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世界史の暗記のコツ—カタカナの人名と地名が覚えられない高校生の、区切り方とつなぎ方|武蔵野個別指導塾

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ルイ14世とルイ16世が混ざるなら、名前と番号を切り離し、同じ名前の表と地図と世紀の帯に置いてから閉じて言う。見開き1つを20〜30分で回し、一問一答は翌日の5分で穴を探すのに使います。

世界史の暗記のコツは、カタカナの名前を音のかたまりのまま飲み込もうとせず、先に区切ってから、置き場所につなぐことです。王の名前なら名前と番号を切り離し、同じ名前の王を1枚の表に並べ、国の地図と世紀の帯の上に置きます。教科書の見開き1つにかける時間は20〜30分で、最後は教科書を閉じて、声に出して言えるかを確かめます。一問一答は覚えるための道具ではなく、次の日の5分で表の穴を探す道具に回します。

よくあるのは、フランスの王の名前が並んだページで、ルイとシャルルとアンリが頭の中で混ざってしまう高校2年の場面です。授業では先生の話についていけたのに、夜に教科書を開き直すと、どの王が何をしたのかが溶けて、一つの音になっている。蛍光ペンの線は引いてあるのに、なぜそこに線を引いたのかが思い出せない。この夜に「自分は世界史に向いていない」と決めてしまう前に、覚える順番を一度ばらしてみてください。

なぜそうなるのか

カタカナは意味を運ばない

日本史なら、多くの人の名前は漢字で書かれます。字の形や意味が小さな手がかりになり、どこかで見た字が入っていれば、前に覚えた名前とつながることもあります。カタカナの名前には、その手がかりがありません。ルイという2つの音には、強そうだとか古そうだとかいう印象さえ乗っていない。頭は、意味の無い音を、意味のある言葉より早く手放します。3回読んでも残らなかったのは、読む回数が少なかったからではありません。音を掛けておく場所が、まだどこにも無かったからです。

同じ形の名前が同じページに続く

王の名前は「名前・番号・世」という同じ形で続きます。ルイ14世、ルイ16世のように、違うのは真ん中の数字だけということが多い。目が拾うのは先頭の名前の部分なので、数字は読み飛ばされます。そのうえ、ルイもシャルルもアンリも短い名前で、同じ見開きに何度も出てくると、形の違いが目に入らなくなります。似た顔の人たちが同じ服で並んだ写真を渡されて、全員の名前を覚えろと言われているのに近い状態です。

同じ名前が時代を飛んで出てくる

ルイは一つの章で終わりません。何章も先で、別の番号を付けてまた出てきます。前の章で覚えたルイと、いま読んでいるルイが頭の中で同じ引き出しに入るので、新しいルイを覚えるたびに、古いルイが上書きされていく。番号が十を超えるような名前は、出てくる時代の幅も広く、何百年分もの話を一つの名前でくくってしまいがちです。教科書は時代の順に進むのに、名前のほうは時代の順に並んでくれません。

図1 カタカナの名前が頭の中で混ざる3つの理由

図1のように、3つの理由はどれも「覚える力が弱い」という話ではありません。音だけで手がかりが無いこと、同じ形が続いて区別の目印が数字しか無いこと、同じ名前が離れた章に散らばっていること。どれも、名前を置く場所が決まっていないときに起きる混ざり方です。次の手順は、この3つに1つずつ答える形にしてあります。1段目が音、2段目が同じ形、3段目が時代の飛び方への手当てです。

今夜からの手順

教科書の見開き1つを単位にして、次の1段目から4段目までを20〜30分で回します。5段目は次の日です。用意するのは、教科書と鉛筆、それに白い紙を2枚。新しいノートを買う必要はありません。1枚目は同じ名前の表に、2枚目は地図と世紀の帯に使います。

1段目 名前と番号を区切って声に出す(5分)

