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共通テストの科目は当日変更できるか—地歴公民と理科は登録した数の中で当日選ぶ|武蔵野個別指導塾

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物理で受けるか化学で受けるかは試験当日でも選べますが、2科目登録を1科目へ減らすことはできません。受験票の備考欄と募集要項の理科の欄を読めば、自分に許された選び直しの幅が決まります。

地理歴史・公民と理科は、出願で登録した「1科目」か「2科目」かの数を守るかぎり、どの科目を解くかを試験当日に選べます。理科を1科目で登録した人なら、物理のつもりで来た朝に化学へ替えても、センターの決まりには触れません。動かせないのは科目の数と、登録した教科の外側です。2科目で登録した人が当日に1科目へ減らすことも、1科目の人が2科目目を足すこともできず、登録していない教科は解いても採点されません。

当日の科目変更について、令和9年度試験(2027年1月)の受験案内が答えている点を5つに絞ると、次のようになります。

当日の科目選び できるか 出どころ
地歴公民・理科の中で、解く科目を選ぶ できる(登録した科目数の中で) 令和9年度 受験案内 9〜10ページ
科目の数を変える(2から1、1から2) できない 令和9年度 受験案内 よくある質問7
『地理総合/歴史総合/公共』や理科の基礎を、範囲一つだけ解く できない(二つ選ぶ。順と時間配分は自由) 令和9年度 受験案内 8ページ 注3・よくある質問5
登録していない教科を受ける できない(解いても採点されない) 令和9年度 受験案内 9ページ
試験時間ごと受けるのをやめる できる(0点ではなく「受験しなかった」扱い) 令和9年度 受験案内 よくある質問3

よくあるのは、2日目の朝、理科の試験室の前で、物理と化学のどちらで受けるかをまだ決めきれずにいる高3の場面です。登録は理科1科目。前の晩、1日目の手応えを思い返すうちに、直前の模試で点がそろっていた化学へ逃げたくなりました。けれど秋から60分で通して解いてきたのは物理です。片手に物理のノート、片手に化学のノート。廊下の時計だけが、入室の時刻へ進んでいきます。

当日に選べるのは科目の名前、動かせないのは科目の数—令和9年度の受験案内の線引き

出願のときに登録したのは、科目の名前ではありません。令和9年度の受験案内の9ページは、出願のときに登録しておく事項として、受験する教科、地理歴史・公民の受験科目数、理科の受験科目数、外国語の別冊子の配付希望の4つを挙げています。物理か化学か、日本史か地理かは、出願の画面で選んでいないのです。だから当日の科目選択は、決まりの上で開いています。地理歴史・公民は地理歴史と公民を合わせた6科目から、理科は5科目から、登録した数だけを選んで解答します。登録の中身を直せたのは2026年10月9日(金)から16日(金)までの確認・訂正期間で、それが閉じた今は、教科も科目数も直す道がありません。

問題冊子も、当日に選ぶことを前提に組まれています。センターの共通テスト Q&A によると、理科の問題冊子は5科目がまとめて載った1冊で、地理歴史・公民は2冊がビニールで一つに包まれて配られます。令和9年度の受験案内の50ページは、地理歴史・公民の2冊を試験時間中ずっと机の上に置くよう求めています。物理と化学のページは同じ冊子の中にあり、どちらを開くかは受験者の手に任されているわけです。

ただし、冊子をめくってよいのは「解答はじめ。」の声がかかってからです。合図より先に表紙を開く動きは、令和9年度の受験案内で不正行為の一つに数えられています。「問題を見てから科目を決める」という選び方は、60分の解答時間の内側でしかできません。

理科を当日選ぶときの決まり

理科には、センターが決めた「選べない組み合わせ」がありません。気をつけたいのは基礎の数え方です。『物理基礎/化学基礎/生物基礎/地学基礎』は、四つの範囲から二つを解いてはじめて1科目と数えます。範囲を一つだけ解いて終えることはできず、二つをどちらから解くか、どう時間を割るかは自由です。2科目で登録した人が、2科目とも基礎にして範囲を変えて解くこともできません。「化学基礎」と『化学』のように同じ名前を含む範囲と科目の組み合わせは、センターの決まりでは止められていませんが、共通テスト Q&A は大学によって制限している場合があると添えています。

