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模試の判定不能・判定なしとは—科目不足など判定が出ない理由と次に書くこと|武蔵野個別指導塾

成績表の志望校の欄が白いままなら、説明欄・印字された方式・受けた科目を順に照らせば理由は3つのどれかに絞れ、次の申し込みで直す1行も見えてきます。
判定不能や判定なしは、点が低すぎたという知らせではありません。模試がその志望校の判定を計算できなかったか、はじめから計算しないことにしている、という知らせです。理由はほぼ3つに絞れます。受けた科目が志望校の受験科目に足りない。志望校の書き方がずれている。その模試が、その学部や方式の判定を出していない。成績表の説明欄、印字された大学・学部・学科・方式、自分が受けた科目の3つを並べれば、どれに当たるかはたいてい届いたその日に決まります。科目が足りないなら次は受ける科目の選び方を、書き方なら番号の写し方を、対象外なら並べて書く方式を変える。直す場所は点数ではなく、申し込みの紙の上にあります。
よくあるのは、高2の冬、届いた成績表を開いた生徒が、志望校の欄の1行目で手を止める場面です。大学名も学部名もきちんと印字されている。2行目と3行目には判定の文字が並んでいる。それなのに、いちばん行きたい1行目だけ、文字が入るはずの場所が白いまま空いています。「悪すぎて、判定も付かなかったんですか」と聞く声は、たいてい小さい。けれど、その白い四角が伝えているのは、点数の話ではありません。
判定の文字は、点を比べる前の3つの条件で止まる
判定は、志望校の受験科目の点を集め、その志望校の配点の重さで足し合わせ、模試が用意した目安の点と比べて決まります。比べる作業に入る前に、材料が3つそろっていなければなりません。
1つ目は、志望校のその方式で使う科目の点が、全部そろっていること。2つ目は、どの大学のどの学部・学科・方式なのかを、模試の側が正しく読み取れていること。3つ目は、その学部と方式について、模試が判定の目安を用意していること。図1のように、3つのうち1つでも欠ければ、点の高い低いを比べる手前で計算が止まり、判定の欄に文字が入りません。多くの模試では、点が目安に遠く届かなければいちばん下の文字が付きます。空欄は比べた結果ではなく、比べられなかったしるしです。

1つ目の条件で止まるのが、いわゆる科目不足です。高2の模試には、英語・数学・国語の3教科で受けられるものが多くあります。一方、共通テストと大学ごとの個別の試験の両方を使う国公立の方式は、共通テストで英語・数学・国語のほかに理科や地歴・公民も課すことが多い。3教科で受けた高2がその方式を志望校の欄に書けば、点の欠けた科目が出て、判定は計算できません。空欄で返すのは、筋の通ったやり方です。足りない科目を0点として足せば実力より低い判定が出て、ほかの科目から推し量って埋めれば根拠の薄い判定が出る。足りない科目をどう扱うかは模試ごとに決まっていて、その決まりも説明欄に書いてあります。
見落とされやすいのが、科目の指定です。たとえば、理科を物理に指定している学科を書き、理科は化学で受けたとします。理科の点はあるのに、指定された科目の点が無いので、模試から見れば足りないのと同じです。受けるはずだった科目を当日休んだときも、その科目の点が無いので同じ形になります。教室で空欄の行を調べると、「理科は受けたのに」という声のうしろに、この科目の名前のずれが隠れていることがよくあります。
2つ目の条件で止まるのが、書き方の誤りです。多くの模試では、志望校を、大学・学部・学科・方式ごとに分かれた番号で書きます。番号が1桁違えば、別の学科や別の方式を指すか、どこも指さない番号になります。どこも指さない番号なら、印字そのものが空いたり、読み取れなかったことを示す表示が出たりします。学科まで選ぶ模試で学部だけを書いた、というずれもこの仲間です。番号を塗る形の用紙なら、1列ずれて塗っただけで、本人は正しく書いたつもりのまま別の番号になります。
3つ目の条件で止まるのが、判定の対象外です。実技の試験や、書類と面接で合否の多くが決まる方式は、筆記の模試の点だけでは合格の可能性を見積もりにくく、判定を出さないことがあります。どの学部・方式を判定するかは模試ごとに決めていて、受験案内や判定の対象の一覧に書かれています。
空欄の見え方も模試によって違います。何も印字されない模試もあれば、判定の文字の代わりに記号や短い言葉が入る模試もあります。その意味は、受けた模試の成績表の説明欄にしか書いてありません。友だちの成績表や、前に受けた別の模試の覚え方で読まないことが、理由を取り違えないための最初の一歩です。
空欄の理由を4回の照らし合わせで決め、次の申し込みを書き直す
教室で空欄の成績表を広げるとき、見る順番はいつも同じです。説明欄、印字、科目、対象の一覧。図2のように、上から順に「はい」か「いいえ」で進めば、理由はどれか1つに落ちます。順番を守るのは、手間の少ない確かめから先に済ませるためです。説明欄に理由が書いてあれば、あとの3つは答え合わせで終わります。

