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指定校推薦の試験内容—面接は必ずあるのか、学力をみる方法は何で決まるのか|武蔵野個別指導塾

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面接を置くかどうかは大学が決めてよい一方、調査書と推薦書のほかに学力をみる方法が必ず1つ以上入ります。令和9年度の実施要項の二つの決まりを知るだけで、選考方法の行の読み方が変わります。

指定校推薦は、大学が名指しした高校の校長がその生徒を推し、推薦書を添えて出願する学校推薦型選抜の一つです。この選抜で面接が必ずあるとは限りません。令和9年度の実施要項は、合格したら入学すると約束して受ける非公募型について、面接を置くかどうかを大学に任せているからです。その代わり、調査書と推薦書だけで合否を決めることは認めておらず、書類の外で学力をみる方法がどの選抜にも少なくとも1つ入ります。

何が決まっているか 令和9年度の文書で言えること
面接の位置づけ 学校推薦型選抜では面接で必ず評価する。高校との連携で組み合わせを整え、入学を約束して受ける非公募型は、大学が面接の要否を判断できる(大学入学者選抜実施要項 第3の1(3))
必須とされた面接の形 評価者がその場で受験者とやりとりする形で、AI 面接や紙の質問票では代えられない(実施要項等に関するQ&A Q3-6)
書類の外の評価 教科・科目の個別テスト、共通テスト、小論文や面接など、資格や検定の成績のうち、少なくとも1つを使い、募集要項に書く(実施要項 第3の1(3))
教科のテストの重さ 高校の基礎を問う中身にし、判定の大部分を占めないようにする(Q&A Q3-3)

よくあるのは、高校から渡された大学の書類を机に広げ、「選考方法」の行を黄色の蛍光ペンでなぞる放課後という場面です。ペンが通ったのは「書類審査」と「面接」の二語だけで、筆記の文字はどこにもありません。前の席の友だちは「指定校ならノー勉でいけるって聞いたよ」と笑います。本人もほっとしかけたところで、ペン先が止まります。面接では何を見られるのか、書かれていない試験は本当に無いのか、行の外に決まりが隠れていないか。その迷いに、要項の決まりから順に答えていきます。

令和9年度の実施要項が、推薦の試験に置いた二つの柱

2027年4月に入学する人が受ける令和9年度の選抜について、実施要項は、学校推薦型選抜の判定の土台を調査書に置き、出願の入口を出身高校の校長の推薦にしています。そのうえで、試験の中身について二つの柱を立てています。

一つ目の柱は面接です。志望する学問への意欲や適性を、面接で必ず評価するよう求めています。ここでいう面接には、討論やプレゼンテーション、口頭試問も含まれ、オンラインで行う形も入ります。実施要項等に関するQ&Aは、この面接の必須化を、令和9年度の要項で新しく入った決まりとして説明しています。ただし、これには但し書きがあります。高校と大学が連絡を重ね、生徒と学部の組み合わせを丁寧に整えている非公募型で、しかも合格したら入学すると約束して受ける選抜は、面接を置くかどうかを大学の実情に合わせて決めてよい、というものです。要項は「指定校推薦」という言葉を使いませんが、指定校推薦の面接の有無が大学の判断になるのは、この但し書きがあるからです。

面接が必須とされた選抜では、形にも決まりがあります。Q&Aは留意点を三つ挙げます。評価者が直接評価すること、充実した質問に受験者がその場で答えるやりとりであること、評価の基準を決めて複数の評価者で見る体制を整えることです。そのうえで、AI 面接や紙に答えを書く質問票では代えられないと答えています。オンラインが認められているといっても、画面の向こうの評価者とその場で話す形だということです。

二つ目の柱は、書類の外で学力をみることです。要項は、調査書や推薦書に書かれた成績だけで判定せず、図1のように4つの方法のうち少なくとも1つを必ず使い、そのことを募集要項に書くよう求めています。4つとは、大学が行う教科・科目のテスト(要項は個別テストと呼びます)、共通テスト、小論文・面接・実技の検査など、そして資格や検定の成績です。この決まりには、面接のような但し書きが付いていません。面接を置かない指定校推薦であっても、4つのどれかは判定に入ります。

図1 調査書と推薦書に加えて、4つの方法のうち少なくとも1つを使う決まり

4つの中身にも条件があります。指定校推薦にテストがあるかどうかは、この4つのうち何を大学が選ぶかで決まります。教科のテストを使うときは、大学で学ぶのに要る範囲で高校の基礎の学びを問うものにし、ほかの評価とのつり合いを取って、テストの成績が判定の大部分を占めないよう求めています。小論文や面接は、教科の知識を問うだけの場にしてはならないとされ、知識の問題を小論文の形で出すようなやり方を例に挙げて戒めます。学校推薦型選抜で教科のテストを行う場合は、令和9年2月1日より前に実施してよいとされ、高校の教育と受ける側の負担に十分配慮するよう添えられています。共通テストも、学校推薦型選抜で使ってよい方法の一つです(共通テストの日程との前後は、この特集の別の回で扱います)。

