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バイトと部活と勉強は高校で両立できるか—週の時間を3つに分ける前に決めること|武蔵野個別指導塾

6月に部活の大会とテストが重なった高1を例に、睡眠と勉強の最低線を先に置く週の枠、22時までに終わるシフト、戻しやすい順の減らし方を順に確かめていきましょう。
高校でバイトと部活と勉強を両立できるかどうかは、週の時間を3つに分ける前の決めごとで、ほとんど決まります。先に決めるのは3つです。睡眠・学校・通学のように動かせない時間を、最初に塗ること。どんなに忙しい週でも削らない勉強の「最低線」を、教科と作業の名前で決めておくこと。回らなくなったときに減らす順番を、戻しやすい物から並べておくこと。この3つが無いまま空いた日にシフトを入れていくと、最初に消えるのは勉強の時間です。
よくあるのは、5月に週3日のシフトを入れた高校1年生のところへ、6月、部活の大会とテストが同じ週に重なってくる場面です。テストは火曜から金曜、大会は土曜と日曜、シフトは水曜と土曜と日曜。予定を1枚に書き出してみると、水曜はテスト期間のまんなかの夜に働くことになり、土日は大会の会場と店の両方に自分の名前があります。どれも自分で決めた日付ではないのに、どれも休めない気がする。レジに立ちながら、頭の中では数学の範囲表をめくっている。そういう6月の1週間です。
なぜそうなるのか
3つの予定がぶつかるのは、本人の気の持ちようより先に、予定の決まり方に理由があります。塾で高校生と週の予定を書き出していると、同じ形のつまずきが何度も出てきます。
1つ目は、3つの予定を決める人がそれぞれ違うことです。シフトは店が、部活の練習と大会は顧問の先生や大会を開く側が、テストの日は学校が決めます。しかも知らされる時期がばらばらです。シフトがどのくらい先まで決まるかは店によって違い、大会の日程は顧問の先生から、テストの日は学校の予定表で、別々に届きます。3つが1枚の紙に並ぶのは、たいてい重なりがはっきりしてからです。図1のように、3人の決め手がそれぞれ自分の予定を週の枠に置いていくと、枠はあっという間に埋まります。

2つ目は、勉強だけは誰も時間を決めてくれないことです。課題の締め切りを除けば、勉強をいつ何分やるかは自分で決めるしかありません。店も部活も空いている人の空いている時間に予定を入れていくので、自分で場所を取っていない勉強は、図1の右端のように残った細い隙間へ押し込まれます。そして、その隙間は忙しい週ほど細くなります。
3つ目は、疲れの順番です。部活のあとにシフト、そのあとに勉強という順に並べると、勉強はいつもその日のいちばん疲れた時間に回ります。21時に店を出て、家に着くのが21時半、夕食とお風呂を済ませると22時半。そこから数学の問題集を開いても、例題を読み直すあたりで手が止まり、気づけば寝る時刻を過ぎています。翌朝の1時間目が眠いと、その日の授業の中身が頭に残らず、夜の復習の量がさらに増える。崩れは1日では終わらず、次の日へ持ち越されます。
4つ目は、高1の最初の数か月が、高校の授業の進み方に慣れていない時期だということです。中学に比べて1回の授業で進む量が多く、数学と英語は前の単元が次の単元の足場になります。1週間ためた復習は、1週間では取り返せないことがあります。冒頭の6月の高1は、その慣れる前の時期に週3日を入れた形です。
なお、シフトの翌朝に起き上がれない日が何日も続く、頭痛や腹痛がたびたび出る、気持ちが沈んだまま戻らないというときは、両立の工夫を考えるより前に家の人に話してください。学校の保健室や医療機関に相談するのも、そのときです。
今夜からの手順
今夜やることは、紙1枚とペンで足ります。1週間を一目で見渡せることが大事なので、A4の紙を横に置き、月曜から日曜までの7列を作ってください。ここから6つの段で、週の枠を自分の手で組み直します。
1. 睡眠と学校と通学を、先に塗る
