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私立の併願優遇とは—都立が第一志望の生徒が12月の入試相談で決めること|武蔵野個別指導塾

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入試相談は12月15日以降に中学校の先生と私立高校の間で行われ、届くのは合格の可能性までです。確約と呼ばれても2月の試験で落ちうる理由と、都立に受かった後の選び方を三者面談の前に押さえてください。

併願優遇は、私立の推薦入試の別名ではありません。都立などの公立を第一志望にする生徒が、「公立に落ちたら、この私立に入学します」という前提を置いたうえで私立の一般入試を受け、その学校の基準を満たしていれば加点などの優遇を受ける。東京私立中学高等学校協会(以下、私学協会)が説明している併願優遇は、そういう受け方です。12月に決まるのは「合格の可能性」までで、合否そのものは2月の答案が決めます。

問い 答え
12月に何が行われるか 12月15日以降の数日間、中学校の先生と私立高校が「入試相談」をする
相談で見られる物 内申と観点別評価、実技、特別活動、出欠などの記録。偏差値は持ち込まれない
確約なのか 伝えられるのは合格の可能性で、確約でも内定でもない
落ちることはあるか ある。当日の試験で合格ラインに届かなければ不合格
試験の時期 私立の一般入試は2月10日以降、都立の学力検査は2027年2月21日(日)
都立にも受かったら 都立の第一次と私立の一般入試の合格が両方そろえば、進む先はお子さま自身が選べる

よくあるのは、12月の三者面談で、進路の希望を書く紙の「私立」の欄だけが白いまま残り、親子が担任の先生の前で同時に黙り込むという場面です。都立の欄には迷わず志望校の名前が入ったのに、私立の欄になると、お子さまは保護者の顔を見て、保護者は先生の顔を見る。そこへ「併願優遇はどうしますか」と聞かれ、言葉の意味を半分しか知らないままうなずいてしまう。武蔵境の教室で12月に受ける相談は、たいていこのうなずきの中身を確かめる所から始まります。

推薦の字が付かない理由—併願優遇は私立の一般入試の受け方

私学協会の説明では、東京の私立高校の入試は推薦入試と一般入試の二本立てです。推薦入試を受けるには、その私立が第一志望でなければなりません。受かればその学校に入学することになり、都立の推薦とも、別の私立の推薦とも重ねて受けることはできません。試験が始まるのも1月22日以降と、都立の第一次募集の学力検査より一か月ほど早い時期です。都立を第一志望に決めた生徒にとって、この入り口は最初から開いていないことになります。

残るのは一般入試です。私学協会は一般入試の出願を1月25日以降、試験を2月10日以降と示していて、実際の日付はそれぞれの学校が決めます。この一般入試を、優遇つきで受けるのか、優遇なしで受けるのか。前者が併願優遇です。私立ごとに成績などの基準があり、それを満たした生徒には加点などの優遇がつきます。優遇の中身は学校ごとに違い、そもそも併願優遇を設けていない私立もあります。

推薦と並べると、輪郭がはっきりします。推薦は私立が第一志望で、中学校長の推薦書が要ります。併願優遇は公立が第一志望で、校長の推薦書は要りません。その代わりに、12月の入試相談を通っておく必要があります。図1のように、都立が第一志望の生徒から見た私立への道は「一般入試」の一本で、その先が「優遇を使う」と「使わない」の二股に分かれる、と覚えておくと迷いません。

図1 都立が第一志望の生徒が私立を受けるときの道の分かれ方

名前の「併願」は公立と私立を並べて受けること、「優遇」は基準を満たした生徒への上乗せのことです。そして名前に出てこない三つ目の要素が、いちばん重い。「公立に落ちたら、この私立に入る」という前提です。優遇は、この前提と引き換えに受け取るものだと言い換えてもかまいません。名前の響きが軽いぶん、三者面談の紙に書く一行が背負う重さを見落としやすいのです。

12月15日以降の入試相談—向き合うのは中学校の先生と私立高校

入試相談は、私学協会の説明では12月15日以降の数日間に行われます。向き合うのは中学校の先生と私立高校で、生徒と保護者はその場にいません。相談の机に載るのは、学習の記録としての内申と観点別評価、そして実技、特別活動、出欠などの記録です。偏差値を使った相談は行わない、と私学協会ははっきり書いています。

相談のあと、私立高校から中学校の先生へ伝えられるのは「合格の可能性」です。家庭は相談の席にいないので、この結果を聞くのは中学校の先生からになります。図2のように、入試相談の流れは家庭から始まり、中学校の先生を経て私立高校へ届き、同じ道を逆にたどって戻ってきます。三者面談で私立の欄に書いた名前は、数日のうちに先生の手で私立高校の机まで運ばれていく。欄が重く感じられるのは当然で、そこが家庭の手から入試相談へ渡る最初の一手だからです。

