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指定校推薦で落ちることはあるのか—高校の推薦のあとにも大学の判定が残る理由|武蔵野個別指導塾

校長の推薦をもらった後も、合否を決めるのは大学の会議です。出願の要件、書類と期日、面接や小論文という落ちうる三つの場面と、12月の結果の後に一般選抜へ移る日程を、令和9年度の実施要項に当てて確かめてみてください。
大学から枠を示された高校で、その高校の校長に推薦してもらって出願する。学校推薦型選抜の中のこの形を、指定校推薦と呼んでいます。この入試でも、落ちることはあります。校長の推薦は大学へ出願するための資格で、合格かどうかを決めるのは大学の側だからです。令和9年度の大学入学者選抜実施要項は、推薦を受けた人を大学が調査書などで評価して判定する入試として学校推薦型選抜を組み立て、合否の方法と基準を前もって示し、学内の会議で決めるよう大学に求めています。指定校推薦だけを数えた不合格率は、公式の統計にはありません。
| 確かめる点 | 令和9年度の大学入学者選抜実施要項にあること |
|---|---|
| 誰が判定するか | 校長の推薦を受けた人を、大学が調査書を主な資料に評価・判定する(実施要項 第3の1(3)) |
| 合否の決め方 | 方法と基準を前もって募集要項などで示し、教授会や入試委員会のような合議の場で決める(第13の5(4)) |
| 書類のほかに使う方法 | 個別テスト、共通テスト、小論文や面接など、資格や検定のうち、少なくとも1つを使う(第3の1(3)②) |
| 面接の扱い | 原則は必ず行う。入学を確約して受ける非公募型は、大学が要否を決められる(第3の1(3)①) |
| 日程 | 推薦の出願は2026年11月1日以降、結果の発表は12月1日以降。一般選抜の個別テストは2027年2月1日から3月25日まで(第4の2・5) |
よくあるのは、校内選考を通った後の10月、先輩や親戚から「指定校ならほぼ受かるよ」と言われ、放課後に続けてきた面接の練習をやめかけている、という場面です。手帳には練習の予定が週に2回書いてあって、その上に線を引こうとしたペンが止まる。合格した先輩の話は本当でも、先輩の年の書類と、今年あなたの高校に届いた書類が同じとは限りません。線を引く前に、この先に何が判定されるのかを確かめておきましょう。
校長の推薦は出願の資格、合否は大学の会議—令和9年度の要項の決まり
令和9年度(2027年4月入学)の大学入学者選抜実施要項は、大学の入試を一般選抜・総合型選抜・学校推薦型選抜の3つに分けています。指定校推薦という言葉そのものは要項に出てきません。学校推薦型選抜の節に、高校と緊密に連携して丁寧に組み合わせ、合格したら入学することを確約して受ける非公募型の選抜についての書き方があり、指定校推薦を考えるときに読むのはこの部分です。
学校推薦型選抜は、二つの段でできています。一段目は高校です。要項はこの選抜を「入学志願者自らの意志のみで出願できるものではなく」と書き、その大学・学部で学ぶにふさわしい力や意欲を持つ人かどうかを、校長が判断するものとしています。二段目は大学です。校長の推薦を受けた人を、大学が調査書を主な資料にしながら評価し、判定します。図1のように、校内選考を通って推薦をもらうのは一段目を越えたところで、二段目の判定はそこから始まります。

大学の判定は、書類を読むだけでは終わらない決まりです。要項は、調査書や推薦書のほかに、教科・科目の個別テスト、共通テスト、小論文や面接や実技の検査、資格・検定試験の成績のうち、少なくとも1つを必ず使い、そのことを募集要項に書くよう大学に求めています。面接は原則として必ず行うものとされていますが、入学を確約して受ける非公募型については、大学が実情に応じて要否を決められます。面接のある指定校推薦も、ない指定校推薦もあり、どちらなのかは大学の書類を開くまでわかりません。
合否の決め方にも、はっきりした線が引かれています。大学は合否判定の方法と基準を明確に決め、前もって募集要項などで示し、それを守らなければなりません。判定そのものは、教授会や入試委員会のように何人もで話し合う会議で行います。そのうえで要項は、決めた方法や基準によらずに特定の受験者を合格にしたり不合格にしたりすることを、公平さを欠く選抜として退けています。推薦をもらった人だけ基準を飛ばして合格にする扱いは、決まりの上では成り立たないのです。
要項にはもう一つ、大学が受験を勧めるときには、それが合格の約束だと誤解されないよう気をつける、という一文があります。指定校の枠を高校に示すことがこの勧誘にあたるかどうかまでは書かれていません。それでも、大学から声がかかることと合格が約束されることは別だ、という考え方は読み取れます。いまの高2が受ける令和10年度の実施要項はまだ出ていないので、出たら同じ箇所を読み直してください。