最初に塗るのは、起きる時刻、家を出る時刻、学校、通学、寝る時刻です。ここはシフトも部活も入れない場所なので、鉛筆で濃く塗ります。寝る時刻は、シフトのある日も無い日もそろえてください。シフトの日だけ寝るのが遅くなると、翌日の授業の眠気が、その次の日の部活と勉強にまで響きます。塗り終えたあとの白い部分が、3つの予定に使える本当の量です。思っていたより少ないと感じたら、その感覚を覚えておいてください。この後の判断は、すべてこの白い部分の広さから始まります。
2. これから3か月のテストと大会の日を、1枚に集める
次に、学校から配られた年間の予定表と部活の予定表を並べ、これから3か月分のテストの日と大会・遠征・合宿の日を、同じ紙かカレンダーに書き写します。テストの日がいつ知らされるか、テストの前に部活がどう動くかは、学校や部によって違います。配られた予定表と顧問の先生の話で確かめ、まだ決まっていない所は空けておいて、知らされた日に書き足してください。書き写したら、テストの初日から数えて2週間前の日に赤い線を引きます。この線から内側が、シフトを減らす期間です。冒頭の6月の高1なら、大会とテストが重なる週と、その前の週に線が入ります。
3. どんな週でも削らない、勉強の最低線を決める
最低線は、忙しい週でも残す勉強の量です。目安は、部活やシフトで帰りが遅い日が20〜30分、どちらも無い日が60〜90分。ただし中身は時間ではなく作業で決めます。たとえば、その日の数学の授業で扱った例題を1問、ノートを見ずに解き直す。英語の授業で出てきた新しい語を、書いて言えるようにする。週に出た課題を、その週のうちに半分まで進める。このくらいの大きさに切っておくと、疲れた夜でも手が動きます。
最低線は紙のいちばん下に、教科と作業の名前で書きます。「勉強する」ではなく「数学の例題を1問」と書くのがこつです。シフトの日の最低線は、家に帰ってからではなく、学校を出る前の30分や、店へ向かう電車の中に置いてください。帰ってからやる分を0にしておくと、遅い夜に机へ向かう重さが消えます。
4. 学校の決まりを確かめ、シフトを入れてよい枠に印を付ける
ここで初めてシフトです。その前に、そもそもアルバイトを認めているか、認めているならどんな届けや許可が要るかを確かめます。これは学校ごとに決まりが違うので、生徒手帳や学校の決まりを読み、わからない所は担任の先生に聞いておきましょう。
決まりを確かめたら、部活と最低線を置いたあとの白い部分のうち、シフトを入れてよい所だけに印を付けます。図2の例では、部活は月・火・木・金の放課後と土曜の昼にあり、部活のある平日の夜は勉強に充てています。部活の無い水曜は、放課後に学校で最低線を済ませてから、夜にシフトへ入ります。土曜は部活のあとの夕方に働き、夜は勉強。日曜は昼に働き、夕方に勉強をして、夜は何も入れずに空けておきます。

平日の夜にシフトを入れるときは、図2の水曜のように、終わる時刻と家に着く時刻を両方書いてください。労働基準法の第61条は、満18歳に満たない人を午後10時から午前5時までのあいだ働かせることを、雇う側に禁じています。交替制で働く満16歳以上の男性などには例外の扱いがありますが、満18歳になる前の高校生が夜のシフトを考えるなら、22時までに終わる組み方が出発点です。シフト表に22時を回る時間が入っていたら、そのまま受けずに店の人に確かめてください。
印を付けた枠を店に出すときは、テストの週の休みも一緒に、日付で伝えます。シフトの希望をいつまでに出すかは店によって違うので、働き始めるときに、テストの前は入れない週があることを先に話しておくと、6月のような週に慌てずにすみます。
5. テストの2週間前の形を、先に決めておく
手順2で引いた赤い線の内側では、週の枠を「テスト前の形」に切り替えます。たとえば、ふだん週3日のシフトを、2週間前からは週1日、1週間前からは0日にする。部活の自主練や居残りは、テストのあとに回す。空いた時間には、最低線の上に、範囲表の教科を1日2教科ずつ積んでいきます。
