未知語に出会ったとき——文脈からの推測と辞書使用
長文の途中で、知らない語の前に目が止まることがあります。文脈から推測する、とも思う。辞書を引く、とも思う。何度も出会えば覚える、とも思う。三つの声は、同じ「分からない語」に見えます。見え方と、研究が述べている層が同じかは、別です。
Nassaji は、文脈から未知語の意味を推測する方略と知識源を見ています [1]。論文の表題は “L2 Vocabulary Learning from Context: Strategies, Knowledge Sources, and Their Relationship with Success in L2 Lexical Inferencing” です。2003年の報告です。扱うのは、中級 ESL 学習者 21名の、内省的および回顧的な思考発話です。英検リーディングの語彙推測テクニックを、直接測った研究ではありません。中級 ESL であり、英検ではない、ということを、この回は最初に言います。後でもう一度言います。英検にそのまま当てはまる、とは書きません。21名を、英検受験者全体には一般化しません。
Hulstijn、Hollander と Greidanus は、上級の外国語学習者の偶発的語彙学習を、周辺訳と辞書と未知語の再出現の側から見ています [2]。論文の表題は “Incidental Vocabulary Learning by Advanced Foreign Language Students: The Influence of Marginal Glosses, Dictionary Use, and Reoccurrence of Unknown Words” です。1996年の報告です。扱うのは、フランス語上級学習者が短編を読む条件です。英検の語彙対策や、辞書使用の正解手順を、直接測った研究ではありません。フランス語であり、英検ではない、ということを、この回は最初に言います。後でもう一度言います。英検にそのまま当てはまる、とは書きません。周辺訳や辞書で意味が与えられる、を、本番で辞書が使える、とは書きません。
結論を先に言います。全体として成功率は低く、利用可能な方略や知識源を使っても同様であった、と2003年の報告は述べています [1]。方略は推測の成功に異なる程度で寄与し、成功は方略の量より質に関連した、とも述べています [1]。周辺訳または辞書で意味が与えられる場合、出現頻度が偶発的語彙学習を促進する、という仮説は支持された、と1996年の報告は述べています [2]。意味が与えられる場合、再出現は形と意味の結合を強化する、とも述べています [2]。外部情報がない場合、読者は未知語を無視したり誤って推測し、頻度効果は制限される、とも述べています [2]。成功率は低い、と、推測するな、は違います。辞書で意味が与えられる、と、本番で辞書に頼れ、も違います。どちらも、英検リーディングの手順書ではありません。
先に、この回がしないことも言っておきます。一次証拠は、中級 ESL 学習者 21名の思考発話と、フランス語上級学習者の偶発的語彙学習です。英検リーディングの語彙推測テクニックを、一次資料としては扱いません [1]。21名を、英検受験者全体には一般化しません。周辺訳や辞書ありを、本番で辞書が使える、とは書きません [2]。推測だけで足りる、とも、辞書に頼るべき、とも書きません。語彙カバー率の話は、すでに別稿があります。この回では再説明しません。コロケーションの話も、すでに別稿があります。再説明しません。睡眠、運動、教室環境も、軸にしません。この回の軸は、文脈推測の成功率の低さと、意味情報と再出現が偶発的学習を支える条件を、同じ重さで置くことです。学習者の未知語の扱いを、足りないと決めつけません。受験者の辞書の有無を、欠点の証明にもしません。
1. 推測と辞書は、同じ「分からない語」ではない
受験者が「未知語」と呼ぶものの中には、いくつかの層が混ざります。文脈から意味を推測すること。周辺に訳が置いてあること。辞書を引くこと。同じ語がもう一度出ること。層が混ざったまま、「分からなければこうしろ」と言うと、どの層の、どの読みの話なのかが見えなくなります。
Nassaji が置いているのは、文脈から未知語の意味を推測する方略と知識源です [1]。英検の語彙問題のテクニックではありません。置いているのは、中級 ESL 学習者の思考発話です。思考発話があることと、推測すれば足りる、という口語の助言は、最初から違います。違うものを、同じ「推測」という言葉で結ぶと、方略の記述が一つの勝者に見えます。見せません。
