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大学4年間の費用—学費と生活費を自宅と下宿で計算する|武蔵野個別指導塾

国立の下宿と私立の自宅は、4年間の平均で約787万円と約786万円でほぼ並びます。家賃の1万円が卒業までに48万円へ膨らむ計算も、自宅と下宿の表に入れて試せます。
大学4年間の費用は、平均で国立の自宅が約509万円、私立の下宿が約1,138万円です。国立の下宿は約787万円、私立の自宅は約786万円で、ほぼ並びます。
| 組み合わせ | 1年の学費 | 1年の生活費 | 入学料 | 下宿の初期費用 | 4年間の総額 |
|---|---|---|---|---|---|
| 国立・自宅 | 707,900円 | 494,700円 | 282,000円 | なし | 約509万円 |
| 私立・自宅 | 1,400,600円 | 504,800円 | 240,365円 | なし | 約786万円 |
| 国立・下宿 | 603,200円 | 1,197,500円 | 282,000円 | 387,000円 | 約787万円 |
| 私立・下宿 | 1,391,100円 | 1,298,000円 | 240,365円 | 387,000円 | 約1,138万円 |
よくあるのは、高3の秋の夜、親子で1台のスマートフォンをのぞき込み、下宿の物件情報を見比べるという場面です。駅から徒歩3分で家賃7万5,000円の部屋と、徒歩12分で6万5,000円の部屋。お子さまは「近いほうがいい」と言い、親は「1万円くらいなら」と言いかけて、そこで黙ります。その1万円が卒業までにいくらになるのか、2人ともまだ計算していないからです。答えは48万円です。
総額は年額を4倍し、入学料と初期費用を足して出します
冒頭の表の計算は単純です。1年の学費と生活費を足して4倍し、入学料を足し、下宿なら初期費用を足します。国立の下宿なら、(603,200円+1,197,500円)×4+282,000円+387,000円=7,871,800円です。
年額は、日本学生支援機構の令和6年度学生生活調査にある大学学部の昼間部の平均です。ここでの学費は授業料だけを指しません。施設費などの学校納付金、教科書代などの修学費、サークルなどの課外活動費、定期代などの通学費まで入っています。入学料は、国立が文部科学省の標準額、私立が文部科学省の調査による令和7年度入学者の平均です。初期費用は、日本政策金融公庫の令和3年度の調査にある、敷金や家財道具の購入費を合わせた入学者1人あたりの平均38.7万円を使いました。

図1で目を引くのは、真ん中の2本がほとんど同じ長さなことです。「国立なら費用は抑えられる」も「自宅なら抑えられる」も、片方だけでは半分の話です。同じ国立でも、自宅と下宿では4年間で約278万円違います。私立では約352万円違います。公立大学は同じ調査で、自宅が年1,067,200円、下宿が年1,750,600円でした。
私立の平均には文系も理系も混ざっています。文部科学省の令和7年度の調査で、授業料と施設設備費を4年間同じ額として入学料を足すと、文科系が約419万円、理科系が約567万円で、約148万円の開きがあります。志望が決まってきたら、平均を使い続けず、大学が公表している学費に置き換えてください。受験料や、併願で納めて戻らないお金はこの表に入っていません。
自宅と下宿の差は、家賃と食費でほぼ説明できます
下宿にすると、1年の費用は国立で598,100円、私立で783,700円増えます。中身を項目ごとに分けたのが図2です。

図2のとおり、増える分の大半は住居・光熱費と食費です。通学費は逆に、国立で92,600円、私立で78,400円減ります。残りは、通信費や衣服、帰省の交通費が入るその他の日常費や、納付金の違いなどです。
ただし、調査の住居・光熱費は全国の平均で、国立が年493,000円、私立が年553,800円です。月にすると4万円台で、物件情報を見ている親子には低く感じるかもしれません。そう感じたら、自分の町の数字に入れ替えます。
例として、家賃7万円、管理費5,000円、光熱水費1万円の部屋なら、月85,000円で年1,020,000円です。調査の平均との差は国立で527,000円、私立で466,200円、4年で約211万円と約186万円になります。総額は国立の下宿が約998万円、私立の下宿が約1,325万円まで上がります。この条件なら、国立の下宿は私立の自宅を約212万円上回ります。
冒頭の1万円の話もここに戻ります。家賃の差は12か月と4年を掛けるだけで、1万円なら48万円です。契約の更新に費用がかかるかは物件情報の備考で確かめ、かかるなら足します。帰省も同じ計算で、往復3万円を年3回なら4年で36万円です。