では、どれくらいの人が落ちるのか。文部科学省は大学の入学者選抜の実施状況をまとめていますが、学校推薦型選抜をひとまとめに数えていて、指定校と公募を分けていません。指定校推薦の不合格率を示す公式の数字は無い、ということです。ネットで見かける「ほぼ全員受かる」という言い方も、どこで誰が数えたのかを確かめられないので、練習をやめるかどうかの材料にはしないほうが安全です。
落ちうる場面の三つの型と、高校ごと・大学ごとに違う所
指定校推薦で落ちる場面を決まりに照らして分けると、三つの型になります。どの型も、中身を決めているのは高校か大学で、その中身は高校ごと・大学ごとに違います。だから自分の場合を知るには、自分の高校に届いた書類と、自分の高校の決まりを見るほかありません。
一つ目は、出願の要件を満たしていない型です。要項は大学に、推薦の要件をできるだけ具体的に決めて募集要項などで示すよう求めています。大学は重要と考える教科・科目を指定し、その単位を取っていることや、一定以上の評定を、出願の要件として求められます。英語の資格、特定の科目の履修、評定の数字など、何が条件に入るかは大学と学部で違います。さらに大学に出願できるのは、高校を卒業した人か、入学までに卒業する見込みの人です。見るものは、校内に示された指定校の一覧の条件の欄と、大学から高校に届いた書類の出願資格の行です。条件の欄は前の年と同じとは限らないので、必ず今年のものを見ます。
二つ目は、書類の不備と期日の型です。調査書は、担任などが原案を作り、関係する先生の委員会で話し合ったうえで、校長が作って責任をもって大学に出す書類です。一方で、志望理由書や活動の記録のように、本人が書く書類もあります。どの書類を誰がいつまでに用意するのか、高校がまとめて出すのか本人が出すのかは、高校と大学の決まりで変わります。期日に遅れた、署名が抜けていた、指定と違う様式に書いた。こうした食い違いがあると書類がそろわず、中身を読まれる前につまずきます。見るものは、校内の推薦の要項に書かれた校内の締め切りと、大学の書類の出願期間の行です。
三つ目は、面接や筆記の中身の型です。大学は書類のほかに少なくとも1つの方法で力をみるので、面接、小論文、事前に出す課題、口頭試問などの中身が判定に入ります。面接があるかないか、どんな形か、筆記があるならどんな課題かは大学が決め、募集要項や指定校の書類に書きます。同じ大学でも学部によって違うことがあり、前の年と同じとも限りません。見るものは、大学の書類の選考方法の行です。先輩が受けたときの様子を書き残したものがあるか、それを見せてもらえるかも高校ごとなので、進路の先生との面談で聞きます。
高校の側でも、校内選考の後の進み方は違います。面接の練習を高校で見てもらえるのか、志望理由書の下書きをどの先生が読むのか、結果の知らせが高校に届くのか本人に届くのか。どれも高校と大学の決まりで変わり、一つの答えを書ける問いではありません。自分の高校の答えは、次の手順と、最後に並べた質問で取りにいきます。
10月から発表の日まで、落ちる芽を一つずつ消す順番
図2のように、校内選考を通った後にやることは五つに分けられます。順番には理由があって、前の段で書き出したものが、後の段の材料になります。

一つ目は、高校に届いた大学の書類から、選考方法と期日を自分のノートに書き写すことです。選考方法の行は、書類審査、面接、小論文、課題のように一つずつ分けて書き出し、出願期間、試験の日、結果の発表の日を同じページに並べます。手で写すと、目で追っただけでは読み飛ばしていた行に気づきます。書類そのものを写真に撮って外へ出してよいかは、高校の扱いに従ってください。
二つ目は、出願の要件を自分の数字と並べることです。評定の条件があれば、自分の評定平均がその条件に届いているかを先生と確かめます。条件の欄に出てくる評定平均は、高1の1学期から高3の1学期まで、全教科を積み上げた数字です。前期と後期に分かれた2学期制の高校は区切りが違うので、どこまでの成績が入るかを高校に確かめてください。資格の条件があれば、合格証や証明書の写しがいつまでに何部要るかも、この段で聞いておきます。
三つ目は、締め切りから逆に日付を置くことです。大学の出願期間とは別に、高校の中の締め切りがあるかを確かめ、あればその日を起点にします。志望理由書の下書きを書き終える日、先生に読んでもらう日、清書の日、書類を渡す日を、締め切りから少しずつさかのぼって手帳に書き込みます。先生が読む時間も日程に入れておくと、直しが一度で済まなかったときに慌てずに済みます。
四つ目は、面接の練習を続けることです。面接がある大学なら、書類に書いたことを聞かれても答えられるようにしておきます。志望理由書と活動の記録を手元に置き、書いた中身を自分の言葉で1分ほどで話せるか、聞き返されたときに書類と違うことを言っていないかを確かめます。声に出すと、書いたときには気づかなかった言葉のあいまいさが見えてきます。面接がない大学でも、筆記の試験や課題があれば、その準備に同じ時間を回します。
