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共通テストの追試験の問題は過去問に使えるか—追・再試験の問題の公開と、難しさの比べ方|武蔵野個別指導塾

令和6〜8年度の追・再試験の冊子は、正解と配点、英語の音声まで公開されています。令和8年度は大問の配点が本試験と同じ並びでした。公式の平均点が無いので、難しさは自分の大問ごとの点と時間で比べます。
使えます。大学入試センターが公開している「過去3年分の試験問題」では、令和6〜8年度のどの年度にも、本試験の隣に追・再試験の問題と正解が置かれています。令和9年度の受験案内も、追試験の出題の方法と試験時間は本試験に準じると書いています。ただ、追試験の平均点は公式には出ていないので、「追試は難しい」を他人の数字で確かめる手はありません。比べる相手は、同じ年度の本試験を解いた自分の答案です。
追・再試験の冊子を演習に回す前に、公式の文書で押さえられる事実を5つに絞りました。
| 見た所 | 書かれていたこと | どの文書か |
|---|---|---|
| 公開されている年度と中身 | 令和6・7・8年度の追・再試験。問題、配点つきの正解、英語リスニングの音声とスクリプト | 大学入試センター「過去3年分の試験問題」の頁(2026年11月8日に見た) |
| 問題の作り方 | 出題の方法と試験時間は本試験に準じる | 令和9年度 受験案内 D2 |
| 大問ごとの配点 | 令和8年度は英語リーディング・リスニング、数学①②、国語のどれも、本試験と同じ配点の並び | 令和8年度 本試験と追・再試験の正解(塾が見比べた) |
| 平均点 | 実施結果の概要の平均点の一覧は本試験の物で、追・再試験の平均点は令和8年度の頁に見当たらない | 令和8年度 実施結果の概要・令和8年度試験の頁 |
| 受ける人の数 | 令和8年度の追試験の受験許可者は 969 人 | 令和8年度 追・再試験の実施について |
よくあるのは、12月の初めの日曜日に、本試験の過去問を令和6年度から令和8年度まで3年分解き終え、机に積んだ冊子を前に手が止まった高3、という場面です。手元の演習の冊子は一通り終わり、同じ問題をもう一度解いても答えの番号を覚えてしまっている。令和9年度の本試験(2027年1月16日・17日)までは6週間ほどしかありません。センターの頁を開き直すと、本試験の行のすぐ下に「追・再試験の問題」という入口が年度の数だけ並んでいて、ここで「これは解いていい物なのか」と迷います。
センターが公開している追・再試験の冊子と、本試験に準じるという決まり
大学入試センターのサイトの「過去3年分の試験問題」の頁は、年度ごとに入口が4つに分かれています。本試験の問題、本試験の正解、追・再試験の問題、追・再試験の正解です。2026年11月8日に開いたときは、令和6・7・8年度の3年分が並んでいました。追試験と再試験は同じ2日間に予定されているので(令和9年度は2027年1月23日(土)・24日(日))、センターは両方の問題を「追・再試験」という一つの入口にまとめています。
令和8年度の追・再試験の問題の頁には、国語・地理歴史と公民・数学・理科・外国語・情報の冊子が科目ごとの PDF で並び、問題冊子の表紙も別の PDF で載っています。英語のリスニングには、音量を合わせるための音声、問題の音声、スクリプトの3つがそろっていて、令和6〜8年度のどの年度にもあります。正解の PDF には、大問ごとの配点と、1つの解答あたりの配点が書かれています。本試験の頁にも追・再試験の頁にも、著作権の処理などの関係で一部を省いて載せた科目がある、と注記があります。
問題の作り方について、令和9年度の受験案内は追試験の節で、出題教科・科目の出題方法と試験時間などは「本試験に準じます」と書いています。準じるというのが実際にどの程度なのかを、塾で令和8年度の正解の表を本試験と追・再試験で並べて確かめました。英語リーディングは8つの大問で、配点は前から6・12・9・12・16・12・16・17点。リスニングは6つの大問で28・12・18・12・16・14点、冊子の指示では第1問と第2問の音声が2回、第3問から第6問が1回でした。数学②は第1問から第3問が必答で15・15・22点、第4問から第7問のうち3問を選んで各16点、統計的な推測の大問で使う正規分布表も冊子の中にあります。数学①は30・30・20・20点、国語は45・45・20・45・45点です。この5つのどれも、大問の数と配点の並びが本試験と一つも違いませんでした。令和7年度も、英語の2つと数学②は本試験・追・再試験とも令和8年度と同じ並びです。

図1のように、令和8年度の本試験と追・再試験の帯は、境目の位置まで重なります。下の緑の帯は令和6年度の追・再試験で、6つの大問に10・20・15・16・15・24点が配られています。令和6年度は旧課程で作られた最後の年で、リーディングは本試験も同じ6大問の形でした。過去問として同じ「3年分」に数えていても、令和6年度だけは形が違うということです。