図2 入試相談で誰から誰へ何が伝わるかの流れ

もう一つ、都立と比べたときの違いを押さえておきます。都立の調査書には出欠の記録の欄がありません。ところが私立の入試相談では、出欠などの記録も資料の一つに数えられます。同じ「内申の話」をしているつもりでも、都立の出願と私立の入試相談とでは、見られる紙の範囲が違うのです。記録がどう読まれるかは私立ごとの判断になるので、気がかりな事情があるなら、相談の前に担任の先生へ伝えておくほうが話は早く進みます。

偏差値を使わないという決まりは、裏返すと、12月の時点で物を言うのは通知表の側だということです。偏差値がどれだけ高くても、それを入試相談の机に置くことはできません。偏差値は、2月の試験に向けて自分の立ち位置を測る物差しとして、内申とは別の引き出しにしまっておいてください。

三者面談の前に、家で決めておく三つのこと

一つ目は、「都立に落ちたら、ここに通う」とお子さま本人が言えるかどうかです。併願優遇は、その前提があって初めて成り立つ受け方です。偏差値の表の位置や、知り合いが受けたという話だけで候補を決めると、3月に都立の結果が出たあとで、通う理由を自分の中に持てない学校に通うことになりかねません。候補が決まりかけたら、平日の朝、登校の時間帯の電車に一度乗ってみてください。たとえば片道40分かかる学校なら、ドアの前で押されながらその40分を3年間くり返せるかどうかは、パンフレットのどの頁よりも正直に答えをくれます。

二つ目は、優遇の中身と、ほかの私立との重ね方です。併願優遇は当日の試験で落ちることがある受け方なので、もう一校、別の私立を受けておくかを考える家庭もあります。ただ、併願優遇で受ける学校がほかの私立との併願をどう扱うか、その条件は学校ごとに違います。重ねるつもりなら、組み合わせが許されるかどうかを、どちらの学校についても募集要項と説明会で確かめておきます。片方の学校の説明だけで安心しないことです。

三つ目は、候補の名前を書く前に募集要項を読むことです。併願優遇があるか。基準はどんな言葉で書かれているか。優遇は加点なのか、それとも別の形なのか。入学手続の締切はいつか。この四つを、学校の頁か説明会の冊子で確かめてから、三者面談の紙に名前を書きます。担任の先生は入試相談で、その学校の基準とお子さまの記録を突き合わせることになります。家庭が先に基準を読んでおけば、面談の席で「この学校の基準に、いまの記録は届いていますか」と具体的に聞けますし、届いていないと言われたときに次の候補へすぐ話を移せます。

三つを決めるのは、保護者だけでも、お子さまだけでもありません。通うのはお子さまで、手続の書類に名前を書くのは保護者です。面談の前の晩に、三つの答えを同じ紙に並べて書いてみると、どこで意見が割れているかが目に見えるようになります。

「確約」と呼ばれても、2月の試験は残る

保護者どうしの会話で「確約をもらった」という言い方を耳にすることがあります。けれど私学協会の説明では、入試相談で示されるのは合格の可能性だけで、確約や内定は行われないと書かれています。入試である以上、不合格は起こりえます。

加点の形をとる優遇なら、それは当日の答案に履かせる下駄のようなものです。下駄を履いても、合格ラインまで背が届かなければ不合格になる。私学協会も、当日のテストで合格ラインに届かなければ不合格になると明記しています。下駄の高さ、つまり優遇の中身は学校ごとに違うので、よその家庭で聞いた話をそのまま自分の候補の学校に当てはめることはできません。

入試相談が始まる12月15日から、私立の一般入試の試験が始まる2月10日まで、暦の上ではおよそ8週間あります。この8週間を「もう決まった」と思って過ごすか、「ここからが本番」と思って過ごすかで、2月の答案は変わります。いちばん危ないのは、12月に先生から「可能性はありそうです」と聞いて肩の力が抜け、冬休み明けに問題集を開かなくなることです。可能性という言葉は、試験を免除する言葉ではありません。

準備の中身は、受ける学校の試験の形に合わせます。科目と試験時間は募集要項に書かれていて、都立の第一次募集の5教科の学力検査と同じとは限りません。過去の問題が手に入るなら、1年分を本番と同じ時間で解き、どの大問で時間が足りなくなったかを記録します。都立の勉強をしていれば私立の試験も解けるはず、という読みは、問題の形が違うと簡単に外れます。2月10日以降の私立と2月21日(日)の都立は、別々の試験として準備してください。

都立の日程と並べる—受かったとき、落ちたとき

12月から3月までを一本の線に並べると、図3のようになります。私立の入試相談が12月15日以降に始まり、そのすぐあとの12月18日(金)から、都立の出願サイトへの入力が始まります。都立の推薦も受けるなら、1月26日(火)・27日(水)が検査、2月2日(火)が発表です。私立の一般入試の試験は2月10日以降、都立の学力検査は2月21日(日)、都立の第一次募集の発表は3月1日(月)に来ます。