社会(地理歴史・公民)を当日選ぶときの決まり

いわゆる社会、つまり地理歴史・公民で2科目を解く人には、組めない組み合わせが二通りあります。一つは『公共,倫理』と『公共,政治・経済』の組です。もう一つは、『地理総合/歴史総合/公共』で解く二つの範囲と同じ名前を含む科目との組で、たとえば「地理総合」と「公共」を解く日には、『地理総合,地理探究』『公共,倫理』『公共,政治・経済』を相方にできません。『地理総合/歴史総合/公共』も三つの範囲から二つを解く1科目で、一つだけ解いて出すことはできません。

2日目の理科の時間割と、数が動かせない理由

数が動かせない理由は、時間割そのものに刻まれています。令和9年度の本試験の2日目、2027年1月17日(日)の理科は、2科目登録者が9時30分から11時40分まで、1科目登録者が10時40分から11時40分までです。2科目の人は前半の60分を第1解答科目、10分の答案回収をはさんで後半の60分を第2解答科目として解きます。受験案内は、2科目分の解答時間を一つの試験時間にまとめていると説明し、2科目で登録した人が当日1科目だけを受けることも、1科目で登録した人が2科目を受けることもできないとしています(よくある質問7)。

図1 2日目の理科の時間割を登録した科目数で分けた時刻の帯

図1のように、2科目登録の帯と1科目登録の帯は、始まる時刻がちょうど70分ずれています。遅れて着いたときに入れる線も、どちらの帯にいるかで違います。遅刻が認められるのは開始から20分までなので、2科目登録の人は9時50分が入室の限度で、それを過ぎると後半の第2解答科目まで含めて、その時間の理科は受けられません。1科目登録の人は10時40分の開始から数えて11時までです。第1と第2の間の10分は、トイレなどで一時退室することもできません。

数学と外国語にも、当日の選び方がある

理科と地理歴史・公民のほかにも、当日に選ぶ場面が二つあります。数学を登録した人は、数学1グループで『数学I,数学A』と『数学I』のどちらかを選び、数学1グループと数学2グループの片方だけを受けることもできます。外国語で別冊子の配付を希望した人には英語(リーディング)の冊子も一緒に配られるので、その場で英語を選んで解くこともできます(受験案内 6・10ページ)。

自分が当日どこまで選べるかは、受験票の備考欄と募集要項の理科の欄に書いてある

当日の選び直しが自分に許されているかどうかは、手元の2枚の紙で決まります。1枚目は受験票です。令和9年度の受験票は家に届くものではなく、2026年12月4日(金)の10時から自分でマイページを開いて刷る紙です。受験案内の44ページによると、受けられる教科には受験教科名欄に○が、受けられない教科にはハイフンが出て、地理歴史・公民と理科の備考欄には「2科目登録」のように登録した科目数が出ます。試験室の前で迷っている高3がまず思い出すべきなのは、物理と化学の手応えではなく、この備考欄の数字です。理科の備考欄が「1科目登録」なら、今日選べるのは5科目のうちのちょうど一つで、基礎の二つの範囲もその一つに数えます。令和8年度の受験上の注意では、表示が登録した中身と違っていたら、ただちにセンターの事業第1課へ電話するよう求めていました。令和9年度の連絡の仕方は、12月上旬に載る令和9年度版の受験上の注意の「受験教科・科目」の節で読み直してください。

2枚目は、志望校の募集要項です。文部科学省の令和9年度大学入学者選抜実施要項では、募集要項の発表の期限が2026年12月15日(火)と決まっています。受験案内の64ページも、各大学が共通テストで解答させる教科・科目と、その成績の使い方を定めていると書いています。当日に科目を替えたいと思ったとき、それが志望校の入試で通用するかは、センターではなく大学が決める話です。募集要項の理科と地理歴史・公民の欄で読むのは、次の5点です。

