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変化の割合から微分、極限と連続へ|武蔵野個別指導塾
一次関数の傾きと平均の速さを出発点に、接線や導関数、極限の厳密な定義までをたどります。区間を狭める計算を通して、微分で何を求めているのかを自分の言葉で説明してみましょう。

変化の割合から微分、極限と連続へ
坂の途中で知りたくなる「今の変化」
よくあるのは、朝の自転車置き場で、家からの道のりを振り返りながら「同じ時間走っても、坂と平地では進む距離が違うのに、平均の速さだけでよいのですか」と考える場面です。全体の道のりを時間で割れば、通学全体の速さを一つの数にできます。でも、坂の途中でどれほどゆっくり進んでいたのかは、その数からは読み取れません。
数学の「変化の割合」も、最初は二つの時点や二つの位置を比べる考え方です。高校で学ぶ微分は、その比べる幅を狭め、一つの地点での変わり方を調べる道具になります。大学では、幅を狭めるとは何を約束することなのか、変わり方が決まらない場所はあるのかまで問い直します。
微分の公式をまだ知らなくても、入口には立てます。必要なのは、「何の変化を、何の変化で割っているのか」を言葉にすることです。傾き、平均の速さ、接線は、この問いでつながっています。まずは、中学の一次関数にある割り算の意味からたどってみましょう。

中学の変化の割合は二つの点を比べる
一次関数 y=2x+3 を考えます。x が 1 のとき y は 5、x が 4 のとき y は 11 です。x の増加量は 4−1=3、y の増加量は 11−5=6 なので、変化の割合は次のようになります。
(11−5)/(4−1)=6/3=2
これは「x が 1 増えるごとに、y は 2 増える」という関係です。y の値そのものと、y の増加量は区別してください。最初の y が 5 でも、増加量は 6 です。式の 3 は切片であり、グラフが縦方向のどこにあるかを決めます。一方、変化の割合の 2 は直線の傾きに対応します。
なぜ、どの二点を選んでも同じなのでしょうか。一般の一次関数 y=ax+b で、異なる x₁、x₂ を選ぶと、対応する値は ax₁+b と ax₂+b です。差を取れば b が消え、分子は a(x₂−x₁) になります。これを x₂−x₁ で割るので、変化の割合は a です。切片が変化の割合に影響しない理由まで、計算の中に見えます。
ここで大事なのは、x₁ と x₂ が異なるという条件です。同じ値を選ぶと分母が 0 になり、この割り算はできません。「二つの点の違いを比べる」という目的が、式の条件にも現れています。また、二点を逆の順序で引くなら、分子と分母の両方を逆にします。片方だけを逆にすると、変化の方向を取り違えてしまいます。
変化の割合が負のときも、考え方は同じです。x が増えると y が減るなら、分母を正に取ったとき分子は負になります。負の傾きは、右へ進むにつれてグラフが下がることを表します。増加量という言葉が使われていても、その値が必ず正とは限りません。符号まで含めて変化を表す数なのです。
次に y=x² を見ます。x が 1 から 3 まで増えると、y は 1 から 9 まで増えるので、変化の割合は (9−1)/(3−1)=4 です。x が 3 から 5 まで増えると、y は 9 から 25 まで増え、変化の割合は (25−9)/(5−3)=8 になります。同じ幅だけ右へ動いても、縦方向の増え方は違います。
この二つの値は、どちらも正しい変化の割合です。曲線では、選ぶ区間によって答えが変わります。グラフ上の二点を直線で結ぶと、その直線の傾きが今計算した値になります。この直線を割線と呼びます。曲線そのものが直線になるのではなく、離れた二点の間の変化を、直線の傾きで代表させています。
平均の速さも、この見方で整理できます。まっすぐな道を同じ向きに進み、出発からの道のりを s、時間を t とすると、ある時間区間の平均の速さは、s の増加量を t の増加量で割った値です。縦軸に道のり、横軸に時間を取れば、二点を結ぶ直線の傾きとして読めます。ただし、途中で止まったか、ずっと一定の速さだったかまでは決まりません。
