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不登校の勉強アプリは出席扱いになるか—文部科学省の要件と、学校に相談する順番|武蔵野個別指導塾

アプリを入れただけで出席扱いになることはなく、判断は在籍校の校長が下します。家と学校の連携や定期的な対面の指導など七つの要件から担任へ最初に送る一文まで、電話をかける前の晩に確かめられます。
学習アプリを使っているというだけで、出席扱いになることはありません。文部科学省は、不登校の小中学生が家でコンピュータやインターネットなどを使って学んだ日を、出席扱いにできる要件を七つ示しています。けれども扱いを決めるのは在籍している学校の校長で、全国で一律の基準は置かれていません。七つの要件の中心にあるのは、アプリの名前や値段ではなく、家と学校がつながっていること、人と顔を合わせる指導が定期的にあること、計画に沿った学習であることです。だから順番は、アプリを選んでから学校に頼むのではなく、学校に相談してから使い方と記録の残し方を決める、になります。今夜の最初の一手は、お子さまと一緒に画面を開き、何をどれだけやったかの記録がどこに残っているかを確かめることです。
よくあるのは、担任に電話する前の晩、お子さまが使っている学習アプリの画面を居間で一緒に見るという場面です。画面には続けた日数や、終えた単元に付いた印が並んでいます。親は、これだけやっているなら学校も認めてくれるはずだと思い、お子さまは、先生にこれを見せるのかと肩をすくめる。翌朝の電話で何をどう切り出すかが決まらないまま、スマホの明かりだけが二人の手元を照らしています。
文部科学省の七つの要件と、決める人
もとになっているのは、文部科学省が令和元年10月25日に出した、不登校の子供への支援についての通知です。その別記の一つが、家でICT、つまりコンピュータやインターネットなどの情報の道具を使って学んだ場合の出欠の扱いを定めています。要件を満たし、校長が有効で適切だと判断したとき、その日を指導要録の上で出席扱いにし、学んだ成果を評価に入れることができる、という中身です。指導要録とは、学校が子供一人ずつについて残す公式の記録のことです。対象は小学校と中学校など、義務教育の段階に限られています。
七つの要件を、通知の順に、言葉を開いて並べ直すと次のようになります。
- 家と学校のあいだで、十分に連絡を取り合い、協力できていること。
- 学習は、コンピュータやインターネット、遠隔の授業の仕組みのほか、郵送やFAXで届くものも含めた形で提供されていること。
- 家庭訪問などで顔を合わせる指導があることが前提で、その指導が学習の支えや将来の自立に向けた支えとして、定期的に続いていること。
- お子さまの理解の程度を踏まえた、計画のある学習のプログラムであること。
- 校長が、対面の指導や学習の様子を十分につかんでいること。指導に当たる人から定期的に報告を受ける、担任や保護者を交えて連絡の場を持つ、といった方法が例に挙がっています。
- 基本的には、学校の外の公的な機関や民間の施設で相談や指導を受けられない場合の学習であること。
- 学習の成果を評価に入れるのは、学校がつかんだ計画と中身が、その学校の教育課程に照らして適切だと判断されたときであること。
このほかに、いま登校を望んでいるかどうかにかかわらず、本人が望んだときに学校へ戻りやすくなる学習であり、自立の助けになると校長が判断することも、扱いの条件に含まれています。

図1のように、七つは三つの束に分けて見ると整理がつきます。一つ目の束は人で、家と学校の連携、定期的な対面指導、校長が把握すること、の三つがここに入ります。二つ目は学びで、ICT等の学習という届け方、理解に合う計画、教育課程に照らす評価の三つ。三つ目は前提で、外の施設に通えないときの学びとして置かれている点です。並べてみると、アプリそのものに関わるのは二つ目の束の一部だけで、残りは学校と家がどう組むかで決まることだとわかります。
文科省は、学習を提供する者とは教材を作った者のことではなく、お子さまに学習をさせる立場の者を指す、と書き添えています。同じアプリでも、学校や教育支援センターが計画を立てて進み具合を見ているのか、家の中だけで開いているのかで、話はまったく変わるということです。例として挙げられているのは、民間の事業者のICT教材、パソコンで一人ずつ進める仕組み、教育支援センターが作った教材などです。学校のプリントや通信教育、在籍校の授業を家に配信する形も入っていて、紙のプリントまで含まれています。