学生寮を選べるなら数字はまた動きます。同じ調査で国立の学寮は年1,524,700円で、下宿より年276,000円低く、4年で約110万円の差です。定員があるので、募集の時期と条件を大学の案内で確かめてください。
初期費用は入学前に、給付の上乗せは届け出の後に動きます
公庫の調査で、自宅外通学を始める費用の内訳は、25万円未満が32.7%、25万円以上50万円未満が30.7%、50万円以上が36.6%でした。3人に1人強が50万円以上です。2021年の調査なので、いまの物価で同じ額になるとは限りません。
物件情報から自分で出すこともできます。家賃7万円の部屋で、敷金1か月、礼金1か月、仲介手数料1か月、前家賃1か月なら、4か月分で28万円です。平均の38.7万円との差は10万7,000円で、ここに冷蔵庫、洗濯機、布団、カーテン、引っ越しまで入るかを1つずつ数えてください。
難しいのは金額より時期です。合格から入学までの短い間に、入学金、前期の授業料、部屋の契約が続きます。日本学生支援機構の案内は、奨学金は進学前には振り込まれず、入学金などには使えないとはっきり書いています。この時期の支払いは、貯蓄か別の資金で組み立てます。学校によっては入学金などの支払いを猶予する制度があるので、進学先にも聞いてください。
公庫の案内によると、国の教育ローンはアパートやマンションの敷金と家賃にも使えます。自宅外通学の資金にあてるならお子さま1人につき450万円まで、返済は20年以内、金利は固定で年4.60%(2026年11月時点)です。世帯年収の上限があるので、申し込む前に確かめてください。
給付奨学金を使う家庭には、もう1つ大事な手続きがあります。給付の月額は通学の形で変わり、第Ⅰ区分の私立で自宅38,300円と自宅外75,800円、国公立で自宅29,200円と自宅外66,700円です。差の37,500円は4年で180万円になります。
ところが、一人暮らしを始めただけでは自宅外の額になりません。採用時はいったん自宅通学の扱いで、実家からの距離が片道60km以上、時間が片道120分以上、通学費が月1万円以上など、機構の示す目安のどれかに当たる人が、賃貸借契約書の写しをつけて学校に届け出ます。入居した月から3か月以内に出せば入居月までさかのぼりますが、過ぎると提出した月からの変更です。契約書の写しは、入居の日に取っておくのが確実です。
公的調査の平均を読むときの4つの注意
学生生活調査の数字をそのまま家の予算にすると、ずれが出ます。ずれる場所は決まっています。
1つ目は授業料です。調査の授業料は、減額や免除を受けた後に実際に納める額で、全額免除の学生は0円として入ります。国立の下宿の学生の平均が459,100円と、文部科学省の標準額の年535,800円より低く出るのは、この減免が平均に混ざるためと読めます。減免を受けない前提で計算するなら、標準額か大学の公表額を使ってください。
2つ目は入学金です。調査の学校納付金は、入学金など入学の年だけ払うお金を除いています。冒頭の表で別に足したのはこのためです。
3つ目は自宅の生活費です。自宅の学生の食費は外食の分だけで、家で食べる分は入りません。住居・光熱費の欄もありません。私立の自宅の生活費504,800円の外側に、親の家計が負担している食事と光熱費があるわけです。自宅と下宿の差は学生本人の支出の差で、親の家計の差とは一致しません。国立と私立の全体の平均を比べるときも同じで、生活費は私立の761,200円が国立の937,900円より低く出ます。私立は自宅の学生が66.0%で国立の34.5%より多いからだと、調査自身が説明しています。私立なら暮らしが安く済むという意味ではありません。
4つ目は調査の規模と時点です。令和6年度の回収率は15.3%で、有効回答は12,659人でした。公庫の調査は、高校生以上の子どもを持つ保護者4,700人へのインターネット調査です。どちらも平均なので、真ん中の家庭の額とも限りません。費用そのものも動いています。学生生活費の平均は前回の令和4年度の1,824,700円から2,019,100円へ10.7%増え、生活費だけなら17.7%増えました。いま高校生のお子さまが入学する頃は、この表より高いと見ておくほうが安全です。
アルバイトには金額の線と時間の線があります
同じ調査で、アルバイト収入の平均は下宿の学生が年476,000円、自宅の学生が年545,100円でした。月にすると約4万円と約4.5万円で、自宅の学生のほうが多く稼いでいます。「下宿の生活費は働いて賄う」という見積もりは、この数字と合いません。4年分でも476,000円の4倍で約190万円です。
金額の線は、支援を使う家庭ほど大切です。文部科学省の資料によると、2026年の給与収入で住民税が非課税となる水準は119万円以下で、超えると修学支援新制度の支援区分が第Ⅱ区分以下になり、支援額が減ります。多子世帯の「扶養する子ども」に数える線は、19歳以上23歳未満で169万円以下、19歳未満と23歳以上で136万円以下です。19歳以上23歳未満は、親の側で特定親族特別控除の申告が要ります。どちらも2027年10月以降の判定に使う数字で、前の年の収入が後の年の支援を動かします。
