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学校推薦型選抜の定員割れ—入学定員の5割の決まりと、倍率1倍の意味|武蔵野個別指導塾

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推薦の席は入学定員の半分が天井で、国立は総合型と足して数えます。志願者と席が同数の1倍でも不合格は出るので、出願資格と評価方法の欄を先に読んでから、空席の数を見てください。

推薦の席には天井があり、席が余っていても、合格を決める線そのものは動きません。

気になること 決まりと答え
推薦で取れる人数の天井 学部や学科など、募集を分ける単位ごとに、その入学定員の半分まで。附属高校から上がる推薦の人数もこの半分に数える
国立大学の数え方 推薦と総合型選抜の募集人員を足した合計で、入学定員の半分まで
公立大学の数え方 推薦の募集人員だけで、入学定員の半分まで
定員割れなら全員合格か そうとは限らない。合否は、大学が前もって定めて公表した方法と基準で決まる
合格者を募集人員より少なくしない決まり 国公立の一般選抜(前期・後期、公立は中期も)にはあるが、推薦の節には書かれていない

よくあるのは、夜、志望する学科の募集要項を読み進めて、学校推薦型選抜の募集人員の欄に「若干名」の三文字だけを見つける場面です。隣の一般選抜の行にはきちんと数字が入っているのに、推薦の行だけ人数が無い。少ないという意味なのか、誰も出さない穴場なのか。スマートフォンの検索欄に「定員割れ」と打ちかけて、親指が止まります。その迷いは、天井の位置、表の行の分かれ方、合否の決まり方の三つを押さえるとほどけます。

推薦の枠は入学定員の半分まで—国立だけは総合型と合わせて数える

学校推薦型選抜の枠の大きさを最初に縛っているのは、国の決まりです。来年4月に大学へ入る人の入試、つまり2027年度入試(令和9年度)について、文部科学省が2026年5月に各大学へ通知した実施要項は、第8の募集人員の項で推薦の人数に天井を置いています。学部や学科といった募集の単位ごとに、その単位の入学定員の半分が上限で、その内側で何人にするかは各大学が決めます。附属高校の校長が推薦する人もこの半分の中に入れて数えると書かれているので、内部から上がる人が多い学部ほど、外から出す公募の推薦に回せる人数は小さくなりえます。

同じ要項のQ&Aは、この上限がかかる相手を「学校長の推薦がなければ受験できない」選抜だと説明し、本人の意志で出願できる公募型の総合型選抜には人数の制約が無い、と答えています。文部科学省の要項の段階で天井が付いているのは、校長の推薦という関門を通らないと受けられない入試の側だ、ということです。学校推薦型選抜の定員を調べていて総合型の人数のほうが大きく見えても、決まりの上では不思議ではありません。

国立と公立は、それぞれの協会が出した2027年度の実施要領で、もう一段細かく線を引いています。国立大学協会の要領は、推薦の募集人員を、同じ学部・学科の総合型選抜の募集人員と足し合わせて半分以内に収めるという書き方です。公立大学協会の要領は、推薦の募集人員だけで半分以内とし、総合型と足す書き方をしていません。国立で総合型を大きく取っている学部なら、推薦の側に残せる人数の上限は、その分だけ低くなります。

図1のように、入学定員80人の学科で考えると、私立や公立では推薦が40人まで、国立では推薦と総合型を合わせて40人までになります。80人も40人も計算の説明のための数で、実在の学科の人数ではありません。上限が40人だからといって推薦で40人を取るわけでもなく、実際の募集人員はこの範囲の中で大学ごとに違います。

図1 入学定員80人の学科で、推薦に使える上限を国立と私立・公立で比べた図

天井を決める側の事情も、要項は書いています。第8の冒頭は、入学定員は教員の組織や施設、設備を総合して定めたものだとして、大学に「入学定員を著しく超えて入学させない」よう求めています。席の数は、その大学が受け止められる人数として先に決まっている。推薦の上限はその席を入試の方法ごとに切り分ける線であって、受かりやすさの目盛りではありません。

募集人員の表の読み方—「若干名」と、区分ごとに分かれた行

募集人員の表を開いたら、最初に行の単位を確かめます。学科ごとに人数を出す大学もあれば、学部をひとまとまりにして募集し、入学したあとで専攻を選ばせる大学もあります。要項は第8で、学科ではなく学部の単位で募集するような大きなくくりにして、入学後に幅広い分野に触れてから専攻を決められるようにすることを望ましいとしています。半分の上限はこの募集の単位ごとにかかるので、志望する学科の名前が表に見当たらないときは、上の段にある学部の行に含まれていないかを探してください。

