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【化学】合成高分子を図解で総まとめ—付加重合 縮合重合・合成繊維 樹脂 ゴム・機能性高分子|武蔵野個別指導塾

【化学】合成高分子を図解で総まとめ—付加重合 縮合重合・合成繊維 樹脂 ゴム・機能性高分子のアイキャッチ 武蔵野個別指導塾
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単量体と繰り返し単位を結びつけ、ナイロン・PET・樹脂・ゴムの性質を整理します。重合度や縮合で生じる水の計算、イオン交換の例題を通して、構造式から材料を読み解く力を養えます。

よくあるのは、模試会場の入口で高分子の確認表を開き、「ナイロンは縮合重合、ポリエチレンは付加重合」と唱えられるのに、見慣れない構造式が出ると分類できなくなるという場面です。名前と製法を別々に覚えていると、単量体を問われたときにも、質量を計算するときにも、記憶を最初から探し直すことになります。

この単元では、長い分子の鎖をどこで区切るか、つながる前後でどの原子が残るかを確かめます。同じ見方が、衣服の繊維、容器の樹脂、弾性をもつゴム、特定のイオンを取り除く材料にまで使えます。「名前を見て性質を答える」段階から、「結合と鎖の形を見て性質の理由を説明する」段階へ進みましょう。計算も、長い構造式全体を数える必要はありません。小さな繰り返しを正しく取り出せば、物質量の計算につながります。

この単元で身につけること

前の有機化合物の単元で学んだアルケンの付加反応、カルボン酸のエステル化、アミンの性質が土台です。高分子になっても原子の数が保存されること、炭素原子が通常4本分の共有結合をつくることは変わりません。長さに圧倒されたときは、結合1か所に視線を戻すと考えやすくなります。

基本の考え方

単量体をつなぎ、繰り返し単位を読む

高分子化合物は、多数の原子が共有結合でつながった、分子量の大きな化合物です。そのうち、人の手で合成されるものを合成高分子といいます。原料となる小さな分子を単量体、単量体が多数つながる反応を重合、生じる高分子を重合体と呼びます。鎖の中で同じ並びとして繰り返される最小の基本的なまとまりが、繰り返し単位です。

例えば、エチレン CH₂=CH₂ からポリエチレンをつくる反応は、次のように表します。角括弧の両端の結合は、隣の繰り返し単位へ続く結合です。

n CH₂=CH₂ → [−CH₂−CH₂−]ₙ

二重結合のうち一方が単結合として残り、もう一方に相当する結合が、隣の単量体との新たな結合形成に使われます。二重結合を保ったまま炭素どうしをさらに結ぶのではありません。単量体の原子が脱離せずに次々とつながる、このような反応を付加重合といいます。

図1のように、左の単量体と右の繰り返し単位を対応させると、炭素も水素も減っていないことがわかります。右の括弧の外へ向かう横線は鎖の続きを表し、端に新しい水素原子が必ず付くという意味ではありません。

図1 エチレンの二重結合が開いて鎖になる付加重合

ポリエチレンの式で n は重合度を表し、この場合は1本の鎖に取り込まれたエチレン分子の数に対応します。末端の影響を無視すると、高分子の分子量は「繰り返し単位の式量 × 重合度」で求められます。ただし、実際の試料には長さの異なる分子が混ざっています。平均分子量が与えられた問題では、求める重合度も平均値として扱います。

エチレンの水素1個を別の原子や原子団に置き換えても、同様の見方ができます。塩化ビニル CH₂=CHCl からは [−CH₂−CHCl−]ₙ、プロピレン CH₂=CH−CH₃ からは [−CH₂−CH(CH₃)−]ₙ ができます。前者はポリ塩化ビニル、後者はポリプロピレンです。炭素の鎖から横に出た Cl や CH₃ は側鎖側の部分であり、重合によって消えるわけではありません。

スチレン CH₂=CH−C₆H₅ からつくるポリスチレンでは、ベンゼン環が鎖の横に残ります。テトラフルオロエチレン CF₂=CF₂ からは [−CF₂−CF₂−]ₙ ができ、耐薬品性などに優れるポリテトラフルオロエチレンになります。このように、反応する二重結合と、そのまま残る部分を色分けして考えると、名前の暗記を構造の理解で支えられます。

縮合重合と合成繊維

カルボキシ基 −COOH やヒドロキシ基 −OH など、反応や性質の特徴を担う原子団を官能基といいます。官能基どうしが結合するとき、水などの小さな分子が取れる反応が縮合です。1分子の両端などに反応できる部分があると、この反応が繰り返されて長い鎖になります。これが縮合重合です。

