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学校推薦型選抜に受かる人と落ちる人—評定が同じでも結果が分かれる所|武蔵野個別指導塾

合否を割るのは評定の外、書類の食い違いと面接での言い直しと配点どおりの準備です。共通テストを課す国公立の推薦では、2月2日以降に大学へ届く1月の得点も判定に入ります。
評定が同じ2人の合否が割れたのなら、差は評定の外で生まれています。公募推薦を含む学校推薦型選抜は調査書を軸に読む入試ですが、調査書や推薦書の紙だけで合否を出すことを、国の決まりは認めていません。しかも大学は、合否をどう判定するかの方法と基準を前もって募集要項などで公表し、そのとおりに判定します。評定のほかに差がつく所を、決まりの側から拾うと次の4つになります。
| 分かれる所 | 受かる人がしていること | 確かめる場所 |
|---|---|---|
| 3つの書類 | 調査書・推薦書・志望理由書が、同じ1人の姿を描くようにそろえている | 志望理由書の下書きと、担任に渡した材料の控え |
| 面接 | 書いた内容を、問いの角度が変わっても自分の言葉で言い直せる | 募集要項の面接の欄 |
| 試験 | 配点の大きい評価から順に、準備の時間を割いている | 募集要項の選抜方法と配点 |
| 共通テスト(課す推薦) | 書類と面接の準備の間も、1月の試験の勉強を止めていない | 募集要項の共通テストの使い方 |
よくあるのは、12月の合格発表の日の昼休みに、評定平均が小数第1位まで同じだった友人と結果が分かれたと知る場面です。同じ学年で、同じ大学の同じ学科を選び、出願の封筒も同じ週に出した。友人のスマートフォンには合格の2文字があり、自分の画面にはそれが無い。「評定は同じだったのに」と口に出したくなるのは当然です。ただ、その一言の中に答えの半分がもう入っています。評定が同じだった以上、結果を割ったのは評定以外の何かです。その何かを、決まりの側から1つずつ確かめます。
評定がそろったあと、推薦の合否は何で決まるのか
学校推薦型選抜は、高校の校長が「この大学のこの学部で学ぶ力と意欲がある」と判断して推薦し、大学がその推薦と調査書を中心に読んで選ぶ入試です。中心ではあっても、それだけで決めてはいけない。これが2027年度入試(令和9年度)に向けて文部科学省が5月に出した実施要項の立場です。国が大学に求めているのは、評定の平均が載った調査書や推薦書のほかに、判定の材料を最低1つ組み込むことです。材料は、大学が作る教科のテスト、大学入学共通テスト、小論文や面接や実技、英検のような資格・検定の4つから選び、選んだことを募集要項に書きます。この年度からは、志望する学問への意欲や適性を見る面接による評価も推薦で原則として欠かせなくなりました。入学の確約を前提にした非公募型の推薦は大学が要否を決められ、前の年度からある区分で面接をすぐには入れにくいものには2029年度入試までの猶予があるので、面接の有無は募集要項の選抜方法の欄で確かめます。
では、なぜ同じ評定の人どうしが並ぶのか。大学は、重く見る教科を指定し、その評定が一定以上であることを出願の条件にできます。条件が書かれた募集単位では条件を満たした人しか出願できないので、受験者の評定はみなその線より上にあります。評定が近い人が隣に座るのは、入口の仕組みからすれば自然なことです。また、大学は調査書のうち評定の欄だけでなく、総合的な探究の時間や特別活動の記録などほかの欄も生かすよう求められています。評定が同じ2人でも、調査書のほかの欄まで同じ人はいません。
図1のように、評定の条件は入口で受験者をそろえる役目を持ち、その先で書類・面接・試験の3か所の分かれ目が待っています。どの分かれ目をどれだけ重く見るかは、大学が先に公表した判定の方法と基準で決まり、判定そのものは教授会や入試委員会のような合議の場で行うよう要項に書かれています。推薦は何で決まるかわからない入試だ、という見方は、少なくとも決まりの上では当たりません。受かる人の型を探すなら、最初に開くのはその募集単位の募集要項です。

書類で分かれる—調査書・推薦書・志望理由書が同じ人を描いているか
