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算数検定11級—小1の範囲、たし算ひき算と時計|武蔵野個別指導塾

小学校1年程度の算数検定11級は40分で20問、14問前後の正解が合格の目安です。くり上がりのたし算と時計の読みを冬の居間でどう固めるか、自作の例題と練習問題で手順を追えます。
算数検定11級は、公益財団法人 日本数学検定協会が行う実用数学技能検定のうち、小学校1年程度の級です。1次と2次の区分はなく、40分で20問を解き、全問題の70%程度の正解が合格の目安です。20問の70%は14問ですから、14問前後を正しく答えられれば合格の線に届きます。検定料は個人受検で2,700円、団体受検で2,500円です。
| 項目 | 算数検定11級 |
|---|---|
| 目安となる学年 | 小学校1年程度 |
| 構成 | 1次と2次の区分なし |
| 検定時間 | 40分 |
| 出題数 | 20問 |
| 合格基準 | 全問題の70%程度(20問なら14問が目安) |
| 検定料 | 2,700円(個人受検)・2,500円(団体受検) |
| 個人受検の残りの検定日 | 2026年12月5日(土。申込は10月27日で締切済み)・2027年1月16日(土。申込は12月1日まで)・2月12日(金)・2月13日(土。受付は12月7日から1月8日まで)・3月6日(土。申込は1月26日まで) |
出題の中身は、個数や順番、整数の表し方、たし算とひき算、長さや広さや水の量のくらべ方、時計の見方、身の回りの物の形、前後と左右の位置、個数を表す簡単なグラフです。小学校1年の算数の教科書の目次とほぼ重なります。
よくあるのは、入学して最初の冬、居間のこたつで宿題のプリントを広げたお子さまが「8たす5」で指を折り始め、隣で見ている保護者が「もう暗算で出てほしいのに」と口に出しかける、という場面です。この一枚のプリントが、11級の20問のうちの何問かと同じ形をしています。
試験のかたちと範囲
11級は、数学検定の1級から5級とは違って1次と2次に分かれていません。1枚の問題で40分、20問です。図1のように、20問のうち14問を正しく答えると70%になり、協会が示す合格基準の「全問題の70%程度」に届きます。逆にいえば、6問までは落としても合格の線に残るということです。1問あたりに使える時間は、40分を20問で割って2分です。小学校1年のお子さまにとって2分は長く、たし算1問に2分かかることはまずありません。時間が足りなくなる級ではなく、読み飛ばしと書き間違いで落とす級です。

協会のページに載っている検定の内容は、次の8つの柱です。個数や順番、整数の意味と表し方、整数のたし算とひき算、長さや広さや水の量などの比較、時計の見方、身の回りにある物の形とその構成、前後や左右などの位置の理解、個数を表す簡単なグラフ、と並びます。技能の概要として協会が挙げているのは、画用紙などを合わせた枚数や残りの枚数を計算して求めること、鉛筆などの長さを別の物を基準にしてくらべること、缶やボールなど身の回りにある物の形の特徴をとらえて分けること、の3つです。つまり11級は「学校で習った計算が、生活の中の物で問われる」検定です。
たし算とひき算の範囲は、小学校1年で習う内容どおりです。10までの数のたし算とひき算、くり上がりのあるたし算(8たす5のような答えが11から18になるもの)、くり下がりのあるひき算(13ひく5のような10台から1けたをひくもの)、20までの数の読みと並び、そして100までの数の表し方と数の線です。かけ算は10級の範囲で、11級には出ません。
長さや水の量は、cmやLのような単位はまだ使いません。「えんぴつは消しゴム何個分か」「どちらのコップの水が多いか」のように、別の物を基準にしてくらべる形で出ます。時計は「何時」と「何時半」が中心で、長い針が12か6にある形が基本です。形は、さいころの形、箱の形、筒の形、ボールの形のように、見た目の特徴で分ける問題です。位置は「前から3番目」「右から2つ目」のような言い方を読み取れるかが問われます。グラフは、物の個数を同じ大きさの印で並べて、どれが一番多いかを読み取る形です。
当日の持ち物は、受検証、黒のHB・B・2Bの鉛筆かシャープペンシル、消しゴム、ものさし(定規)です。受検証は個人受検なら検定日の約2週間前に電子ファイルで届きますが、4級以下は顔写真の貼り付けが不要です。11級はここに入ります。そのほかの持ち物は申し込みの後に協会の「当日の持ち物」のページで確かめてください。
合格までの進め方
11級の勉強は、学校の授業の復習がそのまま対策になります。順番は、数の読み書きと数える力、たし算とひき算、長さや形や時計、最後に40分の通し練習、です。図2のように4つの段を2週間ずつ進めると、申し込みから検定日までの2か月で一巡できます。