- 成績表が届いた日に、説明欄を10分読みます。判定の欄が空いているとき、記号や短い言葉が入っているときの意味を探します。理由まで書いてあれば、2から4はその理由を確かめるために進めます。記号を自分で読み解いて決めないでください。
- 志望校の欄の印字を、申し込みの控えか当日のメモと1行ずつ照らします。5分あれば足ります。見るのは大学・学部・学科・方式の4つで、1つでも違えば書き方の誤りです。印字そのものが無い行は、番号が読み取れなかった疑いが強い。
- 紙を縦に2つに折り、左に自分が受けた科目、右に空欄の行の大学がその方式で課す受験科目を書きます。ここに15分かけます。科目は大学の入試の頁か募集要項で、自分が受ける年のものを確かめます。理科と地歴・公民は、科目の名前まで書きます。右にあって左に無い科目が1つでもあれば、科目不足です。
- 1から3で理由が見つからなければ、受験案内にある判定の対象の一覧を10分かけて見ます。それでも見つからない、読んでもわからないときは、成績表を手元に置いて、学校の先生か模試の問い合わせ先に聞きます。
- 理由が科目不足なら、次の模試の申し込みで受ける科目を選び直します。まだ始めていない科目が理由のときは、判定が出ないことを承知で本命の方式を1行残すか、同じ大学で今の科目で受けられる方式に書き換えるかを、ここで決めます。
- 志望校の欄の残りの行に、今受ける科目で判定が出る方式を少なくとも1行入れます。たとえば5行書ける模試なら、1行目に本命、2行目に本命と同じ大学の別の方式、3行目以降に受験科目が本命と近い学校、という並べ方があります。
- 一覧から写した番号をメモにして、当日持っていきます。書く(塗る)ときは1桁ずつ指で押さえて照らし、書き終えたらもう一度読み返します。
1から4を合わせて40分です。届いた日の夜に一度で済む量で、翌週に持ち越すと、控えやメモはどこかへ消えがちです。3で書いた2列の紙は捨てずに、次の申し込みの画面の横に置いてください。右の列は、次に何を受けるかの下書きそのものです。
理由ごとに、成績表と手元の紙で何が見え、次の模試で何を変えるかを並べると、次の表のようになります。
| 空欄の理由 | 成績表と手元の紙で見える手がかり | 次の模試で変えること |
|---|---|---|
| 受けた科目が足りない | 2列の紙の右にあって左に無い科目がある | 受ける科目を方式に合わせて選ぶか、今の科目で受けられる方式を書く |
| 科目の指定と違う | 理科や地歴・公民を受けているのに、指定と科目の名前が違う | 申し込みで、指定どおりの科目の名前を選ぶ |
| 書き方の誤り | 印字の大学・学部・学科・方式のどれかが、書いたつもりと違う。または印字が無い | 番号を一覧から写したメモを作り、1桁ずつ照らす |
| 判定の対象外 | 判定の対象の一覧に、その学部・方式が見当たらない | 判定が出る近い方式を並べて書き、本命の方式は過去問で測る |
表の「次の模試で変えること」は、どれも申し込みの日か当日に済むことです。だから、確かめる時刻も先に決めておきます。
| いつ | 確かめること | 分の目安 |
|---|---|---|
| 申し込みの前の晩 | 志望校の方式の受験科目を読み、受ける科目と並べる | 20分 |
| 申し込みのとき | 理科と地歴・公民の科目の名前を、指定どおりに選ぶ | 5分 |
| 当日、志望校を書く時間 | メモの番号と一覧を1桁ずつ照らし、書いた行を読み返す | 5分 |
| 当日、選択の科目を解く前 | 解答用紙に科目を書く欄があれば、解く科目と同じかを見る | 1分 |
いちばん効くのは前の晩の20分です。理科を物理に指定する学科を本命にしているのに、学校の授業の流れで化学を選んで申し込む。このずれは、申し込みの画面の前で2列の紙を見れば防げます。当日の会場で気づいても、直せるかどうかは模試の決まりしだいで、直せないこともあります。
空欄を「悪かった」と読む、ほか3つのつまずき
1つ目は、空欄を点の低さと読んで落ち込んでしまうことです。成績表を伏せたまま数日たつと、理由を確かめる気持ちも、控えのありかも薄れます。こう変えます。成績表を開いたら、点を見る前に説明欄を読む。空欄の意味が書いてある段落に指を置いてから、点の欄へ戻る。順番を逆にするだけで、空欄は失点ではなく、確かめる宿題に見えてきます。
2つ目は、理由を確かめないまま、次の模試でも同じ番号を書いてしまうことです。番号の写し間違いは、本人の頭の中では「合っている」ので、同じ人が同じ手で写せば同じ間違いがもう一度出ます。こう変えます。申し込みの控えの空欄の行に赤で直しを書き込み、次の申し込みの紙の横に置く。番号は控えから写さず、一覧から新しく写す。古い控えから写すと、古い間違いまで写ります。