道のりを m、時間を秒で表したなら、変化の割合の単位は m/秒です。単位を付けると、分子と分母を取り違えていないかも確かめられます。数だけを操作するより、「横軸の量が増えたとき、縦軸の量がどれだけ変わったか」と読むほうが、次の微分への足場になります。
高校の微分は比べる幅を限りなく狭める
y=x² のグラフで、x=2 のところの傾きを知りたいとします。曲線上の点は (2,4) です。もう一つの点の x 座標を 2+h と置くと、h は横方向に動かした量です。h≠0 として変化の割合を計算します。
((2+h)²−4)/h=(4+4h+h²−4)/h=4+h
h=1 なら傾きは 5、h=0.1 なら 4.1、h=0.01 なら 4.01 です。正の h を小さくすると、値は 4 に近づきます。左側の点を選んで h=−0.1 とすると 3.9、h=−0.01 とすると 3.99 です。左右のどちらから近づけても、目指す値は同じ 4 になります。
このとき「h を 0 に近づけたときの極限は 4」といいます。極限は、ここでは入力の h が 0 に近づくにつれ、出力がある値にいくらでも近づくことを表します。最初の分数に h=0 を代入して計算しているわけではありません。h≠0 の範囲で式を整理し、その値の近づき方を調べています。
関数 f について、x=a から x=a+h までの平均変化率は (f(a+h)−f(a))/h です。この値が h→0 のとき有限の一つの値に近づくなら、その極限を x=a における微分係数といい、f′(a) と書きます。今の例では f′(2)=4 です。中学で区間全体を代表していた傾きが、ここでは一つの点での傾きになります。
その傾きを持ち、(2,4) を通る直線が接線です。式は y−4=4(x−2)、整理すると y=4x−4 になります。接線を「曲線と一つの点だけで交わる直線」と覚えると、別の曲線で困ることがあります。微分では、その点の近くの変化を一次式で捉える直線として考えます。曲線との交点の総数で決めるものではありません。
接線が近くの変化を表す様子も、式で確かめられます。x=2+h のとき、曲線の高さは 4+4h+h²、接線の高さは 4+4h です。差は h² なので、h の絶対値が小さければ、差も小さくなります。しかも、差を横方向の変化の大きさ |h| で割った値は |h| です。この値が 0 に近づくことが、大学の微分の見方へつながります。
同じ計算を x=a で行うと、((a+h)²−a²)/h=2a+h です。したがって f′(a)=2a となります。点を固定した微分係数を、点を動かして一つの関数としてまとめたものが導関数です。f(x)=x² の導関数は f′(x)=2x と書けます。微分係数はある点での値、導関数は各点にその値を対応させる関数、という違いです。
導関数は増減を読む道具にもなります。x<0 では 2x<0、x>0 では 2x>0 なので、x² は負の側で減少し、正の側で増加します。x=0 では導関数が 0 となり、そこで最小値を取ります。一般に、区間で微分可能な関数は、その区間で導関数が正なら増加し、負なら減少します。点ごとの傾きを調べることで、区間の動きを見通せます。
ただし、導関数が 0 という条件だけで最大・最小は決まりません。f(x)=x³ の導関数は 3x² で、x=0 では 0 ですが、原点の前後でも関数は増加しています。極値を調べるときは、候補の点だけでなく、その前後で導関数の符号がどう変わるかを見ます。公式の計算と、計算結果の読み取りは、セットで練習したい部分です。

大学では「近づく」の約束を明確にする
高校で使った「限りなく近づく」という表現を、大学では条件として書き直します。ここでは、a の近くで定義された実数値の関数を考えます。実数値とは、関数の出力が実数であるという意味です。a 自身で値が定義されているかどうかは、まず極限の定義には要求しません。