次に、推薦の中で行が分かれていないかを見ます。評価のしかたや対象となる人の範囲を区分によって変えるなら、募集人員も区分ごとに分けて示す、というのが要項の第10の決まりです。共通テストを課す推薦と課さない推薦が別の行に立つことがあるのはこのためで、居住地域などの属性で扱いを変える選抜についても、Q&Aは選抜の区分、つまり枠を分けて行うよう求めています。ひとつの行の人数が小さく見えても、推薦全体が小さいとは限りません。逆に言えば、行が分かれている以上、自分が出せる区分の席はその行の数字だけです。

「若干名」は、人数を数字で決めて示していない書き方です。多いとも少ないとも、ゼロに近いとも、その三文字からは読めません。そこからわかるのは、推薦全体の天井が入学定員の半分であることと、その区分の人数を大学が数字で約束していないことの二つにとどまります。前年の入試結果の表を大学が出していれば、その年に何人が合格したかは見られますが、それは過ぎた一年の結果で、今年の席の数を示すものではありません。

最後に、募集人員は大学が予定した席の数で、合格者の数とは別の物だと頭に置いてください。表の数字と結果の数字がずれることは、次の節で見るとおり、決まりの上でも起こりえます。高2の人が去年の表で練習するのはよい準備ですが、来年度(令和10年度)の要項はまだ出ておらず、来年の人数は来年の大学の発表と募集要項で確かめ直すことになります。

定員割れでも全員が受かるとは限らない—倍率1倍の二つの読み方

推薦の志願者が募集人員に届かない。これが推薦でいう定員割れです。そのとき出した人が全員合格するかといえば、そうとは限りません。要項は第13で、合否判定の方法と基準をはっきり定め、前もって募集要項などで公表し、それを守るよう大学に求めています。判定は教授会や入試委員会のような合議の場で行います。合格を決めるのは空いている席の数ではなく、出願より前に示された方法と基準のほうです。

推薦には、そもそも書類だけで合否を決めない決まりもあります。調査書や推薦書に加えて、教科のテスト、共通テスト、小論文や面接、資格・検定のうち少なくとも一つを使うことになっていて、2027年度入試からは面接での評価も原則として行われます。評価の場がある以上、その評価で基準に届くかどうかが問われます。

国公立には、合格者の数をめぐる決まりがあります。国立大学協会と公立大学協会の要領は、一般選抜の前期・後期(公立は中期も)について、合格者の数を公表した募集人員より原則として少なくしない、と定めています。ところが、同じ要領の推薦の節を読み進めても、これにあたる定めは出てきません。推薦では合格者が募集人員より少なく終わる年がありうる、と読むのが素直です。

図2で、倍率1倍の中身を数で追います。図1と同じ入学定員80人の学科で、推薦の募集人員を上限より少ない20人とし、志願者がちょうど20人で、全員が受験して16人が合格したとします。どれも説明のために置いた数です。志願者を募集人員で割れば20÷20で1.0倍、いわゆる倍率1倍の状態です。それでも4人は不合格で、4つの席が推薦では埋まりません。同じ年を受験者÷合格者で割り直すと、20÷16で1.25倍になります。

図2 募集人員20人に志願者20人でも、合格16人で4席が空く例

大学の入試結果の表に、合格者で割った倍率が1.0と載っていたなら、それは受けた人がその年は全員合格したという過去の記録です。翌年の約束ではありませんし、出願資格の条件をくぐり、校長の推薦を受けた人どうしの比であることも変わりません。埋まらなかった席の行方も、全国で一つの扱いに決まってはいません。要項は大学に、入学定員を満たす方法や欠員を補う方法を前もって準備するよう求めていて、その中身は大学が決めます。

「穴場」「受かりやすい」推薦を探す前に見る4つの欄

定員割れの区分を穴場と呼びたくなる気持ちはわかります。ただ、志願者が少ない区分には、少ないなりの理由が募集要項のほかの欄に書かれていることがあります。受かりやすいかどうかを席の数で測る前に、次の4つの欄を順に読んでください。

