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大学受験の勉強時間の配分—科目ごとの割合を、志望校の配点と今の点数で決める|武蔵野個別指導塾

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英語が週の半分を超えていた高2の記録を例に、点を守る時間を先に取り、残りを配点の重さと目標までの差を掛けた数で分ける手順を、表と図で追えます。

大学受験の勉強時間の配分は、好きな順や気分では決めません。志望校の配点の重さ、今の点数と目標点との差、その差が埋まるまでにかかる期間。この3つを並べて割合を出します。まず科目ごとに「点を落とさないための時間」を取り、残りを配点の重さと差の大きさに合わせて分けます。英語の長文や数学のように積み上げに時間のかかる科目は早めに厚くし、理科と社会は始める日を逆算してから上乗せします。出した割合は、模試が返ってくるたびと学期の初めに組み直すものとして持っておきます。

よくあるのは、高2の冬、ノートの最後のページに1週間の勉強時間を科目ごとに書き出してみたら、英語が半分を超えていた、という夜の場面です。単語帳は朝の電車で毎日進み、長文も1日1題は解いている。数学は学校の課題を出すだけで、古文はテストの前に教科書を読み返す程度。偏っているつもりはなかったのに、合計14時間のうち7時間半が英語でした。足し算をした本人がいちばん驚いて、「これって、まずいんですか」と顔を上げます。

なぜそうなるのか

先に答えると、英語が半分を超えていること自体は、悪いとは限りません。志望校で英語の配点がとても重く、ほかの科目がすでに目標に届いているなら、その偏りには筋が通っています。困るのは、配点も今の点数も見ないまま、時間が自然に流れた結果として半分になっている場合です。流れた理由は、記録表を一緒に見ていると、たいてい次の4つのどれかに当てはまります。

1つ目は、進んだ手応えが目に見える科目に、時間が吸い寄せられることです。英単語は30分あれば1ページ分の確認が終わり、長文は1題解けば丸がつきます。数学の応用問題は、40分考えて1問、それも途中の式で止まったまま終わる日があります。机に向かったとき、手応えのある方へ手が伸びるのは自然なことで、怠けているわけではありません。けれど、手応えの量と点が伸びる量は、同じ物差しでは測れません。

2つ目は、時間を学校の課題の順に使っていることです。英語の予習で本文の訳をノートに書く決まりがある学校なら、それだけで毎晩40分から1時間がかかります。課題の多い科目から片づけていけば、課題の量がそのまま配分になります。課題を出すのは大切ですが、その量を決めたのは学校の授業の進み方で、志望校の配点ではありません。

3つ目は、配点と自分の点数を、1枚の紙に並べて見たことがないことです。高2の冬は、志望校がまだ「このあたり」という時期で、募集要項の配点の表を開くのは先でいいと思いがちです。並べて見ていないので、偏っていても気づくきっかけがありません。記録表の数字を見て驚くのは、比べる相手がそこで初めて現れるからです。

4つ目は、科目によって、勉強してから点に出るまでの期間が違うことです。図1の左のように、用語や知識で答える問題は、覚えた週から点に出やすく、やがて横ばいになります。右の英語の長文や数学は、文法や計算、公式の使い方が固まるまで、時間をかけても点が動かない時期があり、そこを抜けてから上がり始めます。この時期に不安になって、すぐ丸がつく科目へ戻ると、積み上げの途中で手が離れます。

図1 用語で答える問題と、英語の長文・数学の点への出方の違い

点が動かない時期は、外から見ると「やっても伸びない」と同じ形をしています。だから配分を決めるときには、今の点数だけでなく、その科目が伸びるまでにかかる期間も数に入れます。次の手順は、ここまでの4つの流れを逆向きにたどる作りになっています。

今夜からの手順

ここからは、場面の高2の記録を例に、割合を出すところまで進めます。紙1枚と電卓、志望校の入試の情報があれば、1時間ほどで終わります。

1. 先週の7日間を、科目ごとに15分単位で書き出す

予定ではなく、実際にやった時間を書きます。曜日を横に、科目を縦に並べた表を作り、学校の課題や小テストの勉強も入れます。塾の授業の時間を入れるかどうかは最初に決め、入れるなら毎週入れます。週によって数え方が変わると、見直しのときに比べられなくなるからです。場面の高2なら、英語7時間半、数学3時間、国語2時間、理科と社会を合わせて1時間半で、合計14時間です。思い出せない日があれば空欄のままにして、今週の分から書き足していきます。