Hulstijn、Hollander と Greidanus が置いているのも、フランス語の短編を読む条件です [2]。英検の語彙対策ではありません。周辺訳、辞書、対照、という3条件です。条件と、当日の辞書の可否は、層が違います。層が違うものを、英検の本番の手順に溶かすことはしません。
英検の長文に、知らない語が載ることがあります。載ることと、2003年の思考発話が測っている推測が同じであることは、別です。別である、を、本番では未知語は関係ない、と読むこともしません。関係がある、と著者が書いているのは、文脈からの語彙推測の側です。側があることと、英検の語彙問題が同じ式であることは、違います。違う、を、この回の入口に置きます [1] [2]。
学習者本人が読むときの形も、同じ範囲に置きます。「推測できなかったから、自分は方略が足りない」。その物語を、この二つの報告は支えていません。支えていないことと、未知語が無い、は、また別です。推測の話があることと、向き不向きの判定であることは、層が違います。層を混ぜて、本人を責める文にはしません。
2. 一次証拠は中級 ESL の 21名と、フランス語上級の偶発的学習である。英検ではない
入口のあと、対象を固定します。ここでも、最初に限界を言います。2003年は中級 ESL 学習者 21名です。1996年はフランス語上級学習者です。どちらも、英検そのものの研究ではありません。
- Nassaji が集めたのは、中級 ESL 学習者 21名の、内省的および回顧的な思考発話である。
- Hulstijn、Hollander と Greidanus の対象は、フランス語上級学習者が短編を読む3条件である。
中級 ESL、です。英検の級の名前ではありません。21名、です。英検の公開会場の全受験者ではありません。対象が 21名である、という位置は狭い。狭い、と、捨ててよい、は違います。違う狭さを、英検の対応表にはしません。対応表が無い以上、21名は、その人数のまま使います [1]。
フランス語上級、です。英語ではありません。英検ではありません。短編を読む、です。英検の長文の全セットではありません。対象がフランス語である、という位置は遠い。遠い、と、無関係、は違います。違う遠さを、英検の語彙表にはしません。語彙表に読み替える人数は、この回にはありません [2]。
思考発話、という語も、2003年の位置です [1]。内省的と回顧的です。英検の一次の読解と、二次の面接を、この二つの箱に入れる、という記述ではありません。記述でない箱を、技能別の語彙目標の顔で出すことはしません。出さない、を、読解の未知語は無関係だ、と読むこともしません。関係がある、と著者が書いているのは、文脈からの語彙推測です。関係がある推測と、英検の合格点が同じ式であることは、違います。違う、がこの節の上限です [1] [2]。
語彙カバー率の話は、すでに別稿があります。テキストの何パーセントを知っているか、という層です。コロケーションの話も、すでに別稿があります。語と語の組み合わせの層です。この回の層は、未知語の推測と、意味情報と再出現です。別である層を、同じ「語彙が足りない」という言葉で結ぶと、カバー率の壁と、推測の壁が、一つの欠点に見えます。見せません。見せない、が、学習者を責めない、というこの回の約束の入口です。
3. 文脈からの推測の成功率は、全体として低かった
対象の隣に、Nassaji は、推測の結果を置きます [1]。ここでも、英検の語彙テクニックではありません。
全体として成功率は低く、利用可能な方略や知識源を使っても同様であった。
全体として、です。成功率は低く、です。低い、という語が正確です。ゼロだ、という書き方ではありません。新しい割合に丸めることはしません。丸めると、著者が書いていない別の割合が生まれます。生まれた割合を、英検の級の目安の顔で出すことはしません [1]。
利用可能な方略や知識源を使っても同様、です。方略を使えば足りる、という書き方ではありません。知識源を使えば足りる、という書き方でもありません。使っても、全体として成功率は低かった。低い、を、推測するな、という命令に翻訳することはしません。翻訳すると、成功率の話が、当日の禁止の文に見えます。見せません。
文脈から未知語の意味を推測する、です。英検の選択肢を絞る、ではありません。推測の場が、思考発話の中である、という位置です。位置を、試験場の一問の手順にはしません。手順にすると、21名の発話が、英検の正解テクニックに見えます。見せません。著者が置いたのは、中級 ESL 学習者の推測の成功率です。成功率があることと、英検の語彙問題の点が決まることは、別です [1]。
学習者本人が読むときの形も、ここに置きます。「成功率は低いと書いてあるから、自分は推測してはいけない」。その物語を、この報告は支えていません。支えていないことと、推測が無い、は、また別です。低い、です。禁止、ではありません。低い成功率を、本人の欠点の証明にはしません。証明にすると、思考発話が、能力不足の別名に滑ります。滑らせません。
