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高校受験の面接で中学校で頑張ったことを聞かれたら—大会の結果や役職がなくても話せる組み立て|武蔵野個別指導塾

部活で試合に出られなかった子が、期間とつまずきと変えたことを順に話すための準備を、質問の言葉の違いまで整理します。
「中学校で頑張ったこと」と聞かれて言葉に詰まったら、まず結果を探すのをやめます。話すのは五つです。何を続けたか、どれだけの期間か、どこでつまずいたか、どう変えたか、そこから何を得たか。大会の順位や役職は、この五つを補う材料であって、話の入口ではありません。
都の要綱にも募集案内にも、面接で何を聞かれ、どう答えればよいかという決まりはありません。質問も答え方も学校ごとで、当日いちばん優先されるのは受検票と志望校の案内です。ここに書くのは、塾の面接練習で使っている組み立てと、家庭で今週ためせる手順です。
よくあるのは、部活で一度も試合に出られなかった中3が、放課後の教室で「自分は話すことがない」とうつむく場面です。三年間ベンチで、記録も残していない、と本人は言います。ところが聞いていくと、朝の準備を誰よりも早く始めたこと、試合の日に対手の動きを紙に書いて控えに回したこと、後輩に声をかける役を自分から引き受けたことが出てきます。本人にとっては当たり前すぎて、話す材料だと思っていないだけでした。
結果ではなく、過程を五つに分けて話す
結果は人と比べられますが、過程はその人にしかありません。塾の練習では、この違いを「結果は一言、過程は長く」と言って分けます。大会で勝った、役職に就いた、という一文は残してよく、そこから先を過程に置き換えます。勝つまでの半年に何をしたか、役職の仕事でどの曜日に何をしたか、という具合です。

図1のように、左の結果は一言で足り、右の過程は五つの項目で長くなります。ここで大事なのは、過程の項目を思いつきで並べないことです。順番を決めておくと、途中で言葉に詰まっても戻ってこられます。結果を先に長く話すと、過程に戻る場所がなくなります。
結果を先に言いたくなるのは、結果のほうが短く言い切れるからです。けれど短い答えは、次の質問を呼びません。過程を一言足すと、聞いた側は「それはどうして」と続けられます。練習で確かめるのは、この続きが生まれる答え方です。
たとえば、部活の補欠で三年間試合に出なかった人は、「出られなかった」で止めず、週に何回・何のために集まったか、自分の役割は何だったか、いちばんきつかったのはどの時期かを足します。たとえば、委員会の仕事が連絡の配りだけだった人は、配った回数と、配り忘れが起きたあとに変えた方法を話します。どちらも、結果の欄には書けない話です。
この二つをそのまま覚えるのではなく、自分が三年間で同じように繰り返した行動を一つ選び、そこに自分の言葉を当てはめます。手順は、五つの項目に自分の出来事を一語ずつ入れてから声に出す、という順です。言葉が出てこない項目は、まだ出来事を思い出していないだけなので、次の節の探し方に戻ります。
五つの項目に出来事を入れてから話す
一つ目は何を続けたか、二つ目はどれだけの期間か、三つ目はどこでつまずいたか、四つ目はどう変えたか、五つ目は何を得たかです。この順番には理由があります。前の二つで場面が決まり、中の二つで変化が見え、最後の一つで話が閉じるからです。順番を入れ替えると、得たことだけが先に来て、根拠のない感想になります。
題材は部活に限りません。委員会の仕事、授業で続けた発表、行事の係、家や地域で引き受けた役割でも、同じ五つの項目で組み立てられます。大事なのは、大きな結果があったかどうかではなく、同じ行動を何度も繰り返したかどうかです。回数を重ねた行動ほど、つまずきと変えたことを具体的に話せます。

図2の順に、まず紙へ書き出します。書き出すときは、きれいな文にしようとしないでください。単語と日付だけでかまいません。書いたあとで、声に出したときに文になるかどうかを確かめます。書く段階で整えすぎると、暗記した文を読み上げる話し方になり、質問が一つずれただけで止まります。