2. 志望校の配点を、科目ごとの重さの比にする

志望校の入試の情報を開き、受ける方式で使う科目と、それぞれの配点を書き写します。国公立大学なら、共通テストの配点と大学ごとの試験の配点の両方を見て、科目ごとに足し合わせます。書き写したら、いちばん軽い科目を1として、ほかの科目がその何倍かを出します。ここでは説明のために、英語1.5、数学1、国語1という比を置きます。どこかの大学の実際の配点ではなく、計算の流れを見せるための数字です。

志望校がまだ1校に決まっていなければ、候補を2〜3校選んで、共通する形を探します。英語がどこでも重いのか、数学を使わない方式があるのか。その形が見えれば、比は仮のもので構いません。仮の比で出した割合でも、何も見ずに流れた割合よりは、志望校の側に寄っています。

3. 今の点数と目標点の差を、100点満点に直して並べる

いちばん新しい模試の点数を、科目ごとに100点満点に直します。模試をまだ受けていなければ、学校の実力テストや定期テストで代わりにします。次に、科目ごとの目標点を置きます。配点の重い科目から順に「ここまで取れれば合計で届く」と思える点を書き、あとで動かしてよいものとして扱います。場面の高2は、英語が70点で目標75点、数学が45点で目標65点、国語が55点で目標65点でした。差は英語5点、数学20点、国語10点です。英語に7時間半を使っていた週に、いちばん差が小さいのも英語だった、という並びはめずらしくありません。

4. 守る時間を先に取り、残りを重さと差で分ける

いきなり全部の時間を割合で分けると、得意な科目の時間が細りすぎます。そこで先に「守る時間」を取ります。何もしないと点が落ちていく分を保つための時間で、英語なら単語と音読、数学なら計算と学校の課題、国語なら古文の単語です。場面の高2では、英語2時間半、数学1時間半、国語1時間、理科と社会は学校の授業の復習として1時間半を、守る時間にしました。合わせて6時間半です。

14時間から6時間半を引いた残りの7時間半が「伸ばす時間」です。これを、配点の重さと差を掛けた数の大きさで分けます。英語は1.5×5で7.5、数学は1×20で20、国語は1×10で10。合計の37.5に対して、英語は5分の1、数学は15分の8、国語は15分の4にあたります。7時間半に当てはめると、英語1時間半、数学4時間、国語2時間です。

科目 守る時間 重さと差の掛け算 伸ばす時間 1週間の合計
英語 2.5時間 1.5×5で7.5 1.5時間 4時間
数学 1.5時間 1×20で20 4時間 5.5時間
国語 1時間 1×10で10 2時間 3時間
理科・社会 1.5時間 今は掛けない なし 1.5時間

図2の上の帯が先週の記録、下の帯が組み直した後の1週間です。上の帯では英語が点線の「半分」を越えていますが、下の帯では数学がいちばん広い幅を取ります。英語は7時間半から4時間に減りますが、単語と音読の守る時間は残っているので、英語から手を離すわけではありません。

図2 1週間14時間の配分を、先週の記録と組み直した後で比べた帯

5. 積み上げに時間がかかる科目を、平日の毎日に置く

割合が出たら、曜日に置きます。ここで効いてくるのが、図1で見た伸び方の違いです。点が動くまで時間のかかる数学は、休日に4時間まとめるより、平日の4日に1時間ずつと休日に1時間半に分けた方が、前の日の続きを覚えているうちに次へ進めます。英語の単語と音読は、毎日15〜20分ずつ、朝の電車や寝る前に置きます。国語の伸ばす時間は、現代文の問題1題と解説の読み込みで1回50分ほどになるので、週に2〜3回の枠を取ります。理科と社会は、学校でその授業があった日の夜に、その日のページを読み返す時間として置きます。