  1. 出願資格の欄。推薦要件は、大学ができる限り具体的に決めて募集要項で示すことになっています。評定の条件が全体の学習成績の状況なのか特定の教科なのか、卒業見込みの人に限るのか、履修しておくべき科目や資格の指定があるのか。ひとつでも外れれば、席がいくら空いていても出願の入口に立てません。
  2. 評価方法の欄。面接、小論文、教科のテスト、共通テストのどれを使い、どう組み合わせるか。共通テストを課す推薦なら、共通テストの出願は2026年10月2日に締め切られているので、まだ出願していない人がこれから受ける道はありません。準備の重さが、志願者の少なさの正体であることもあります。
  3. 出願の約束の欄。専願か、ほかの大学と併願できるか。専願なら、合格したら入学するという約束を出願の時点でします。推薦で合格して大学と在学契約を結んだ人は、2027年3月31日までの辞退なら授業料などを返すという原則の外に置かれるので、実際の扱いは大学の入学手続の案内で確かめます。
  4. アドミッション・ポリシー。その学部がどんな学生を求め、入学してから何を学ばせるのか。空席の多さは、そこで学ぶ中身が自分に合うかどうかを何も教えてくれません。

もう一つ、大学の説明会などで受験を勧められることがあっても、要項は大学に、勧誘を合格の確約と受け取られないよう注意することを求めています。勧められたことは、合格の約束とは別の話です。去年が定員割れだったという話も、今年の志願者の数までは教えてくれません。

よくある質問

志願者が少なそうな推薦なら、評定が少し足りなくても出せますか

出せません。出願資格の欄の条件は出願の入口の条件で、志願者が多いか少ないかとは関係なく、満たしていなければ出願できません。条件をどの数字で読むか(全体か教科か)を、募集要項の出願資格の欄でもう一度確かめてください。

「若干名」は、何人くらいだと考えればよいですか

何人と決めて示していない書き方なので、表から人数は読めません。大学が前年の入試結果を出していれば合格者の数は見られますが、その年の結果であって今年の席の数ではありません。決まりとして言えるのは、推薦全体が入学定員の半分の内側に収まるところまでです。

推薦で埋まらなかった席は、一般選抜に回りますか

全国共通の扱いとして、要項にそうした定めは書かれていません。要項が大学に求めているのは、定員を満たす方法や欠員を補う方法を前もって準備しておくことで、何をするかは大学が決めます。気になるなら、一般選抜の募集要項と大学の入試の案内で、推薦の結果によって人数が変わる扱いがあるかを確かめてください。

国立の推薦の人数を見るとき、ほかに見る欄はありますか

同じ募集単位の総合型選抜の募集人員の欄です。国立は推薦と総合型を足して入学定員の半分以内に収める決まりなので、総合型の人数を見ると、推薦の席がどう切り分けられたかがつかめます。公立は推薦だけで半分以内という決まりなので、この見方は国立に限った話です。

確かめる順番

高3で、いま出願の時期を迎えている人は、今週のうちに次の順で手を動かしてください。図3は、その順番を一枚にしたものです。

  1. 募集要項の募集人員の表で、志望する募集単位と推薦の区分の行を探し、数字か「若干名」かに印を付けます。国立なら、同じ単位の総合型の行にも印を付けます。
  2. 出願資格の欄で、評定の条件、卒業見込みの条件、科目や資格の指定、専願かどうかを読みます。ひとつでも外れたら、その区分はそこで外します。
  3. 評価方法の欄で、面接、小論文、テスト、共通テストの有無を確かめ、出願の締切から試験の日までに準備が間に合うかを見積もります。
  4. 前年の入試結果の表があれば、区分の名前が今年と同じか、倍率が何で割った数かを確かめてから数字を見ます。
  5. 担任や進路指導の先生に、校長の推薦をもらう手続と高校の中の締切を聞きます。表で読めないことは、大学の入試の窓口に問い合わせます。
図3 穴場を探す前に募集要項を読む5つの順番

高2の人は、志望校の今年の募集要項で同じ5つを一度通しておくと、来年の要項が出た日に読む速さが変わります。数字だけは、来年の発表で必ず確かめ直してください。

個別指導で確かめること

武蔵境の教室では、募集要項の募集人員と出願資格の欄を生徒と並んで読み、評定の条件を手元の成績で計算し直すところから始めます。そのうえで、評価方法の欄に書かれた面接や小論文に合わせて、志望理由書の下書きと面接の練習を組み立てます。国立の推薦なら総合型の行と並べて席の切り分け方を確かめ、高校の中の推薦の締切から逆に日程を引きます。どの区分に出すかを決めるのは本人とご家庭で、教室が見るのは、表の読み違いと書類の食い違いを出願の前に残さないことです。

まとめ

推薦の席には入学定員の半分という天井があり、その下で何人を取るかは大学が決め、合否は前もって公表した方法と基準で決まります。定員割れの区分を見つけたら、空席の数を数える前に、出願資格と評価方法の欄を読みにいってください。「若干名」の三文字に迷った夜ほど、答えは同じ表の上下の欄に書かれています。空いた椅子の数は、合格の線を一ミリも下げません。

読んで終わりにするか、ここから変えるか。

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