
武蔵野個別指導塾の特徴
勉強についていけないことが不登校のきっかけのとき—授業のどこで止まったかを見つける手順|武蔵野個別指導塾

数学の時間を長く感じて休みが増えた中1の家で、ノートの日付と答案の空白と教科書の目次から止まった単元を一つに絞り、補充の指導や別室を担任に頼むところまで、休んだ日をカレンダーに書く今夜から歩き出せます。
勉強についていけないことがきっかけに見えるときも、最初にするのは原因を決めることではなく、授業のどこで止まったかを一つの単元まで絞ることです。「ついていけない」という大きな言葉のままでは、家も学校も手の打ちようがありません。止まった単元が一つに決まれば、補充の指導や課題の量の相談を、担任に具体的な形で頼めます。今夜の最初の一手は、カレンダーに休んだ日を書き込み、学校の時間割表と並べることです。お子さまを呼ぶ必要はなく、親が一人で10分あればできます。
よくあるのは、中1の秋の夕食のあとにお子さまが「数学の時間がいちばん長い」とぽつりとこぼし、その週から休みが増えていく、という場面です。月に1日あるかどうかだった欠席が、朝の支度が遅れる日をはさんで、週に1日か2日になります。何がわからないのかを聞いても、返ってくるのは「全部」の一言だけ。休んだ日を思い返すと数学のある曜日が多い気もするけれど、たまたまかもしれない。親はその迷いを抱えたまま、担任への連絡を先延ばしにしています。手順は、この迷いのところから始めます。
休みが増えるとき、子供の側で重なっていること
「数学の時間がいちばん長い」という言葉は、時間割の長さの話ではありません。時間割の上では同じ一コマでも、黒板の式がどの行からどの行へ移ったのかがわからなければ、手を動かして写しているだけの時間が続きます。中1の数学は、正負の数の計算を土台にして文字の式が乗り、その上に方程式が乗る形で進みます。一か所で止まると、次の授業は止まった所の上に積まれていくので、本人の体感では授業が毎回少しずつ遠ざかっていきます。長く感じるのは、わからないまま座っている時間だからです。
止まっていても、それを口に出す場が見つからないことがあります。小学校では担任が多くの教科を受け持ち、つまずいた様子に気づいてもらえる場面がありました。中学では教科ごとに先生が替わり、授業が終わると先生は次の教室へ移ります。手を挙げて聞くには、どこがわからないかを自分の言葉で言える必要がありますが、止まっている子供ほど、それが言えません。「どこがわからないのかがわからない」のは怠けではなく、質問の入口が見つからない状態です。周りが解けているように見えるほど、入口はさらに遠くなります。
休みが数学の日に重なって見えても、きっかけが勉強だけとは限らず、いくつかが重なることがあります。同じ時期に、友だちとの関係の変化や部活の大会の続く週、朝の体調のすぐれなさ、行事の準備で騒がしい教室がなかったかを思い返してみます。本人が口にしやすいのは「勉強がわからない」のほうで、ほかのことは言葉にしにくいこともあります。図1のように、授業がわからない、友だちのこと、体調・朝の様子、部活・行事の四つを、一つに決めず並べて見るところから始めます。体の不調が続くなら医療機関に、学校生活のことなら担任やスクールカウンセラーに、早めに相談してかまいません。

もう一つ起きやすいのは、休んだ日の授業がそのまま抜けて、わからない所が増え、次に出た授業がさらに遠く感じられるという流れです。文部科学省は令和元年の不登校についての通知で、「学業の不振が不登校のきっかけの一つとなっている」と書いています。そのうえで学校には、子供が学ぶ中身を確実に身につけられるよう、指導の方法や体制を工夫することが望まれるとしています。家で引き受けられるのは、この流れの中で、お子さまが今どの単元の前に立ち止まっているのかを、紙の上で確かめることです。
止まった所を見つける、家での手順
手順は、親が一人でできることから並べ、お子さまの手を借りるのは後半だけにしています。全部を一日で済ませる必要はありません。1と3から5は今週のうちに親が進め、2はお子さまに一言聞くだけです。6はお子さまの調子がよい日を待ち、7と8はその翌週でも間に合います。
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今夜、休んだ日と時間割を同じ紙に並べます。壁のカレンダーか手帳に、ここ1、2か月で休んだ日、遅れて行った日、早退した日の印を付けます。その横に時間割表を置き、休んだ日にどの教科があったかを書き出します。同じ欄に、部活のある日、体育や行事の日、前の晩に寝た時刻を覚えている日も書き添えます。目的は数学の日が多いかを確かめることではなく、勉強以外の重なりも同じ紙に載せることです。書き終えたら、結論を出さずに紙をしまいます。