推薦で大学に届く書類は、書く人がそれぞれ違います。調査書は高校が指導要録をもとに作り、校長の責任で出す書類で、本人は1字も書き換えられません。推薦書は校長の名で出る書類です。国の要項は推薦書に、大学のアドミッション・ポリシー(入学者受け入れの方針)に対応させて、これまでの学びと活動をもとに、学力の三要素に照らして本人を評価する文を求めています。三要素は、身に付けた知識と技能、それを使って考え判断し表す力、ほかの人と力を合わせながら自分から学ぶ態度の3つです。推薦書には、努力を要する点など、その後の指導で特に配慮が要ることがあれば、それも書くよう求められています。良いことだけが並ぶ書類ではありません。志望理由書や学修計画書は本人が書く書類で、なぜこの大学に入りたいのか、入ってから何をどう学ぶのか、卒業したあと何を目指すのかを自分の言葉で示します。
大学はこの3枚を、1人の受験者の資料として続けて読みます。困るのは、3枚が別々の人を描いているときです。説明のための例を1つ挙げます。志望理由書には「高2の探究の時間に地域の高齢者の買い物の不便を調べ、福祉の制度を学びたくなった」と書いた。ところが調査書の総合的な探究の時間の欄には班で選んだ別のテーマが載り、担任に渡した推薦書の材料のメモには部活の大会の話しか書いていなかった。どの書類にも嘘はありません。それでも読む側には、志望の筋が3本に割れて見えます。評定がまったく同じ相手が、3枚とも同じ出来事を別の面から書いていたら、差はここでつきます。
図2の3つの円が重なる真ん中が、読む側の確かめたい所です。受かる人は、書く前に「自分を表す出来事」を1つ決め、3枚それぞれにその出来事の違う面を書きます。調査書には記録として、推薦書の材料には高校で見せた姿として、志望理由書には大学で続けたい問いとして書く、という分け方です。順番にも意味があり、動かせない調査書に載る事実を通知表や自分の記憶から先に思い出し、そのあとで動かせる志望理由書と担任への材料を合わせます。志望理由書と担任への材料を別々の週に、別々の人に見てもらいながら作ると、筋はかえって割れやすくなります。

食い違いは紙の上だけでは終わりません。本人の書いた資料を発表などの形で選抜の場でも生かすよう、国の要項は推薦と総合型について特に求めています。書類の割れ目は、面接の場でもう一度表に出ます。
面接と試験で分かれる—言い直せるか、配点どおりに準備したか
文部科学省はQ&Aで、推薦の面接をこう説明しています。評価する人が受験者を直接見て、受験者は質問にその場で応じる。AIによる面接や紙の質問票では、これに代えられない。公平に行うために、複数の評価者で評価する体制を整えることも求めています。ここから言えるのは、暗記した答えがそのまま通る場面は少ない、ということです。質問の角度が少しずれた瞬間に、書類に書いた言葉の外へ押し出されるからです。
受かる人は、志望理由書の中心の一文を、15秒、1分、3分の3つの長さで言い直せます。15秒なら結論だけ、1分なら結論ときっかけの出来事、3分ならそこに大学で調べたいことと卒業後の目標まで足す。長さを変えても中身の芯がぶれなければ、評価する人には「この書類を書いた本人だ」と伝わります。反対に、1つの長さでしか話せない人は、「もう少し詳しく」「一言で言うと」と言われたときに崩れます。
試験の側では、配点の読み方で差がつきます。大学が作る教科のテストを推薦で使う場合も、国の要項とQ&Aが大学に求めているのは、高校の基礎の範囲を問うこと、ほかの評価とつり合う配分にすること、テストの成績に判定の大半を占めさせないことの3つです。2026年度入試では、2月より前のテストの配点が極端に重い推薦や総合型が一部にあり、この決まりを守るよう大学に改めて求める文書が2026年5月に出ています。小論文や口頭試問も、教科の知識を問うだけの形にしてはいけない決まりです。
たとえば、ある募集単位の配点が「書類50点、小論文100点、面接50点」だったとします(読み方を説明するための数です)。合計200点のうち、小論文が半分を占めます。評定が書類の中で採点されるなら、評定の差が動かせるのは多く見ても書類の50点の範囲です。この配点の前で面接の練習ばかりを重ね、時間を計って書いた小論文が1本だけという準備は、点の重さと逆を向いています。出願の書類を出し終えた11月に気がゆるみ、何も書かずに数週間を過ごしてしまう人もいますが、この例ならその間に止まっているのは配点の半分です。