置いてみて入りきらない曜日が出たら、その週に使える時間の見積もりが多すぎたということです。そのときは割合を変えず、合計の時間を小さくして、割合ごと縮めます。割合を守ったまま量を減らせば、来週また量を戻すときに組み直さずに済みます。

6. 見直す日を、先にカレンダーに書いておく

最後に、配分を組み直す日を決めて書き込みます。目安は2つで、模試の結果が返ってきた週の週末と、学期が始まる週です。その日に、手順3の差を新しい点数で出し直し、手順4の掛け算をもう一度します。逆に、それ以外の日には割合をいじりません。1週間うまくいかなかったくらいで組み直すと、点が動かない時期の科目ばかりが削られ、図1の右の線が上がり始める前に手が離れます。

学年と時期で変わるところ

高1のうちは、割合を細かく決めるより、英語と数学の授業の復習をその週のうちに終えることを優先します。高1の数学と英語は、高2以降の多くの単元の土台になるからです。そのうえで、気になる大学の配点を一度だけ見ておくと、文系と理系を選ぶときの材料になります。高2の冬は、場面のとおり、英数国の土台に時間を厚く置く時期で、理科と社会は学校の授業と定期テストの範囲で保ちます。

高3の春は、志望校を2〜3校に絞り、配点を確かめ直します。同時に、理科と社会を本格的に始める日を決めます。決め方は逆算です。教科書の1章を読んで問題を解くのに何時間かかるかを一度実際に測り、章の数を掛けて1周に要る時間を出します。そこに問題演習の時間を足し、週に使える時間で割れば、本番の何週前に始めればよいかが出ます。令和9年度の共通テストでは、国語・地理歴史・公民・数学・理科・外国語に加えて、情報も出題の教科に入っています。志望校が情報を使うなら、理科や社会と同じく開始日を決めておく科目に加えます。

図3の上の帯のように、英数国は高2の冬から本番まで同じ太さで続き、理社は学校の復習の細い線から、逆算した開始日を境に太くなります。図では春と夏のあいだに開始日を置いていますが、位置は1周に要る時間しだいで前後します。下の赤い丸が見直しの日で、学期の初めと模試の後に並びます。

図3 高2の冬から共通テストまでの、科目の帯と見直しの日

夏休みは、学校の授業がない分、1日に使える時間が増えます。割合は変えなくても時間の総量が増えるので、理科と社会の1周を進めるのに向いた時期です。授業のない日は起きる時刻がずれやすいので、守る時間を朝のうちに済ませる形にすると崩れにくくなります。

高3の秋からは、過去問が配分の物差しになります。志望校の過去問を配点どおりの形で解き、科目ごとの差を出し直します。今の高3が受ける令和9年度の本試験は、2027年1月の16日(土)と17日(日)の2日間です。12月から本番までは、共通テストで使う科目の比重を上げ、大学ごとの試験だけで使う科目は守る時間で保ちます。今の高2にとっての本番はその翌年の1月の回なので、日程は大学入試センターの発表で確かめてください。

ふだんの週と定期テストの前でも、配分の扱いは変わります。テストの2週間ほど前からは、学校の評定や進級に関わるので、テスト範囲の勉強を先に置いてかまいません。そのあいだは配分を止めてよく、守る時間の単語と計算だけは残します。テストの日程や評定の扱いは学校ごとの決まりがあるので、担任の先生に確かめておきます。

よくある失敗と直し方

1つ目の失敗は、一晩で新しい割合に入れ替えることです。英語を7時間半から4時間へ一度に減らすと、次の模試で英語の点が少し下がり、怖くなって元の配分に戻します。なぜそうなるかというと、増やした数学はまだ点が動かない時期の中にいて、減らした英語の影響だけが先に点に出るからです。直し方は、移す量を1週に1時間ずつにすることです。3〜4週かけて新しい割合に近づければ、英語の守る時間には手をつけずに済みます。