どの程度の学習なら有効と見るかについて、文科省は一律の基準を示していません。子供の状況も、学校や地域の事情も違うからです。そのかわり、学校や教育委員会が一定の基準を作っておくことは必要だとしています。出席扱いにする日数の数え方も、対面の指導の日数や学習の時間などをもとに、学校や教育委員会が決まりを作って判断する形が考えられる、という書き方です。
文科省のページには、出席扱いと判断されなかった例が二つ載っています。一つは、学校が家庭訪問による対面の指導を用意したのに、家庭の協力が得られず、子供の様子も学習の様子も十分に確かめられなかった例です。もう一つは、無料のインターネットの学習プログラムを使っていたものの、そのプログラムで何をねらい、何を学ぶのかがはっきりしなかった例です。二つ目で分かれ目になったのは、無料だったことではありません。ねらいと中身が学校から見えなかったことです。
あわせて文科省は、家での学習を出席扱いにすることで、不登校が必要以上に長く続く方向へ背中を押さないよう気をつけるべきだ、とも書いています。家にこもる期間が長くならないよう、外の公的な機関や民間の施設での相談へ、段階を踏んでつないでいくことも大切だという考え方です。出席扱いは到着点として置かれているのではなく、学校とのつながりを切らさないための仕組みの一つとして置かれています。
家でできる手順
図2は、アプリの話を学校へ持っていく順番を、今夜から1か月後の見直しまで一本の流れにしたものです。アプリの話が出てくるのは4番目で、ここで初めて今の物を続けるか替えるかを考えます。それより前に、記録を整える段と学校と話す段を置きました。6番目の先にある右下の箱は、家の手順がそろえるのは判断の材料までで、決めるのは校長だということを示しています。

1. 今夜、画面の記録を紙に写す
最初に、お子さまに「明日先生と話すとき、どんな勉強をしているか伝えたいから、どこまで見せていいか一緒に決めよう」と声をかけ、許しを得てから画面を開きます。見る所は三つです。学んだ日と時間の履歴、終えた単元の名前、確認テストの結果。文科省も、民間の教材やインターネットの学習の仕組みを使う場合は、学習の履歴や時間、確認テストの結果などをもとに評価することが考えられる、としています。画面のどこにそれがあるかがわかったら、A4の紙を1枚用意し、左の端に先週7日分の日付、その横に教科と単元、右の端にかかった時間を書き写します。空いている日は空いたままにしておきます。学校に渡すのは立派な記録ではなく、今の様子がそのまま伝わる紙で十分です。紙の下の余白は、後で担任と話すときのメモ欄として空けておきます。
2. 担任に、相談の場を申し込む
電話でも連絡帳でもかまいません。最初の一文は「家での勉強を、学校とどうつなげたらいいか相談したいので、時間をいただけますか」です。この時点で出席扱いという言葉を前に出さないのには、理由があります。七つの要件の一つ目が家と学校の連携で、相談の場そのものが出発点になるからです。扱いを決めるのは校長なので、担任一人でその場で返事ができる話ではありません。担任から校長へ話を上げてもらう流れになるため、最初の一回で答えを求めないほうが、話が先へ進みます。日時が決まったら、手順1の紙をクリアファイルに入れて、持っていく物の置き場所に立てておきます。
3. 面談で、基準と人と計画を聞く
面談では、手順1の紙を机の上に出し、担任と同じ向きから見られるように置きます。聞くことは、後ろの節の「学校と相談先で確かめること」に一覧にしました。その中でも最初に聞くのは、学校や市に基準があるかどうかと、定期的な対面の指導を誰が担えるかの二つです。対面の指導に当たる人としては、在籍校の先生のほか、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー、教育支援センターの職員、教育委員会などの研修を受けた人まで例に挙がっています。担任の答えは紙の余白に書き込み、その場で答えが出なかった項目には印を付けます。答えがそろわなくても、次に話す日を決めて帰れば、この段は終わりです。
4. アプリを決め直す