図3 12月から3月までの私立と都立の入試の並び

都立の第一次に受かり、私立の一般入試にも受かっていれば、どちらに進むかは本人が選べる、と私学協会は説明しています。併願優遇の前提は「公立に落ちたら入る」なので、公立に受かった場合はその前提が働かないわけです。ただし都立の入学手続は、3月1日(月)の午前9時30分から午後3時30分までと、3月2日(火)の午前9時から正午までの二日間です。両方に受かってから家族で話し合いを始める余裕は、ほとんど無いと思ってください。2月21日の前に「両方受かったらどちらへ行くか」を決めておくのが、現実的な段取りです。

都立に届かなかったときは、前提どおり、併願優遇で受かった私立へ進むことになります。ここで確かめておきたいのが、その私立の入学手続の締切が、都立の発表より前か後かです。締切は学校ごとに募集要項に書かれています。さらに都の実施要綱は、国立や私立の高校の入学手続を終えた生徒に、その後の都立の募集への出願を遠慮するよう求めています。第二次募集まで考えに入れているなら、私立の手続をする前に中学校の先生と話してください。

都立の推薦に受かった場合は、話が早く決まります。推薦の合格者は入学確約書を出すので、2月2日(火)の発表とそれに続く入学手続で、進学先は都立に決まります。私立の一般入試をどうするか、私立への連絡をどう入れるかは、中学校の先生と相談して進めてください。

よくある質問

入試相談の結果は、いつ、誰から聞けますか

入試相談は12月15日以降の数日間に、中学校の先生と私立高校のあいだで行われます。生徒も保護者も同席しないので、結果は中学校の先生から聞くことになります。何日にどんな形で伝えるかは、中学校ごとの段取りです。三者面談のときに「相談の結果はいつ頃、どう教えてもらえますか」と聞いておけば、冬休みの勉強の予定が立てやすくなります。

「個別相談」と「入試相談」は同じものですか

私学協会の入試の説明に出てくる言葉は「入試相談」で、中学校の先生と私立高校が行うものです。「個別相談」という言葉は、その説明の中には出てきません。説明会の案内などでこの言葉を見かけたら、誰と誰が何を話す場なのか、併願優遇の手続とどうつながるのかを、その学校に直接聞いてください。どの場でどんな手応えを聞いたとしても、入試相談で伝えられるのが合格の可能性にとどまるという点は動きません。

偏差値が高ければ、内申が基準に届かなくても併願優遇は使えますか

入試相談は内申などの記録で行われ、偏差値は使われません。基準そのものも、基準に届かないときの扱いも、学校ごとに決まっています。届かない場合にその学校をどう受けられるかは、募集要項と担任の先生に確かめてください。候補の学校の基準を横に並べて眺めたいときは、塾のサイトにまとめた「私立高校の推薦・併願優遇の基準と偏差値 一覧」を入り口にし、最後の答え合わせは各校の募集要項で行います。

都立の推薦を受ける場合も、併願優遇を使えますか

私学協会の説明で、都立の推薦と同時に受けられないとされているのは私立の推薦入試です。併願優遇は都立などの公立を第一志望にする生徒のための受け方なので、都立の推薦を目指す生徒が候補にすること自体は、仕組みと食い違いません。ただし併願の条件の細部は学校ごとなので、候補の学校の募集要項で確かめ、三者面談で担任の先生にも伝えておいてください。

確かめる順番

今週のうちに、次の順で確かめます。紙とペンを用意して、親子で一緒に進めてください。

  1. 候補の私立の募集要項(学校の頁か、説明会で配られる冊子)を開き、併願優遇の有無、基準の書き方、優遇の中身、ほかの私立との併願の条件、入学手続の締切を1枚の紙に書き出す。
  2. 書き出した入学手続の締切を、都立の第一次の発表の3月1日(月)と、手続が終わる3月2日(火)正午の横に書き、どちらが先に来るかに印をつける。
  3. 担任の先生に、三者面談の日時と、私立の候補を伝える締切を聞く。
  4. 本人と保護者で、「都立に落ちたら、この私立に通う」と声に出して言えるかを確かめる。言えなければ、候補を見直す。
  5. その私立の一般入試の科目と試験時間を確かめ、過去の問題を1年分、本番と同じ時間で解いて、時間が足りなくなった大問に印をつける。

個別指導で確かめること

教室では、併願優遇の候補の私立の過去の問題を本番の時間で一緒に解き、落とした問題がどの学年のどの単元から崩れているのかを1問ずつ確かめます。関数で点を落としたなら中1の比例と反比例のグラフの読み取りまで、英語の長文で手が止まったなら中2の不定詞と動名詞の区別まで戻ります。そのうえで、2月10日以降の私立の試験と2月21日の都立の学力検査のそれぞれに間に合う順番で、穴を埋めていきます。入試相談の結果を聞いた週には、2月までの残りの週を一枚の予定表に書き直し、安心で手が止まる時期を作らないようにします。

まとめ

併願優遇は、12月に中学校の先生と私立高校のあいだで交わされる「見込み」と、2月にお子さまが一人で受ける試験の答案の、二つの層でできています。見込みは紙の上にしかなく、合否を決めるのは答案のほうです。三者面談の私立の欄には、都立に届かなかった春に毎朝くぐる校門の名前を、その覚悟ごと書き入れてください。

読んで終わりにするか、ここから変えるか。

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