期間は、月数か回数に置き換えると伝わりやすくなります。始めた月と終わった月を思い出し、間の月を数えます。週に何回と決まっていたなら、1か月あたりの回数と全体の回数も出せます。たとえば、中1の6月から中3の11月まで続けたなら30か月で、週2回なら1か月8回、全体で240回です。数字は大きく見せるためではなく、続いた長さを伝えるために使います。
数が出せないときは、無理に作らなくてかまいません。「三年間、毎週」でも長さは伝わります。正確に言えない回数を、あいまいなまま大きく見せるほうが、あとで質問が返ってきたときに困ります。
つまずいた所は、うまくいかなかった日を一日だけ思い出して選びます。選んだら、その日に何を変えたかを続けて書きます。変えたことが思い出せないときは、変えずに続けたことでもかまいません。続けたこと自体が答えになる場面もあります。最後の「何を得たか」は、前の四つを受けて一文にします。抽象的な言葉で終わるなら、その言葉が現れた一回の場面を隣に書き添えます。
「思い出」と「学んだこと」は、切り出す所が違う
同じ出来事でも、聞かれた言葉によって入口が変わります。質問の言葉を最後まで聞いてから、どの切り口で答えるかを決めます。「中学校の思い出」は場面の質問です。いつ、どこで、誰と、何をしていたか。情景が中心になります。「中学校で頑張ったこと」は過程の質問で、五つの項目の順に話します。「学んだこと」は持ち帰ったことの質問で、出来事から切り離した一文が中心になります。
文化祭の展示なら、思い出は前日の夜に教室で貼り直した時間の話、頑張ったことは説明の言葉を三回書き直した過程、学んだことは「伝わる言葉は、一度書いてから削る」という一文です。三つは別の話ではなく、同じ出来事の切り口が違うだけです。だから、思い出を聞かれて過程を長く話すと、質問と答えがずれます。
逆に、頑張ったことを聞かれて学んだことの一文だけを答えると、根拠が足りません。一文を言ったあとに、その一文が出てきた場面を一つ足すと、聞いた側は納得します。塾の練習では、この足し方を「一文と一場面」と呼んでいます。どの質問でも、抽象と具体を一組にしておくと、追加の質問に移りやすいのです。
「中学校の思い出」で何を選ぶか迷うときは、人に話したくなる場面を選びます。うまくいった話である必要はありません。準備が足りずに慌てた話のほうが、そのあとの行動まで続けて話せます。
「中学校生活で最も頑張ったこと」と聞かれたときは、五つの項目がそろいやすい出来事を一つ選びます。期間が長く、つまずきが一度あり、そのあとに変えた行動がある話が、そのまま使えます。二つで迷ったら、長く続けたほうを選びます。短く強い話より、長く続いた話のほうが、追加の質問に答えやすいからです。
短く言い直す練習と、追加の質問への備え
自己PRカードの「中学校生活の中で得たことについて」の欄に書いた話は、そのまま口頭で使えます。ただし読み上げはしません。カードは書いた言葉で、口頭は話す言葉です。同じ内容を、五つの項目の順に短く組み直します。カードの三つの欄の書き方そのものは、先に公開した特集「都立の自己PRカードの書き方」で扱っています。
練習は二つの長さで行います。一つは30秒の版で、五つの項目を一語ずつつなぐだけの短い形です。もう一つは60秒の版で、つまずきと変えたことを一文ずつ足します。長い版から作ると、本番で時間が足りなくなったときに崩れます。短い版を先に固めてから、足りない所を足していく順が安全です。
録音して聞き返すと、自分では気づかない癖が見つかります。聞き返すときの観点は三つです。五つの項目がそろっているか、同じ言葉を繰り返していないか、結果の話だけで終わっていないか。当てはまる所に印を付けて、そこだけ言い直します。全部を最初からやり直すと、直すたびに別の言い方になって、最後には自分の言葉がわからなくなります。
言い換えの練習では、「がんばりました」という言葉を動きの言葉に置き換えます。何を、どのくらいの頻度で、どの期間かを、動詞と数で言う形です。抽象的な言葉が残ったら、その言葉を一度消して、その場面で体が動いていたことを書き足します。