最初の段は、数を正しく数え、正しく書くことです。1年生のつまずきで一番多いのは、計算の前の「数える」で起きます。10のまとまりを作って数えること、「10が1つと1が6つで16」と言えること、20までの数の並びを前からも後ろからも言えること、この3つができると、くり上がりとくり下がりの計算が速くなります。おはじきでも、お菓子でも、洗濯ばさみでもかまいません。家にある物を10ずつまとめて数える遊びを、夕食の前に5分だけ入れてください。
2つ目の段は、たし算とひき算です。8たす5なら「8にあと2で10、残りの3をたして13」と、10を作ってから残りをたす手順を声に出して言わせてください。13ひく5なら「13を10と3に分けて、10から5をひいて5、3をたして8」と進めます。この手順を声に出せるかどうかが、暗算で出せるようになる前の目安です。手順が言えるようになったら、1日10問を5分で解く練習に切り替えます。1日の量は10問で十分です。多く解くより、毎日解くことのほうが、1年生には効きます。
3つ目の段は、計算以外の柱です。時計は、家の掛け時計の前で「今は何時」を1日に3回、朝の支度と帰宅と夕食の前に聞く習慣が、問題集より効きます。長さは、机の上の物を「消しゴム何個分」でくらべます。形は、台所の缶や箱やボールを集めて、転がる物と転がらない物、積める物と積めない物に分けてみます。位置は、本棚の本を「左から3冊目」と指で押さえさせます。この段は机に向かわなくても進められるので、週末の居間でまとめて行えます。
4つ目の段は、40分で20問の通し練習です。協会の公式サイトには、11級の検定問題と解答用紙と模範解答が公開されています。これを印刷して、台所のタイマーを40分に合わせ、本番と同じ形で1回解きます。1年生は「解答用紙に書き写す」ことに慣れていないので、ここで初めて、答えはわかっているのに書く欄を間違える、という失敗に気づきます。通しの練習は検定の2週間前に1回、1週間前にもう1回で十分です。
1日の量の例を1つ挙げます。平日は、計算10問を5分、時計を3回聞く、で合わせて10分以内です。週末は、計算10問に加えて、長さか形か位置のどれか1つを居間で20分です。検定の前の2週間だけ、週末に40分の通し練習が1回入ります。これ以上は要りません。1年生に1時間の机の時間を求めると、検定の前に算数そのものを嫌いになります。
例題で確かめる
11級と同じ形の問題を3問、自作しました。答えまでの手順を声に出して言えるかを確かめてください。
例題1(たし算とひき算) 画用紙が8まいあります。きょう3まいつかいました。のこりはなんまいですか。また、あかいおりがみが6まい、あおいおりがみが7まいあります。あわせてなんまいですか。
残りを求めるのはひき算です。8 − 3 = 5 で、残りは5まいです。合わせた数を求めるのはたし算で、6 + 7 は、6にあと4で10、7を4と3に分けて、10と3で13です。6 + 7 = 13 で、合わせて13まいです。協会が技能の概要に挙げている「画用紙などを合わせた枚数や残りの枚数を求める」は、まさにこの形です。問題文の「のこり」「あわせて」という言葉を見て、ひき算かたし算かを決める練習になります。
例題2(長さのくらべ方) えんぴつの長さは、消しゴム6こぶんでした。クレヨンの長さは、消しゴム4こぶんでした。どちらがどれだけ長いですか。
同じ消しゴムを基準にしているので、個数の差がそのまま長さの差になります。6 − 4 = 2 で、えんぴつのほうが消しゴム2こぶん長い、が答えです。ここで「どちらが」と「どれだけ」の2つを答えないと、正解になりません。1年生はどちらか片方だけ書いて終わることが多いので、問いの文に2つの問いが入っていることを、指でなぞって確かめさせてください。
例題3(時計の見方) 時計の短い針が3と4のあいだ、長い針が6をさしています。何時何分ですか。
長い針が6をさしているときは30分、つまり「半」です。短い針が3と4のあいだにあるのは、3時を過ぎて4時にはなっていないからです。答えは3時30分、3時半です。1年生が間違えやすいのは、短い針が4に近い位置にあるのを見て「4時半」と答えることです。短い針は、3と4のあいだにあるかぎり、まだ3時台です。針が次の数に届くまでは前の数、と言葉にして覚えます。
3問の計算を並べると、8 − 3 = 5、6 + 7 = 13、6 − 4 = 2 です。30分の時計は長い針が真下、短い針が3と4のちょうど中間です。
まちがえやすいところ
11級で落とす問題は、難しい問題ではありません。よくある誤りを3つ挙げます。