4. 成功は方略の量より質に関連する
成功率のあと、著者は、方略の寄与の形を置きます [1]。形の主語が、英検のテクニック一覧ではない、という位置を外しません。
- 方略は推測の成功に異なる程度で寄与した。
- 成功は方略の量より質に関連した。
- 結果は、方略の役割の一次元的理解に挑戦し、方略と知識源を適切かつ効果的に組み合わせる能力を区別する推測モデルを支持する。
異なる程度で寄与、です。同じだけ効く、という書き方ではありません。どの方略がどれだけ、という新しい順位表は、この回が使う範囲にはありません。無い表を、当日の方略の勝者一覧の顔で出すことはしません [1]。
量より質、です。質、という語が正確です。方略の数が多ければ成功する、という読み方ではありません。読み方を誤ると、方略をたくさん使え、という文になります。著者が書いているのは、成功は量より質に関連した、という報告です。関連した、です。質を上げれば英検が上がる、という因果ではありません。因果を、この回は足しません。足すと、著者が書いていない効果量が生まれます。生まれた効果量を、級の合格の顔で出すことはしません。
一次元的理解に挑戦、です。方略があれば足りる、という一枚の理解では足りない、という位置です。位置を、方略は無意味だ、と読むこともしません。無意味だ、と読むと、挑戦の話が、学習を捨てる理由に見えます。見せません。著者が支持しているのは、方略と、それを知識源と適切かつ効果的に組み合わせる能力を区別する推測モデルです。モデルの支持であることと、英検の正解手順であることは、別です [1]。
適切かつ効果的に、です。組み合わせる能力、です。能力、という語を、本人の欠点の名前にしない。名前にすると、モデルの支持が、学習者の選別の文に見えます。見せません。著者が書いたのは、方略の役割を一次元で見ない、という枠です。枠があることと、21名が英検受験者全体であることは、別です。別である人数を、この回は一般化しません。一般化しない。それが、この節の上限です [1]。
5. フランス語上級学習者の短編と、16語の想起である
2003年の隣に、1996年の偶発的学習を置きます [2]。隣に置く、を、同じ助言だ、とは言いません。ここでも、最初に限界を言います。フランス語上級学習者が短編を読む研究です。英検の語彙対策と、辞書使用の正解手順に、そのまま当てはめません。
- フランス語上級学習者が短編を、周辺訳、辞書、対照の3条件で読んだ。
- 読んだあと、文中に1回または3回出現した 16語の想起をテストした。
フランス語上級、です。英語ではありません。短編、です。英検の長文ではありません。3条件、です。周辺訳は、未知語の母語訳を余白に置く条件です。辞書は、二言語辞書を使う機会がある条件です。対照は、その外側です。3を足したり、割ったりして、新しい比率を作ることはしません [2]。
16語、です。1回または3回、です。16と1と3を掛けたり、平均したりして、新しい語数を作ることはしません。作ると、著者が書いていない別の量が生まれます。生まれた量を、英検の級別の語数の顔で出すことはしません。級別の語数の話は、すでに別稿があります。この回では再説明しません。
想起をテストした、です。本番の辞書の可否をテストした、という書き方ではありません。読んだあとの想起です。想起があることと、英検の語彙問題と同じであることは、別です。別である想起を、当日の解答用紙の対応表にはしません。対応表は、この回が使う範囲にはありません [2]。
オランダ人の、フランス語上級学習者、という位置も、入口に残します。残したまま、英検の一次点へは降ろしません。降ろさない、がこの節の上限です。上限であることと、出現回数の話は無関係だ、と読むこともしません。無関係だ、と読むと、16語の想起が、捨ててよい話に見えます。見せません。残る報告は、偶発的語彙学習の条件です。条件と、英検の語彙対策の手順は、別です。
6. 周辺訳または辞書で意味が与えられる場合、出現頻度が偶発的学習を促進する
条件のあと、著者らは仮説の支持を置きます [2]。支持の主語が、英検の本番の辞書ではない、という位置を外しません。
- 周辺訳または辞書で意味が与えられる場合、出現頻度が偶発的語彙学習を促進する、という仮説は支持された。
- 意味が与えられる場合、再出現は形と意味の結合を強化する。
意味が与えられる場合、です。場合、という語が付いています。いつでも出現頻度が効く、という書き方ではありません。周辺訳、または辞書で意味が与えられる、という条件の内側です。条件を外して、何度も出会えば覚える、という一般法則にはしません。一般法則にすると、著者が書いていない範囲が生まれます。生まれた範囲を、根拠の顔で出すことはしません [2]。