極限が L であるとは、どんな正の数 ε を指定されても、ある正の数 δ を選ぶことができ、定義域のすべての x について、0<|x−a|<δ なら |f(x)−L|<ε が成り立つことです。この表し方を ε-δ 論法と呼びます。ε は出力に許す誤差、δ は入力を a のどれほど近くに制限するかを表します。
約束の順番が大切です。先に出力の誤差 ε を指定され、その要求に合わせて入力の幅 δ を選びます。一つの δ ですべての ε に対応する必要はありません。一方、一度 δ を選んだら、その範囲にある定義域の x すべてで条件を満たす必要があります。都合のよい点だけを選んで近づけることとは違います。
一次関数 f(x)=2x+3 で、x→1 のときの極限が 5 になることを、この定義で確かめます。|f(x)−5|=|2x−2|=2|x−1| です。そこで、与えられた ε に対して δ=ε/2 と選びます。0<|x−1|<δ なら、2|x−1|<2δ=ε となるため、出力の誤差は要求された範囲に収まります。
数値をいくつか代入して近づく様子を見ることは、予想を立てる助けになります。しかし、この説明は、どれほど厳しい誤差の要求にも応えます。有限個の計算結果を並べることから、すべての要求に応じる仕組みを示すことへ進んでいるのです。また、条件に 0<|x−a| とあるのは、x=a そのものを極限の判定から外すためです。
連続は、この極限とその点の値を結び付ける概念です。f が a で定義されているとき、どんな ε>0 に対しても δ>0 があり、定義域の x が |x−a|<δ を満たせば |f(x)−f(a)|<ε となることを、a で連続であるといいます。周りから近づく先が、その点に実際に置かれた値と一致するという意味です。
たとえば、x≠1 では g(x)=2x+3、x=1 では g(1)=0 と決めた関数を考えます。x が 1 に近づくときの極限は 5 のままですが、その点の値は 0 なので連続ではありません。グラフを描くなら、直線上の (1,5) を抜き、代わりに (1,0) を置いた形です。周囲の振る舞いだけを見る極限と、その点の値も見る連続を区別できます。
微分可能性も厳密に述べられます。a を含む開区間、つまり両端を含まない区間で f が定義されているとします。ある実数 A があって、h≠0 として h→0 のとき、次の比が 0 に近づくなら、f は a で微分可能です。
|f(a+h)−f(a)−Ah|/|h| → 0
この A が微分係数 f′(a) です。f(a+h) を f(a)+Ah という一次式で表したときの誤差が、入力の変化の大きさ |h| に比べて無視できるほど小さくなる、と読めます。高校の差の商の極限と同じ条件を、近似の誤差に注目して書いています。
微分可能なら連続です。変化を Ah と小さな誤差に分けられ、h→0 で両方が 0 に近づくためです。逆は成り立ちません。f(x)=|x| は 0 で連続ですが、差の商 |h|/h は h>0 で 1、h<0 で −1 です。左右から同じ値へ近づかないので、0 では微分できません。つながっていることと、そこで一つの傾きを持つことには違いがあります。
物理で位置を時間の関数として表すとき、微分可能な時刻での導関数の値が速度です。速度には向きの情報があり、直線上の運動ではその絶対値が速さになります。現実の測定では有限の時間差を使いますが、数学のモデルでは極限によって瞬間の値を定義します。そのモデルに微分可能性を仮定していることまで意識すると、計算の意味が明確になります。
三つをつなぐのは変化を割って比べる視点
中学から大学まで変わらないのは、入力の変化に対して出力がどう応じるかを調べる姿勢です。中学の変化の割合は、二つの点の間を比べます。高校の微分係数は、その二点を近づけた先に一つの値が定まるかを調べます。大学では「近づければ定まる」という判断を、誤差の条件で支えます。
変わるのは、答えに必要な説明の範囲です。一次関数では、区間を変えても傾きは一定でした。曲線では区間の選び方が重要になり、微分では調べる点も重要になります。さらに大学では、その点で関数が定義されているか、左右の振る舞いが合うか、誤差を要求どおりに抑えられるかを点検します。