1つ目は、くり下がりのひき算で、一の位どうしを逆にひいてしまう誤りです。13 − 5 を「5 − 3 = 2 だから12」と答えてしまいます。10と3に分けて、10から5をひく、という手順が身についていないときに起きます。直し方は、13を「10のまとまりとバラ3」の絵にして、まとまりの方から5をひく絵を描かせることです。絵で3回正しく描けたら、式だけに戻します。
2つ目は、時計の短い針の読み違いです。7時30分の時計を見て「8時半」と答える誤りで、短い針が7と8のまんなかにあるために、近いほうの8を読んでしまいます。図3のように、7時30分の短い針は7と8のちょうどまんなかにあります。短い針はゆっくり進むので、30分のときは次の数までの半分まで進んでいます。それでも7時台です。家の時計で「今は何時台」と聞くとき、短い針が「どの数を通り過ぎたか」を言わせてください。通り過ぎた数が、今の時です。

3つ目は、問いの読み飛ばしです。「どちらが多いですか」と聞かれて個数を答える、「なんばんめですか」と聞かれて人数を答える、という誤りで、問題文の最後の一文を読まずに、数字だけ見て計算を始めるときに起きます。11級の問題文はひらがなが多く、1年生には読むだけで時間がかかります。そのぶん、最後の問いの一文を飛ばしやすいのです。直し方は、答えを書く前に、問いの文の最後の言葉を指で押さえて、その言葉で答えを言わせることです。「なんまいですか」なら「まい」で終わる答え、「なんばんめですか」なら「ばんめ」で終わる答えです。
確かめの問題
本文の例題とは別の物と数で3問出します。声に出して手順を言ってから、答えを書いてください。
問1 バスに12にんのっています。つぎのていりゅうじょで5にんおりました。バスにはなんにんのこっていますか。
問2 10のまとまりが1つと、1が6つあります。かずはいくつですか。また、その数より3おおきいかずはいくつですか。
問3 こどもがまえからじゅんにならんでいます。あきらさんはまえから4ばんめで、あきらさんのうしろには2にんいます。ぜんぶでなんにんならんでいますか。
答えと解説
問1は、残りを求めるひき算です。12 − 5 は、12を10と2に分けて、10から5をひいて5、2をたして7です。答えは7にんです。「おりました」という言葉がひき算の合図で、「のこって」という問いの言葉が、答えに「にん」を付ける合図です。
問2は、数の表し方の問題です。10が1つと1が6つで16です。16より3大きい数は、16 + 3 = 19 です。10のまとまりとバラで数を言えるかどうかが問われています。「じゅうろく」と読めても「10と6」に分けて考えられないお子さまは、2学期の終わりごろによくいます。おはじきを10個ずつ袋に入れて数える遊びで直ります。
問3は、順番と個数の問題です。前から4番目ということは、あきらさんを含めて前に4人います。その後ろに2人いるので、4 + 2 = 6 で、全部で6人です。ここで「前に4人いて、あきらさんと、後ろに2人」と数えて 4 + 1 + 2 = 7 とする誤りがよく出ます。「4番目」はあきらさんを数えた上での順番なので、4人の中にあきらさんが入っています。絵に丸を6つ描いて、前から4つ目に印を付けると、一目で納得します。
3問の計算を並べると、12 − 5 = 7、10 + 6 = 16、16 + 3 = 19、4 + 2 = 6 です。
次に受ける級と入試での扱い
11級に合格したら、次は小学校2年程度の10級です。10級ではかけ算の九九と、長さの単位、100より大きい数が入ってきます。11級のたし算とひき算が暗算で出せるようになっていれば、2年生の秋から冬に10級を受ける流れが自然です。急いで学年より上の級を目指す必要はなく、学校の進度の半年後に合格証が付いてくる間隔が、1年生にはちょうどよい速さです。
11級の合格が中学入試や高校入試で直接何かに使われることは、まずありません。入試で検定の級を見るのは、学校によって扱いが違ううえ、数学検定の3級以上を対象にしているところがほとんどです。11級の値打ちは入試ではなく、初めて「自分で申し込んで、自分で会場に行って、合格証をもらう」経験を6歳か7歳でできることにあります。個別指導で11級を目指すお子さまには、学校のプリントの間違いを1枚ずつ見て、数える段階でつまずいているのか、10を作る手順でつまずいているのかを分けてから、戻る場所を決めています。
まとめ
11級は40分で20問、14問の正解が合格の目安で、出題は小学校1年の算数そのものです。くり上がりとくり下がりを「10を作る」手順で声に出せること、時計の短い針が通り過ぎた数を言えること、問いの最後の言葉で答えを終えること。この3つがそろえば、冬の居間のプリントがそのまま合格証に変わります。小学校1年の冬に身につく「10を作ってから考える」習慣は、6年後の中学の正負の数まで、計算の土台として残ります。
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