もう一つ押さえておく公式の事実は、平均点です。令和8年度の実施結果の概要に載っている平均点の一覧は、見出しに「本試験」と付いた物です。令和8年度の試験の頁を見ても、追・再試験の平均点の発表は見当たりませんでした(2026年11月8日)。令和8年度の追試験の受験許可者は969人で、本試験を受けた約46万人と比べればごく一部です。共通テストの追試験の難易度を、平均点という公式の数字で本試験と比べる材料は無い、というのが出発点になります。
自分が解く冊子は、受ける科目名と年度の並びで選び分ける
いまの高3は、出願も登録内容の訂正も秋のうちに締め切られていて、受ける教科と科目の数はもう動きません。追試験の問題のどれを解くかも、その登録の中身で決まります。令和9年度の受験票は2026年12月4日(金)10時から出願サイトのマイページで取れるので、刷ったら、受ける教科の欄と、地理歴史・公民と理科の科目数を見てください。そのうえで、追・再試験の頁から、受ける科目と同じ名前の冊子だけを選びます。
令和7年度の頁には注意が要ります。科目名の頭に「旧」が付いた冊子が並んでいるからです。「旧数学Ⅰ・旧数学A」「旧数学Ⅱ・旧数学B」「旧情報」などで、旧課程で学んだ人のために用意された問題です。いまの高3が解くのは、「旧」の付かない『数学Ⅰ,数学A』や『情報Ⅰ』の冊子です。令和6年度の頁はもっと違います。数学は「数学Ⅰ・数学A」と「数学Ⅱ・数学B」で、数学Cの内容を含む今の数学②とは範囲が異なり、『情報Ⅰ』の冊子はありません(情報の出題は令和7年度から)。地理歴史と公民も、世界史Bや現代社会など今とは違う科目の名前で並んでいます。
ここから数えると、追・再試験を足す意味がはっきりします。数学①②と情報Ⅰは、今の課程で作られた冊子が本試験には令和7・8年度の2回分しかありません。追・再試験の2年分を足すと4回分になります。英語も、8大問の今の形で解ける冊子は、令和7・8年度の本試験と追・再試験を合わせて4回分です。12月の机に足せるのは、この倍になった分だと考えてください。
次に、自分の答案を手元に集めます。同じ年度の本試験を解いたときの答案と、大問ごとの点と、各大問に入った時刻の記録です。公式の平均点が無い以上、追・再試験の点は、自分の本試験の点と並べてこそ意味を持ちます。
たとえば、令和8年度の本試験の数学②で62点、同じ年度の追・再試験で54点だったとします。差は8点です。これを「追試は難しい」で片づける前に、必答の第1問から第3問(52点)と、選んだ3問(48点)に分けてみます。必答が本試験40点・追・再試験38点、選択が本試験22点・追・再試験16点なら、得点率は必答が76.9%と73.1%、選択が45.8%と33.3%です。8点の差のうち6点が選択の側で出ているので、見直すべきは選んだ3問の中身で、冊子全体の難しさではありません。
解いた順番の影響も差し引いて考えます。本試験の冊子を先に解いて解説まで読んでいれば、同じ年度の追・再試験では初めて見る題材を相手にすることになります。逆に、慣れが付いた分だけ後から解く冊子の点が上がることもあります。一人の答案の1回の比べから言えるのは、「どの大問で点と時間が動いたか」までです。
高2の人の本番は令和10年度の試験(2028年1月15日・16日)で、出題の方法と問題作成方針は令和9年度と同じ中身で公表されています。追・再試験の冊子の使い方も同じ考え方で組めますが、頁の名前は「過去3年分」なので、高3になったときに並んでいる年度はいまと違うかもしれません。使いたい年度の冊子は、いまのうちに印刷して手元に置いておくと迷いません。
12月から本番まで、英語の追試と数学の追試の問題を解く順番
本試験の3年分を終えた高3が、英語と数学を中心に追・再試験を組み込む順番を、図2にまとめました。

- 印刷する。追・再試験の問題の頁から、受ける科目の冊子と、その科目の表紙の PDF を一緒に印刷します。表紙には注意事項が書かれているので、本番と同じく表紙から読み始めます。マークまで本番に寄せたい人は、令和8年度の「試験問題冊子の注意事項及び解答用紙の様式」に載っている解答用紙の様式を使えます。
- 令和8年度の追・再試験から解く。今の課程で作られ、配点の並びも令和8年度の本試験と同じなので、本試験との比べが一番素直にできます。図2の2つ目の箱です。
- 次に令和7年度の追・再試験。図2の3つ目の箱の下に「旧の冊子は除く」と書いたとおり、科目名に「旧」の付かない冊子だけを選びます。
- 令和6年度は最後に回し、英語と国語など今と科目名が同じ物に絞ります。解く前に、正解の表で大問の数と配点の並びを令和8年度と見比べ、違う所を表紙の余白に書いておきます。図2の4つ目の箱の「形を見比べる」はこの作業です。
- 時間を本番どおりにする。英語リーディング80分、数学①と数学②は各70分、国語は90分で通します。リスニングは、音量を合わせる音声を先に流してから、問題の音声を止めずに最後まで流します。試験場で配られる IC プレーヤーには一時停止が無いからです。スクリプトは採点が終わってから開きます。