3つ目は、判定を出すことが目的になり、行く気のない学校で欄を埋めてしまうことです。判定の文字は並びますが、その文字で決められることは何もありません。こう変えます。今の科目で判定が出る行は、本命と受験科目や問題の形が近い学校から選ぶ。近い学校の判定は、本命の判定が出るようになるまでの、代わりの物差しとして使えます。あくまで代わりなので、本命の過去問の出来と並べて読みます。
4つ目は、判定が無いので、成績表ごと引き出しにしまってしまうことです。図3のように、成績表には、志望校ごとに計算される欄と、志望校に関係なく計算される欄があります。判定や、志望者の中の順位のように志望校ごとに計算される数字は、同じ理由でまとめて空くことがあります。けれど、科目ごとの点と偏差値、設問ごとの出来は、志望校の欄に何を書いても変わらずに計算されています。

たとえば数学で、大問ごとの出来を見ると、計算の大問は取れているのに、証明を書く大問が毎回0点に近い、という並びが見えることがあります。これは志望校をどこに書いても変わらない事実で、次の模試までの数学の練習をどこに寄せるかは、この欄だけで決められます。判定の空欄は、本命の行が今の自分の科目とまだ噛み合っていないという知らせで、勉強の中身の知らせは、図3の右側にそのまま残っています。
確かめの問題
問1 ある高2が受けた科目は、英語・国語・地歴の3つでした。志望校の欄には次の3行を書きました。科目が足りずに判定が空きそうなのはどの行でしょうか。
- ア 英語・国語・地歴の3科目で受ける方式
- イ 英語と、国語か数学のどちらか1つの、2科目で受ける方式
- ウ 英語・数学・理科の3科目で受ける方式
問2 成績表の志望校の欄の1行目に、書いたつもりの大学名と学部名が印字され、判定の文字も付いていました。ところが方式の名前が、受けるつもりの一般の試験ではなく、共通テストの点を使う方式になっていました。この判定を、本命の判定として使ってよいでしょうか。次の模試で何をすればよいでしょうか。
問3 志望校の判定がすべて空欄だった成績表で、英語の設問ごとの出来を見ると、長文の大問はよく取れている一方、文法の小問で点を落としていました。この成績表から、次の模試までに決められることを1つ挙げてください。
答えと考え方
問1はウです。数学と理科の2つの点がありません。アは3科目ともそろっています。イは、選べる2つのうち受けた国語が使えるので、科目はそろっています。選べる科目のどれで計算するかは、成績表の説明欄か受験案内で確かめます。
問2は、使えません。方式が違えば使う科目も配点の重さも違い、付いている判定は、印字された方式について計算されたものです。文字が付いているぶん、空欄より気づきにくいずれだといえます。次の模試では、本命の方式の番号を一覧から写し直し、当日は大学・学部・学科だけでなく方式まで照らします。
問3は、たとえば、次の模試までの英語の勉強に、文法の小問の直しを毎日の分として入れる、と決められます。設問ごとの出来は志望校と関係なく計算されているので、判定が空欄でもそのまま使えます。
保護者が家でできること
成績表が届いた日に、お子さまが空欄の行を見て黙っていたら、最初の一言で、その夜の成績表の読み方が決まります。「判定も出ないほど悪かったの」は言わないでください。空欄は点の低さを表していないので、その一言は事実として外れていますし、本人が説明欄を開く気持ちを先に折ってしまいます。言い換えるなら、「この行だけ空いているね。説明欄には何て書いてある」。目線を成績表の下のほうへ動かす一言です。
確かめ方は、申し込みの前の晩に、声で照らし合わせる方法が手軽です。お子さまに志望校の方式の受験科目を読み上げてもらい、保護者の方が申し込む科目を読み上げる。科目の名前が1つでも合わなければ、その場で大学の入試の頁を一緒に開きます。当日の朝は、「番号のメモ、持った」の一言で足ります。
もう一つ、避けたい言葉があります。「判定が出るところを書いておけばいいじゃない」。判定の文字を並べることが目的になると、さきほどの3つ目のつまずきに入ります。「本命と科目が近いところで、判定が出るのはどこ」と聞けば、同じ心配が、使える行を増やす相談に変わります。
個別指導で確かめること
空欄の成績表を持ってきてもらったら、説明欄、印字、受けた科目、大学の入試の頁の4つを机に並べ、空欄の理由を3つのどれかに決めるところまで戻ります。理由が書き方の誤りなら、番号を一覧から写す手元を本人の横で一度見ます。理由が「まだ始めていない科目」なら、その科目をいつから週に何時間入れるかまで戻って決め、次の申し込みの科目と志望校の欄を、本人が自分の手で書けるようにします。
まとめ
1行目の白い四角を前にしてやることは、落ち込むことでも、判定の出る学校を探して欄を埋めることでもなく、紙を縦に折って科目を2列に書くことです。右にあって左に無い科目を見つけた生徒は、次の申し込みの画面で、迷わず科目の名前を選び直せます。空いた1行は、本命の判定を初めて正しく出すための、いちばん早い下書きになります。
読んで終わりにするか、ここから変えるか。
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