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ノートを借りる前に、ひとこと許可を取ります。好きな番組が終わったあとや、休日の昼ごはんのあとのように、お子さまが落ち着いている時間に「数学のノートと返ってきたプリント、ちょっと借りてもいい? 叱るためじゃなくて、どのあたりまで平気だったかを知りたいだけ」と聞きます。借りるのは数学の一教科だけにします。嫌だという返事なら、その日はそこで終わりにし、手順1の紙だけを持って学校に相談する道に切り替えます。黙って鞄を開けると、その後の手順にお子さまが加わらなくなります。
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ノートで、最後に整っているページを探します。ノートは後ろからではなく、前からめくります。見るのは字のうまさではなく、板書が最後まで写されているか、途中式が書かれているか、問題の横に丸や直しの跡があるか、の三つです。ある日付を境に、板書が途中で切れる、答えだけが並ぶ、ページが空く、という変化が出ることがあります。そのノートの日付が一つ目の手がかりです。そのページに付箋を一枚だけ貼り、日付を手順1の紙に写します。
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答案と小テストで、空白が続き始める所を探します。返ってきた定期テスト、小テスト、授業のプリントを日付の順に並べます。点数は見ないと決めて、どの大問から空白やバツが続いているかだけに目を向けます。正負の数の計算には丸が並ぶのに、文字を使って式に表す問題から空白が増える、というような境目が見えることがあります。この答案の空白の始まりと、ノートの日付が近ければ、そこが止まった所の候補です。
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教科書の目次で、単元の名前に置き換えます。ノートの日付と答案の空白を、教科書の目次の単元に当てはめます。「10月の半ばごろ」という時期を、目次の上では「文字の式」の「式の値」のあたり、と言い直すのです。目次の単元に付ける印は、境目と思う所に引く一本の線だけにします。図2のように、ノートの日付、答案の空白、目次の単元の三つの紙を突き合わせ、単元を一つに絞ります。三つが同じ所を指さないときは、いちばん早い時期を指している物を採ります。

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例題を一問だけ解いてもらいます。単元が一つに決まったら、その単元の一つ前の単元から、教科書の例題を一問だけ選びます。お子さまの調子がよい日に「この一問だけ、どこまで書けるか見せて。途中で止まってもいいから」と頼み、親は説明をせずに横で待ちます。解ければ、境目はその後ろにあります。途中で手が止まれば、もう一つ前の単元の例題で同じことをします。一日に試すのは二問までにして、できなかった問題も丸つけで終えます。ここで見えてくるのは、どの単元の、どの一行で鉛筆が止まるかです。
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学校へ持っていくメモを一枚にまとめます。A4の紙に四行だけ書きます。一行目は教科と単元で、たとえば「数学、文字の式の式の値のあたり」。二行目は最後に丸が続いていた時期で、「10月の小テストまで」。三行目は家で見えたことで、「正負の数の計算の例題は解けた」。四行目は勉強以外に気になることで、「部活の日の翌朝に起きにくい」。四行目は、きっかけを勉強に決めてしまわないための行です。この学校へのメモが担任との面談の最初の一枚になり、学校の外で学ぶ場所を使うときにも同じ物を渡せます。
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担任に面談を頼み、三つのことを相談します。メモができたら、連絡帳か電話で面談の時間を取ってもらいます。相談するのは、止まった単元から補充の指導を受けられるか、教室に入りにくい日に別の部屋で過ごして課題に取り組めるか、提出物の量や期限を止まった単元に合わせて調整できるか、の三つです。どれも学校が決めることなので、頼む形で伝えます。令和元年の通知は、学習の遅れを心配する保護者から進級の時期の補充の指導などを望まれたときは、柔軟に応じるよう学校に求めています。登校してきた子供が保健室や相談室、学校図書館も使いながら少しずつ学校生活に慣れていけるよう工夫することも、同じ通知に書かれています。