ナイロン66は、ヘキサメチレンジアミン H₂N−(CH₂)₆−NH₂ とアジピン酸 HOOC−(CH₂)₄−COOH からつくられます。アミノ基 −NH₂ とカルボキシ基が反応して、水が取れ、アミド結合 −CO−NH− ができます。繰り返し単位は [−NH−(CH₂)₆−NH−CO−(CH₂)₄−CO−] です。ナイロン66の2つの6は、それぞれの原料に含まれる炭素原子の数を表します。アジピン酸では、(CH₂)₄ の炭素4個に、2個のカルボキシ基の炭素を加えて6個です。

ナイロンのように主鎖にアミド結合をもつ高分子をポリアミドといいます。アミド結合の近くでは分子間に水素結合が生じ、鎖どうしが引き合います。繊維を引き伸ばして鎖をそろえる操作も強さに関係します。単に分子が長いというだけでなく、鎖の間にはたらく力と鎖の並び方を考えることが必要です。

一方、ポリエチレンテレフタラートは PET と略し、テレフタル酸 HOOC−C₆H₄−COOH とエチレングリコール HO−CH₂−CH₂−OH からつくられます。ここでテレフタル酸の2個のカルボキシ基はベンゼン環の対向する位置にあります。できる繰り返し単位は [−O−CH₂−CH₂−O−CO−C₆H₄−CO−] で、主鎖にエステル結合 −CO−O− をもつためポリエステルに分類されます。PET は繊維にも容器にも使われ、用途の分類と化学構造の分類は同じものではありません。

ナイロン6は、環状の単量体である ε-カプロラクタムの環が開いてつながる開環重合で得られます。繰り返し単位は [−NH−(CH₂)₅−CO−] です。ナイロンという名前が共通でも、ナイロン66と同じ2種類の単量体を使うわけではありません。開環重合では、環状構造のどの結合が開き、どの並びが主鎖に残るかを見ます。

代表的な合成繊維には、ほかにアクリル繊維やビニロンがあります。アクリル繊維の主成分となるポリアクリロニトリルは、アクリロニトリル CH₂=CH−CN の付加重合で得られます。ビニロンは、まず酢酸ビニルを重合し、できたポリ酢酸ビニルをけん化してポリビニルアルコールに変え、さらにホルムアルデヒドで一部の −OH をアセタール化して耐水性を高めた繊維です。ポリビニルアルコールを、ビニルアルコールの直接重合でつくるとは覚えないようにします。反応しやすい原料から鎖をつくり、その後で官能基を変える道筋もあります。

樹脂・ゴム・機能性高分子を結合から整理する

合成樹脂は、成形して各種の製品に使う合成高分子材料です。加熱すると軟らかくなって成形でき、冷やすと固まる性質を熱可塑性といいます。ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、PET などが代表例です。鎖の間に広く共有結合の網目ができていないため、加熱によって鎖が動きやすくなります。ただし、分解するほどの高温でも何度でも成形できる、という意味ではありません。

熱硬化性樹脂は、加熱などによって硬化が進むと共有結合の網目ができ、再び加熱しても元のようには軟らかくならない樹脂です。フェノールとホルムアルデヒドからつくるフェノール樹脂、尿素とホルムアルデヒドからつくる尿素樹脂、メラミンとホルムアルデヒドからつくるメラミン樹脂などがあります。エポキシ樹脂も代表例ですが、すべての熱硬化性樹脂を同一の重合反応で説明する必要はありません。熱に対する分類では、最終的にできた網目構造に注目します。

ゴムでは、普段は折れ曲がっている鎖が引っ張られると伸び、力を除くと元の乱れた形に戻ろうとします。鎖の間に適度な架橋、つまり鎖どうしを結ぶ共有結合の橋があると、鎖がずれ続けることを抑えられます。硫黄によってこのような橋をつくり、強さや弾性を改善する操作が加硫です。橋を増やせば必ず伸びやすくなるわけではなく、過度に架橋すると硬くなります。

合成ゴムには、ブタジエンからつくるブタジエンゴム、ブタジエンとスチレンを共重合させるスチレンブタジエンゴム、ブタジエンとアクリロニトリルからつくるアクリロニトリルブタジエンゴムなどがあります。共重合は、2種類以上の単量体を使う重合です。ブタジエン CH₂=CH−CH=CH₂ が1,4-付加すると、鎖には −CH₂−CH=CH−CH₂− の並びが残ります。原料に二重結合が2か所あるので、高分子になった後にも二重結合が残る点がエチレンと異なります。