学校の話を聞いたあとで、今のアプリを続けるか、別の物にするかを決めます。見る点は値段ではなく四つです。学年と単元を選べるか。学習の履歴が残り、学校に見せられる形で取り出せるか。学校の教科書の範囲と照らし合わせられるか。何をねらって何を学ぶのかを、親が担任に説明できるか。計画は、学年や理解の程度に応じて、在籍校の年間の指導計画に沿った月ごとや学期ごとの長めのものが望ましいとされています。民間の教材なら、もともと決められている学習のプログラムを使ってもかまわない、とも書かれています。学校から配られている端末で家で使えるものがあるかどうかも、この段で学校に聞いておきます。迷ったら、新しい物を足すより、今ある物の使い方を学校の計画に合わせるほうを先に試します。
5. 週の枠と報告を回す
学校と決める計画は月や学期の単位でも、家で動かすのは1週間の枠です。曜日ごとに教科と時間帯だけを決め、1回の長さは15分から始めます。朝に起きる時刻がまだそろわない時期なら、時間帯は午後でも夕方でもかまいません。枠を決めるのはお子さまで、親は決まったことを紙に書き留める係に回ります。そして週に1回、曜日を決めて、手順1と同じ形の紙か画面の履歴を学校へ渡します。添えるのは一行だけで、何ができるようになったか、どこで止まったかのどちらかです。対面の指導がある日には、その一行を話の入口に使ってもらうよう、担任に頼んでおきます。
6. 1か月後に見直す
最初の面談から1か月後を見直しの日にして、家のカレンダーに書き込みます。見直すのは三つです。週の枠が多すぎなかったか、記録の形は学校にとって使いやすいか、対面の指導の間隔は無理がなかったか。この日までに扱いが決まっていなくても、慌てて結論を迫る必要はありません。学校と記録をやり取りする道が続いていれば、それが一つ目の連携と五つ目の把握の土台になります。
言葉と場面の例
ここでは、家と学校のあいだでつい口にしがちな言葉を、五つの場面に分けて言い換えます。
- 画面を見ながら、お子さまに
- 言いがち「毎日やってるんだから、出席になるよね」
- 言い換え「これ、先生にも見てもらえる形にしてみようか」
- なぜ変えるか: 出席を先に約束すると、ならなかったときに、お子さまは自分の努力まで否定されたように受け取ります。決めるのは校長で、親が先に結果を口にしないほうが、学びそのものを守れます。
- 担任から、前例がないと言われたとき
- 言いがち「ほかの学校ではできていると聞きました」
- 言い換え「前例がないなら、最初の一人として何を用意すればいいか教えてください」
- なぜ変えるか: よその学校と比べると、担任は守りの返事しかできなくなります。用意する物を尋ねる形にすると、基準作りの相談に話が移ります。
- 先生の家庭訪問を、お子さまが嫌がるとき
- 言いがち「先生と会わないと出席にならないんだから、会いなさい」
- 言い換え「先生が来る日、玄関で少し話すのと、居間で座って話すの、どっちがいい」
- なぜ変えるか: 対面の指導は要件の一つですが、出席のための条件として押しつけると、会うこと自体が重くなります。会い方を選べると、その日を迎えやすくなります。
- その日の学習について聞くとき
- 言いがち「今日は何分やったの」
- 言い換え「今日の中で、いちばん手応えがあった問題はどれ」
- なぜ変えるか: 時間は、画面を開いておくだけでも増えます。手応えを聞くと、週の報告に添える一行が、お子さまの言葉で埋まります。
- 学校に記録を渡すとき
- 言いがち「全部できています」
- 言い換え「この単元で止まっています。学校ではいまどこを進めていますか」
- なぜ変えるか: できていない所を先に出すと、学校は計画を合わせる手がかりを得ます。全部できていると伝えるより、次の対面の指導で何をするかが具体になります。
やりがちな三つのずれ
図3に、親がやりがちな三つと、その直し方を並べました。どれも、子供のためを思って急いだときに起きやすいものです。

1. アプリを先に決めて、学校には結果だけを求める
七つの要件のほとんどは、学校との連携と計画の側にあります。家だけで決めた物を後から持ち込むと、学校の計画と照らし合わせる手間が増え、話が認めるか認めないかの一点に縮んでしまいます。直し方は、学校と先に話すことです。今使っているアプリはそのまま続けてかまいません。選び直すかどうかは、面談で学校の考えを聞いてから決めます。
2. 値段で決める