2つ目は、時間の数字だけを見ることです。数学に5時間半を取ったのに、中身は解答を見て写し、丸をつけて終わっていた。記録表の上では配分どおりでも、差は縮みません。時間は入れ物で、何を入れたかは別に書かないと見えないからです。直し方は、記録表の時間の横に、解いた問題の番号と、解答を見ずに解けた数を書き足すことです。見直しの日には、時間よりもこの数を先に見ます。解答を見ずに最後まで解けた問題が1問も無い日が3回続いたら、問題集の段が今の位置より上にある合図なので、1つ前の段の問題に戻します。

3つ目は、理科と社会の開始日を「そのうち」にすることです。覚える科目は後からでも間に合う、という話を頼りに日付を決めずにいると、高3の秋に教科書の1周が終わらず、英語と数学の時間を削って埋めることになります。積み上げの科目の時間が削られるのは、いちばん避けたい形です。直し方は、高3の春の見直しの日に、1章にかかる時間を測って開始日を出し、その日付をカレンダーに先に書いてしまうことです。

よくある質問

科目別の勉強時間に、決まった目安の表はありますか

科目別に何時間という表は、塾では配っていません。同じ志望校でも、今の点数が違えば差が違い、割合も変わるからです。ただ、下限の目安はあります。志望校で使う科目は、どれも「1週間まったく触らない」週を作らないことです。英語の単語や数学の計算は、間が空くと戻すのに時間がかかります。部活の大会や行事で忙しい週でも、週に3〜4日、10〜15分ずつ触れておくと、次の週の立ち上がりが軽くなります。

各教科の勉強時間は、苦手な科目と得意な科目のどちらに多く取りますか

手順の掛け算では、差の大きい苦手な科目に時間が寄りやすくなります。ただ、時期によっては得意な科目に足した方が合計点に効くことがあります。高3の秋以降に、苦手な科目の差の原因が高1の単元まで戻るとわかったときは、本番までに点が動かない時期を抜けきれないことがあります。そのときは、配点の重い得意な科目で取りこぼしている数点を拾う方に時間を回します。もう1つの例外は、志望校で使わない苦手な科目で、こちらは受験の配分に入れず、学校の授業と定期テストの範囲で保つ扱いにします。

勉強時間の割合は、毎週きっちり守らないといけませんか

割合は1週ごとではなく、4週間の合計で見ます。行事や部活の大会で1週崩れても、次の週で戻せば十分です。むしろ、割合の計算そのものをやめてよい時期があります。高3の冬に入り、過去問を何年分か解いて、落とした問題の分野がはっきり見えてきたら、掛け算より「過去問で落とした所」に直接時間を置く方が早くなります。割合は、どこに時間を置けばよいかがまだ見えないうちに使う道具です。

保護者が手を貸すなら

お子さまが記録表を見せてくれたら、最初に「英語ばかりだね」と言うのは控えます。書き出したこと自体が、配分を変える準備のいちばん面倒な部分だからです。手を貸すなら、志望校の配点を一緒に調べるところです。大学の入試の情報を開いて配点の表を印刷し、机の前に貼るだけでも、手順2はほとんど終わります。割合を決めるのは、お子さま本人に任せます。親が決めた割合は、崩れたときに本人が組み直せません。見直しの日の夕食で「次の4週はどう分ける」と1つだけ聞き、答えの中身には口を挟まずに聞き終える。部活の帰りが遅い日に記録が空欄になっていても、その空欄は数えません。そのくらいの距離でいると、配分はお子さま自身の道具のまま残ります。

個別指導で確かめること

配分で数学に4時間を足しても、その時間が点の取れない単元に向いていなければ、差は縮みません。個別指導では、数学の20点の差がどこから来ているかを、高1の数と式や二次関数まで戻って確かめ、足した時間を置く単元を決めます。最初の2週間は、記録表とノートを並べて、時間と中身がずれていないかを見ます。

まとめ

ノートの最後のページに書いた7時間半は、責めるための数字ではありません。配点の表と点数の表を隣に置いたとき、初めて意味を持つ数字です。今夜その2枚を並べ、手順4の掛け算を一度だけしてみてください。来週の同じページで数学の欄が英語の欄に並びかけていたら、その1週間はもう志望校の配点の形をしています。

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