年度による揺れにも決まりがあります。要項の備考は、令和8年度の時点で既に行われていた選抜区分のうち、令和9年度からの面接の導入が難しいものは、遅くとも令和11年度の選抜までに面接を入れるとしています。面接の必須化は始まったばかりで、移り変わりの途中にある決まりです。先輩の年の選考方法をそのまま当てにできない理由の一つが、ここにあります。

大学と高校で違うのは「どの方法を」「どれだけの重さで」使うか

要項が決めているのは枠組みまでです。枠の中で何を選ぶかは、大学と学部、そして選抜の区分ごとに違います。違いが出るのは、主に次の4か所です。

1か所目は、面接の有無と形です。面接を置くか、置くなら個人か集団か、討論やプレゼンテーション、口頭試問を含むか、会場で行うかオンラインか。どれも大学が決めます。2か所目は、4つの方法のどれを使うかです。面接だけを書類の外の評価として置く選抜も、小論文や教科のテストを組み合わせる選抜も、要項の上ではありえます。3か所目は重さです。同じ面接でも、判定の中でどれだけの比重を持つかは大学が決め、書類に配点まで書かれているとは限りません。4か所目は事前の課題です。出願の書類と一緒にレポートなどの課題を出させる選抜もありえます(課題や小論文の準備の順番は別の回に譲ります)。

評価の方法は大学が選抜の区分ごとに決め、募集は学部などの単位で行われるので、同じ大学の指定校推薦でも、学部が違えば行の中身が違うことがありえます。友だちと同じ大学を目指していても、自分の学部の行は自分で読む必要があります。

高校の側にも違いがあります。大学から届いた書類のうち、どこまでを生徒に見せるか。写しを渡すのか、先生が読み上げるのか。校内で面接や小論文の練習をするのか、するなら誰が受け持つのか。校内選考の段階で作文や面談を課すのか(校内選考の決め方は別の回で扱います)。こうした扱いは高校ごとに決まっていて、生徒に向けて文書になっていないこともあります。

では、自分の場合を知るには何を見ればよいのか。見る物は4つです。

一つ目は、高校に届いた大学の書類です。指定校推薦の書類は大学から高校に届くので、そこに書かれた選考方法が、自分の受ける選抜について最も確かな拠りどころになります。二つ目は、校内の推薦の要項です。校内選考の流れと一緒に、大学の試験に向けた高校の準備の予定が載っていれば、試験までの段取りが見えます。三つ目は、指定校の一覧です。どの欄まで載るかは高校ごとなので、学部と条件を確かめたうえで、試験の形がどの書類に書かれているかを先生に聞く入口として使います(一覧の読み方そのものは別の回で扱います)。四つ目は、進路の先生との面談です。書類に書かれていない当日の流れや、前年から変わった点は、ここで聞くしかありません。

大学のホームページの入試案内を読むときは、その説明がどの選抜区分のものかを、区分の名前で確かめてください。公募の学校推薦型選抜や総合型選抜の説明を、指定校推薦の説明として読んでしまうと、準備の向きがずれます。ネットの体験談も同じで、何年度の、どの区分の話なのかがわからない情報は、自分の選考方法の行と照らすまで脇に置いておきます。

選考方法の一行から、試験の日までの準備を組み立てる

ここからは、書類を受け取った日から試験の日までにやることを、順番に並べます。

1つ目の手順は、書類の「選考方法」や「評価方法」の行を、自分のノートに書き写すことです。蛍光ペンでなぞるだけで終わらせず、一字ずつ写すと、「面接」と「口頭試問」のような言葉の違いや、小さな括弧書きに気づきます。要項は、大学が夏までに決めて発表した評価方法を、その後に受験者の不利になる形で変えないよう求めています。書類に書かれた一行は、準備の土台にしてかまいません。

2つ目は、図2の順番で行を読み分けることです。最初に面接の有無を見ます。書かれていれば、評価者とその場で言葉を交わす準備が要ります。書かれていなければ、小論文や実技の検査、教科のテスト、共通テスト、資格や検定など、別の方法がどこかに入っているはずなので、それを探します。面接が書かれていても、ほかの方法が並んでいることがあるので、どちらの枝に進んでも行の最後まで読みます。見当たらないときは、書類の別の頁に書かれていないかを見たうえで、先生に聞きます。