周辺訳または辞書、です。余白の母語訳か、二言語辞書か、です。英検の本番で辞書が使える、という記述ではありません。記述でない可用性を、当日の机の上の規則として配ることはしません。配ると、1996年の条件が、実施要項の文に見えます。見せません。
出現頻度が偶発的語彙学習を促進する、です。促進する、の場は、意味が与えられる場合です。促進、を、何回で何語覚えるかの対応表にはしません。対応表は、この回が使う範囲にはありません。無い表を、級の語彙目標の顔で出すことはしません。仮説は支持された、です。支持であることと、英検の正解手順であることは、別です [2]。
再出現は形と意味の結合を強化する、です。強化する、の前提は、意味が与えられる場合です。前提を外して、もう一度出れば足りる、という文にはしません。形と意味の結合、です。結合があることと、英検の語彙問題が同じ結合であることは、別です。別である結合を、当日の暗記計画の分刻みにはしません。分刻みにしない。それが、この節の上限です [2]。
学習者本人が読むときの形も、ここに置きます。「辞書を引けなかったから、自分は覚えられない」。その物語を、この報告は支えていません。支えていないことと、辞書が不要だ、は、また別です。意味が与えられる場合、です。本番の辞書の保証ではありません。保証でない条件を、本人の欠点の証明にはしません。
7. 外部情報がない場合、無視や誤推測で頻度効果は制限される
意味が与えられる場合の隣に、著者らは、その外側を置きます [2]。外側を隠すと、頻度はいつでも効く、という文に見えます。見せません。
外部情報がない場合、読者は未知語を無視したり誤って推測し、頻度効果は制限される。
外部情報がない場合、です。周辺訳も、辞書も、無い側です。無い側で、読者は未知語を無視したり、誤って推測する、と著者らは書いています。無視、です。誤って推測、です。どちらも、著者の語です。無視する読者は怠けている、という責めの文ではありません。誤って推測する読者は不合理だ、という診断でもありません。診断にすると、偶発的学習の条件が、本人の欠点の証明に滑ります。滑らせません [2]。
頻度効果は制限される、です。制限される、という語が正確です。頻度効果が無い、という書き方ではありません。無い、と、制限される、は違います。違う比較を、何度出会っても無駄だ、と読む根拠にもしません。無駄だ、と読むと、1996年の外側が、学習を捨てる理由に見えます。見せません。
誤って推測、です。2003年の、成功率は低い、という報告と、並びたくなる。並ぶことと、同じ量を測ったことは、別です。一方は、中級 ESL の思考発話における推測の成功です [1]。他方は、フランス語上級の短編における、外部情報がない場合の誤推測です [2]。近い「推測」を、同じ失敗の反復としては読めません。読めない、を、この節の上限にします。
英検の本番に、辞書が無いことがあります。無いことと、1996年の対照条件が同じであることは、別です。別である、を、本番では出現頻度は無関係だ、と読むこともしません。著者が書いたのは、外部情報がない場合に頻度効果が制限される、という報告です。報告を、英検の語彙問題の禁止の文にはしません。禁止の文にしない。それが、辞書に頼るべき、と読まない、というこの回の約束の続きです [2]。
8. 二つの研究を並べる。推測だけで足りる、とも、辞書に頼るべき、とも書かない
ここまでを一度だけ表にします。新しい数値は足しません。
| 側 | 著者が述べていること |
|---|---|
| 2003年の対象 | 中級 ESL 学習者 21名の思考発話。英検リーディングの語彙推測テクニックそのものではない [1] |
| 2003年の成功率 | 全体として低く、利用可能な方略や知識源を使っても同様。推測するな、ではない [1] |
| 2003年の方略 | 方略は成功に異なる程度で寄与。成功は量より質に関連。一次元的理解への挑戦 [1] |
| 2003年のモデル | 方略と、知識源を適切かつ効果的に組み合わせる能力を区別する推測モデルを支持。英検の手順ではない [1] |
| 1996年の対象 | フランス語上級学習者の短編。周辺訳、辞書、対照の3条件。16語。1回または3回。英検の語彙対策ではない [2] |
| 1996年の支持 | 意味が与えられる場合、出現頻度が偶発的語彙学習を促進。再出現は形と意味の結合を強化。本番の辞書保証ではない [2] |
| 1996年の外側 | 外部情報がない場合、無視や誤推測で頻度効果は制限される。怠けの別名ではない [2] |
| 英検の当日点 | この二つの報告からは決まらない。推測だけで足りる、にも、辞書に頼るべき、にも、出てこない |