見開きに出てくる人名と地名に、鉛筆で縦の線を入れます。王の名前なら「ルイ|14|世」のように、名前と番号の間で切る。声に出すときも、名前と番号の間で一拍あけて、番号をはっきり読みます。「ルイじゅうよんせい」と一息で読むと、数字が音の中に溶けてしまうからです。

シャルルのように3音ほどの名前なら切らずに読み、それより長い名前を2〜3音ずつに切ります。切る場所に迷ったら、小さい「ャ」「ュ」「ョ」と伸ばす「ー」を前の字から離さないことだけ守ってください。「シャ」を「シ|ャ」と切ると、声に出したときに名前が崩れます。自分で切れ目の線を入れられた名前は、もう意味の無い音のかたまりではありません。地名も同じように切ってから読みます。この段では覚えようとしなくてかまいません。区切って、つかえずに読める状態にするところまでで5分です。

2段目 同じ名前の表を作る(5〜10分)

1枚目の紙に、「名前」「番号」「出来事を1つ」の3つの列を作ります。同じ名前の王は、同じ名前の行の中にまとめる。ルイの行には14世と16世、アンリの行には4世、という具合です。出来事は教科書の太字から1つだけ選び、短い言葉で書きます。ルイ14世は絶対王政、ルイ16世はフランス革命、アンリ4世は国内の宗教の争いを収めた王。出来事を2つも3つも書き込むと、表はまた教科書の写しに戻ってしまいます。

図2 同じ名前の王を名前と番号と出来事で並べた表

図2のように表を作るねらいは、似た名前を組にして、同じ紙の上で見比べることです。ルイ14世とルイ16世を同じ行に置くと、違いが目に入ります。片方は王の力がいちばん強かった頃の王で、もう片方は王の政治が倒れていく時代の王。同じルイでも、表の上では正反対の場所にいます。この「違いを1語で言える組」ができた名前は、混ざりにくくなります。

表の右の端には、王家の名前を小さく書き添えておきます。アンリ4世はブルボン朝を開いた王で、ルイ14世もルイ16世も同じ王家の王です。3人が1本の家の線でつながると、ばらばらの3つの名前が、一つの家の話になります。シャルルの行は、図2では空けてあります。授業で進んだページに出てきたシャルルを自分で探し、番号と出来事を書き込んでください。自分で埋めた行は、人から渡された行よりも長く残ります。

3段目 地図と世紀の帯につなぐ(5〜10分)

2枚目の紙の上半分に、教科書の地図を大まかに写します。海岸線と大きな川が数本あれば足り、上手に描く必要はありません。その日に出てきた地名を地図の上に書き、人名は、その人が王だった国の位置の横に書きます。フランスの王なら、フランスの形の横に縦に並べる。人名を国の棚に置いておくと、別の国の王が出てきたときに別の棚に入るので、混ざりにくくなります。

下半分には、横に1本の線を引いて世紀の目盛りを入れます。16世紀、17世紀、18世紀と区切り、表の王をその上に置く。アンリ4世は16世紀の終わりから17世紀の初め、ルイ14世は17世紀の半ばから18世紀の初め、ルイ16世は18世紀の後半です。フランス革命が始まった1789年には、帯の上に小さな印を付けます。並べてみると、表では同じルイの行に並んでいたルイ14世とルイ16世が、帯の上では半世紀以上離れていることが目で見えます。

帯の下に、同じ頃の日本の時代を書き添えるのも手です。アンリ4世の頃は江戸時代が始まった頃、ルイ14世は江戸時代の前半、ルイ16世は江戸時代の後半。中学で覚えた日本の時代の並びが、カタカナの名前を測る物差しになります。

4段目 教科書を閉じて言う(5分)

教科書と2枚の紙を伏せて、表の行を声に出して言います。「ルイ、14世、絶対王政、17世紀の半ばから」。言えなかった所だけ紙を見て、また伏せる。全部の行が言えたら、今度は向きを変えます。「フランス革命の時の王は」と自分に聞いて、「ルイ16世」と返す。名前から出来事へ、出来事から名前へ、両方の向きで言えた行は、その夜の分は終わりです。