追加の質問は、答えを用意するのではなく、事実をもう一つ出せるようにしておきます。「なぜそうしたのですか」には、そのときの理由を一つ。「ほかに続けたことはありますか」には、短い話を一つ。「大変だったのはいつですか」には、時期とそのときの対処を一つ。「今も続けていますか」には、続いているかどうかを正直に。用意した答えを並べるより、事実を一つ足すほうが、次の質問に移りやすくなります。
よくある質問
大会の結果も役職もありません。何を話せばよいですか
五つの項目のうち、期間と変えたことは結果がなくても言えます。続いた月数、週の回数、つまずいた時期、そのあとに変えた動き方。この四つが言えれば、答えは成立します。結果は、あれば最後に一言添えるだけにします。
三年間のことを短くまとめると、ありきたりな言葉になります
抽象的な言葉を一つ選び、それを支える場面を一つだけ添えます。「努力しました」で終わらせず、努力が現れた一回の場面を続けます。場面が二つ以上あると、どちらも浅くなります。短くまとめたいときほど、場面は一つに絞ります。
「学んだこと」を聞かれたとき、頑張ったことと同じ話をしてよいですか
題材は同じでかまいません。ただし切り出す所が違います。頑張ったことは過程、学んだことは持ち帰った一文です。学んだことを聞かれて過程から話し始めると、答えが長くなって、肝心の一文が最後に来ます。一文を先に置いてから、根拠の場面を足す順にします。
練習では言えたのに、本番で順番が飛びます
本番はメモを見ながら話す場面ではないので、項目の順番を体に入れておく必要があります。練習では、最初の一文だけを決めておきます。「私は三年間、〜を続けました」の形にすると、続きの四つが出てきやすくなります。飛んだと気づいたら、飛んだ項目を最後に足せばよく、最初から言い直す必要はありません。
確かめる順番
推薦の検査は1月26日(火)・27日(水)の2日間で、面接を含む検査の時間と会場は受検票に書かれます。第一次の面接は2月21日(日)以後に各校が定める日時です。まずこの二つを、受検票と学校の案内で照らします。面接の形式も時間も学校ごとに決まるので、練習の前に案内へ目を通します。

図3の順に、家庭で確かめます。受検票で日時と会場を見る。学校の案内で面接の形式と持ち物を見る。家族に、家での自分の様子を一つ聞く。最後に30秒版を録音して聞き返す、という順です。
家族に聞くのは、本人が覚えていない事実を持っているからです。毎朝何時に家を出ていたか、休みの日に何をしていたか、習い事と部活をどう両立させていたか。本人の記憶だけでは残らない期間の長さを、家族は覚えています。聞いた話は、五つの項目の「どれだけ」と「何を」に入ります。
中学校の先生にも、一つだけ聞いておくとよいことがあります。三年間の活動で、記録に残っていること、先生が覚えていることを一つ教えてもらいます。本人が忘れている頑張りを、第三者が覚えていることがあります。聞くのは活動の事実だけにして、評定や合否の見込みは聞きません。
録音は、静かな部屋で一度だけ録ります。聞き返すときは、五つの項目がそろっているかだけを見ます。声の大きさや話す速さは、この段階では直しません。内容の順番が固まってから、声の調整に移ります。カードの控えと口頭の話がずれていないかも、このときに確かめます。
個別指導で確かめること
講師が面接の席に座り、質問を一つずつ言葉を変えて聞き、答えをその場で聞き返します。五つの項目のどこが抜けたか、結果の話だけで終わった文はどれかを、本人と一緒に探します。同じ質問を二度聞いて、二度目の答えが短くなっていれば、順番が身についた証拠です。短く答えられたときは、その短さのまま次の質問に移ります。練習の終わりには、五つの項目のメモを本人の言葉で書き直してもらいます。合格を約束する場ではなく、答えの組み立てを整える場として使います。
まとめ
試合に出た回数がゼロでも、朝の準備を三年続けた事実はゼロになりません。結果の欄が白いままでも、答えは空になりません。話す材料は、あなたが毎週やっていたことの中に残っています。うまく言えない日があっても、紙に書いた言葉は消えません。まずは、その一つを紙に書き、声に出して読む。そこから答えが動き始めます。
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