五つ目は、一般選抜の準備を細く残すことです。不合格になったときに移る先は一般選抜で、令和9年度の教科・科目の個別テストは、2027年2月1日から3月25日までの間で大学が日を決めます。たとえば12月1日に結果を受け取ったとすると、2月1日までは62日、週にすると8週と6日です。この期間に一から始めるのは苦しいので、推薦の準備と並べて、英語の長文1題と数学の計算を合わせて1日30分、週5日だけ続けておきます。たとえばこれを8週続ければ20時間になり、切り替えたときの足場になります。また、令和9年度の共通テストの出願は2026年9月15日から10月2日までだったので、推薦の結果を見てから申し込む順番にはなりません。自分が出願しているかどうかを、ここで一度確かめておきましょう。
保護者の方にお願いしたいのは、家の中で「ほぼ受かる」と口にしないことです。その一言で、お子さまの手帳から練習の予定が消えることがあります。代わりに、お子さまがノートに写した日付を一緒に見て、書類の期日だけは家族の予定表にも書き写しておくと、出し忘れを家の中で防げます。
「ほぼ合格」「必ず受かる」を決まりに当てて読み直す
思い込みの一つ目は「校内選考を通れば、合格は決まったようなもの」です。決まりの上では、校内選考と校長の推薦は出願できる立場を得るための段で、合否はその後に大学が会議で決めます。校内選考を通ったことが意味するのは、判定の席に着けたということまでです。
二つ目は「指定校推薦は面接がないから、練習はいらない」です。入学を確約して受ける非公募型は、大学が面接の要否を決められるので、面接のない大学があるのは確かです。しかし要項は、書類のほかに少なくとも1つの方法で力をみるよう求めているので、面接がなければ、個別テストや小論文、資格や検定の成績など、別の方法のどれかが入ります。図3のように、練習をやめてよいかどうかは、書類の選考方法の行をたどれば答えが出ます。どの枝をたどっても、何もしなくてよいという葉には行き着きません。

三つ目は「もし落ちても、ほかの推薦や一般選抜で取り返せばいい」です。取り返す道があるのは確かですが、日程を並べると余裕は大きくありません。推薦の結果が出るのは早くても12月で、共通テストの出願はその前の10月2日に締め切られています。総合型選抜や公募制の学校推薦型選抜に、まだ出願期間が残っている大学があるかは、大学ごとに書類で確かめるしかありません。日程の上でまだ先にあるのは、2月1日から始まる一般選抜の個別テストです。
そして、指定校推薦は合格したら入学することを確約して受けるものなので、校内選考を通過して出願した後の辞退は原則できません。落ちたときの備えと、受かったときに入学する覚悟を、同じ10月のうちに両方持っておく。それが、推薦の後にも判定が残る入試の受け方です。
高校の先生に確かめる質問
面談の前に紙に書いて持っていき、答えをその場で書き込める形にしておきます。
- この大学・学部の指定校の書類で、選考方法の欄には何が書かれていますか。面接、小論文、課題のどれがありますか。
- 出願の要件のうち、評定のほかに、資格や特定の科目の履修などの条件はありますか。いまの私の成績と記録で満たしていますか。
- 出願の書類は高校がまとめて大学に出しますか、それとも自分で出しますか。校内の締め切りはいつですか。
- 志望理由書や活動の記録の下書きは、どの先生に、いつまでに読んでいただけばよいですか。
- 面接の練習を高校で見ていただけますか。お願いするなら、いつまでに誰に申し出ればよいですか。
- この大学を受けた先輩の様子を書き残したものはありますか。あれば、見せていただくことはできますか。
- 結果の知らせは高校に届きますか、それとも本人に届きますか。
- 万一不合格だったとき、一般選抜やほかの推薦に切り替える相談は、いつ、誰にすればよいですか。
個別指導で確かめること
塾では、高校に届いた書類の選考方法の行を一緒に読み、志望理由書の下書きと活動の記録が食い違っていないかを並べて確かめます。評定の表があれば、条件の欄の数字と横に置いて、どの学期までの成績が入るかを高校に聞く質問の形にまとめます。面接がある大学なら、書いたことを口に出して答える練習を、聞き返しを交えて繰り返します。一般選抜へ移る場合に備えて、英語と数学の答案も同じ時間の中で見ていきます。
まとめ
校長の推薦は、大学の判定の場に名前を載せるための資格で、合格の通知ではありません。落ちる理由になりうる要件、書類と期日、面接や筆記の中身は、どれも出願の前に自分の目で確かめられ、練習で備えられるものです。指定校推薦の合否を分けるものは、12月の発表の日より前に、もう紙の上に書かれています。
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