家族が寝ていて声を出せない時間なら、口の中で言うか、名前の列を手で隠して1回書きます。1段目から4段目までで、見開き1つにつき20〜30分。30分を過ぎるようなら、その見開きは名前が多すぎるので、その夜は左のページだけにしてかまいません。

5段目 次の日に一問一答で確かめる(5分)

次の日、通学の電車や休み時間に、一問一答の問題で5分だけ確かめます。答えられなかった問いがあれば、前の夜の表のどの行かを探して、その行に小さな印を付ける。印の付いた行が、その夜の4段目で最初に言う行です。一問一答はここで初めて使います。覚えるための道具ではなく、表の穴を見つけるための道具です。

学年と時期で変わるところ

中学生のうちは、歴史の教科書に出てくるカタカナの名前はそれほど多くありません。表を作るとしても1枚で足ります。それでも、名前と出来事を1つずつ組にして並べる練習は、高校でそのまま使えます。

高校に入ると、すべての生徒が学ぶ歴史総合で、近現代の日本と世界の名前に出会います。世界史探究は、歴史総合を学んだ後に選んで学ぶ科目で、標準の単位数は3単位です。どちらを何年生で学ぶかは学校の教育課程によって違うので、自分の時間割で確かめてください。歴史総合で作った表と帯は捨てずに取っておくと、世界史探究で同じ国の名前が出てきたときに、その横に書き足せます。

世界史探究に入ると、カタカナの名前の量が一気に増えます。古い時代から今に向かって進むので、同じ名前の王が番号を変えて何章にもわたって出てきます。共通テストで世界史を使うなら、科目は『歴史総合,世界史探究』で、1科目なら60分、配点は100点です。いまの高2が受けるのは令和10年度の試験で、本試験は2028年1月15日(土)と16日(日)。出題の範囲は、科目の名前に入っている歴史総合と世界史探究の両方の内容なので、歴史総合のときに作った表がここで生きてきます。

いまの高3と既卒生が受ける令和9年度の本試験は、2027年1月16日(土)と17日(日)です。残りの時間が短い高3は、手順の順番を入れかえます。先に一問一答で抜けている所を探し、答えられなかった名前だけを表と帯に戻す。すべての見開きで表を作り直す時間はないので、穴の見つかった行から手を付けます。

時期でも変わります。ふだんは、授業で進んだ見開きを、その日のうちに1つずつ。定期考査の前は、新しい表を作るより、ふだん作った表を考査の範囲の分だけ重ね、4段目の閉じて言う段を繰り返します。考査がいつあるかは学校の予定表で確かめ、その1週間前から見返しに切りかえてください。夏休みや冬休みのような長い休みには、夜ごとにばらばらに作った表を、世紀ごとに1枚にまとめ直します。区切り直してみると、別の夜に作ったルイの行どうしが、初めて同じ紙の上で出会います。

よくある失敗と直し方

失敗1 一問一答だけで覚えたつもりになる

一問一答なら全部答えられるのに、考査で問いの書き方が変わると名前が出てこない。一問一答が「問い→答え」の1本の線しか作らないからです。図3のように、ルイ14世が「絶対王政」の1本の線でしかつながっていないと、「17世紀の半ばのフランスの王は」「フランス革命より前の王を選べ」のように入口が変わったとたん、たどり着けなくなります。

図3 一問一答だけの1本の線と、表・地図・年表の3つにつなぐ形

直し方は、一問一答の前に、表と地図と年表の帯の3か所に名前を置くことです。入口が3つあれば、どの向きから聞かれても、どれかの線をたどって名前に戻れます。一問一答は、5段目の確かめの役に戻してください。