冒頭の場面のように大会とテストが同じ週に来たら、大会の日もテストの日も自分では動かせません。動かせるのはシフトだけです。その週と前の週のシフトを、範囲表が配られたその日のうちに店へ相談してください。相談が早いほど、店の側も代わりの人を探しやすくなります。
6. 日曜の夜に10分、週を点検する
空けておいた日曜の夜に、10分だけ点検をします。見るのは2つです。最低線を守れた日が7日のうち何日あったか。寝る時刻が予定から1時間以上ずれた日が何日あったか。最低線を守れない週が2週続いたら、それは気合いが足りないのではなく、枠に入れた量が多すぎるという合図です。そのときは、後の節の図3の順番に沿って、予定を1つだけ減らします。
学年と時期で変わるところ
中学生のうちは、アルバイトはまだ先の話です。それでも、部活と勉強の2つで週の枠を書く練習は、中学から始められます。中1・中2のうちは、テストの2週間前に線を引く手順2だけを先に身につけておくと、高校での組み直しが楽になります。部活を引退する時期は部によって違いますが、引退で空いた放課後をどう使うかを引退の前に一度書いておくと、高校で3つ目の予定が加わったときに慌てません。高校でアルバイトを考えている中3なら、入学前の春休みに、通学の時間まで入れた高校の1週間を書いてみてください。
高1は、最初のテストを一度通ってからシフトの数を決める順番が、無理のない形です。授業の進み方も、テストの範囲の広さも、受けてみるまで見当がつかないからです。高2になると、部活で任される役目が増えやすく、大会や行事の前は練習が長くなります。シフトの数を前の年のまま据え置くと、最低線が先に削られます。学年が変わる4月に、手順1の紙を書き直してください。
高3は、進路によって週の形が大きく変わります。大学入学共通テストを受ける人は、自分の受ける年の本試験の日(今の高3が受ける令和9年度は2027年1月16日(土)と17日(日))から逆に数えて、秋のどこでシフトを止めるかを高3の夏までに決めておきます。推薦や就職、専門学校など別の道を考えている人も、出願や面接の時期を学校で確かめ、その前の数週間はシフトを外しておくと動きやすくなります。
時期で見ると、ふだんの週は図2の形、テストの2週間前は手順5の形、長期休みはまた別の形です。夏休みや冬休みは平日の昼にシフトを入れられるので、夜の勉強時間を守りやすくなります。その一方で、部活の合宿や練習が昼に入り、課題の量も増えます。長期休みの最後の1週間は、課題の仕上げのためにシフトを入れずに空けておくと、休み明けの授業に遅れずに入れます。
よくある失敗と直し方
頼まれるたびに、空いている日へシフトを足してしまう
店の人に「この日、入れない?」と頼まれると、断りにくいものです。働いた分はお金になって目に見えるのに、勉強が減った分はすぐには見えません。だから足す方へ傾きます。直し方は、手順4で印を付けた枠の外を、最初から「その日は予定があります」と答える場所にしておくことです。予定の中身まで話す必要はありません。最低線も、紙に書いた時点で予定の一つです。
勉強を、シフトのあとの夜にまとめて取り返そうとする
週の前半に遅れた分を、シフトの無い夜に2時間まとめて取り返そうとする形です。けれど疲れの順番のとおり、夜の遅い時間は手が進まず、寝る時刻が後ろへずれて、翌日の授業がまた残らない。取り返すつもりの夜が、次の遅れを作ります。直し方は、遅れた分を細かく割って、昼休みの10分や、店へ向かう前の20分に散らすことです。その夜は最低線だけ済ませて、いつもの時刻に寝てください。
苦しくなったとき、勉強から削るか、いきなり全部やめる
勉強は削っても誰にも迷惑がかからないように見えるので、真っ先に削られます。逆に、疲れが限界に来ると、部活もバイトも全部やめる、という極端な決め方に振れることもあります。どちらも、あとで戻すのが難しい選び方です。直し方は、図3のように、戻しやすい物から1段ずつ減らすことです。