無料だから認められない、有料なら通る、という決まりはありません。文科省が挙げた例で分かれ目になったのは、学習のねらいと中身がはっきりしていたかどうかでした。直し方は、ねらいと中身で選ぶことです。そのアプリで何をねらい、何を学ぶのかを、親が担任に1分で説明できるかどうかを、選ぶときの物差しにします。
3. 毎日見張る
出席扱いのための記録だと思うと、毎晩画面をのぞきたくなります。けれども毎日確かめられると、学習が見張られる時間に変わり、アプリを開くこと自体を避けるようになることがあります。直し方は、見る日は週1回と決めることです。その日以外は画面をのぞかない約束をお子さまと交わし、週の報告の日にだけ一緒に記録を開きます。
よくある質問
高校生でも、家でのアプリの学習は出席扱いになりますか
家でICTなどを使った学習を出席扱いにする文科省の扱いは、小学校と中学校など義務教育の段階を対象にしています。高校生の欠席や単位の扱いは、在籍している高校の決まりによります。欠席が続いているなら、単位がどうなるかを、早めに担任か学年の先生に確かめてください。高校生のアプリの学習も、記録を紙に写して持っていけば、相談の材料として役に立ちます。
学校のタブレットで勉強すれば、出席扱いになりますか
道具の種類で決まるわけではありません。文科省の例には、在籍校の授業を家に配信して学ぶ形も挙がっていますが、学校の端末を使った学習でも、家と学校の連携や定期的な対面の指導、計画に沿った学習が求められる点は変わりません。学校の端末で家から何ができるかは学校によって違うので、面談のときに担任に聞いてください。中学生なら、学校の端末の課題と、家のアプリの学習を、同じ記録の紙に並べて書いておくと話が早くなります。
出席扱いになったら、成績もつきますか
出席扱いにしたからといって、学んだ成果を必ず評価に入れるわけではありません。評価に入れる場合でも、すべての教科と観点に評定がつくとは限らず、指導要録の所見の欄に家での学習の様子が文章で書かれたり、通知表などで成果が伝えられたりする形もあります。2024年8月からは、欠席中の学習の成果を学校の判断で成績の評価に考慮できる仕組みも別に設けられましたが、これも決めるのは学校です。高校入試での扱いは、志望校と中学の先生に確かめてください。
学校と相談先で確かめること
担任との面談では、次のことをそのまま聞いてかまいません。
- 家での学習を出席扱いにするときの、学校や市の基準はありますか
- 定期的な対面の指導は、誰が、どのくらいの間隔でできますか
- 学習の計画は、学校の授業の進み方や教科書の範囲とどう合わせますか
- 学習の記録は、誰に、いつ、どの形で渡せばよいですか
- 出席扱いにする日数は、何をもとに数えますか
- 学校の端末で、家から使える課題や授業の配信はありますか
学校の中では、担任のほかにスクールカウンセラーに相談できます。来る曜日は学校に確かめてください。武蔵野市に住んでいる場合は、市の教育支援センターの教育相談と、市役所の教育支援課にいるスクールソーシャルワーカーが窓口です。市のチャレンジルームやむさしのクレスコーレの見学や利用の相談も、スクールソーシャルワーカーが受けています。都の窓口としては東京都教育相談センターがあります。三鷹市や小金井市、西東京市から通う家庭なら、お住まいの市の教育委員会にある教育相談の窓口が入口になります。心や体の不調が続いているときは、勉強の話より先に医療機関に相談してください。
個別指導で確かめること
1対1の授業では、アプリの履歴に残った単元の名前を出発点にします。画面の上で終わったことになっている単元から1問を選び、紙の上で途中の式や考えた順番まで書いてもらうと、わかって進んだ所と、選択肢を当てて進んだ所が分かれて見えてきます。
止まっていた所が見つかったら、学校の教科書のどのページにあたるかを付箋で示し、家の1週間の枠に戻せる大きさに切り分けて返します。出席扱いを判断するのは在籍校の校長です。授業の側で確かめるのは、その判断の材料になる記録の中身が、本当に身についた学びを映しているかどうかまでです。
まとめ
アプリが出席扱いになるかどうかは、アプリの中では決まりません。判断の材料になるのは、家と学校の連携、定期的に顔を合わせる指導、計画に沿った学習と、その記録です。居間で一緒にのぞいた画面の数字は、紙に写されて担任の机に置かれたとき、はじめて相談の言葉に変わります。
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