表の読み方は、上下の勝敗ではありません。上段の2003年は、文脈推測の成功率と、方略の質です。中段の1996年は、意味情報と再出現が偶発的学習を支える条件です。下段の英検の当日点は、どちらの報告にも無い層です。無い層を、表の空欄のまま置きます。
成功率の低さと、辞書で意味が与えられる場合の頻度効果を、平均した新しい方針は、作りません。測っている層が違います。一方は、中級 ESL の思考発話における推測です。他方は、フランス語上級の短編における偶発的学習です。近い「未知語」を、同じ量の反復としては読めません [1] [2]。
試験場での見え方に一度だけ引き直します。新しい数値は足しません。長文の途中で、知らない語の前に目が止まる。2003年の報告は、全体として成功率は低く、成功は量より質に関連した、と書いています [1]。1996年の報告は、意味が与えられる場合に出現頻度が偶発的学習を促進し、外部情報が無い場合は頻度効果が制限される、と書いています。書いてある主語は、フランス語の短編の条件です [2]。引き直した結果として出てくるのは、当日の推測の命令ではありません。思考発話と、偶発的学習の条件を、英検の語彙の手順に溶かさない、という確認の形です。
語彙カバー率の話は、すでに別稿があります。コロケーションの話も、すでに別稿があります。この回の二つの報告は、その話ではありません。文脈からの推測と、辞書と再出現です。別稿の層を、ここに厚くやり直すことはしません。睡眠や運動を、未知語の代わりに置くこともしません。級別のロードマップも、軸にしません。置く軸は、推測の成功率が低いことと、意味情報と再出現を英検の手順にはしないことです [1] [2]。
9. 【反証】この回が言えないこと
第一に、一次証拠は二篇です。Nassaji の2003年と、Hulstijn、Hollander と Greidanus の1996年です [1] [2]。英検リーディングの語彙推測テクニックを、一次資料として測った研究ではありません。合否も、級の得点差も、この二つの報告は述べていません。
第二に、2003年は中級 ESL 学習者 21名の思考発話です。英検そのものの研究ではありません。21名を、英検受験者全体に一般化することはできません。内省的および回顧的な思考発話であり、公開会場の答案の観察ではありません [1]。
第三に、全体として成功率は低く、利用可能な方略や知識源を使っても同様、を、推測するな、という断定にはできません。低い、です。ゼロ、ではありません。新しい割合にもしていません。方略の一覧の勝者表でもありません [1]。
第四に、成功は方略の量より質に関連した、です。質を上げれば英検が上がる、という因果ではありません。一次元的理解への挑戦と、推測モデルの支持は、英検の正解手順ではありません。21名の枠を、級のテクニックに読み替えることはできません [1]。
第五に、1996年はフランス語上級学習者の短編です。英語ではありません。英検ではありません。オランダ人学習者の、フランス語の偶発的語彙学習です。英検の語彙対策・辞書使用の正解手順として提示することはできません [2]。
第六に、16語、1回または3回、3条件です。16と1と3を平均した新しい語数は、この回にはありません。周辺訳は余白の母語訳です。辞書は二言語辞書を使う機会です。本番で辞書が使える、という記述ではありません [2]。
第七に、意味が与えられる場合に出現頻度が偶発的学習を促進する、の主語は、周辺訳または辞書の条件です。いつでも何度も出会えば覚える、ではありません。再出現が形と意味の結合を強化する、も、同じ条件の内側です。外部情報がない場合は、無視や誤推測で頻度効果が制限されます。制限される、は、効果が無い、ではありません。怠けの別名でもありません [2]。
第八に、二つの研究を合成して、新しい数値を作ることはできません。成功率の低さと、頻度効果を平均した未知語の方針も、この回からは出てきません。推測だけで足りる、とも、辞書に頼るべき、とも、書いていません。
第九に、語彙カバー率、コロケーション、級別のロードマップ、シャドーイングは、この回では再説明していません。すでに書いた話だからです。必要でも、参照に留めます。睡眠、運動、食事、教室環境を、この回の軸にもしていません。
第十に、この回は、学習者の未知語の扱いを間違っていると決めつけていません。方略が足りない、という責めの文にもしていません。受験者の辞書の有無を、欠点だとも書いていません。著者らが述べたのは、中級 ESL の文脈推測と、フランス語上級の偶発的語彙学習です。研究があることと、受験生を責めることは、別です [1] [2]。
10. 実務——試験場と学習で使える3つの確認