失敗2 似た名前を別の夜に覚える

月曜にルイ14世、木曜にルイ16世を覚えると、木曜の夜に月曜のルイが上書きされます。似た名前は、離して覚えるほど混ざります。直し方は、似た名前を同じ紙の同じ行に置いて、違いを1語で書くこと。「絶対王政」と「革命」のように、正反対の言葉で組にできると強い。新しいルイが出てきたら、新しい紙に書くのではなく、前に作ったルイの行の中に書き足します。

失敗3 言えるのに書けない

閉じて言えるのに、書かせると「ー」の位置や小さい字を間違える。耳で覚えた名前は、音は合っていても、字の並びがあいまいなまま残るからです。考査で名前を書かせる問題が出るかどうかは学校の先生の出し方によりますが、書く問題が出るなら、4段目の終わりに名前の列を隠して1回だけ書き、教科書と1字ずつ見比べます。何回も書き写す必要はありません。間違えた字に印を付けて、次の夜の1段目でその名前に縦線を入れ直すほうが、早く直ります。

よくある質問

教科書と問題集でカタカナの書き方が違うときは、どちらで覚えればいいですか

同じ人や場所でも、本によって伸ばす音の有無や、「ヴ」と「ブ」のように書き方が違うことがあります。覚えるのは、授業で使っている教科書の書き方にそろえます。表の名前の列も教科書の書き方で書き、問題集の書き方が違うときは、その横に小さく添えるだけにする。考査で別の書き方をしたときにどう扱われるかは、学校の先生に確かめてください。

漢字で書く人名や地名も、同じやり方でいいですか

世界史には、漢字で書く名前もたくさん出てきます。漢字の名前は字の形が手がかりになる分、カタカナより表に置きやすい名前です。ただ、読み方と字の両方を書けないと答えにならず、似た字の取り違えが起きます。同じ名前の表と世紀の帯はそのまま使い、名前の列には読みを小さく添えてください。地図の上の国の棚に並べるやり方も同じです。

世界史のまとめノートは1冊作ったほうがいいですか

新しいノートを1冊作ると、教科書を写す時間が、覚える時間を食ってしまいます。見開きごとに表の紙と、地図と帯の紙の2枚があれば足ります。残しておきたいなら、授業のノートにその2枚を挟んでおくくらいで止める。まとめノートの厚さで安心できるのは作った直後だけで、覚えたかどうかは、閉じて言えた行の数で見てください。

保護者が手を貸すなら

世界史を覚えていなくても、手は貸せます。お子さまが作った表を見せてもらい、出来事の列から名前を聞いてみてください。「フランス革命の時の王は誰だった」。向きを変えた問いは、本人が一人ではやりにくい確かめです。答えが出なかったときは、正解をすぐに言わず、表のどの行かを一緒に指で探します。名前がびっしり並んだ教科書を見て「こんなに覚えるの」と驚く声は、本人には「やっぱり無理だ」と聞こえます。言葉にするなら、表の行が増えたことのほうを。空いた欄が残っていても、責める材料にはしないでください。空いた欄は、次の夜に何を探せばいいかを本人がもう知っている印です。毎晩何時間やったかを尋ねるより、週に一度、表の1行を読み上げてもらうくらいの距離がちょうどいいはずです。

個別指導で確かめること

表の「出来事」の欄が埋まらない名前があるときは、その王の国の話が教科書のどこから始まっているかまで戻り、前の章に出てきた同じ名前の王も含めて、流れを一緒にたどります。歴史総合で同じ国が出てきているなら歴史総合の教科書のそのページまでさかのぼり、名前を置く棚がどこで途切れたのかを、行を代わりに書き込まずに、本人の表の上で確かめます。

まとめ

ルイとシャルルとアンリが一つの音に溶けた夜、机の上に足りなかったのは、覚える力ではなく名前の置き場所でした。番号で切り、同じ名前の行に並べ、国の棚と世紀の帯に置く。置き場所を三つ持った王たちは、引き出しの中でもう混ざらず、呼べば一人ずつ、自分の番号を名乗って顔を上げます。

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