5点目には、センターの側の決まりが一つ絡みます。受験案内の63ページは、大学が1科目だけの得点を使う場合に、第1解答科目の得点を優先して使うことがあると書いています。2科目登録の人が当日に解く順を入れ替えると、大学に届く「1科目目」が替わることがあるのです。前半と後半の順の決め方は、特集「共通テストの細かい疑問」の「共通テストの第1解答科目とは—2科目受けるときに先に解く科目で、大学の使い方が変わる」が扱っています。

国公立と私立の共通テスト利用を併せて出すなら、なおさらです。1科目登録の人が当日選べる科目は一つしかありません。出願先が三つあれば三つの欄を並べ、どの欄にも入っている科目を一つ決めておきます。当日に替えた科目が、ある大学の欄に無かったとき、その大学の選抜でどう扱われるかは募集要項しだいで、試験室の前では確かめようがありません。令和8年度の受験上の注意にも、受ける科目について試験当日に監督者へ質問しても答えられないと書かれていました。

最後の材料は、自分の答案です。たとえば、令和7年度と令和8年度の本試験の物理と化学を、それぞれ60分で解いた記録が手元にあれば、最後の大問まで時間内に届いた回数を比べられます。センターの過去3年分の試験問題の頁には令和6年度から令和8年度の問題と正解が載っていますが、新しい学習指導要領による出題は令和7年度からなので、今の物理と化学で比べるなら令和7・8年度の分が軸になります。

前の晩までに、解く科目と順番を紙1枚に決めておく手順

試験室の前で迷う時間を消すには、迷いを前の週に移しておくのがいちばん確かです。手順は4つで、受験票が刷れる12月4日から、2日目の朝までの間に置きます。

  1. 受験票を刷ったら、備考欄だけを別の紙に写す(2026年12月4日から)

受験票が手に入ったら、まず地理歴史・公民と理科の備考欄を読み、「理科 1科目登録」「地歴公民 2科目登録」のように別の紙へ写します。受験票そのものには何も書きません。受験案内は、余白や裏に一言でも書き込みのある受験票を、使えないものとして扱っています。写した紙は、この後の手順で使う下書きになります。

  1. 募集要項の理科と地理歴史・公民の欄を並べ、候補を一つか二つに絞る(12月15日までの発表を待って、年内に)

出願を考えている大学の募集要項を開き、前の節の5点を表にします。大学の名前は自分の紙にだけ書けば足ります。どの欄にも入っている科目に丸を付けると、当日解いてよい科目が浮かび上がります。丸が二つ残ったら、自分の60分の記録で決めます。たとえば物理と化学で同じ年度を1回ずつ解き、時間内に最後の大問まで届いた方、解答科目欄を塗り終えてから見直しまで進めた方を選びます。点の高さだけで決めず、時間内に終わったかを先に見るのは、60分を通して解き切れた科目でなければ、試験室の前の迷いを打ち消す材料にならないからです。

  1. 1月14日(木)ごろ、紙1枚に3行で書く

決めた中身を、紙1枚に3行で残します。1行目は解答科目欄に塗る科目の名前。2行目は解く順で、2科目登録なら第1と第2、基礎を解くなら二つの範囲と、どちらから解くか。3行目は「解答はじめ」の後の最初の動きで、たとえば「解答科目欄を塗る、それから物理の第1問を開く」と書きます。書き上げる日を前の週に置くのは、理科の前の晩にあたる1月16日(土)の夜が、英語のリスニングが18時20分に終わった後の時間だからです。1日目を終えた夜に一から決め直すのは重く、読み返すだけの夜にしておけば、迷いの入りこむ隙が小さくなります。地理歴史・公民は1日目の朝の試験なので、そちらの前の晩は1月15日(金)です。

  1. 1月17日(日)の朝、試験室の前で読み、かばんにしまう

紙は試験室の机には出しません。受験案内は、試験の科目に関係するメモを机の上に置いたり見たりすることを、カンニングとして不正行為に挙げています。廊下で3行を読み、かばんにしまってから入室します。令和8年度の受験上の注意では、理科の入室終了は2科目登録者が9時まで、1科目登録者が10時10分まででした。令和9年度の時刻は12月上旬に出る受験上の注意で確かめ、その時刻の前に3行を読み終える、と決めておきます。「解答はじめ。」の後は、決めた科目のページを開く前に解答科目欄を塗ります。解答科目欄が空だったり二つ塗られていたりすると、科目が特定できず0点となる場合があると、令和9年度の受験案内は書いています。