- 文脈推測の成功率が低い、を、英検の語彙テクニックの禁止に読み替えていませんか。21名を、英検受験者全体に一般化していませんか。Nassaji によれば、中級 ESL 学習者 21名の思考発話では、全体として成功率は低く、利用可能な方略や知識源を使っても同様でした。成功は方略の量より質に関連します [1]。低い、です。推測するな、ではありません。21名です。英検の名簿ではありません。面談の前に、断定に上げていないか、を一度だけ言い直す、という確認です。
- 周辺訳または辞書で意味が与えられる場合の頻度効果を、本番で辞書が使える、と読んでいませんか。フランス語上級の短編を、英検の語彙対策の手順に読み替えていませんか。Hulstijn、Hollander と Greidanus は、フランス語上級学習者が短編を3条件で読み、16語(1回または3回)の想起をテストしました。意味が与えられる場合、出現頻度は偶発的学習を促進し、再出現は形と意味の結合を強化します [2]。フランス語です。本番の辞書保証ではありません。無い可用性を、当日の手順にしない。語彙カバー率の話は、別稿です。この回の層は、推測と辞書と再出現です。層を混ぜない、という確認です。
- 推測だけで足りる、と、辞書に頼るべき、のどちらにも寄せていませんか。外部情報がない場合の無視や誤推測を、怠けの別名にしていませんか。2003年の主語は、中級 ESL の思考発話です。1996年の主語は、フランス語の短編の条件です。どちらも英検ではありません [1] [2]。頻度効果が制限される、も、効果が無い、ではありません。換算表は、この報告からは出てきません。出ない、を、確認の答えにします。
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まとめ
- Nassaji は、中級 ESL 学習者 21名の思考発話で、文脈から未知語の意味を推測する方略と知識源を調べた。英検リーディングの語彙推測テクニックそのものではない。21名を英検受験者全体には一般化しない [1]。
- 全体として成功率は低く、利用可能な方略や知識源を使っても同様であった。推測するな、という断定にはしない。方略は成功に異なる程度で寄与し、成功は量より質に関連した [1]。
- 結果は、方略の役割の一次元的理解に挑戦し、方略と知識源を適切かつ効果的に組み合わせる能力を区別する推測モデルを支持する。英検の正解手順ではない [1]。
- Hulstijn、Hollander と Greidanus は、フランス語上級学習者が短編を周辺訳、辞書、対照の3条件で読み、16語(1回または3回)の想起をテストした。フランス語である。英検の語彙対策・辞書使用の正解手順へはそのまま当てはめない [2]。
- 周辺訳または辞書で意味が与えられる場合、出現頻度が偶発的語彙学習を促進する、という仮説は支持された。再出現は形と意味の結合を強化する。本番で辞書が使える、という意味ではない [2]。
- 外部情報がない場合、読者は未知語を無視したり誤って推測し、頻度効果は制限される。二つの研究を並べると、文脈推測の成功率は低く、意味情報と再出現には条件がある。英検の語彙への読み替えも、当日の手順も、この研究からは出てこない。推測だけで足りる、とも、辞書に頼るべき、とも書かない。語彙カバー率とコロケーションは再説明しない。学習者の未知語の扱いを欠点と決めつけない。
出典
本文中の番号に対応します。書誌を確認し、抄録に直接あたったものだけを挙げています。結論に反する記述も、同じ基準で載せています。
- 【L2 語彙の文脈推測・思考発話】Nassaji, Hossein (2003). L2 Vocabulary Learning from Context: Strategies, Knowledge Sources, and Their Relationship with Success in L2 Lexical Inferencing. TESOL Quarterly, 37(4), 645–670. DOI: 10.2307/3588216
- 【偶発的語彙学習・周辺訳と辞書と再出現】Hulstijn, Jan H.; Hollander, Merel; Greidanus, Tine (1996). Incidental Vocabulary Learning by Advanced Foreign Language Students: The Influence of Marginal Glosses, Dictionary Use, and Reoccurrence of Unknown Words. The Modern Language Journal, 80(3), 327–339. DOI: 10.1111/j.1540-4781.1996.tb01614.x