導関数の公式を覚えると計算は短くなりますが、短い式の背後にはこれだけの問いが入っています。f′(2)=4 と書くときも、それは「関数の値が 4」という説明とは別です。その点付近で、入力の小さな変化に対する出力の変化が、ほぼ 4 倍として読めるという情報です。
先の学年の内容をすべて先取りする必要はありません。今学ぶ割り算に、差を取る順序、単位、区間という意味を添えておくと、次の学年で記号が増えても、何を調べているかを見失いにくくなります。一つの式を、表、グラフ、言葉の間で行き来できることが、この道を進む支えになります。
つながりを使った学び方
練習の最初は、式を立てる前に軸の意味を書きます。「横軸は時間、縦軸は道のり」のように量と単位を明らかにし、変化の割合の分子と分母を日本語で添えます。次に、始めと終わりの二つの値を表に並べ、それぞれの差を取ります。関数の値をそのまま割る誤りを、ここで防ぎます。
続いて、選んだ二点をグラフに置き、結んだ直線が右上がりか右下がりかを見ます。計算した符号と図の向きが合うかを確かめてから、区間を変えてもう一度計算します。一次関数なら値が一定である理由を、曲線なら値が変わる理由を説明してみてください。答えの一致だけで終えず、違いが生まれる場所を探します。
高校生なら、さらに一方の点を固定し、もう一方を左右から近づけます。その後で導関数を求め、数値で見た傾向と比べます。最後にノートを閉じて、「h を 0 にすることと、0 に近づけることの違い」を短く説明します。言葉が止まった場所を次の復習の起点にすると、公式、計算、意味を一緒に確認できます。
塾で担うのは、答えが違った理由を段階ごとに見分けることです。差の引き算なのか、展開なのか、極限の読み方なのかで、戻る問題は変わります。計算ができている生徒には、絶対値の関数のように傾きが一つに決まらない例を加え、使える条件まで説明する練習につなげます。
家庭では、お子さまに先の公式を教えることより、「この割り算で何を比べたの」と尋ねる時間を持てます。説明が途中で止まったら、その箇所に印を付けて授業へ持っていけば十分です。保護者が数学の判定役を引き受けなくても、本人が疑問を言葉にして持ち帰れるよう支えることはできます。
よくある質問
微分の前に何を復習するとよいですか
関数への代入、式の展開、二点間の変化の割合から始めます。とくに f(a+h) は f(a)+h ではありません。入力そのものを a+h に置き換えます。f(x)=x² なら f(a+h)=(a+h)² です。この置き換えを一行ずつ書ければ、微分係数の定義の式にも取り組めます。
極限では最後に 0 で割っているのですか
差の商では h≠0 を保ったまま近づき方を調べます。途中で約分できても、元の式が h=0 で定義されたことにはなりません。整理した式を使って、穴の周りからどの値に近づくかを読んでいます。代入ができる式と、極限を求めたい元の式を区別しましょう。
グラフがつながっていれば微分できますか
連続であることだけでは決まりません。|x| の原点では、左右の傾きが異なります。微分可能かを問われたら、周囲の値がその点の値へ近づくかに加えて、差の商が左右から同じ有限の値へ近づくかを調べます。見た目の印象を、定義に沿った問いへ置き換える練習です。
変化の割合を習う時点では、二つの点の間にある割り算を丁寧に読めれば十分です。そこから区間を狭める問いが生まれ、やがて極限や連続の定義に届きます。次に傾きを求めるときは、答えの横に「何の変化を比べたか」を一言添えてみてください。武蔵野個別指導塾の数学指導は、その一言を手がかりに、計算と意味が結び付く学習の順序を組み立てます。
本気になった日が、入塾の日。
お子様の教育、迷ったら「丸投げ」してください。必ず、期待以上の結果で返します。武蔵野で育む、武蔵境で学ぶ。
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