1段目は、頼まれて足した追加のシフトを断ること。来週にはまた戻せます。2段目は、部活の自主練や居残りを、テストのあとまで休むこと。全体の練習ではないので、自分の判断で戻せます。3段目は、週のシフトの数を店と相談して1つ減らすこと。店の都合もあるので、戻すには少し時間がかかります。4段目は、部活かバイトのどちらかをやめるかを、家の人と話して決めること。ここまで来て初めて、戻しにくい選択に手をかけます。どの段でも最後まで残すのは、睡眠と勉強の最低線です。1段進めたら、2週間は日曜の点検で様子を見てください。家の事情で働いている人は、3段目で数を減らす代わりに、平日の夜のシフトを週末の昼へ移す相談から始めると、働く時間を変えずに夜を取り戻せることがあります。
よくある質問
部活と勉強の2つでもう両立できないのに、バイトを始めてもいいですか
2つで最低線が守れていない週に3つ目を足すと、最初に消えるのはやはり勉強です。始める前に、今の2つだけで最低線が守れるかを2〜3週間見てください。もう一つ確かめたいのが、部活の休みの日です。部活が週に1日も休みにならないなら、3つ目を入れる場所はもともとありません。その場合は、テスト前の練習の扱いを顧問の先生に聞くところから始め、アルバイトはそのあとで考えます。
高校で部活と勉強を両立できないのは、要領が悪いからですか
要領より、量の問題であることが多いです。手順1の紙で、白い部分の時間を数えてみてください。部活とシフトで白い部分がほとんど埋まっているなら、どれほど手際がよくても勉強は入りません。また、高1の1学期は、高校の授業の進み方に体がまだ慣れていない時期で、同じ量でも中学の頃より重く感じます。2学期に入って同じ枠が楽に回るようなら、それは要領が急に上がったのではなく、慣れた証拠です。
部活とバイトのどちらかをやめるなら、どう決めればいいですか
疲れた夜には決めないでください。大会やテストが終わった次の週の、少し落ち着いた日に、紙に2つの欄を作ります。「続けると何が手に入るか」と「やめたら何が戻らないか」です。部活は学年が上がってから戻りにくいことがあり、アルバイトは時期を変えてまた探せることがある、という違いもあります。決めたら、顧問の先生と店の人に、自分の口で早めに伝えてください。人づてに伝わると、残る方の関係までぎくしゃくします。
保護者が手を貸すなら
お子さまが3つの予定を抱えているとき、「バイトをやめなさい」から話を始めると、お子さまは店や部の事情を説明するところで黙ってしまいます。声をかけるなら、「テストの週のこと、店にはもう話した?」「今週、寝るのが遅くなった日は何日あった?」のように、日付と数で答えられる問いが向いています。見守る線は、日曜の点検で最低線が2週続けて守れなかったときです。そのときに一度、手順1の紙を一緒に見て、どこが埋まりすぎているかを確かめてください。働くことを家で認めるときは、学校の決まりと、22時までに終わる組み方を、お子さまと一緒に確かめておきましょう。夜のシフトの帰り道が気になるときも、迎えの約束を決める前に、終わる時刻そのものを一緒に見直す方が、お子さまは話に乗りやすくなります。
個別指導で確かめること
授業の復習が抜けた週がどこから始まったかを、数学と英語のノートと小テストでさかのぼり、数学なら今の単元の土台になっている1つ前の単元の例題まで戻って、手が動くかを確かめます。あわせて手順1の紙を見ながら、最低線の中身が今のテスト範囲に合っているかを点検し、大会とシフトの予定も入れたテストの2週間前の形を、その場で書き直します。
まとめ
6月の同じ週に大会とテストとシフトが並んだとき、自分で動かせたのはシフトだけでした。睡眠と最低線を先に塗り、苦しくなったら戻しやすい物から外していけば、3つの予定は自分の手で並べ直せます。範囲表を受け取った日に店へ送る「この週は入れません」の一言が、3つのうち勉強の席を守ります。
読んで終わりにするか、ここから変えるか。
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