機能性高分子は、特定のはたらきをもつように設計された高分子です。イオン交換樹脂では、水に溶けない網目に固定された官能基が、水中のイオンを交換します。陽イオン交換樹脂のスルホ基 −SO₃H は H⁺ を放出して陽イオンを取り込み、陰イオン交換樹脂では、固定された正電荷をもつ部分に伴う陰イオンが交換されます。樹脂そのものの骨格が水中を移動してイオンを追いかけるわけではありません。

生分解性高分子は、微生物のはたらきなどによって分解される高分子です。ポリ乳酸はその例で、主鎖にエステル結合をもちます。ただし分解の速さは温度、水分などの環境に左右され、どこに置いてもすぐに消えるという意味ではありません。高吸水性樹脂では、親水性の部分が水を取り込み、網目が全体の溶解を抑えます。ポリウレタンのように、官能基どうしが小分子を脱離せずに繰り返し付加する重付加でつくられるものもあります。反応の分類と、材料に与えた機能の分類を分けて整理しましょう。

例題で解き方を確かめる

以下では、教科書の計算で用いる原子量 H=1.0、C=12、N=14、O=16 を使います。分子量や式量には単位を付けず、モル質量には g/mol を付けます。高分子の末端の質量を無視する問題では、その条件を明示して計算します。

例題1 ポリエチレンの平均重合度

ポリエチレンの平均分子量を 5.6×10⁴ とします。末端の影響を無視して、平均重合度を有効数字2桁で求めましょう。

  1. 繰り返し単位を [−CH₂−CH₂−] と書きます。平均分子量を割る相手は、高分子の名前ではなく、この1単位の式量だからです。
  2. C₂H₄ の式量を 12×2+1.0×4=28 と求めます。付加重合では、この単位に単量体の原子がそのまま残ります。
  3. 5.6×10⁴÷28=2.0×10³ と計算します。全体を1単位の大きさで割ることで、鎖を構成する単位の平均個数が求まります。

答え:平均重合度は 2.0×10³ です。

ここで 5.6×10⁴ は1本の分子の平均的な大きさを表す分子量であり、試料の質量ではありません。「g がないから計算できない」と考えず、分子量どうしの比で個数を求めていると読み取ります。

例題2 ナイロン66の繰り返し単位の式量

ヘキサメチレンジアミン C₆H₁₆N₂ とアジピン酸 C₆H₁₀O₄ からできるナイロン66について、繰り返し単位の組成と式量を求めましょう。鎖の内部の繰り返し単位に注目し、末端は考えません。

  1. 原料を1分子ずつ合わせ、C₁₂H₂₆N₂O₄ と数えます。先に原料側の原子の総数をそろえると、水として失う原子を確実に引けます。
  2. 繰り返し単位1個あたり、水2分子分を差し引きます。長い鎖の内部では、原料の1組に対応してアミド結合が2か所できるためです。
  3. C₁₂H₂₂N₂O₂ を得て、12×12+1.0×22+14×2+16×2=226 と計算します。構造式から直接数えても同じ組成になることを確かめます。

答え:繰り返し単位の組成は C₁₂H₂₂N₂O₂、式量は 226 です。

「縮合だから水を1分子引く」と反射的に決めると、両端でつながる分を見落とします。一方、原料2分子だけを1か所で結合させた小さな生成物と、長い鎖の内部の繰り返し単位は同じではありません。何を数える問題かを先に確かめることが重要です。

例題3 PET をつくるときの質量の収支

テレフタル酸 0.100 mol とエチレングリコール 0.100 mol から PET を得るとします。十分に長い鎖ができ、末端の影響、未反応物、副反応を無視できるとき、PET と生じる水の質量を有効数字3桁で求めましょう。

図2のように、エステル結合1か所の形成に対応して水が1分子生じます。図の R と R′ は、反応に注目している官能基以外の部分を表す記号です。PET の繰り返し単位では、原料1組に対応するエステル結合が2か所あります。

図2 エステル結合の形成と水として取れる部分の対応
  1. 原料のモル質量を求めます。テレフタル酸 C₈H₆O₄ は 166 g/mol、エチレングリコール C₂H₆O₂ は 62 g/mol です。原料の質量を先に求めると、最後に質量保存を確認できます。
  2. 水の物質量を 0.100×2=0.200 mol とします。末端を無視する条件では、原料1組につき水2分子分を引くためです。水の質量は 0.200×18=3.60 g です。
  3. PET の繰り返し単位 C₁₀H₈O₄ の式量を 166+62−18×2=192 と求めます。PET の質量は 0.100×192=19.2 g です。
  4. 原料の総質量 16.6+6.20=22.8 g と、生成物の総質量 19.2+3.60=22.8 g を比べます。高分子と水を両方数えると質量が保存されます。

