語で止まるかを確かめます。止まった語が小学校で聞いたことのある語なら、英語だけのカードの仕分けまで戻ります。聞いても意味がわからない語なら、音の段まで戻ります。小文字の形や高さが崩れているときは、4本の線への書き写しまで戻ります。戻る段が決まれば、その日から家で使うカードの山も、そこに合わせて作り直せます。

まとめ

小学校で扱う600〜700語程度は、中学の学習指導要領が、新しい語を積む前の土台として置いている語です。春休みにその土台を文字で読めるようにしておけば、居間で一度閉じた教科書も、4月には軽く開けます。英語だけのカードの山が薄くなっていくのが、その手ごたえです。中学の英語の1頁目は、小学校で聞いた声を、文字で読み返すところから始まっています。

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