学校の補充と、学校の外の学びの組み合わせ方
学校の補充の指導だけでは足りないとき、あるいは教室に向かえない時期が続くときは、学校の外の学びを足すことを考えます。武蔵野市には、市の教育支援センターのほかに、学校に行けない子供が午前に自分で計画を立てて学ぶチャレンジルームがあります。不登校の中学生が過ごし方を自分で決められるむさしのクレスコーレもあり、どちらも利用の相談はスクールソーシャルワーカーが受けています。塾や家庭教師を使う家もあります。どこを使う場合も、手順7のメモを共通の目印にして、学校と外の場所がそれぞれ別の所から始めないようにします。学校の外で学んだ日を出席として数えるかどうかは、在籍している中学の校長先生が、学校と家と外の場所の連絡の様子を見て判断します。外の場所の側から約束できる話ではありません。
組み合わせるときの分け方は、学校には今の授業の範囲と提出物を、外の場所には止まった単元からの学び直しを、家には起きる時刻と休む日の見通しを受け持ってもらう、という形が基本です。三つの場所が同じ単元を同じ週に進めると、お子さまは一日に何度も同じ所でつまずく顔を見せることになり、どの場所でも疲れてしまいます。反対に、外の場所で止まった単元を越えたら、その単元の名前をメモに書き足して担任に伝えると、学校の補充はその次の単元から始められます。メモは一枚のまま、行を足していくのがこつです。
お住まいが武蔵野市の外なら、同じメモは、お住まいの市の教育委員会にある教育相談の窓口へ持っていきます。窓口の呼び名は市ごとに違っても、勉強のことを単元の名前で伝えられれば、話は早く進みます。
言葉と場面の例
止まった所を探しているあいだ、親の口から出やすい言葉があります。どれも悪気のない言葉ですが、探す手順の邪魔をすることがあります。五つの組を並べます。
言いがちな言葉は「どこがわからないの」。言い換えは「最後に『これはわかった』と思えた授業、いつごろだった?」です。「どこが」は、止まった所を本人がすでに見つけている前提の問いで、それが言えないから困っている子供には答えようがありません。「いつ」なら、記憶の中の授業を一つ思い出すだけで答えられ、その答えがそのままノートの日付と結びつきます。
言いがちな言葉は「みんな同じ授業を受けてるのに」。言い換えは「あの授業、進むのが速かった?」です。周りと比べる言葉は、わからない理由をお子さまの中に置いてしまいます。進む速さを聞くと、問題を授業の進み方とお子さまのあいだにあるものとして話せます。「速かった」と返ってきたら、「どの章のとき?」と一つだけ続けて聞けます。
言いがちな言葉は「わからないなら、先生に聞けばいいでしょう」。言い換えは「先生に聞くとしたら、何て書けばいいか一緒に考えようか」です。聞けばいいことは、お子さまもわかっています。止まっているのは、聞くための言葉が作れない所です。紙に一行、「方程式の移項のところから、わからなくなりました」と書けるだけで、職員室へ向かう足は軽くなります。親は言葉を作るのを手伝い、聞きに行くかどうかはお子さまが決めます。
言いがちな言葉は「休んだら、もっとわからなくなるよ」。言い換えは「休んだ日の分は、学校に相談して埋める道があるから、いまは止まった所を一つだけ探そう」です。先の心配を言葉にすると、お子さまの中では「もう追いつけない」という見通しに変わり、机に向かう前に気持ちが止まります。埋める道があると先に伝え、いまやることを一つに絞ると、手を動かす理由が残ります。
言いがちな言葉は「小学校のときは算数できてたのにね」。言い換えは「小学校の算数で、得意だった単元はどれだった?」です。昔と比べる言葉は、褒めているつもりでも「今はできない」を強めます。得意だった単元を聞くと、解ける所から話が始まり、手順6で例題を選ぶときの出発点にもなります。
やりがちな三つのずれ
止まった所を探し始めた家で起きやすいずれを、三つ挙げます。どれも熱心さから出るものなので、気づいた時点で直せば足ります。図3のように、左がやりがちなこと、右が直し方です。

一つ目は、「全部わからない」という言葉を受けて、教科書の最初のページから全部をやり直すことです。ずれるのは、すでに解ける問題を何日も解かせることになり、止まった所に着く前にお子さまが疲れてしまう所です。正負の数の計算がもうできる子供にそこから始めさせると、「意味のないことをさせられている」と感じて、机から離れる理由が増えます。直し方は、手順6のように例題で境目を確かめ、境目の一つ前から始めることです。