答え:PET は 19.2 g、水は 3.60 g です。

厳密に1本の直鎖だけをつくる場合も区別しておきます。ジカルボン酸 n 分子とジオール n 分子、合計 2n 分子を環化せずに1本に結ぶなら、分子間の結合形成は 2n−1 回で、水も 2n−1 分子生じます。末端を無視した繰り返し単位の計算では、これを 2n 分子分として近似しています。鎖が十分に長いという条件には、この末端分の差を小さいとして扱う意味があります。

例題4 陽イオン交換樹脂に必要な交換基

H⁺ 型の陽イオン交換樹脂で Ca²⁺ を 0.0100 mol 取り除きます。スルホ基1個が H⁺ を1個交換するとして、必要なスルホ基と放出される H⁺ の物質量を求めましょう。交換は完全に進むものとします。

  1. Ca²⁺ の電荷が+2であることを確認します。交換するイオンの個数ではなく、電荷をつり合わせる必要があるからです。
  2. Ca²⁺ 1個に対して、固定された −SO₃⁻ が2個必要だと考えます。もともとそれぞれに対応していた H⁺ が、合計2個水中へ出ます。
  3. 0.0100×2=0.0200 mol と計算します。必要なスルホ基と、放出される H⁺ は同じ物質量になります。

答え:必要なスルホ基は 0.0200 mol、放出される H⁺ も 0.0200 mol です。

H⁺ 型の陽イオン交換樹脂だけを通しても、水中の陰イオンがすべてなくなるわけではありません。脱イオンを考えるときは、OH⁻ 型の陰イオン交換樹脂による交換も組み合わせます。取り出された H⁺ と OH⁻ は H⁺+OH⁻ → H₂O と反応します。

つまずきやすいところと直し方

二重結合を残したままポリエチレンを書く

誤った書き方は「エチレンが並ぶので [−CH₂=CH₂−]ₙ」です。この形では、各炭素に水素との結合2本、二重結合2本分、隣へ続く単結合1本が集まり、炭素の結合の数が合いません。正しい書き方は [−CH₂−CH₂−]ₙ です。

直すときは、二重結合を単結合に変え、両端へ結合を伸ばした後、炭素ごとに結合を数えます。ただし、この確認を「どんな付加重合でも二重結合が全部なくなる」と一般化してはいけません。ブタジエンの1,4-付加では、繰り返し単位の中央に二重結合が残ります。原料の二重結合の数と生成物の結合の数を対応させましょう。

縮合重合でも原料の式量をそのまま足す

誤った書き方は「PET の繰り返し単位の式量は 166+62=228」です。これは、水として出ていく原子まで高分子の中に残した計算です。正しい書き方は、末端を無視する条件で 166+62−2×18=192 となります。

修正するときは、エステル結合の場所を丸で囲み、その形成に対応する水を数えます。逆に単量体を復元するときは、エステル結合の C−O の位置を切り、カルボニル側に −OH、酸素側に H を補います。切っただけの断片を単量体とすると、必要な水素や酸素が不足します。アミド結合でも同様に、加水分解で補われる原子まで含めて原料を復元します。

熱硬化性なら加熱で溶け、ゴムなら架橋がないと考える

誤った書き方は「熱硬化性樹脂は温めると再び溶け、ゴムには鎖をつなぐ橋がない」です。熱硬化性樹脂は硬化後に広い網目をもち、加硫したゴムにも適度な架橋があります。正しくは「熱可塑性樹脂は加熱で鎖が動きやすくなり、熱硬化性樹脂は硬化後の網目が鎖の移動を制限し、ゴムでは適度な架橋が形の回復を支える」と書きます。

図3のように、独立した鎖、少数の橋で結ばれた鎖、多くの橋で結ばれた鎖を並べて描くと違いが見えます。図は結合の配置を比べる模式図で、実際の架橋密度の数値を示すものではありません。

図3 独立した鎖とゴムの架橋および樹脂の網目構造

また、「付加重合なら熱可塑性、縮合重合なら熱硬化性」という対応も成り立ちません。PET やナイロン66は縮合重合でつくられても熱可塑性を示します。重合の種類はつくられるときの反応、熱可塑性と熱硬化性はできた材料の加熱に対する性質です。分類に使っている問いを混ぜないことが、表を正しく覚える近道です。