図2 受験票の備考欄から当日の解答科目欄までの4つの手順

図2は、この4つの手順を日付の順に並べたものです。紙に書く3行の例を一つ挙げると、「理科 1科目登録」「解答科目欄に物理、第1問から順に」「迷ったら秋から通して解いた方」のようになります。保護者の方は、お子さまが書いた3行を前の週に一度だけ読み上げてもらってください。科目の中身に口を出す必要はなく、1行目が受験票の備考欄の数と合っているか、2行目が募集要項の欄と食い違っていないかを、声に出して確かめるだけで足ります。

「理科は当日決めればいい」に潜む3つの思い込み

  1. 「2科目で登録したけれど、苦手な方は当日やめればいい」

できません。2科目で登録した人は、2科目分を合わせた一つの試験時間を受けることになり、第1解答科目だけを解いて途中で退室することもできません。後半の60分を何も書かずに過ごしても、センターは前半を第1解答科目、後半を第2解答科目として2科目分を採点すると書いており、1科目の受験に切り替わるわけではありません。当日に科目を減らす手段は、その試験時間を丸ごと受けないことだけです。取りやめた時間の科目は0点ではなく「受験しなかった」扱いになり、センターへの連絡も要りませんが、その時間に受けるはずだった科目の成績は一つも残りません。

  1. 「冊子を開いてから、易しそうな方を選べばいい」

冊子を開けるのは「解答はじめ。」の後なので、見比べている時間はそのまま60分から削られます。物理の第1問と化学の第1問を5分ずつ眺めれば、それだけで解く時間は50分です。地理歴史・公民の2科目では、当日の乗り換えが組み合わせの決まりにぶつかることもあります。たとえば『歴史総合,日本史探究』と『公共,倫理』で準備してきた人が、当日に日本史をやめて『地理総合/歴史総合/公共』の「地理総合」と「公共」に替えると、「公共」の名を含む『公共,倫理』とは組めません。予定と違う科目を選んだ日ほど、解答科目欄にいつもの科目名を塗ってしまう手の癖にも気をつけたいところです。

  1. 「時間が余ったら、登録していない科目も解いておけばいい」

1科目で登録した人が2科目目を解くことはできず、登録していない教科は解いても採点されません。基礎の範囲を一つだけ解いて終えることもできません。高校で履修していない科目を当日選ぶこと自体は、センターの決まりでは止められていませんが、大学によっては認めていない場合があります。

図3 当日にできる科目の選び直しとできないことの○×表

図3は、試験当日にできることとできないことを○と×で分けた表です。○は二つしかありません。登録した数の中で科目の名前を替えることと、試験時間ごと受けるのをやめることです。どちらも、前の週の紙と募集要項の欄に照らしてからでないと、後から取り返しのつかない選択になります。

確かめる先と聞き方

当日の科目変更で試験室の前に立ち止まらないために、12月から1月に開く先と、そこで読む点を分けておきます。

個別指導で確かめること

物理と化学の答案を同じ年度で並べ、60分で最後の大問まで届いたか、解答科目欄の塗り跡がそろっているかを一緒に見ます。受験票の写しの備考欄と募集要項の理科の欄を机に並べ、2科目登録の人は順を入れ替えたときに大学へ届く得点がどう変わるかも、募集要項の文で確かめます。解答科目欄を塗ってから問題を開く手の順も、模試の答案で毎回そろえ、前の週のうちに3行の紙を書き上げるところまでを授業の時間で進めます。

まとめ

物理と化学を試験室の前で見比べても、増えるのは迷う時間だけで、点は一つも増えません。科目の数は10月の訂正期間で決まっていて、解く科目の名前は募集要項の欄と自分の60分の記録で選べます。2日目の朝にすることは、前の週に自分の字で書いた3行を読んでかばんにしまう、その一つに減らせます。

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