図2 選考方法の行で面接の有無を確かめ、ほかの方法も探す順番

3つ目は、方法ごとに準備の型を分けることです。たとえば、行に「書類審査・面接(口頭試問を含む)」と書かれていたとします。この場合は、志望理由を話す練習に加えて、学部の学びにつながる高校の科目の基本を、口で説明できるようにしておきます。口頭試問も、知識を問うだけの場にしないよう求められている面接の一部なので、用語の暗記より、自分の言葉で筋道を話せるかを確かめる準備が向いています。

行に小論文とあれば、時間を計って書く練習と、書いた中身を面接で聞かれても答えられるように読み返す練習を組みます。教科のテストが書かれていれば、どの教科かを確かめ、教科書の基本の問題から解き直します。基礎を問う中身にするよう求められているテストなので、難しい問題集に手を広げる前に、教科書の例題と章末の問題を確実に解けるようにするのが先です。資格や検定の成績が書かれていれば、証明書の写しをいつまでに、誰に渡すのかを先生に確かめます。

4つ目は、試験の日から逆に週を数えることです。たとえば、校内選考の結果を聞いた日から試験の日までが7週間あるとします。最初の2週間で志望理由と高校での学びを1分で話せる形にまとめ、次の3週間で面接か小論文の練習を週に2回ずつ重ねます。最後の2週間は、先生に渡した活動のメモと話す中身が食い違っていないかを突き合わせる時間に充てます。実際の日付は高校と大学の書類で決まるので、週の数は自分の場合に置き換えてください。

5つ目は、家庭と共有することです。選考方法の行を書き写したノートを保護者の方にも見せておくと、家で面接の聞き役をお願いできます。保護者の方は、お子さまの答えの中身を直すより、「いまの答えは質問に合っていたか」だけを返すと、本人が自分で直す力がつきます。

「ノー勉で大丈夫」と聞いたときに照らしたい3つの思い込み

1つ目は、「推薦は学力検査が免除だから、勉強しなくていい」という思い込みです。令和2年度の国公立大学の入学者選抜の概要で、文部科学省は当時の推薦入試を、出身高校の校長の推薦にもとづき「原則として学力検査を免除し」、調査書を主な資料として判定する入試と説明していました。いまの要項は、図3のように、調査書と推薦書のほかに学力をみる方法を少なくとも1つ必ず使うよう求めています。名前が学校推薦型選抜に変わっただけでなく、書類の外で力を確かめることが決まりになっているのです。しかも、その方法が面接や小論文であっても、教科の知識を問うだけの場にしてはならないとされています。勉強がいらないのではなく、暗記とは別の準備がいる、と読むのが決まりに沿った受け止め方です。

図3 令和2年度の推薦入試の説明と、令和9年度の要項の決まりの違い

2つ目は、「面接なしの指定校推薦なら、試験は無いのと同じ」という思い込みです。面接を置かない指定校推薦でも、4つの方法のどれかは判定に入ります。それが資格や検定の成績であれば、出願までに取った成績を出す形になるので、試験の日に向けた勉強は少なく見えるかもしれません。それでも、どの方法がどう使われるかを自分で確かめるまでは、「何もない」と決めつけないでください。何も書かれていないように見えるときほど、読み落としを疑います。

3つ目は、「先輩のときと同じ形のはず」という思い込みです。令和9年度は面接の必須化が始まった年で、面接の導入を令和11年度の選抜まで待てる経過の決まりもあります。同じ大学の同じ学部でも、年度によって選考方法が変わりえます。高2のうちに準備を始める人は、自分の受験の年にあたる令和10年度の要項がまだ発表されていない点に気をつけてください。発表されたら、面接と評価の方法の決まりに手が入っていないかを真っ先に見ます。先輩の話は、どの年度の話かを聞き返してから参考にします。

高校の先生に確かめる質問

次の質問は、面談の席で手元のメモから読み上げる前提で書いています。答えをもらったら、その場でノートの選考方法の行の横に書き足しておくと、あとで家族と見返すときに迷いません。

個別指導で確かめること

塾では、高校で見せてもらった選考方法の行を一緒に読み、どの方法に何週を割くかを週の表に落とします。面接があるなら受け答えを声に出して確かめ、聞き方を変えて何度か尋ね、言葉が詰まったところを次の週の練習の材料にします。小論文があるなら下書きに赤を入れ、教科のテストが書かれていれば答案から基礎の抜けを探します。評定の表と面接で話す中身が食い違っていないかも、あわせて見ていきます。

まとめ

「ノー勉でいける」という言葉は、選考方法の行を最後まで読まないうちに出てくる言葉です。面接の有無は大学の判断に任されていても、書類の外で力をみる方法は必ず1つ以上あり、その方法ごとに準備の型が違います。書類が配られた日にノートへ写し、面談で質問を重ねるほど、その一行は具体的な予定に変わっていきます。蛍光ペンでなぞった一行が、試験の日までの毎日の中身を決めます。

読んで終わりにするか、ここから変えるか。

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