- 採点は正解の PDF の配点で行います。全部正解のときだけ点になる問いには表に印が付いていて、ハイフンでつないだ正解は順序を問いません。この2つを読み落とすと、自分の点を高く見積もります。
- 記録する。図2の一番下の帯のとおり、どの冊子でも大問ごとに得点と、その大問に入った時刻を書きます。
記録はこう使います。たとえば英語リーディングで、本試験では第8問に入ったのが開始から64分、追・再試験では71分だったとします。最後の大問に残った時間は16分と9分で、7分の差があります。追・再試験の第8問の点が低くても、それは第8問が難しかったからではなく、前の大問で7分を使ったからかもしれません。どの大問で時間が延びたかを、時刻の列から探します。
英語の追試と数学の追試を入れる時期は、12月の前半に令和8年度、後半に令和7年度を目安にすると、年明けには新しい冊子を増やさず、点が落ちた大問の解き直しに時間を回せます。週末の2日に分けて本番の時間割と同じ順に解けば、1日目の最後にリスニングが来る並びも体で確かめられます。保護者の方は、お子さまが解いている間、時計と音声の再生を受け持つと、お子さまは問題だけに集中できます。
「追試は難しい」は本当か—追試験の難易度の思い込みを公式の決まりでほどく
追・再試験を解き始めると、点の上下に気持ちが引っ張られます。よく聞く思い込みを3つ、公式の決まりに照らして並べます。
一つ目は「追試は本試験より難しく作られている」です。受験案内が書いているのは、出題の方法と試験時間が本試験に準じるということだけで、難しく作るとはどこにも書いていません。先に見たとおり、平均点で比べる公式の材料も見当たりません。「難しかった」という声があったとしても、それは解いた人の感想で、センターの数字ではありません。
二つ目は「追試験の問題は、本番の練習にならない」です。令和8年度は、英語の大問の配点も、リスニングの読み上げ回数も、数学②の選択の形も本試験と同じでした。今の課程の冊子が少ない数学と情報Ⅰでは、むしろ練習の量を倍にする手段です。
三つ目は「追試の点が本試験より下がったのは、実力が落ちたからだ」です。図3は、点が下がったときに順に問う分かれ道です。

図3の最初の問いは「最後まで解けた?」です。いいえなら、点の問題より先に時間の問題なので、大問の時間を測るところへ戻ります。はいなら、次に「失点は同じ大問?」と問います。本試験でも追・再試験でも同じ大問で落としているなら、その大問を直すのが近道です。落とした大問が冊子ごとに違うなら、題材との相性の当たり外れが混じっているかもしれないので、別の年度で確かめるまで結論を急ぎません。
もう一つ付け加えると、本試験の当日に体調を崩せば、自分が追試験の問題を解く側に回ることもあります。追試験は病気やけが、試験場へ向かう途中の事故などで本試験を受けられなかった人のための試験で、令和9年度なら1月23日からの2日間です。追・再試験の冊子に一度触れておくことは、その場合の備えにもなります。
確かめる先と聞き方
追・再試験の冊子を演習に組み込む前に開いておく場所は、次の6つに絞れます。
- 大学入試センター「過去3年分の試験問題」の頁: 年度ごとの追・再試験の問題と正解の入口。自分の受ける科目と同じ名前の冊子か、科目名に「旧」が付いていないか。
- 追・再試験の正解の PDF: 大問ごとの配点、全部正解のときだけ点になる問いの印、ハイフンでつないだ正解の扱い。
- 追・再試験の問題の頁の下にある注記と出典情報の PDF: 一部を省いて載せた科目があるかと、題材の出どころ。
- 令和9年度の受験案内の「追試験及び再試験」の項(53ページ): 出題の方法と試験時間が本試験に準じるという一文と、追試験の日付。
- 12月上旬にセンターのサイトに出る令和9年度の受験上の注意: 万一追試験を受けることになったときの申請の決まり。去年の版の手順で動かず、この版で読みます。
- 高校の先生: 学校の演習でどの年度の追・再試験を使う予定か。家で同じ冊子を重ねて解かないために聞きます。
個別指導で確かめること
塾では、本試験と追・再試験を解いた答案を2枚並べ、大問ごとの点と、各大問に入った時刻の記録を一緒に見ます。点が下がった大問が時間で落ちたのか、読み違いで落ちたのか、題材に慣れていなかったのかを答案の書き込みとマークの跡から分け、次に解く年度と冊子を決めます。リスニングは、スクリプトを開く前と後で、どの設問の答えが変わったかも書き留めます。数学②は、選んだ3問の組み合わせを本試験のときと変えたかどうかも、答案の表で確かめます。
まとめ
追・再試験の冊子は、平均点という他人の物差しを持たない問題です。その代わり、同じ年度の本試験を解いた自分の答案を物差しにすれば、点の上下ではなく、どの大問で時間と点が逃げたかがそのまま読めます。令和7・8年度の2年分を足した12月は、今の形の問題を倍の量で確かめられる最後のまとまった時間です。
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