練習問題

例題と同じ原子量を使います。計算では、求める量が分子量、重合度、質量、物質量のどれかを最初に書いてから進めましょう。答えを見る前に、構造式または量の対応を1行残してください。

練習1

ポリプロピレンの繰り返し単位を構造式で書きましょう。また、平均分子量が 8.4×10⁴ のときの平均重合度を、有効数字2桁で求めましょう。末端の影響は無視します。

練習2

ナイロン66の平均分子量が 2.26×10⁴ でした。例題2の繰り返し単位を1単位として、平均の単位数を有効数字3桁で求めましょう。末端の影響は無視します。また、主鎖にある特徴的な結合の名称を答えましょう。

練習3

テレフタル酸3分子とエチレングリコール3分子が、環をつくらず、枝分かれのない1本の鎖になるとします。生じる水は何分子でしょうか。また、生成する鎖1分子の分子量を求めましょう。この問題では末端を省略しません。

練習4

H⁺ 型の陽イオン交換樹脂に交換可能なスルホ基が 0.0300 mol あります。すべてを Mg²⁺ の交換に使うとき、取り込める Mg²⁺ の最大の物質量と、放出する H⁺ の物質量を求めましょう。交換は完全に進むものとし、有効数字3桁で答えましょう。

答えと解説

練習1:繰り返し単位は [−CH₂−CH(CH₃)−]、平均重合度は 2.0×10³ です。1単位の組成は C₃H₆ なので、式量は 12×3+1.0×6=42 です。8.4×10⁴÷42 で求めます。主鎖の炭素2個だけを数えて、側鎖の CH₃ を忘れないようにします。

練習2:平均の単位数は 1.00×10²、特徴的な結合はアミド結合です。2.26×10⁴÷226=100 となります。この1単位には2種類の単量体それぞれ1分子分に由来する部分があるため、単位数をそのまま投入した全単量体分子の総数と混同しないことが大切です。

練習3:水は5分子、生成した鎖の分子量は 594 です。6分子を1本に結ぶには結合を5か所つくるので、原料の分子量の合計 3×166+3×62=684 から 5×18=90 を引きます。繰り返し単位だけの 3×192=576 と比べると、水1分子分の18だけ大きくなります。この差が、省略していない末端に対応します。

練習4:Mg²⁺ は最大 0.0150 mol、H⁺ は 0.0300 mol です。Mg²⁺ 1個には交換基が2個必要なので、取り込める量は 0.0300÷2 です。H⁺ は交換基1個あたり1個出るため、交換基と同じ物質量になります。陽イオンの価数を読み取ることが計算の出発点です。

次の単元へのつながりと家庭での確かめ方

天然高分子を学ぶときには、合成高分子で確かめた「小さな単位をつなぐ」「結合を加水分解して元の単位を考える」という見方が再び使えます。例えば、タンパク質にあるペプチド結合はアミド結合の一種です。名前が変わっても、結合の形を手がかりに知識をつなげられます。

家庭での5分の確認として、まず紙にエチレンとポリエチレンを並べ、炭素の結合を数えてみます。別の5分では、PET の繰り返し単位にエステル結合の印を付け、切断する位置と補う H、OH を書いて原料を復元してみましょう。どちらも実物を加熱したり薬品を使ったりする必要はありません。

個別指導で説明が止まった場合には、材料名の一覧だけに戻らず、炭素の結合の数やエステル化1回の反応まで戻って確認します。お子さまの学習を家庭で確かめるときも、暗記した名前の数より、「水をどこで何個引いたか」を説明できるかが理解を見る手がかりになります。

まとめ

高分子の長い構造式を読むとき、最初から全体を覚えようとする必要はありません。繰り返しの境目を決め、そこを越える結合と、鎖の横に残る原子団を確かめれば、原料の復元にも質量の計算にも進めます。材料の性質を問われたときには、その鎖が動けるのか、別の鎖と結ばれているのかまで視野を広げます。

名前だけで迷っていた問題でも、紙の上に結合を1本書き足すと、判断の根拠が残ります。合成高分子を読み解く出発点は、長い鎖の中の結合1本です。

本気になった日が、入塾の日。

お子様の教育、迷ったら「丸投げ」してください。必ず、期待以上の結果で返します。武蔵野で育む、武蔵境で学ぶ。

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