国公立の学校推薦型選抜で受かる人—共通テストを課すなら分かれ目が1月にもう1つ
推薦でも大学入学共通テストを判定に使えます。国公立では、共通テストを課す推薦と課さない推薦とで日程の決まりが違います。国立大学協会と公立大学協会の要領は、課す推薦について、合否の発表の期限を2027年2月10日(水)、入学の手続の期限を同じ月の17日(水)としています。共通テストの本試験は1月の2日間(2027年1月16日の土曜と17日の日曜)です。大学入試センターが大学へ成績を渡し始めるのは2月2日(火)以降で、両協会の要領も、共通テストを課す推薦の成績は2月2日から請求できるとしています。書類や面接などの評価に、1月の2日間の得点を加えてから合否が出る、という順番です。面接がいつ行われるかは、募集要項の日程の欄で確かめます。
課す推薦の分かれ目は、11月から1月までの過ごし方です。面接と小論文の練習に毎日の時間をすべて使い、共通テストの勉強が年末まで止まった人には、1月に取り返す時間がほとんど残っていません。受かる人は、面接の練習の日でも共通テストの演習を1時間は残すような、二本立ての週を組んでいます。
共通テストの点をどう使うかも、募集要項で確かめます。国の要項は、共通テストの成績を、一定の学力の水準に届いたかどうかの判定に主に使う方法なども例に挙げて、使い方の工夫を大学に勧めています。合計点に足し込む型なら1点ごとの重みがそのまま合否に響き、水準を見る型なら、その線を越えたあとは書類と面接の評価で決まる部分が大きくなります。どちらの型かで、1月までの勉強の配分は変わります。
もう1つ、国立大学協会と公立大学協会の要領は、それぞれ、1人が1つの年度に受ける推薦を1つの大学・学部に限っています。国立と公立をまたぐ場合の扱いは書かれていないので、出身高校と大学の募集要項で確かめます。推薦を受けた人も、不合格に備えて国公立の一般選抜に出願できます。課す推薦の成績が大学に届くのは2月2日以降なので、国公立の一般選抜の出願期間(2027年1月25日(月)〜2月3日(水))は、推薦の結果を待たずに始まります。国公立の推薦で受かる人は、絞り込んだ1つの大学の募集要項を最後の行まで読み、そのうえで一般選抜への道も同時に開けておく人です。
「受かりやすい人」の型を疑う理由
推薦について調べると、「評定が高い人」「英検を持っている人」「部活で大きな実績のある人」が受かりやすい、という言い方に何度も出会います。どれも半分は当たって見えますが、決まりと照らすと、そのまま信じると危うい所があります。
評定が高い人について。評定が出願の条件として入口で使われる募集単位なら、くぐった後は全員が条件を満たした人どうしです。その先で評定がどれだけ点になるかは、募集要項の配点を見るまでわかりません。
英検を持っている人について。国の要項は、聞く・読む・話す・書くの4技能を測る資格の活用を大学に勧めています。その一方で、家庭や住む地域の事情で受けにくい人のために、資格を使わない区分を設ける、テストと資格の有利な方を使う、といった手当ても望ましいとしています。資格が出願の条件なのか、加点なのか、得点への換算なのか、使わない区分があるのかは、募集単位ごとに違います。
大きな実績のある人について。国の要項が推薦書に求めているのは、学習歴や活動歴を踏まえた学力の三要素の評価であって、賞の大きさを並べる欄ではありません。地区大会の1回戦で負けた部活でも、その経験から何を考え、大学で何を続けたいのかを3枚の書類と面接で一貫して語れるなら、その経験は評価の材料として書類に載せられます。
先輩が受かった方式なら受かりやすい、という話もよく聞きます。けれども2027年度入試では、面接による評価が原則として加わり、テストの配点の偏りにも国から改めて注意が出ました。去年の体験談は、去年の物差しで測った話です。大学は試験の教科や評価の方法などの基本の事項を年度ごとに決めて発表し、2027年度入試の分は2026年5月27日から7月31日までに出す決まりでした。大学の説明会で「ぜひ受けてください」と声をかけられた、という話も同じで、要項は、大学の受験の勧誘が合格の約束と誤解されないよう大学に注意を求めています。