日本学生支援機構は、増えた収入より減る支援のほうが大きくなる場合もあると注意を促し、勤労学生控除の申告で区分が変わる例も示しています。手続きは学校では扱えないので、税務署、市区町村の窓口、勤務先で相談します。支援を使わない家庭でも、親の税の控除や健康保険の扶養には別の線があるので、勤務先と税務署で確かめてください。
時間の線も計算できます。時給1,200円なら、年119万円は週に約19時間です。調査では、アルバイトや定職に週16時間以上を使う学生は27.8%、21時間以上は10.9%で、週0時間の学生も19.3%います。授業、実験、卒業研究、就職活動の時間を引いて残る分が本当の限度で、同じ時間を4年間ずっと確保できるとは限りません。
よくある質問
自宅と下宿はどこで線を引けばよいですか
お金の差と時間の差を同じ紙に書きます。片道90分の自宅通学と片道15分の下宿を比べ、週5日、年30週、4年間通うとすると、浮く時間は1,500時間です。4年間の差を割ると、国立の約278万円で1時間あたり約1,850円、私立の約352万円で約2,350円です。この値段で時間を買うかどうかを親子で話すと、気持ちだけの言い合いになりにくくなります。調査では、自宅の学生の52.9%が片道61分以上かけて通っています。
親はどのくらい出しているものですか
同じ調査の家庭からの支援は、年額で国立の自宅が521,800円、私立の自宅が948,200円、国立の下宿が956,900円、私立の下宿が1,440,300円です。4倍すると約209万円、約379万円、約383万円、約576万円で、入学金の分は別です。ここでも国立の下宿と私立の自宅が並びます。公庫の令和3年度の調査では、仕送りは年平均95.8万円で、仕送りなしの世帯も10.0%ありました。
奨学金を借りれば総額は減りますか
貸与の奨学金は支払いの時期を後ろへずらすもので、総額は減りません。第二種のように利息がつくものは増えます。総額から引けるのは給付と授業料等の減免です。扶養する子どもが3人以上の世帯は所得制限なしで減免の対象になり、上限は私立で授業料年70万円と入学金26万円、4年で306万円です。国公立は授業料年54万円と入学金28万円で、4年で244万円です。支援区分は毎年10月に見直されるので、きょうだいの卒業や就職で人数が変わる年は早めに確かめてください。
医学部のように6年通う場合はどう計算しますか
生活費を6倍にし、学費は大学の公表額で6年分を積みます。文部科学省の令和7年度の調査で、私立の医歯系は初年度の授業料、入学料、施設設備費の合計が4,779,143円でした。2年目以降も同じ授業料と施設設備費として6年分を計算すると、約2,323万円です。大学院への進学を考える理系の家庭は、修士の2年分を別の行で足しておくと、後で慌てません。
確かめる順番
図3の順に、今週のうちに1つずつ埋めてください。全部そろわなくても、1枚の紙に書き始めるだけで話し合いが変わります。

- 第1志望の大学まで、実家から片道の時間と定期代を調べます。1時間目に間に合う電車で測ります。
- 下宿するなら、通える町の物件情報から家賃を3件拾い、管理費と光熱水費を足して月額を出します。
- 冒頭の表の学費と生活費を、大学の公表額とこの月額に入れ替えて、4年間の総額を出します。
- 総額を、親が出す分、奨学金、お子さまのアルバイトに分けます。アルバイトの分は年額にして、119万円などの線と週の時間で見直します。
図3の4つが埋まったら、入学前に現金で要る額だけを別の紙に書き出します。入学金、前期の授業料、部屋の契約の3つです。ここに書いた制度と金額は2026年度時点のもので、年度と家庭の状況で変わります。最新は日本学生支援機構、公庫、大学の窓口で確かめてください。
進路の話とつなげる
費用の表ができると、進路の話は「行けるか行けないか」から「どの組み合わせなら行けるか」に変わります。下宿の予算が足りないなら通える範囲の国公立を増やす、私立に絞るなら自宅から通える学校で受験科目を組み直す、という具体的な相談になります。個別指導では、志望校の組み方と、そこへ届くまでの科目ごとの学習計画の相談を受けています。お金の額そのものは家庭で決めていただき、その条件の中でどの学校をどう目指すかを整理します。
まとめ
国立か私立かだけを見ていると、国立の下宿と私立の自宅が同じ額に並ぶことを見落とします。4年間の費用を決めているのは、学校の種類と、その町の家賃と、片道の分数の組み合わせです。物件情報の1万円の差は、卒業の春には48万円の差になっています。
読んで終わりにするか、ここから変えるか。
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