二つ目は、原因を一つに決める伝え方です。「原因は数学です」と言い切って学校に伝えると、学校の側も勉強の手当てだけを返してくることがあります。ずれるのは、友だちのことや朝の体調のように、同じ時期に重なっていたかもしれないことが、話の外へ出てしまう所です。直し方は、理由は決めずに伝えることです。「勉強ではここで止まっています。ほかに学校で気づいたことがあれば教えてください」と、わかったことと、まだわからないことを分けて話します。
三つ目は、止まった所を見つけたその夜に教え込むことです。見つかった途端、その場で説明を始めたくなります。ずれるのは、見つける時間が叱られる時間に近いものに変わり、次からノートを見せてもらえなくなる所です。親の説明がうまく伝わらないと、お子さまは家でもわからない顔をすることになります。直し方は、見つける日と教わる日を分けることで、教わるのは別の日に、学校の補充の指導か学校の外の学びの場で行います。見つけた夜は「ここまでわかったから、今日はもう十分」と言ってノートを返します。
よくある質問
英語や国語でも、同じやり方で止まった所が見つかりますか
見つかりますが、見る物が少し変わります。英語は、ノートより教科書の本文を一課ずつ音読してもらい、どの課から読む声が止まるかを見ます。単語が読めないのか、文の並び方がつかめないのかで、止まり方の見え方が違います。国語は単元どうしのつながりが数学ほど強くありません。境目を一本の線で探すより、漢字の小テストや文章を短くまとめる問題のように、同じ形の問題の結果がどこから崩れたかを見るほうが手がかりになります。どの教科でも、メモに書くのは単元の名前と、最後に解けていた時期の二つです。
塾や家庭教師で先に取り戻してから、学校へ戻したほうがいいですか
取り戻すことを登校の条件にしないほうが、お子さまの荷は軽くなります。止まった所からの学び直しは学校の外でもできますが、「全部わかるようになったら行く」という約束にすると、わからない所が一つ残るだけで、行けない理由が続いてしまいます。学校の補充の指導、別の部屋での学習、外の場所での学び直しは同じ時期に並べて進められます。登校をどうするかは、お子さまと学校と相談しながら別に決めます。外の場所を選ぶときは、手順7のメモを見せて、その単元から始めてもらえるかを確かめます。
高校生でも同じ手順でよいですか
形は同じで、ノート、答案、教科書の目次の三つから止まった所を探します。違うのは、高校は科目が細かく分かれていて、欠席や課題の扱いが単位の認定に結びつく点です。単位の基準や課題の扱いは学校ごとに決まっているので、止まった科目がわかった段階で、担任と科目の先生の両方に早めに相談し、補習や課題の出し直しの機会があるかを聞きます。高校の数学や英語は中学の内容に戻る必要がある場合もあるので、例題を選ぶために中学の教科書を残しておくと助かります。
学校と相談先で確かめること
担任との面談では、次のことをそのまま聞いてかまいません。
- 数学の授業は、いま教科書のどの単元を進めていて、次のテストの範囲はどこまでか
- 止まった単元から、放課後や空き時間に補充の指導を受けられるか
- 教室に入りにくい日に、保健室や相談室、図書室などで課題に取り組む形がとれるか
- 提出物の量や期限を、止まった単元に合わせて変えてもらえるか
- 休んだ日に配られたプリントを、まとめて受け取れるか
- スクールカウンセラーが学校に来る曜日と、面談の申し込み方
- 学校の外の学びを使うとき、学校とどう様子を伝え合うか、出席の扱いはだれがどう判断するか
相談の相手は、まず担任と数学の先生、次にスクールカウンセラーです。学校の外では、武蔵野市の教育支援センターとスクールソーシャルワーカー、東京都教育相談センターが、不登校や学校生活についての相談を受けています。どこへ行くときも、手順1の紙と手順7のメモの二枚を持っていくと、最初の説明に時間を取られずに済みます。
個別指導で確かめること
1対1の授業では、ご家庭のメモに書かれた単元の一つ前から、教科書の例題を声に出しながら解いてもらい、どの一行で手が止まるかを講師が横で見ます。止まった行が正負の数の符号なのか、文字と数のかけ算の書き方なのかで、戻る場所は変わります。その日のうちに止まった行を学校の授業の範囲と見比べ、補充の指導で何を頼めばよいかを、ご家庭が学校へそのまま持っていける形でメモに書き足します。
まとめ
休みが増えた理由を、勉強だと決める必要はありません。カレンダーと時間割の紙、ノートの付箋、答案の空白、目次の一本の線、例題の一問。この順に小さくしていけば、勉強のことは単元の名前で、それ以外のことはメモの四行目で、担任に渡せます。メモの一行目に単元の名前が一つ書けた日、「全部わからない」の山には、担任と一緒に崩し始められる端が一つできています。
「落ち着いている」は、「学んでいる」ではない。
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