「推薦で選ばれる人」という言い方もありますが、選ぶ場面は2回あります。高校が推薦を出すかを決める場面と、大学が合否を決める場面です。前の方は高校ごとの決め方なので担任や進路指導の先生に確かめるしかなく、後の方は募集要項に書かれた物差しで決まります。どちらの場面でも、うわさで語られる型は手がかりになりません。
よくある質問
評定が出願の条件ぎりぎりだと、不利になりますか
条件を満たしていれば、出願は受け付けられます。そこから先に評定がどれだけ効くかは判定の方法しだいで、調査書が配点の中で占める重さを、募集要項の選抜方法や評価の方法の欄で読み取ってください。高3の11月に動かせるのは評定ではなく、配点の大きい試験と面接の準備です。
書類をもう出してしまいました。食い違いに気づいたら手遅れですか
出した書類を差し替えられるかは大学の決まりなので、募集要項の出願手続の欄を読み、書かれていなければ大学の入試の窓口に問い合わせてください。差し替えられなくても、面接では書類どうしを自分の言葉でつなぎ直せます。「探究のテーマは班で決めた物でしたが、その中で私が担当したのは」のように、食い違って見える所を自分から説明できるように準備しておけば、割れ目は話の筋に変わります。
面接が苦手です。推薦はやめた方がよいですか
2027年度入試からは面接による評価が推薦でも原則として加わるので、面接を避けて推薦を選ぶ道は細くなりました。ただ、面接の形は1対1の受け答えに限らず、集団討論、プレゼンテーション、口頭試問、オンラインでの実施も含まれ、募集単位によって違います。苦手なのがどの形なのかを先に言葉にし、募集要項でその形かどうかを確かめてから決めてください。
国公立は、共通テストを課す推薦と課さない推薦のどちらが受かりやすいですか
決まりの上からは、どちらが受かりやすいとは言えません。違うのは判定に入る材料と、結果の出る時期で、課さない推薦は2027年1月22日(金)まで、課す推薦は2月10日(水)までに発表されます。同じ募集単位で課さない推薦を先に、課す推薦をあとに置く場合は、前の方で不合格になった人があとの方で改めて推薦を受けることを、両協会の要領は認めています。そうした2段の日程があるかは、志望する募集単位の募集要項で確かめてください。
確かめる順番
図3のように、今週のうちに回せる順に4つを並べました。高2の人は、来年の募集要項がまだ出ていないので、今年の物で形を知るところから始めます。
- 募集要項の選抜方法と配点の欄を開き、評価の項目を配点の大きい順に紙に書き出す。面接の形と、共通テストを使うかどうかも同じ紙に書く。
- 大学のサイトの入試の頁で、公表されている過去の試験問題、小論文のテーマ、出題の意図を探す。大学は2025年4月から入学者選抜についての情報を公表することになっていて、小論文のテーマや口頭試問の内容も公表が望ましいとされています。
- 高校で、担任に渡した推薦書の材料の控えを手元に置き、志望理由書と並べて同じ出来事が書かれているかを照らす。控えが無ければ、何を渡したかを担任に聞いてメモに起こす。
- 自分で、志望理由書の中心の一文を3つの長さで言い直し、配点のいちばん大きい試験を時間を計って1回解く。
共通テストを課す国公立の推薦を受ける人は、5つ目として、1月16日までの週ごとの予定に共通テストの演習の時間を先に書き込み、残った時間に面接と小論文の練習を入れます。

個別指導で確かめること
武蔵境の教室では、志望理由書の下書きと担任に渡す材料のメモを机に並べ、同じ出来事が別の面から書けているかに印を付けます。印を付けた所はそのまま面接の問いに作り替えて答える練習に使い、配点の表からは試験の日までの週ごとの時間の割り振りを決めます。評定の計算や調査書の欄の読み方で迷う所も、手元の通知表と募集要項を見比べながら確かめます。共通テストを課す推薦を受ける人とは、1月までの週の予定表に演習の枠と面接の練習の枠を両方書き込み、どちらかが空いた週を先に見つけます。
まとめ
評定が同じ2人の結果を分けたのは、運でも面接官の好みでもなく、公表された物差しにどこまで準備を合わせたかです。3枚の書類が同じ1人を描き、その1人が面接で自分の言葉で話し、配点の重い試験に時間を注いだかどうか。受かる人の条件は、出願した大学の募集要項の配点の表に、最初から印刷されています。
読んで終わりにするか、ここから変えるか。
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